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ニッキン抄 2024.1.12

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 酒井順子さんの随筆「裏が、幸せ。」は切り口がユニークだ。かつて“裏日本”と呼ばれた日本海沿岸を旅するうち、独特の文化や光景にひかれていく。「控えめだが、大切なものがひっそりと隠されている地」。そんな「裏」の魅力を描く▼冒頭に登場するのが輪島塗の漆器。「まるで生き物のように料理と人の間を、ごく自然に橋渡しします」。植物からとれる塗料を施した器の質感に触れたくだり。魅了される様子が存分に伝わる▼その漆器文化を育んだ土地を地震が襲った。大規模火災が起きた輪島市などで甚大な被害が及んでいる。「道路寸断」「電気・水道の復旧困難」……。多くの方が避難生活を強いられるなか、流れる報道に心が痛む。金融界も預金の払い戻しなど被災者支援に万全を期してほしい▼厳冬下、災害関連死リスクも指摘される。同地に古くから伝わる言葉にある。「能登はやさしや土までも」。気候よ、せめて寒さはストップし、優しい穏やかな風を。


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