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社説 分断回避へ議長国の責任重い

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 6月8、9日、福岡市で主要20カ国(G20)財務大臣・中央銀行総裁会議が開かれる。米中貿易摩擦にみられる保護主義の台頭など、世界経済は不透明感を増している。金融分野でも自国優先の規制導入の動きがあり、分断回避へ議長を務める日本の責任は重い。G20の足並みの乱れは世界経済の大きなリスクだ。日本がリーダーシップを発揮し、萌芽(ほうが)しつつある危機の芽を摘み取る有効策をまとめてもらいたい。6月28、29日に開催されるG20首脳会議に向けても重要な意味を持つ。
 1999年にG20の枠組みが始まって以来、日本が議長国となるのは初めて。麻生太郎財務相は2018年12月、会合へ向け談話を発表。「これまで世界に平和と繁栄をもたらしてきた国際経済秩序や国際協調といった価値は危機に瀕(ひん)している」との認識を示した。この危機意識を共有し、事態打開へ、どこまで20カ国の足並みをそろえられるかが焦点となる。
 ただ、日本が議長となり4月にワシントンで開かれたG20財務相・中銀総裁会議は低調な議論に終わり、その後、米中の関税引き上げがエスカレートした。高まる緊張感を和らげるには、大臣談話にもある「経常収支の不均衡は二国間の貿易上の措置ではなく、国際協力を通じて対処する必要がある」という日本の考えを粘り強く説明し、理解を得ていくしかない。
 金融分野でも金融市場の分断を回避する国際的な連携・協力について議論する。世界的な金融危機の発生から10年超が経過。危機防止へバーゼルⅢの枠組みが整い、順次実行に移されている。一方で、この間、各国独自の規制も導入され、国際的に活動する金融機関の負担が重くなっている。
 過度な規制は、金融機関の活動を阻害するだけでなく、金融システムの安定性を損なう恐れがある。福岡会合を、こうした懸念を払しょくし、国際的に整合性のとれた規制実現を目指す足掛かりとしたい。バーゼルⅢ整備の過程で日本の立場を主張しつつ、議論とりまとめに貢献してきた金融庁、日本銀行の調整力も期待される。2019.5.31


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