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社説 自信持ち経済支える活動を

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 本紙が1991年から提唱する「銀行の日」(7月1日)が近づいてきた。90年代、不良債権問題に端を発し、銀行界には強い逆風が吹いた。超低金利政策の長期化で、今また逆風にさらされている。ただ、国や地方自治体が打ち出す各種施策には銀行の支援を期待したものが目立つ。裏返せば、銀行が頼れる存在である証拠であり、さまざまな取引先を持ち一定の信用を得ているからにほかならない。厳しい経営環境にあることは間違いないが、自信を持って、日本経済・地域社会を支える役割を全うしてもらいたい。
 先日、福岡で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議の関連セミナーで三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行会長が「今後も社会インフラを担う」と述べているように、銀行の本質的な役割は変わらない。
 ただ、人口構造の変化や技術革新は産業界、地域社会にも難しい課題を突き付けている。必要とされる資金を適切に仲介・供給していくことは重要だが、それだけでは解決できない課題が増え、金融プラスαの仲介機能が求められている。人材紹介などはまさにその例だ。
 銀行界が要望するすべてではないにせよ、以前に比べ規制緩和は進んでいる。これまで不可能だった支援が徐々にできるようになっている。2019年度中には金融検査マニュアルも廃止される。新たな銀行像を打ち立てる転換点としたい。
 銀行には優秀な人材が多いという外部の声は少なくない。問題はどこに振り向けるかだ。貸出の量や手数料ばかりを追えば、取引先の課題解決が遠のくだけでなく、行員のやる気までそぐ恐れがある。地域・顧客のための仕事を実感できる働き方を実現させる必要がある。
 今年で29回目を迎える銀行の日は、1893年(明治26年)7月1日の銀行条例施行にちなむ。ニッキンが1991年1月1日号の社説で「より開かれ、より親しまれ、より信頼される銀行」を目指そうと呼びかけ始まった。93年からは「地球にやさしく 顧客に親切」をスローガンに「銀行の日」キャンペーンを展開している。2019.6.21


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