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社説 強化法の延長は妥当だ

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 政府は5月27日に閣議決定した2020年度第2次補正予算案に、22年3月末で期限切れとなる金融機能強化法を4年延長することを盛り込んだ。新型コロナウイルス感染拡大の経済的影響は、どこまで続くか見通せない。先手を打って予防的に延長しておくことは妥当だ。金融機関の資金供給能力が低下すれば、混迷が深まる。08年のリーマン・ショックの際には、期限切れだった同法を急きょ復活させることになり手間取った。
 過去の金融危機と異なり、足元で金融機関の健全性はおおむね維持されている。貸し渋りの声も、ほとんど聞かれない。ただ、先行きは不透明だ。国内だけでなく世界的に感染が収まらないと、経済活動は正常化しない。事態が長期化した場合、不良債権が増え、金融機関の自己資本に影響することも考えられる。
 強化法延長にあたり、政府は東日本大震災時のように金融機関へ経営責任や収益目標を求めない特例を設け、申請のハードルを下げる。仮に自己資本不足から資金供給に慎重にならざるを得ない局面になるなら、金融機関は躊躇(ちゅうちょ)せず申請を検討すべきだ。
 5月20日に独占禁止法の特例法が成立。同一県内でシェアの高い地域銀行同士が合併・経営統合する道も開ける。特例法の背景にあるのは、地域経済の縮小に対して、地域インフラをどう維持していくかだ。コロナ禍で、地域経済の縮小は加速する恐れがある。トップはあらゆる選択肢を検討し、地域経済のためになる判断が求められる。
 一方で、金融庁は強化法や独禁法の特例法を、金融機関に押し付けるような行政は控えるべきだ。また、強化法では現在も4800億円余りの資本支援残高がある。延長後、資本参加する場合、経営責任などを問わない以上、金融庁には回収可能性を含め、適切に監督してもらいたい。2020.6.5


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