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社説 「ウィズコロナ」を支えよ、働き方と存在意義に焦点

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 コロナ禍での社会・経済活動が3年目を迎える。政府や各自治体主導による感染防止対策と国民の日々の努力により、昨秋からは感染拡大に一息ついたものの、新たな変異株が出現。予断を許さぬが、「ウィズコロナ」を前提に個人消費の復活で景気回復に弾みをつけたい。金融界はその下支えの役割を果たすべく、経営体質の強化とデジタル化をはじめとした社会構造の変化に柔軟かつ積極的に対応してほしい。
 2021年12月、経済協力開発機構(OECD)は、世界経済見通しで「経済の回復は続くが成長速度は鈍化する」とし、21年の経済成長率(実質GDP伸び率)を5.6%、22年は4.5%に改定。加えて、拭えないコロナ感染リスクやインフレ、供給制約などによる高い経済の不確実性を併記している。
 一方、日本経済は依然として消費者物価が横ばいで推移し、実質GDPも一進一退を繰り返す展開。いち早い経済回復でインフレ懸念が高まる米欧などに比べ後れを取り、国内主要シンクタンクの22年経済成長率予想は2~3%台にとどまる。国内経済活動の再開に、金融機関が果たす役割と期待は大きい。20年5月の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)で本格化した事業者支援は現在、伴走型の経営支援、事業再生の段階を迎え、その深化を望む。
 地域金融機関には、さらに強靭な経営体質が求められる。長引く超低金利と人口減少など、取り巻く環境は厳しさを増す。こうしたなか、全国各地で地域銀の経営統合や業務提携、持ち株会社設立など動きが活発化。体質強化に向けて一歩踏み出す判断、行動は評価に値する。
 21年11月の改正銀行法施行で、銀行本体や子会社でシステム販売や広告・人材派遣事業などが解禁された。多角化経営を狙いに単独での持ち株会社設立機運が高まる。現在、地銀系では4社設立され、年内に3社が加わる予定だ。新事業を視野に将来の枠組みを描き、地域活性化につなげてほしい。
 改めて当面する課題を整理したい。まず、安定的なシステム基盤の重要性は語るに及ばない。デジタルバンキングやキャッシュレス化が進むなか、信頼の損失は致命的な結果を招きかねない。次にサステナブル経営の実践が試される。環境・社会・ガバナンスに配慮した持続可能な経営とは何か。脱炭素化の取り組みは顧客も含め待ったなしだ。働き方も変わる。新常態下の人事諸制度の開発・導入が急がれる。働き手の満足感、納得感なしに持続可能な真の「存在意義」は見出せない。2022.1.1



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