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社説 米利上げ影響の見極めを急げ

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 新型コロナウイルス危機への対応で大規模な金融緩和を続けてきた米連邦準備制度理事会(FRB)が約2年ぶりのゼロ金利解除を決めた。政策金利を0.25%引き上げ、物価高騰を抑える引き締めに転じる。利上げの加速は新興国からの資金流出や株式などリスク資産の価格変動、円安進行による一段の原材料高などにつながりかねない。多角的な視点で影響の見極めを急ぐ必要がある。
 3月15、16日の公開市場委員会(FOMC)では2022年に計7回の利上げ見通しが示され、最終的に1.75~2%の引き上げが見込まれる。米消費者物価指数が約40年ぶりの高水準となったことへの対応だ。ただ、インフレ率がピークアウトしなければ利上げ見通しがさらに上方修正される可能性も出てくる。
 まず、懸念されるのが投資マネーの新興国離れ。国際金融協会によると1、2月の2カ月連続で中国を除く新興国の債券で資金流出した。米利上げ観測などが背景にあるとみられる。新興国への逆風が強まれば輸出減を通じ、国内経済にも影響が及ぶ。
 緩和マネーで支えられた金融市場への警戒も怠れない。政策金利の予想が2%を超えた場合、「株式や証券化商品、ハイイールド債など高リスク資産の価格調整を促し、金融市場を大きく動揺させる」(エコノミスト)との見方もある。有利な利回りを求めて海外有価証券投資を増やした金融機関はリスク点検が急がれる。想定以上の利上げ局面に備えたい。
 日米の金利差拡大を見越したドル高・円安の進行にも目配りが要る。外為市場では米利上げを受け、6年余ぶりの円安水準となった。既に原材料などの高騰で事業に支障を来している内需型企業には追い打ちとなる。取引先への影響を丁寧に確認し、適切な支援策を講じてほしい。2022.3.25



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