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社説 金利リスク管理の再点検を

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 地域銀行と信用金庫がバランスシート上に抱える円貨金利リスク量が増えている。物価上昇が続き、来春の賃上げ見通し次第ではマイナス金利の解除、その先には利上げを伴う金融政策の正常化が見え始めている。金融機関は早い段階から自らの金利リスクを再点検し、適切なリスク管理に努めてほしい。
 日本銀行が10月20日に公表した金融システムレポートによれば、資産・負債の金利更改期間の差である「デュレーション・ギャップ(コア預金を考慮せず)」を勘案したリスク量は拡大傾向にある。デュレーション・ギャップは金利変動への耐性を示す指標の一つで、その数値が大きければ貸出や有価証券運用で得られる利上げの恩恵が後ずれする。地域銀のギャップは2000年度の1年程度から22年度までに2年程度に延びた。信金は地域銀と同水準だった数値が3年に長期化した。
 大手行を含めた銀行全体の金利リスク量はコア預金を考慮すれば「資産と負債がおおむねバランスした姿」と日銀は分析した。金融機関ごとに見ても自己資本比率と対比した数値は規制上の基準値以内に抑えられているという。ただ、金利リスク量を抑える効果があるコア預金の粘着性は考え方を整理する時期に来ている。インターネットバンキングが普及し、預け替えのハードルが低くなったためだ。
 預金金利の追随率が高い場合を想定した日銀のシミュレーションによれば、利回り曲線が全体的に上方シフトした場合、地域金融機関は5年程度にわたり、資金利益が悪化した状態が続く。市場金利は1%の上昇を想定した。
 金利上昇は金融機関が抱える資産・負債に影響する。利上げは総じて収益にプラスに働くが、リスク管理が甘ければ、その恩恵を取り込みにくくなる。想定外のほころびが生じないとは言い切れない。今のうちに個々のリスク耐性を踏まえ、金利上昇局面を見据えた再点検を徹底してほしい。2023.11.3


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