2025年4月25日号1面 金融庁、地域銀行に早期着手要請、量子計算機時代の暗号対応

2025年4月25日号1面 金融庁、地域銀行に早期着手要請、量子計算機時代の暗号対応

 金融庁は、耐量子計算機暗号(PQC)への移行対応について、地域銀行に早急に着手するよう求める。金融機関の重要システムやサービスは将来的にPQCを実装したものへと移行する必要があるものの、実装には5~10年周期の大規模なシステム更改に合わせて行うことが現実的で、時間的猶予は想定以上に少ないため。同庁は、対応を急ぐよう求めるとともに、検査やモニタリングで対応状況をフォローする方針だ。
 2030年代半ばに実用化が見込まれる量子コンピューターが悪用されれば、…

2025年4月25日号10面 実像 潮目変わる地銀再編、持続可能性に危機感

2025年4月25日号10面 実像 潮目変わる地銀再編、持続可能性に危機感

 地域銀行の再編が新たな局面を迎えている。金融庁は、持続可能な経営モデルをトップに問う対話を開始。合併・経営統合に関する費用を補助する「資金交付制度」の期限延長も視野に入れる。人口減少による地域経済の縮小が現実味を帯びるなか、地域銀行トップの考え方も変化。「地域で資金を循環させるための統合はありだ」(第二地方銀行首脳)など、再編に肯定的な声も聞かれ出した。

 ■交付金制度延長へ
 金融庁は再編を後押しする材料として、「資金交付制度」の延長・拡充も検討する。同制度は、合併・経営統合で生じる勘定系システム統合や店舗統廃合などの費用について、最大30億円を補助するもの。申請期限は2026年3月末。すでに5先の地域銀行グループが利用した。延長期限は、一定要件を満たす銀行などの合併について独占禁止法の適用外とする「独禁法特例法」の廃止期限となる2030年11月を念頭に置く。
 特例法適用第1号は…

 【写真】独禁法特例法適用第1号で発足した青森みちのく銀行(写真は設立セレモニー、1月6日)

2025年4月25日号2面 地域金融機関、中小の支払い遅延警戒、物価高や人手不足影響

2025年4月25日号2面 地域金融機関、中小の支払い遅延警戒、物価高や人手不足影響

 地域金融機関は、中小企業の支払い遅延が増えていることに警戒感を高めている。キャッシュフローが悪化するだけでなく、「各企業は自社の営業担当などを(売掛金の)回収業務に充てなければならず、生産性が下がる」(地域銀行関係者)ことから、取引先企業の経営を圧迫する可能性があるためだ。物価高騰や人手不足で収益の十分な確保が難しくなっていることなどが要因とみられる。
 約50の地域銀や信用金庫の取引先企業に売掛金の保証サービス「URIHO(ウリホ)」を…

2025年4月25日号3面 日証協方針、「多要素認証」を義務化、サイトで社名公表へ

2025年4月25日号3面 日証協方針、「多要素認証」を義務化、サイトで社名公表へ

 日本証券業協会は、フィッシング詐欺などによる証券口座の不正取引被害拡大を受け、顧客に対して「多要素認証」の義務化を証券会社に要請した。ログイン時の多要素認証を必須とする証券会社をウェブサイトで公表する予定。同意を得た証券会社の社名を掲載する見通しで、被害防止に向けた緊急対応を求める。
 初回公表後も、同意した証券会社名は順次追加する。対応時期は明確化しない…

【写真】不正取引対策の方針を説明する森田会長(4月16日、日証協)

2025年4月25日号4面 地域銀行、枠組み作りJクレ創出へ、環境価値を経済価値に

2025年4月25日号4面 地域銀行、枠組み作りJクレ創出へ、環境価値を経済価値に

 地域銀行が、地元のJ‐クレジットの創出に向けたプロジェクトの構築に乗り出している。住民や取引企業が生み出した環境価値を経済価値に変換する動きを後押しすることで、地域で進む脱炭素関連の取り組みを持続的にする狙いがある。中国銀行と山陰合同銀行は、脱炭素コンサルティング事業を手がけるバイウィル(東京都)と連携した枠組みを始動させた。
 中国銀は「ちゅうぎんカーボンクレジットクラブ」、山陰合同銀は「ごうぎんJ‐クレジットクラブ~『みんなでJ‐クレジットつくっちゃおう!』プロジェクト」を…

人事施策

2025年4月18日号5面 群馬銀行、育休代行部隊を新設、営業店へ最長1カ月派遣

2025年4月18日号5面 群馬銀行、育休代行部隊を新設、営業店へ最長1カ月派遣

 群馬銀行は、育児や介護を理由に休業する営業店行員の代務を担う「営業店サポート部隊」を新設。4月から試行で派遣を開始した。育児・介護のための休業制度を使いやすくするのが狙い。同行が力を入れる夫婦での「共育て」実現に向けた両立支援を強化する。
 営業店サポート部隊の支援申請者は、行内専用フォームから2週間前までに…

2025年4月18日号10面 特集 【本紙調査】主要金融機関の2025年度採用実績

2025年4月18日号10面 特集 【本紙調査】主要金融機関の2025年度採用実績

 3年連続増・1万3910人
 銀行・グループ(G)と大手信用金庫の2025年度新卒採用者数が3年連続で増加した。主要機関の新入行職員は計1万3910人となり、2024年度の1万2541人から10.9%増加した。6割に当たる97機関が2024年度より新卒採用者を増やし、コロナ禍前の2019年度実績と同水準の1万3千人台に回復した。業態を越えて採用競争が激化するなか、「金利ある世界」に向けて営業力を強化する狙い。本紙が大手行・G、地域銀行・G、預金量上位50信金(2025年1月末)の計152機関を調査した。
 全業態で新卒採用人数が増え、大手行・Gが2024年度比8.8%増の3297人、地域銀・Gが9.8%増の7785人…

 【写真】りそなグループ入社式であいさつする南昌宏社長(4月1日、明治記念館)

2025年4月18日号17面 筑邦銀行の林執行役員、働きながら博士号、事業承継テーマに論文

2025年4月18日号17面 筑邦銀行の林執行役員、働きながら博士号、事業承継テーマに論文

 【福岡】筑邦銀行でコンサルティング本部長を務める林昭信執行役員(51)は3月、関西大学大学院で事業承継とリスクマネジメントに関する論文をまとめ、博士号を取得した。働きながらの論文執筆や学会発表、学費の負担など楽な道のりではなかったが、銀行の後押しもあり無事に修了。論文執筆の出発点となったのは、中小企業のM&A(合併・買収)に対して抱いていた「承継後の企業を存続させたい」との思いだ。
 福岡支店(現福岡営業部)勤務の2016年、MBA取得のため九州大学大学院に入学。学費や交通費を銀行が負担する支援制度を使い…

 【写真】学位記を持つ林昭信執行役員(4月2日、筑邦銀行本店)

2025年4月11日号16面 全労金、2025年春闘、「5%」賃上げ獲得、男女格差是正に注力

2025年4月11日号16面 全労金、2025年春闘、「5%」賃上げ獲得、男女格差是正に注力

 全国労働金庫労働組合連合会(全労金、14単組、組合員9千人、深見正弘委員長=東海労金労組)は2025年春闘で、24年実績を超える賃上げを獲得した。正職員は、春闘方針で決めた賃金改善目安「5%」近い水準となり、「要求通り」の回答を得たのは前年より2先増の5単組に上った。男女間賃金格差の縮小・解消にも注力した。
 正職員の引き上げ幅は、定期昇給を含めた加重平均で1人1万4450円(4.9%)で、24年比300円増えた。全単組が基本給を底上げするベースアップで有額回答を引きし…

2025年4月11日号17面 金融機関、全国で入社式、新人企画やビジカジも

2025年4月11日号17面 金融機関、全国で入社式、新人企画やビジカジも

 4月1日、全国の金融機関で一斉に入社式が開かれた。新入行員がビジネスカジュアル姿での参加や、入行式の企画・運営を務めたりする新たな試みも見られた。トップらは「金利ある世界」を踏まえ、挑戦する気持ちや変革志向の大切さを呼びかけた。
 入行する70人が明るいグレーやベージュの服に身を包み、華やかな雰囲気のなかで開いたのは阿波銀行。同日から対象を全行員に拡大したビジカジを入行式に初めて取り入れた。多様性の尊重や自主性の醸成を通じて…

 【写真】役員や新入行員がビジカジで参加した阿波銀行の入行式(4月1日、阿波銀行本店)

2025年4月4日号16面 新連載 先輩の学び術ルーティンを盗め (1)清水銀行・松岡夏子さん

2025年4月4日号16面 新連載 先輩の学び術ルーティンを盗め (1)清水銀行・松岡夏子さん

 弱点に照準・徹底復習
 【静岡】資格取得の勉強で得た知識を生かすため「お客さまとの接点を作る声かけを意識している」と話す清水銀行梅田町ブロックの松岡夏子さん(2020年入行、27歳)。ブロック内の梅田町・緑が丘・矢部支店で窓口テラー業務と預かり資産販売を担当。提案活動する日々だ。
 預かり資産担当になった3年目からFP2級の取得を志す。知識習得には…

 【写真】来店客への声かけを大事にし、提案につなげていく松岡夏子さん(3月13日、清水銀行梅田町支店)

2025年3月28日号8面 特集 地銀人材バンク10年、就業継続・人手確保に

2025年3月28日号8面 特集 地銀人材バンク10年、就業継続・人手確保に

 全国62行の地方銀行が連携し、配偶者の転勤などで離職せざるを得なくなった行員を転居先の銀行に紹介する「地銀人材バンク」。4月に発足から10周年を迎える。行員のキャリア継続を支援するとともに、人手不足が深刻化するなかで貴重な人材確保に資すると考えられ、多くの地銀が活用する。事務局の千葉銀行と実際に利用した3人にメリットや課題などを聞いた。

 ■シニアにも対象拡大
 「地銀人材バンク」は2015年4月1日に地銀64行(当時)で組織する「輝く女性の活躍を加速する地銀頭取の会」の活動の一つとして運用を開始。当初は…

2025年3月28日号16面 金沢信金、法人営業に女性登用、企業風土転換で活躍促進

2025年3月28日号16面 金沢信金、法人営業に女性登用、企業風土転換で活躍促進

 【金沢】金沢信用金庫(金沢市、広岡克憲理事長)は女性職員の法人営業担当への登用を活発化している。2023年度に、女性職員の法人営業担当への転換を入庫5年目からだったものを2年目からに短縮。法人営業担当全40人のうち、女性比率は5%程度から27%まで急増した。女性が活躍しやすい企業風土への転換も進め、さらなる活躍を促す。
 背景にあるのは、新卒採用の女性比率上昇だ。営業力を上げるためには女性職員の活躍が必要不可欠。法人担当への転換を…

 【写真】取引先の新日本ツーリスト・堅田芳弘社長(右)と情報交換する野々市支店の女性行員(中央)と坂本貴一支店長代理(2月28日、石川県野々市市)

法令制度政策

2025年4月25日号1面 金融庁、地域銀行に早期着手要請、量子計算機時代の暗号対応

2025年4月25日号1面 金融庁、地域銀行に早期着手要請、量子計算機時代の暗号対応

 金融庁は、耐量子計算機暗号(PQC)への移行対応について、地域銀行に早急に着手するよう求める。金融機関の重要システムやサービスは将来的にPQCを実装したものへと移行する必要があるものの、実装には5~10年周期の大規模なシステム更改に合わせて行うことが現実的で、時間的猶予は想定以上に少ないため。同庁は、対応を急ぐよう求めるとともに、検査やモニタリングで対応状況をフォローする方針だ。
 2030年代半ばに実用化が見込まれる量子コンピューターが悪用されれば、…

2025年4月18日号8面 東証、子会社化規則を厳格化、MBO時の少数株主保護

2025年4月18日号8面 東証、子会社化規則を厳格化、MBO時の少数株主保護

 東京証券取引所は、7月をめどにMBO(経営陣が参加する買収)やグループ会社による完全子会社化についての規則を厳格化する。「少数株主にとって不利益でない」という意見を、独立社外取締役など利害関係がない者から入手して適時開示することを義務付ける。少数株主を保護することが目的だ。
 現在は支配株主による完全子会社化においてだけ、少数株主にとって不利益でないことに…

2025年4月11日号2面 金融庁、「資金交付制度」延長へ、条件面拡充も検討

2025年4月11日号2面 金融庁、「資金交付制度」延長へ、条件面拡充も検討

 金融庁は、地域金融機関の合併・経営統合に関する費用を補助する「資金交付制度」の期限延長を検討する。独占禁止法の特例法の廃止期限である2030年11月を念頭に、5年程度延長する方向だ。対象経費の拡充も視野に入れる。同制度の延長を盛り込んだ金融機能強化法改正案が、26年の通常国会に提出される見通し。地域銀行などでは、制度延長を機に再編機運が高まる可能性もある。
 同制度は、21年5月成立の改正金融機能強化法に…

2025年4月4日号3面 金融庁、貸金庫不正防止へ指針改正、マネロン対策で現金除外

2025年4月4日号3面 金融庁、貸金庫不正防止へ指針改正、マネロン対策で現金除外

 金融庁は、大手行などで発生した貸金庫の窃盗事案を受け、監督指針を改正する。3月27日に公表した改正案では、マネーロンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT)の観点から、貸金庫規定の格納物の範囲に、現金を含む「リスクが高いと考えられる物品等」の除外などを監督上の着眼点に盛り込んだ。今回の改正により、金融機関には貸金庫規定の見直しや利用顧客への周知徹底が求められることになる。
 監督指針に貸金庫業務が明記されるのは初めて。顧客が貸金庫を契約・利用する際、…

2025年4月4日号14面 新連載 企業価値担保権が創造する新たな中小企業金融の世界 (1)

2025年4月4日号14面 新連載 企業価値担保権が創造する新たな中小企業金融の世界 (1)

 事業性融資推進法の理念と意図を理解する
 昨年6月に「事業性融資推進法」が公布され、「企業価値担保権」が創設されました。本法の施行まで残すところ1年余りです。本連載では、「企業価値担保権」が日本の中小企業金融をいかにして再生し得るのかを論考します。第1回は、「事業性融資推進法」の理念と意図について解説します。

2025年3月28日号1面 金融庁、コア預金モデル検証要請、金利上昇データ不足懸念

2025年3月28日号1面 金融庁、コア預金モデル検証要請、金利上昇データ不足懸念

 金融庁は、金融機関の金利リスク管理で、「コア預金モデル」の検証を求めていく。国内では過去の金利上昇局面が限られており、データが十分に蓄積されていないため。今後の金利上昇局面でデータが蓄積できた段階で、モデルの妥当性を自ら検証してもらい、必要に応じて改善を求める。
 コア預金モデルは、流動性預金のうち、実際には引き出されずに長期間滞留する「コア預金」について、…

2025年3月21日号2面 日銀が考査方針、信用・市場リスク管理点検、段階的利上げ局面踏まえ

2025年3月21日号2面 日銀が考査方針、信用・市場リスク管理点検、段階的利上げ局面踏まえ

 日本銀行は2025年度の考査で、段階的な利上げ局面を踏まえた信用・市場リスクの管理体制を重点的に点検する。地域銀行や信用金庫が、取り組みを加速する不動産関連融資や越境貸出では、入口審査・中間管理姿勢をヒアリング。有価証券運用に関しては、損失限度枠管理の実効性やリスク許容度の把握状況を24年度より踏み込んで確認する。人口減少・少子高齢化に直面する地域経済を念頭に置いたビジネスモデルの持続可能性についても対話を深める。
 信用リスクに関しては、増勢が続く不動産関連融資やストラクチャードファイナンス(ストファイ)、越境貸出の…

2025年3月14日号1面 金融庁、越境貸出の検証求める、不十分な実態把握を危惧

2025年3月14日号1面 金融庁、越境貸出の検証求める、不十分な実態把握を危惧

 金融庁は、地域銀行に対して地元以外で融資する越境貸出や大手行が債権者に含まれる融資の与信管理態勢について改めて検証するよう求める。同庁の分析で、大手行や有力地銀が融資していることを理由に、実態把握が不十分なまま融資したと認められる事例が確認されたため。粉飾事案を助長する可能性があるとして、注意喚起している。
 東京圏を中心に地域銀の越境貸出は増える傾向にある。同庁は1月下旬、…

経営

2025年4月25日号10面 実像 潮目変わる地銀再編、持続可能性に危機感

2025年4月25日号10面 実像 潮目変わる地銀再編、持続可能性に危機感

 地域銀行の再編が新たな局面を迎えている。金融庁は、持続可能な経営モデルをトップに問う対話を開始。合併・経営統合に関する費用を補助する「資金交付制度」の期限延長も視野に入れる。人口減少による地域経済の縮小が現実味を帯びるなか、地域銀行トップの考え方も変化。「地域で資金を循環させるための統合はありだ」(第二地方銀行首脳)など、再編に肯定的な声も聞かれ出した。

 ■交付金制度延長へ
 金融庁は再編を後押しする材料として、「資金交付制度」の延長・拡充も検討する。同制度は、合併・経営統合で生じる勘定系システム統合や店舗統廃合などの費用について、最大30億円を補助するもの。申請期限は2026年3月末。すでに5先の地域銀行グループが利用した。延長期限は、一定要件を満たす銀行などの合併について独占禁止法の適用外とする「独禁法特例法」の廃止期限となる2030年11月を念頭に置く。
 特例法適用第1号は…

 【写真】独禁法特例法適用第1号で発足した青森みちのく銀行(写真は設立セレモニー、1月6日)

2025年4月25日号2面 地域金融機関、中小の支払い遅延警戒、物価高や人手不足影響

2025年4月25日号2面 地域金融機関、中小の支払い遅延警戒、物価高や人手不足影響

 地域金融機関は、中小企業の支払い遅延が増えていることに警戒感を高めている。キャッシュフローが悪化するだけでなく、「各企業は自社の営業担当などを(売掛金の)回収業務に充てなければならず、生産性が下がる」(地域銀行関係者)ことから、取引先企業の経営を圧迫する可能性があるためだ。物価高騰や人手不足で収益の十分な確保が難しくなっていることなどが要因とみられる。
 約50の地域銀や信用金庫の取引先企業に売掛金の保証サービス「URIHO(ウリホ)」を…

2025年4月18日号1面 地銀、「再生人材」確保急ぐ、他行の定年退職者採用も

2025年4月18日号1面 地銀、「再生人材」確保急ぐ、他行の定年退職者採用も

 地方銀行で、取引先の事業再生を担える人材の確保が課題になっている。足元では、倒産件数の増加に加え、経営難に陥った企業を他の事業会社などが承継して再建を目指す「スポンサー型再生」の案件も増加。一部地銀では再生支援担当部署の拡充に着手し、中途採用も含めて人員増強に動いている。
 金融庁が2023事務年度に行った調査によると地域銀行の経営改善支援専門部署の行員数は…

2025年4月11日号5面 地域銀行、TNFD開示拡大、2025会計年度に7先へ

2025年4月11日号5面 地域銀行、TNFD開示拡大、2025会計年度に7先へ

 地域銀行で、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言に沿った情報開示が広がる。2024年度の有価証券報告書や統合報告書に掲載したしずおかフィナンシャルグループ(FG)と九州FGを含め、25会計年度には計7行以上に拡大する見込みだ。
 地域銀のTNFD対応を巡っては、23年9月のTNFD最終提言の公表などを背景に、…

2025年4月11日号10面 改革の旗手 井藤英樹・金融庁長官、最も合理的な資産形成を

2025年4月11日号10面 改革の旗手 井藤英樹・金融庁長官、最も合理的な資産形成を

 新しい少額投資非課税制度(NISA)の拡充や金融経済教育推進機構(J-FLEC)の創設をはじめ、政府が推し進める「資産運用立国」の制度設計に深く関与してきた。社会情勢の変化を踏まえ合理的な施策を次々と打ち出してきたが、その裏側には“霞が関”流の思考術があった。

 ■“顧客本位”根付かせる
 これまでに携わった数多くの法制のなかで、最も意義のあるものとして挙げたのは、販売会社や企業年金などに対し…

 【写真】井藤英樹・金融庁長官

2025年4月4日号1面 2%への覚悟(上)債券全面安の試練に直面、切望した「金利ある世界」

2025年4月4日号1面 2%への覚悟(上)債券全面安の試練に直面、切望した「金利ある世界」

 日本銀行が金融政策の正常化に舵(かじ)を切って1年がたった。「マイナス金利」解除とともに、短期金利の誘導を通じて物価や経済を操る「普通の金融政策」(植田和男総裁)に回帰し、1月には3年連続となる高水準の賃上げを見込んで二度目の追加利上げに踏み切った。金融界が切望してきた「金利ある世界」の色は濃くなり、先行して駆け上がる長期金利(10年国債利回り)は「2%」を視野に入れ始めた。半面、全面安に傾いた保有債券の含み損は急膨張。国内収益に頼る地域金融機関では、有価証券運用に頼らない経営モデル構築に向けた決断を迫られている。

■“備え”への甘さが露呈
 金利敏感セクターの代表格である不動産業。大手デベロッパーの首脳は、年率2%超のインフレ局面に…

2025年3月21日号19面 金融界、サロン破綻警戒、消費者庁が初注意喚起

2025年3月21日号19面 金融界、サロン破綻警戒、消費者庁が初注意喚起

 美容医療や学習塾など前受金ビジネスで経営破綻トラブルが相次いでいる。消費者庁は2月下旬、倒産後の返金を担保する「前受金保全措置」の有無を消費者に確認するよう初めて注意喚起した。ただ、同庁が保全策として期待する保証委託契約を結ぶ事業者は少なく、金融界でも実効性に疑問の声があがる。脱毛サロン業界などは競争激化で経営環境が厳しさを増すなか、顧客を保護する仕組みが急がれる。
 東京商工リサーチによると、エステティック業の倒産件数は2024年1~11月で99件と過去最多になった。学習塾の倒産件数と負債総額も…

 【写真】消費者庁が作成したチラシ

2025年3月14日号15面 特集 都内信金、若年層を囲い込め、メイン化進め預金確保

2025年3月14日号15面 特集 都内信金、若年層を囲い込め、メイン化進め預金確保

 東京都内全23信用金庫の2024年9月末預金量は28兆6527億円。前年同月末比2514億円減った。大手行は若年層を中心に預金の推進を強化しているが、高齢者取引の多い信金が子供やその親などの若年層をいかに囲い込むかは喫緊の課題だ。全国銀行協会のアンケートでは信金や信用組合に預金口座を持つ人の割合が最も低いのは男女とも18~29歳。都市銀行への相続預金流出に加え、金利の復活もあり長期取引につながる若年層のメイン口座を獲得する必要性が一層増している。そこで、都内3信金の接点拡大策をみた。加えて、若者に対する信金の訴求策を大学生に聞いた。

 ■学生に聞く利用促進策、対面で給振口座の獲得を
 どうしたら若者に信金を利用してもらえるのか。多摩大学で金融機関などを幅広く研究する長島剛教授のゼミ生3人に聞いた。うち2人は4月に都内信金に入庫する。もう1人は3年生で…

 【写真】若者に信金をアピールする手法を考える多摩大の学生(1月16日、多摩大学)

手数料

2024年11月15日号11面 生保、外貨保険手数料見直し、1年目の料率は約半分

2024年11月15日号11面 生保、外貨保険手数料見直し、1年目の料率は約半分

 生命保険会社は2025年4月から、外貨建て一時払い保険などの販売手数料を見直す。販売1年目の手数料率は約半分に引き下げ、次年度以降の料率を引き上げる。現在の手数料体系は1年目の手数料を高めに設定する「L字型」が主流だが、来春以降はよりフラットに近いL字型になる。銀行などの販売会社に対し、保険契約者へのアフターフォローを促す動機づけとなる。
 生保各社は、具体的な手数料率の公表を控えている。…

2024年11月8日号1面 地銀など指定金、手数料徴収は道半ば、「ゼロ円」地公体 約4割

2024年11月8日号1面 地銀など指定金、手数料徴収は道半ば、「ゼロ円」地公体 約4割

 地方銀行など指定金融機関が税・公金収納業務の手数料徴収をめぐり、地方公共団体と交渉していた最新結果が明らかになった。窓口収納にかかるコストに対し、徴収している金額はいまだかい離があった。約4割の地公体で「ゼロ円」となっており、交渉の難しさが浮き彫りになった。
 全国銀行協会が、8月に実施した会員行への調査結果を…

2024年8月30日号1面 金融庁、外貨保険手数料にメス、生保の見直し状況検証

2024年8月30日号1面 金融庁、外貨保険手数料にメス、生保の見直し状況検証

 金融庁は、生命保険会社が金融機関代理店などに支払う外貨建て保険販売手数料体系の見直し状況を検証する。生命保険協会が4月に改正した同保険に関連するガイドライン(指針)への対応の進捗(しんちょく)度について、フォローアップを近く開始する。銀行窓販チャネルを主力とする生保8社が対象。指針改正を受け、各社は2025年4月をめどに手数料体系を見直す方向で最終調整しており、同庁もその動向を注視する。(関連記事3面)
 同庁は4月、…

2024年7月19日号1面 地銀など指定金、「振込手数料」交渉を継続、事務コスト負担で隔たり

2024年7月19日号1面 地銀など指定金、「振込手数料」交渉を継続、事務コスト負担で隔たり

 指定金融機関を務める地方銀行などは、地方公共団体と公金業務に関する手数料交渉を継続している。10月から公金振り込みに適用される内国為替制度運営費については、総務省が地公体の費用負担分(1件当たり62円)に対し、地方交付税の措置を講じることを決めており、指定金の事務コストの上乗せ額が争点だ。いったん合意したという地銀の関係者は「当初の提示金額と隔たりがあり、交渉を続ける」として長期戦も覚悟する。
 内為運営費は、振り込みを受け付けた仕向け銀行(指定金)から…

2024年3月29日号4面 百五銀行、公金手数料交渉が進展、三重県全自治体で有料化

2024年3月29日号4面 百五銀行、公金手数料交渉が進展、三重県全自治体で有料化

 【名古屋】百五銀行は、三重県内の地方自治体全30先で「公金手数料」の有料化が実現するめどが立った。公金の窓口収納や振込に関して自治体からの手数料を有料化する方向で地域銀行が交渉しているが、県内の全自治体が同じ手数料で一挙にまとまる好事例と言えそうだ。
 提案先は三重県と29市町。このうち指定金融機関は18先。振込1件当たりの手数料は、…

2024年2月16日号3面 総務省、内為運営費に交付税、地公体負担を軽減

2024年2月16日号3面 総務省、内為運営費に交付税、地公体負担を軽減

 総務省は、公金振り込みへの内国為替制度運営費の適用によって増える地方公共団体の負担を、地方交付税で軽減する。2024年度から、負担増加分に相当する金額を上乗せして交付する方針を固めた。地公体は指定金融機関に支払う手数料の財源を確保しやすくなり、負担を求める金融機関にとっても追い風になりそうだ。
 1月末までに、自治財政局財政課が負担分を地方交付税に上乗せする方針を各地公体に通知した。交付税は自治行政に求められる経費と不足分を…

2023年12月1日号1面 地域銀、公金手数料で合意相次ぐ、200団体が引き上げ承諾

2023年12月1日号1面 地域銀、公金手数料で合意相次ぐ、200団体が引き上げ承諾

 指定金融機関を務める地域銀行が、手数料引き上げ交渉で地方公共団体と相次ぎ合意している。関係者によると、十数行の地方銀行が公金振り込みに関する経費負担の見直しで、200近くの地公体から承諾を得たという。全国の地公体数は1700超。2024年10月から公金振り込みに適用される内国為替制度運営費(内為運営費)をめぐり、全国的に交渉が大詰めを迎えている。
 内為運営費は、仕向け銀行から被仕向け銀行に対して支払われる費用で、1件当たり62円。民間取引には21年10月から適用済みだが…

2023年11月24日号1面 地銀、税・公金収納で交渉増、コンビニから値上げ要請

2023年11月24日号1面 地銀、税・公金収納で交渉増、コンビニから値上げ要請

 地方銀行が、大手コンビニエンスストアから税・公金に関する収納手数料の引き上げ要請を受けていることがわかった。複数の関係者によると、各地銀を通じて地方公共団体向けにコンビニ収納サービスを提供する地銀ネットワークサービス(CNS)に対して、コンビニ側から手数料引き上げの意向が示されたという。CNSスキームではコンビニへの手数料は、回収業務を委託した地公体が最終的に負担する。料金を改定する場合、指定金融機関の各地銀が窓口となって、地公体の承諾を得る必要がある。
 CNSのコンビニ収納は、利用者がバーコードの印字された住民税や固定資産税などの払込取扱票をレジに持ち込み、納税する仕組み。受け付けは…

ネット・システム

2025年4月25日号5面 三井住友FG、法人版オリーブ始動、3年で預金3兆円

2025年4月25日号5面 三井住友FG、法人版オリーブ始動、3年で預金3兆円

 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、5月に法人向け総合金融サービス「Trunk(トランク)」を開始する。同社の個人向けサービス「Olive(オリーブ)」の仕組みを活用し、小規模・零細を含めた多様な企業に口座や決済に関連する機能を一気通貫で提供する。人手を介さないデジタルサービスで、メガバンクのメインターゲットではなかった中堅未満の企業との接点を生み出す。リリースから3年で法人口座30万口座、約3兆円の預金獲得を目指す。
 Trunkは銀行口座に加え、経理業務やビジネスカード、ファイナンスを一つのサービスで…

【写真】会見で新サービスの狙いを語る三井住友FGの中島社長(4月15日、東京都内)

2025年4月25日号6面 城南信金、共同開発AIを全国へ、他信金から照会多数

2025年4月25日号6面 城南信金、共同開発AIを全国へ、他信金から照会多数

 城南信用金庫(東京都、林稔理事長)は、東京大学松尾研究室発のスタートアップneoAI(東京都)と共同で開発した生成AI(人工知能)を全国の信用金庫に広げていく。信金業務に特化しているのが特徴で、導入以降多数の照会があったことから、同社を通じた提供を進める。
 同信金は2024年10月にneoAIと提携。生成AI「neoAI Chat for しんきん」を共同で開発…

【写真】生成AIアシスタント作りを学ぶ職員ら(本店)

2025年4月25日号8面 特集 Techで変える(1)

2025年4月25日号8面 特集 Techで変える(1)

 あらゆる業種で人手不足感が強まる昨今。金融業界も例外ではなく、日本銀行の3月短観によると金融機関の雇用人員判断DIはマイナス36と大幅な不足超にある。人手不足を克服し顧客サービスの充実、収益力強化を実現するには、進化するデジタル技術やAI(人工知能)を活用して既存業務のあり方を変えていく必要がある。本シリーズ(全6回予定)では、最新技術を使って、効率化や生産性向上に取り組む金融機関の事例を紹介していく。1回目は、岩手銀行と宮崎銀行の生成AI活用事例を取材した。なお、本シリーズは毎月第4週に掲載します。

 ■岩手銀行、全員が生成AI利用可能、文書検索の精度向上
 【仙台】岩手銀行は4月末までに、生産性向上を目的に生成AI(人工知能)アプリケーション「neoAI Chat」を全行員が利用できるようにした。2024年9月に導入後…

 【写真】生成AIを使った業務効率化を指導する行員(上、3月18日、岩手銀行本店)

2025年4月4日号5面 愛媛銀行、スマホ支店で地方創生、4者連携しプロジェクト

2025年4月4日号5面 愛媛銀行、スマホ支店で地方創生、4者連携しプロジェクト

 【高松】愛媛銀行は、スマートフォン専用の「HandyBank支店」を通じた愛媛県の創生プロジェクトに乗り出した。セブン銀行や日本電気(NEC)、SBIネオファイナンシャルサービシーズとの協働で、4者が独自の強みを生かしながら愛媛をもり立てる仕組みを構築する。
 新たに開設したHandyBank支店は、「いつでも、だれでも、どこでも『スマホ×ATM』でアクセス」がコンセプト。3月24日から全国の…

【写真】手を携える西川頭取(左から2人目)とセブン銀の松橋正明社長(左から3人目)ら(3月24日、愛媛銀研修所)

2025年3月28日号3面 地域銀行・信金、電子メールの運用見直し、新システムで課題解消

2025年3月28日号3面 地域銀行・信金、電子メールの運用見直し、新システムで課題解消

 地域銀行や信用金庫が電子メールの運用方法を見直している。本部の各部署や営業店に割り当てた対外的なメールアドレスを共有したまま、新システムを導入しメールの送受信や管理方法を改善するもの。従来は、代表アドレスに届いたものを個人が随時確認したり、メール担当者が該当者に振り分けたりする作業が発生していた。一方で、名刺に記載するメールアドレスを個人のものへ切り替える動きもあり、各金融機関のスタンスが分かれている。
 徳島大正銀行は3月中旬、キー・ポイント社(神戸市)が提供するメール共有管理システム「グループメール」を…

2025年3月21日号5面 住信SBIネット銀行 BaaS提携30社へ、強固な顧客接点に活路

2025年3月21日号5面 住信SBIネット銀行 BaaS提携30社へ、強固な顧客接点に活路

 住信SBIネット銀行は、2025年度にBaaS(サービスとしての金融)として提供するサービス「NEOBANK」の提携先が合意済みを含めて30社を超える見込みだ。2月までに22社にサービスをローンチしており、BaaSのシナジー効果が顕在化してきたことで、提携先の同業他社などから問い合わせが増加。同行も企業と手を組むことで強固な顧客接点を得られるチャンスと捉える。
 同行のBaaSは、預金や貸出、決済といった銀行機能に加え、ポイントサービスなどの…

2025年3月14日号4面 伊予銀行、スマート農業普及へ、デジタル駆使し課題解決

2025年3月14日号4面 伊予銀行、スマート農業普及へ、デジタル駆使し課題解決

 【高松】伊予銀行は、気候変動や担い手の減少と言った厳しい環境下での安定した農業生産を支えるため、デジタルを駆使した「スマート農業」の支援に力を注いでいる。最先端技術を活用することで効率的な生産への変革を後押しするほか、生産量や品質の安定化といった課題解決に導いていく。
 農業で最も難しい課題の一つが、農産物の生産量と…

【写真】農家への提案で、光合成速度の見える化に向けた設備を試験的に導入した(伊予銀提供)

2025年3月7日号3面 地銀や信金、小規模先でAIニーズ、深刻な人手不足を補完

2025年3月7日号3面 地銀や信金、小規模先でAIニーズ、深刻な人手不足を補完

 行職員数が業界内で比較的少ない小規模の地方銀行や信用金庫で、デジタル技術の導入意欲が高まっている。生成AI(人工知能)などを活用して事務作業の効率化を進め、人手不足をカバーする思惑がある。こうした金融機関は、2025年度からの導入を視野に準備に入っている。
 「推進対象先を比較的小規模な金融機関に絞った」。あるITベンダーの関係者は…

預金

2025年4月25日号5面 三井住友FG、法人版オリーブ始動、3年で預金3兆円

2025年4月25日号5面 三井住友FG、法人版オリーブ始動、3年で預金3兆円

 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、5月に法人向け総合金融サービス「Trunk(トランク)」を開始する。同社の個人向けサービス「Olive(オリーブ)」の仕組みを活用し、小規模・零細を含めた多様な企業に口座や決済に関連する機能を一気通貫で提供する。人手を介さないデジタルサービスで、メガバンクのメインターゲットではなかった中堅未満の企業との接点を生み出す。リリースから3年で法人口座30万口座、約3兆円の預金獲得を目指す。
 Trunkは銀行口座に加え、経理業務やビジネスカード、ファイナンスを一つのサービスで…

【写真】会見で新サービスの狙いを語る三井住友FGの中島社長(4月15日、東京都内)

2025年3月21日号1面 地銀、東京支店で預金増強、狙いは大企業、5割増も

2025年3月21日号1面 地銀、東京支店で預金増強、狙いは大企業、5割増も

 地方銀行が東京で預金量を増強している。主に大企業の大口定期預金を高めの金利で獲得しているとみられる。地銀の東京支店のなかには、2024年4月以降の半年間で、預金量を50%以上伸ばした先もある。地銀各行の地元では人口減少や遺産相続に伴う都市部への預金流出、インターネット専業銀行の利用者増加などを背景に、預金量の伸びが鈍化し始めている。大企業が集中する東京で大口預金を獲得し、こうした状況をカバーしたい思惑がある。
 「金利ある世界」に入り、大企業から預金入札の案内が増えているという。大企業の余裕資金を…

2025年2月14日号1面 都銀、個人預金の伸びに差、三井住友「オリーブ」寄与

2025年2月14日号1面 都銀、個人預金の伸びに差、三井住友「オリーブ」寄与

 都市銀行(みずほ、三菱UFJ、三井住友、りそな)の個人預金残高の伸びに差が出ている。都銀4行の2024年12月末の個人預金残高合計は23年3月末比5.25%増の218兆円。各行とも拡大基調にあるが、三井住友銀行は同期間に6.91%増やし、伸びが目立つ。23年3月から提供する個人向け総合金融サービス「Olive(オリーブ)」が浸透してきたことが寄与している。
 三井住友銀の24年12月末個人預金残高は61兆円。22年3月~23年2月と…

2025年1月17日号1面 預金獲得新時代(下)限られたパイ 争奪戦に

2025年1月17日号1面 預金獲得新時代(下)限られたパイ 争奪戦に

 競合金融機関が多い大都市圏では、地域金融機関を中心とした預金の争奪戦が激化している。人口減少や資金運用手段の多様化などを背景に預金の伸びは鈍化し、限られたパイを奪い合う時代が到来しつつある。(「預金獲得 新時代」取材班)

■相対で金利上乗せ提案
 地域金融機関に加え、三菱UFJ銀行も広く店舗を構える東海地区。…

【写真】キーエンス社のデータ分析ソフト「KI」で顧客データを分析する城南信金企画部の川口裕徳課長(左)と長岡恵二さん(24年12月12日、本部)

2025年1月17日号3面 金融界、預金、個人国債にシフトか、固定金利型の利率上昇で、追加購入・買い直しも

2025年1月17日号3面 金融界、預金、個人国債にシフトか、固定金利型の利率上昇で、追加購入・買い直しも

 金融界で、預金の一部が個人向け国債にシフトする可能性が浮上している。1月募集(2月発行)分の個人向け国債は、市場金利の上昇を受けて「固定3年債」が年0.62%、「固定5年債」が年0.77%となり、定期預金の金利を大幅に上回る水準になった。固定金利型の同債を追加購入したり、利率の低い既存債を中途解約して買い直したりする動きも出ている。
 1月募集の固定5年債は、「変動10年債」の年0.75%を上回り、…

2025年1月10日号1面 預金獲得新時代(中)デジタル普及で戦略多様化

2025年1月10日号1面 預金獲得新時代(中)デジタル普及で戦略多様化

 戻ってきた「金利ある世界」は金融機関にとっての“平時”だ。ただ、前回の利上げ局面(2006~07年)と比較し、地域の人口減少やスマートフォンをはじめとしたデジタル技術の普及などにより、社会環境は様変わり。各金融機関は、業態特性を生かした多様な戦略で収益を左右する預金獲得に挑む。(「預金獲得 新時代」取材班)

■60代もネット銀を選好
 「店舗を持つ金融機関と持たない金融機関が、同じ規制のもとで競争すること自体が厳しい」。ある信用金庫トップは、…

【写真】定積契約先で、住宅設備機器販売を手掛けるシンワアドヴァンスを訪問する上田信金本店営業部・川原柳支店の尾台修一支店長(左から2人目)と丸山翼支店長代理(左、24年12月18日、長野県上田市)

2025年1月1日号1面 預金獲得新時代(上)量と粘着性 両にらみ、顧客の行動分析に難しさ

2025年1月1日号1面 預金獲得新時代(上)量と粘着性 両にらみ、顧客の行動分析に難しさ

 2025年は、異なる業態間や近隣金融機関同士の預金争奪が激化する。「金利ある世界」では、預金のボリューム拡大が収益増強に直結するからだ。預金が右肩上がりで増え続ける時代は間もなく終わり、限られたパイを奪い合う構図となる。預金調達では「量」だけでなく「粘着性」も問われており、金融機関の戦略の違いが鮮明になりつつある。3回連載で預金獲得の今を追う。(「預金獲得 新時代」取材班)

■125兆円が地域間を移動
 日本銀行のマイナス金利政策解除は預金争奪戦の号砲となった。…

【写真】各金融機関が定期預金や年金定期の金利を優遇し取り込みを図る

2025年1月1日号2面 特集 大手4行 個人顧客との接点拡大、粘着性高い預金獲得へ

2025年1月1日号2面 特集 大手4行 個人顧客との接点拡大、粘着性高い預金獲得へ

 みずほ、三菱UFJ、三井住友、りそなの大手4行は、新しいコンセプトに基づく次世代の拠点網構築を急いでいる。取引のオンラインシフトが加速するなか、個人向けの対面タッチポイントを充実させるのが狙い。30年間にわたって大手行の拠点数は減少の一途をたどっており、ファミリー層をはじめとする個人顧客との“つながり”を有人拠点で取り戻したい考えだ。

■取引からサポートの場に
 大手各行は近年、個人取引がオンラインで完結する仕組みを…

【写真】大手行が展開、構想する新形態・新デザインの個人専用店舗

融資

2025年4月18日号3面 地域金融機関、事業者支援先を選別、金利上昇局面で岐路に

2025年4月18日号3面 地域金融機関、事業者支援先を選別、金利上昇局面で岐路に

 地域金融機関で、経営改善支援先を選別する動きがじわり出てきている。見直しを図っているのは、返済猶予を延長するリスケジュールが常態化する実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資先。関東地区信用金庫の融資担当者は「再生の見込めない先にもう一度融資して(問題を)引き延ばすわけにはいかない」と吐露する。これまで継続的な訪問により与信管理や経営改善を行ってきたが、金利上昇局面に入り支援対象の選択と集中が一段と進む可能性がある。
 金利ある世界に突入し、返済負担が増す中小企業や個人事業主を中心に倒産リスクは…

2025年3月28日号6面 信金、住宅ローン推進 再強化、決済口座の獲得へ

2025年3月28日号6面 信金、住宅ローン推進 再強化、決済口座の獲得へ

 信用金庫で、金利の上昇を受けて住宅ローン推進を再強化する動きが活発化している。粘着性の高い預金を確保する重要性が増すなか、個人の決済口座を獲得してメイン化を図る狙い。信金業界では近年、住宅着工件数の減少や金利競争の激化による利回りの低下などを背景に自然体での推進体制とする動きがあったが、一部信金は収益を最優先としない戦略に舵(かじ)を切り始めた。
 具体的には、採算を度外視し、若年層や法人取引先の従業員向けに通常より低金利の住宅ローン商品を…

2025年3月21日号3面 銀行界、サステナ融資拡大、リート向け残高 2年で3倍

2025年3月21日号3面 銀行界、サステナ融資拡大、リート向け残高 2年で3倍

 銀行界で不動産投資信託(J‐REIT、Jリート)向けサステナブルローンが拡大している。みずほ証券によると、2月末時点でJリート向けサステナブルローンの実行残高は1兆3114億円。2年前と比べ3倍を超える規模に成長した。特にグリーンローン(9733億円)がけん引。大手行や地域銀行はサステナブルファイナンス目標を設定し、関連融資を積極化している。
 2023年2月末にサステナブルローンの実行残高が同ボンドの発行残高を抜き、…

2025年3月14日号6面 信金、PFI組成・参画を推進、地域インフラ老朽化で

2025年3月14日号6面 信金、PFI組成・参画を推進、地域インフラ老朽化で

 信用金庫は、地域のインフラ整備に向けて、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)融資を推進する。一部信金は案件発掘へ、庫内の体制整備やノウハウ蓄積、自治体と連携したプラットフォーム構築などを急ぐ。高度経済成長期以降に整えられた社会インフラの老朽化対策が課題となる一方、自治体の限られた財源・人材だけでは対応が困難になるのが想定されるなか、住民の生活基盤の維持を支える。
 信金中央金庫がアレンジャー(幹事金融機関)となり、信金とのシンジケートローン(協調融資)を組成した…

【写真】PFIの取り組みを説明する浜松いわた・豊橋・いちいの各信金担当者(2月27日、愛知県、信金中金提供)

2025年3月7日号1面 全銀協、会議体で法的課題整理、新株予約権付き融資に壁

2025年3月7日号1面 全銀協、会議体で法的課題整理、新株予約権付き融資に壁

 全国銀行協会はスタートアップ融資拡大に向けて関係省庁と連携し、新株予約権付き融資に関する法的課題を整理する。全銀協の調査によると、体制が整備されている銀行は全体の1割程度にとどまる。統一的な法的見解が未整備であることが新規参入の障害となっており、4月以降に実務者が参加する会議体を設け、議論を進める方針だ。
 新株予約権付き融資はベンチャーデットの一種で、…

2025年2月28日号1面 金融庁、融資規律 緩みに警鐘、粉飾事案の増加懸念

2025年2月28日号1面 金融庁、融資規律 緩みに警鐘、粉飾事案の増加懸念

 金融庁は、大手銀行や地方銀行の融資先で相次ぐ粉飾事案を受け、融資規律の緩みに警鐘を鳴らす。「融資後の資金使途の確認」や「実権者との面談」など基本動作を怠ったと考えられる事例が確認されたため。足元では、粉飾決算の発覚により倒産する企業の数が増加傾向にある。突然の倒産は、金融機関の財務にも多大な影響を及ぼすことから、与信管理の徹底を改めて求めていく。
 同庁は2月、大手行や地銀との意見交換会で、粉飾決算への対応について…

2025年2月21日号10面 実像 勃興ディープテック融資、3メガ・新産業を共に創る

2025年2月21日号10面 実像 勃興ディープテック融資、3メガ・新産業を共に創る

 変革のリスクテイク
 宇宙やエネルギーなど「ディープテック」と呼ばれる先端技術領域のスタートアップ融資がメガバンクグループで勃興している。数十億円以上の案件組成が目立ち、リスクテイク姿勢が変わり始めた。研究開発や事業化・社会実装に長時間を要するものの、実現すれば大きな社会変革をもたらす可能性を秘める。各社は新たな産業の共創に挑む。

 ■月へ再チャレンジ
 1月15日、15時11分。三井住友銀行本館3階に設けられた応援会会場で宇宙新興企業「ispace(アイスペース)」のランダー(月着陸船)の打ち上げを同社関係者や株主など約300人が見守った。打ち上げられたロケットから…

 【写真】ispaceの「RESILIENCEランダー」の打ち上げと分離の成功に沸く同社関係者や従業員・家族ら(1月15日、三井住友銀行本館3階、ispace提供)

2025年2月14日号3面 住宅ローン「40年」急増、月々の返済負担軽減で

2025年2月14日号3面 住宅ローン「40年」急増、月々の返済負担軽減で

 住宅ローン利用者の間で、返済期間40年を選択する傾向が強まっている。背景には、物件価格の高騰に伴って1件当たりの借入額が増え、月々の返済負担を抑えたいという意向がある。一戸建て住宅の大手ハウスメーカー担当者は「資産性を考えて20代から家を購入する人が増えており、40年ローンが一般的になっている」と話す。こうした需要を取り込もうと、金融機関は商品性の改善に努めている。

■金融機関、取り込みへ
 首都圏を中心に展開する住宅大手のオープンハウスグループ(東京都)では、…

【写真】都内の住宅展示場(2月9日)

投信保険

2025年4月11日号1面 生保、一部で出向者引き揚げ、地銀は代替人材確保急ぐ

2025年4月11日号1面 生保、一部で出向者引き揚げ、地銀は代替人材確保急ぐ

 国内大手や外資系の生命保険会社が、地方銀行への出向者を引き揚げ始めたことが分かった。2024年度は損害保険会社による出向者引き揚げの動きが広がったが、「生保(の出向者引き揚げ)は損保以上に影響が大きい」(大手地銀)という。生命保険協会が25年度中にも、営業目的などでの代理店出向を一定程度制限するか、出向条件を厳しくしたガイドラインを出す可能性があり、地域金融機関は動向を注視している。
 生保が出向者を引き揚げ始めたのは、損保業界の一連の不祥事が飛び火したという…

2025年4月4日号10面 やさしいニュース解説 円建て保険 いま売れてるの?

2025年4月4日号10面 やさしいニュース解説 円建て保険 いま売れてるの?

 銀行窓販・円建て保険復権
 地域銀行の保険窓販の主力商品である「一時払い終身保険」で、円建て保険が存在感を増している。ニッキンの直近の調査では、2024年度上期は販売件数に占める割合が31%となり、2023年度下期に比べ11ポイント上昇した。日本銀行の利上げに伴い、生命保険各社が2024年に入ってから予定利率を相次ぎ引き上げて商品の魅力が増したことが大きい。以前は米ドル建ての利回りが高く、銀行窓販では外貨建て保険の人気がダントツだった。外貨建てに比べて極端に利回りが低かった円建て保険は影が薄くなり、2022年度下期は地方銀行で販売件数の1割まで落ち込んでいた。「金利ある世界」の復活は、保険販売にも地殻変動をもたらしている。

 ■金融政策が追い風に
 保障期間が長期にわたる商品を多く抱える生命保険会社は…

 【写真】円建て保険は為替リスクがなく販売しやすい

2025年3月21日号7面 おかやま信金、営業店の投信好調、販売額は2022年度比倍増

2025年3月21日号7面 おかやま信金、営業店の投信好調、販売額は2022年度比倍増

 【広島】おかやま信用金庫(岡山市、桑田真治理事長)の投資信託の販売が好調だ。預かり資産の専担者や営業店職員の推進活動により、2024年度の営業店における販売額が22年度と比べ倍増した。キャンペーンの展開や独自パンフレットの作成などを通して、顧客のライフプランに合わせた提案を強化している。
 24年度の営業店での投信販売件数は25年1月末で1782件。金額は28億700万円に上り、…

【写真】LA候補生となった価値創造部の職員(2月17日、本店営業部)

2025年2月28日号8面 投信市場、インデックス型3割超す、運用会社、アクティブ型周知

2025年2月28日号8面 投信市場、インデックス型3割超す、運用会社、アクティブ型周知

 投資信託市場で、信託報酬の低いインデックス型ファンドへの資金流入が加速している。公募株式投信の純資産総額に占めるインデックス型の割合は足元で3割と、この10年で3倍以上増加した。資産運用業界では収益低下が危惧され、一部運用会社ではアクティブ型の周知強化に動き出している。
 投資信託協会によると、インデックス型の純資産総額は1月末で51兆5千億円と…

2025年1月31日号6面 信金界、フルハップ連携が117信金、企業共済の販売拡大

2025年1月31日号6面 信金界、フルハップ連携が117信金、企業共済の販売拡大

 全国の信用金庫で、公益財団法人日本中小企業福祉事業財団(日本フルハップ、大阪市)の企業共済の取り扱いが拡大している。2024年4月から販売が始まり、25年3月末までに代理店契約を結ぶ先は117信金となる予定。直近では1月24日に多摩信用金庫(東京都)が販売を開始。4月以降も複数の信金が取り扱いを始める予定で、今後さらに広がる見込み。
 23年6月の中小労災共済法の施行により、信金や信用組合などでの中小企業向け共済販売が解禁。24年4月から全国信用金庫協会と日本フルハップが体制を構築し…

2025年1月31日号8面 投信、外株型へ流入加速、1月も前年超えペース続く

2025年1月31日号8面 投信、外株型へ流入加速、1月も前年超えペース続く

 投資信託市場で外国株式型への資金流入が続いている。2024年は上場投信(ETF)を除く公募株式投信全体の年間純資金流入額は23年比倍増の15兆3千億円と過去最高となったが、約6割が外株型で占めた。25年に入っても前年を上回るペースで流入しており、資金集中リスクを指摘する声もある。
 日本証券業協会の調査によると、証券会社10社(大手5社・ネット5社)の…

2025年1月10日号6面 特集 iDeCo拡充、推進好機に

2025年1月10日号6面 特集 iDeCo拡充、推進好機に

 制度拡充によって注目が高まる個人型確定拠出年金(iDeCo)。2025年度は税制優遇を受けられる拠出額の上限が引き上がる見通しだ。投資ブームに火を付けた新しい少額投資非課税制度(NISA)に続き、資産運用の浸透を加速させられるか。制度拡充のポイントと、顧客の資産形成サポートで特色ある金融機関を追った。
 「国民の安定的な資産形成に向けた重要なピース」――。全国銀行協会の福留朗裕会長は24年12月19日の定例会見で、iDeCo制度が拡充される方向になったことを歓迎した。
 24年3月末加入者が300万人に上るiDeCoは…

【写真】取引先の従業員向けに開いたiDecoセミナーで説明する横浜銀の行員(横浜銀提供)

2025年1月1日号7面 特集 変わる外貨建て保険、銀行窓販に大きく影響

2025年1月1日号7面 特集 変わる外貨建て保険、銀行窓販に大きく影響

 2025年4月から、銀行窓販の売れ筋商品「外貨建て一時払い終身保険」が大きく変わる。目標到達(ターゲット)型機能を廃止・制限する動きが広がり、販売金融機関が受け取る手数料率も見直されるためだ。発端は、銀行や保険会社の監督官庁である金融庁による指導だ。同庁は、ターゲット型の仕組みや販売時の手数料の高さが、顧客本位から逸脱した「回転売買」を招く原因になりかねないと懸念。それを踏まえ、2024年から生命保険業界が商品性の見直しに着手した経緯がある。

 ■仕組み債問題が波及
 金融庁は2024年4月、2023事務年度(2023年7月~2024年6月)の中間報告として、リスク性金融商品を販売する金融機関に対するモニタリング結果を公表。ターゲット型の問題点を指摘した。ターゲット型は…

 【写真】外貨保険は銀行窓販の売れ筋だ

資産管理

2025年4月25日号3面 日証協方針、「多要素認証」を義務化、サイトで社名公表へ

2025年4月25日号3面 日証協方針、「多要素認証」を義務化、サイトで社名公表へ

 日本証券業協会は、フィッシング詐欺などによる証券口座の不正取引被害拡大を受け、顧客に対して「多要素認証」の義務化を証券会社に要請した。ログイン時の多要素認証を必須とする証券会社をウェブサイトで公表する予定。同意を得た証券会社の社名を掲載する見通しで、被害防止に向けた緊急対応を求める。
 初回公表後も、同意した証券会社名は順次追加する。対応時期は明確化しない…

【写真】不正取引対策の方針を説明する森田会長(4月16日、日証協)

2025年3月21日号10面 特集 首都圏信金の相続対策、顧客密着でニーズに対応

2025年3月21日号10面 特集 首都圏信金の相続対策、顧客密着でニーズに対応

 最適解導く案内役に
 首都圏の信用金庫では、高齢化による相続ニーズが急速に高まっている。遺産分割トラブル、認知症による資産凍結、預金流出リスクなどさまざまな課題があるなかで、細やかな顧客ニーズに対応できる信用金庫ならではの役割発揮に努める。

 ■6割が預金流出増加
 内閣府の「令和6年高齢社会白書」によると、首都圏(東京都と埼玉・千葉・神奈川県)の高齢者人口(65歳以上)は…

 【写真】埼玉県信金では専担者のFP相談員が定期的に集まり、案件の共有化を図っている(2024年9月20日、埼玉県信金上尾支店会議室)

2025年2月21日号11面 ネット証券、NISA口座 216万件増、増加率は対面大手の10倍

2025年2月21日号11面 ネット証券、NISA口座 216万件増、増加率は対面大手の10倍

 ネット証券が少額投資非課税制度(NISA)の口座数を大きく伸ばしている。新NISA制度スタート1年目の2024年は手数料無料化などを背景に、ネット証券5社で合計216万件増えた。一方、対面主軸の大手証券は5社計で9万件の微増にとどまり、二極化傾向が鮮明だ。
 24年1~12月のNISA口座開設数はSBI、楽天、松井、マネックスグループ、三菱UFJeスマート(旧auカブコム)のネット証券5社合計で…

2025年1月24日号4面 大手信託2行、不動産テックに出資、業界課題・協業で解決

2025年1月24日号4面 大手信託2行、不動産テックに出資、業界課題・協業で解決

 大手信託2行は、不動産テック事業を手掛けるスタートアップへの同時出資を通じて協業体制を築き、商業用不動産市場が抱える共通課題の解決に乗り出す。分散的に存在する物件データや、形式が不ぞろいのレポーティング資料といった情報の“壁”を洗い出し、デジタル技術を活用したデータの構造化や利活用環境の向上を検討していく。
 三菱UFJ信託銀行と三井住友信託銀行は1月8日、大手デベロッパー出身者らが設立した「estie(エスティ、東京都)」と資本提携した。出資額は非公表だが…

2025年1月17日号3面 金融界、預金、個人国債にシフトか、固定金利型の利率上昇で、追加購入・買い直しも

2025年1月17日号3面 金融界、預金、個人国債にシフトか、固定金利型の利率上昇で、追加購入・買い直しも

 金融界で、預金の一部が個人向け国債にシフトする可能性が浮上している。1月募集(2月発行)分の個人向け国債は、市場金利の上昇を受けて「固定3年債」が年0.62%、「固定5年債」が年0.77%となり、定期預金の金利を大幅に上回る水準になった。固定金利型の同債を追加購入したり、利率の低い既存債を中途解約して買い直したりする動きも出ている。
 1月募集の固定5年債は、「変動10年債」の年0.75%を上回り、…

2025年1月17日号7面 信組、「相続信託」で預金流出防ぐ、防止実績・26億円超に

2025年1月17日号7面 信組、「相続信託」で預金流出防ぐ、防止実績・26億円超に

 信用組合業界で、遺言代用信託を活用して相続による預金流出を防いだ実績が積み上がってきた。全国信用協同組合連合会とオリックス銀行が2017年に共同開発した「しんくみ相続信託」の累計契約のうち、24年11月末までに相続による解約が33億7千万円(1334件)発生。その資金の約8割を占める26億5千万円(1034件)が、各信組の預金口座で受け取られていることがわかった。
 全信組連の担当者は「他金融機関への資金流出の防止に加え、次世代との取引のきっかけにもなっている」と強調する。現在の契約件数は…

2024年10月4日号3面 大手金融機関や運用会社、提携地域銀行の獲得が激化、ファンドラップ提供で

2024年10月4日号3面 大手金融機関や運用会社、提携地域銀行の獲得が激化、ファンドラップ提供で

 対面型ファンドラップサービスを外部提供する金融機関で、提携する地域銀行の獲得競争が激しくなりそうだ。先行する大手の証券会社や銀行が提携先を広げるほか、三井住友DSアセットマネジメント(AM)や三井住友信託銀行など新規参入も相次ぐ。地域銀ではファンドラップをストック型ビジネスの柱と位置づけ、採用を検討する動きが再び活発になっている。
 三井住友信託銀は2025年度、第四北越銀行に…

2024年10月4日号14面 夢育む資産形成コンサルタント 行動経済学

2024年10月4日号14面 夢育む資産形成コンサルタント 行動経済学

 顧客が感じる痛みの重さに寄り添う
 公益社団法人日本証券アナリスト協会は3月、個人顧客の預かり資産営業に携わる金融機関担当者を念頭に「資産形成コンサルタント資格」を創設。本コーナーではそのテキスト・問題集を基に金融・投資の基礎を学びたいと思う方々に関心のあるトピックスを紹介します。
 8月5日に起きた株価暴落。日経平均株価の下落率マイナス12.4%は、記録がある1949年以来では87年のブラックマンデーに続く大きな下落率でした。各メディアでは暴落にあぜんとする…

取引先支援

2025年4月25日号17面 中国銀行、美術館の資金調達支援、ミュージアム債引き受け

2025年4月25日号17面 中国銀行、美術館の資金調達支援、ミュージアム債引き受け

 【広島】中国銀行は、大原美術館(岡山県倉敷市)などを運営する公益財団法人大原芸術財団の資金調達を支援している。文化・芸術機関の持続可能な運営体制構築を目指す同財団の要望を受け、疑似私募債による資金調達方法をアレンジ。4月3日に「ミュージアム債」と名付けた疑似私募債を引き受けた。同行が公益財団法人および美術館の疑似私募債を引き受けるのは初めて。全国的に珍しいという。
 疑似私募債は社債募集の形式をとりながら疑似的に私募債発行を模して資金調達する手法。調達したミュージアム債は…

 【写真】ミュージアム債寄付金の贈呈式に参加した大原あかね代表理事(左)と宮崎俊司執行役員(左から2人目)ら(4月16日、児島虎次郎記念館前)

2025年4月11日号6面 信金中金、脱炭素ファンドを組成、劣後ローン積極活用

2025年4月11日号6面 信金中金、脱炭素ファンドを組成、劣後ローン積極活用

 信金中央金庫は4月10日、信金キャピタル、脱炭素化支援機構(JICN)と連携して、「しんきん脱炭素応援ファンド」を組成した。信用金庫が出資や融資で関与する案件に対し、資金を供給する。劣後ローンを活用することで、事業者の自己資本拡充につなげ、融資を受けやすくする。JICNと連携した金融機関グループ主導のファンド組成は国内初。
 出資総額は20億円で、存続期間は2045年4月までの20年間。投資形態は、劣後ローンのほか、…

2025年3月28日号4面 肥後銀行、地下水保全で企業連携、ウォータークレジット創出へ

2025年3月28日号4面 肥後銀行、地下水保全で企業連携、ウォータークレジット創出へ

 肥後銀行は、熊本県内の地下水保全活動の一環で「ウォータークレジット」の創出を目指す。MS&ADインシュアランスグループホールディングスや日本政策投資銀行のほか、サントリーホールディングスなどと連携し、2025年度中に「熊本ウォーターポジティブデザインセンター」を立ち上げる。各社の知見を生かし、「革新的な金融手法の研究開発を進める」(事務局)方針だ。
 ウォータークレジットは、カーボンクレジットと同様の概念だ。水資源に負荷を与える企業などが…

2025年3月21日号9面 特集 九州・沖縄地区信保協、外部連携で伴走支援

2025年3月21日号9面 特集 九州・沖縄地区信保協、外部連携で伴走支援

 【福岡・鹿児島・那覇】原材料費高騰や人手不足をはじめ、中小企業を取り巻く環境は厳しい状況が続いている。九州・沖縄地区8信用保証協会では、外部連携や専門家派遣を活用して企業の課題解決に向けて伴走支援。各信保協の具体的な取り組みをみた。

 ■大分県信保協、金融機関向けに説明会
 大分県信用保証協会(稲垣守会長)は、大分県よろず支援拠点、大分県中小企業活性化協議会、大分県事業承継・引継ぎ支援センターに信保協を加えた4機関連携に取り組む。「中小企業者への良質な経営支援の提供」の観点から…

 【写真】連携する4機関が支援メニューを紹介した金融機関説明会(2024年9月9日、大分県銀行協会、大分県信保協提供)

2025年3月14日号5面 山梨中央銀行、非化石価値購入を斡旋、需要増に期待

2025年3月14日号5面 山梨中央銀行、非化石価値購入を斡旋、需要増に期待

 水力発電で生まれた電気から「非化石価値」と呼ばれる「二酸化炭素を排出しない」という価値を取り出し、地元企業に販売することで脱炭素化を支援する実証実験が山梨県で進んでいる。山梨中央銀行は、山梨県企業局が保有する発電所で創出された非化石価値の購入者斡旋(あっせん)に協力。県内の4事業者が参加し、電力消費で発生する二酸化炭素(CO2)排出量の削減に取り組んできた。
 「(国が国内の温室効果ガスの46%削減を目指す)2030年、カーボンニュートラルの目標を掲げる50年に向けて、…

【写真】県担当者(左)の案内で重川発電所の設備を見学する行員ら(2月26日、山梨県甲州市)

2025年2月28日号5面 八十二銀行、途上国向け事業を後押し、JICAの制度活用

2025年2月28日号5面 八十二銀行、途上国向け事業を後押し、JICAの制度活用

 八十二銀行は、国際協力機構(JICA)の制度を活用した開発途上国向けビジネスを展開する企業を積極的にサポートしている。国際部内に担当を設置。海外事業コンサルティングを展開し、現地の市場調査などを行っている。費用面での負担軽減などのメリットが受けられるJICAの民間連携事業「JICA中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)」を活用した企業の海外事業展開を支援している。
 国内市場の縮小が見込まれるなかで、開発途上国の課題解決にビジネスチャンスを見いだし…

【写真】JICA Bizを紹介する国際協力機構の半谷氏(左、2月12日、長野市内)

2025年2月28日号6面 信金、持続的な本業支援体制、外部機関と連携強化も

2025年2月28日号6面 信金、持続的な本業支援体制、外部機関と連携強化も

 信用金庫は、取引先に対する本業支援の実践方法を模索している。外部専門機関との連携を強化するほか、持続的な業務体制の構築に向けた手数料導入の検討などを進める。「金利ある世界」が到来し、預貸金業務に人材などを振り向ける必要性が高まっている。一方で、中小企業の本業支援の重要性も依然として高く、限られた経営資源の有効活用策を探る。
 人口減少に伴う地方経済の縮小とともに、各信金の取引先企業のニーズも多様化。近年では…

2025年2月21日号8面 特集 地銀13行の九州半導体産業支援策、シリコンアイランド復活へ

2025年2月21日号8面 特集 地銀13行の九州半導体産業支援策、シリコンアイランド復活へ

 進むQ‐BASS連携
 【福岡】九州では、熊本県に台湾半導体製造大手のTSMCが進出することを契機に、各地で半導体関連企業の集積が活発化。ビッグチャンスを取り込むため、地域金融機関は地場企業のサプライチェーン参入などの支援に力を入れる。2024年1月に発足した九州・沖縄・山口の地方銀行13行連携「Q‐BASS(キューベース)」による“シリコンアイランド九州”復活への取り組みを見た。

 ■経済効果23兆300億円
 九州は1960年代以降、豊富な水資源や他地域に比べ安価な賃金などを背景に半導体関連企業が相次いで進出。「シリコンアイランド」と呼ばれた。その後…

 【写真】TSMCが日本企業の出資を受けて設立したJASM熊本工場(1月20日、熊本県菊陽町)

地域貢献

2025年4月25日号4面 地域銀行、枠組み作りJクレ創出へ、環境価値を経済価値に

2025年4月25日号4面 地域銀行、枠組み作りJクレ創出へ、環境価値を経済価値に

 地域銀行が、地元のJ‐クレジットの創出に向けたプロジェクトの構築に乗り出している。住民や取引企業が生み出した環境価値を経済価値に変換する動きを後押しすることで、地域で進む脱炭素関連の取り組みを持続的にする狙いがある。中国銀行と山陰合同銀行は、脱炭素コンサルティング事業を手がけるバイウィル(東京都)と連携した枠組みを始動させた。
 中国銀は「ちゅうぎんカーボンクレジットクラブ」、山陰合同銀は「ごうぎんJ‐クレジットクラブ~『みんなでJ‐クレジットつくっちゃおう!』プロジェクト」を…

2025年4月11日号8面 特集 大阪・関西万博が開幕、中小・新興が「世界驚かす」

2025年4月11日号8面 特集 大阪・関西万博が開幕、中小・新興が「世界驚かす」

 大阪拠点機関が出展支援
 【大阪】2025年日本国際博覧会(以下略称、大阪・関西万博)が4月13日開幕する。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、コンセプトを「未来社会の実験場」とした。大阪市の臨海部・夢洲(ゆめしま)に、160を超える国・地域・国際機関が参加。10月13日までの想定来場者は約2820万人。大阪に拠点を置く金融機関は、大阪ヘルスケアパビリオン内に設置される「リボーンチャレンジ」で、大阪の中小企業やスタートアップの新技術・サービスを展示する。「リボーン」には、大阪経済の再生・復興の狙いが込められており、優れた技術で「世界を驚かせたい」と意気込む。

 ■大阪の技術や魅力発信
 大阪ヘルスケアパビリオン内の展示・出展ゾーン「リボーンチャレンジ」では、ヘルスケア関連やSDGs(持続可能な開発目標)などの…

 【写真】「最大の木造建築物」とギネスに認定された外径675メートルの「大屋根リング」(公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、大林組提供)

2025年4月4日号4面 地銀 地域課題解決へ協業、県境またぎシナジー発揮

2025年4月4日号4面 地銀 地域課題解決へ協業、県境またぎシナジー発揮

 地域の課題解決に向け、地方銀行が県境をまたいで協業する動きが相次いでいる。静岡銀行、山梨中央銀行、八十二銀行は3月27日、包括業務提携を結び、「富士山・アルプスアライアンス」を発足した。ちゅうぎんフィナンシャルグループ(FG)とひろぎんホールディングス(HD)は同28日、「山陽地域のサステナビリティ推進に向けたパートナーシップ協定」を締結。異なる知見・人材を生かしてシナジーを発揮し、共通の目標である地元の持続的成長を目指す。
 同アライアンスは静岡・山梨・長野各県の人口の社会増が目標で、3行合算の収益効果は…

【写真】アライアンス締結の会見で握手する(左から)松下正樹・八十二銀頭取、八木・静岡銀頭取、古屋賀章・山梨中央銀頭取(3月27日、東京都)

2025年4月4日号5面 愛媛銀行、スマホ支店で地方創生、4者連携しプロジェクト

2025年4月4日号5面 愛媛銀行、スマホ支店で地方創生、4者連携しプロジェクト

 【高松】愛媛銀行は、スマートフォン専用の「HandyBank支店」を通じた愛媛県の創生プロジェクトに乗り出した。セブン銀行や日本電気(NEC)、SBIネオファイナンシャルサービシーズとの協働で、4者が独自の強みを生かしながら愛媛をもり立てる仕組みを構築する。
 新たに開設したHandyBank支店は、「いつでも、だれでも、どこでも『スマホ×ATM』でアクセス」がコンセプト。3月24日から全国の…

【写真】手を携える西川頭取(左から2人目)とセブン銀の松橋正明社長(左から3人目)ら(3月24日、愛媛銀研修所)

2025年4月4日号8面 特集 地域金融の支援広がる、伝統工芸・再生へ挑む

2025年4月4日号8面 特集 地域金融の支援広がる、伝統工芸・再生へ挑む

 人口流出や生活様式の変化など、地場産業を取り巻く環境は大きく変化している。一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会によると、伝統工芸品の生産高は1983年が約5400億円だったのに対し、2024年は約1050億円と大幅減。産業存続には支援が不可欠だ。生産性向上や事業承継、販路開拓支援など、地場産業存続に取り組む地域金融機関3行庫に迫った。

 ■東濃信金、官民一丸で承継後押し
 【名古屋】後継者不足で廃業を希望する陶磁器関連会社は210社。岐阜県中小企業団体中央会が2024年11月に県内の陶磁器関連会社751社に行った調査で…

 【写真】イベントで陶磁器について話す東濃信金職員(左)と市原製陶の金津誉社長(3月15日、セラミックパークMINO)

2025年3月28日号10面 特集 金融プラスで課題解決(6)

2025年3月28日号10面 特集 金融プラスで課題解決(6)

 地域銀行グループのさまざまな子会社・関連会社の取り組みを紹介してきた本シリーズ。最終回は、しずおかフィナンシャルグループが立ち上げた不動産関連資産の有効活用による地域活性化を提案する「SFG不動産投資顧問」と、十六銀行の投資専門子会社「NOBUNAGAキャピタルビレッジ」を取材した。

 ■SFG不動産投資顧問、しずおかFG 子会社
 不動産から地域経済を支援、地域銀行と連携し地方創生
 【静岡】しずおかフィナンシャルグループ(FG)傘下のSFG不動産投資顧問は、地域に根差した不動産関連資産の活用による経済活性化を後押しする。地域に集中して迅速に資金投下できる私募ファンドを軸に…

 【写真】宿泊施設の経営について話す大橋健・SFG不動産投資顧問上席主任推進役(左)と小島孝仁社長(3月5日、静岡市駿河区用宗)

2025年3月28日号11面 大手生保、地銀とアライアンス強化、日本生命は新社長肝いり

2025年3月28日号11面 大手生保、地銀とアライアンス強化、日本生命は新社長肝いり

 大手生命保険会社は、地方創生の観点から地域金融機関とのアライアンスを強化する。最大手の日本生命保険は、4月に新社長に就任する朝日智司副社長の肝いりで、地方銀行や自治体との連携を軸にして地域貢献に取り組む戦略の策定を進めている。
 日本生命は、全国でリテール営業を担う約100の支社から意見を募るボトムアップの取り組みを始めた。名称は…

2025年3月7日号5面 広島銀行、支店単位で独自企画、地域との結びつき強化

2025年3月7日号5面 広島銀行、支店単位で独自企画、地域との結びつき強化

 【広島】広島銀行は支店独自の企画を展開し、地域や取引先との結びつきを深めている。2024年度から始めた中期経営計画の一環で、地域の課題解決・活性化が目的。一部の店舗で、異業種の新人交流会や新イベントの開催など若手行員が中心となった活動が目立つ。
 具体的な取り組みでは、広島西支店が2月25日に地域事業者の入社1年目社員を…

【写真】交流会で発表する広島西支店の新入行員(2月25日、広島サンプラザホール)

国際

2025年4月18日号2面 金融界、刻々と変わる米関税措置、取引先の実態把握急ぐ

2025年4月18日号2面 金融界、刻々と変わる米関税措置、取引先の実態把握急ぐ

 時々刻々と変化する米国トランプ政権の関税政策――。トランプ大統領は4月9日(現地時間)に「相互関税」を発動したが、1日も経たずに、中国を除く90日間の一時停止を発表。国内金融界は「一時的に過度な不安は後退したものの、不確実性は残っている」(四国地区地域銀行)との認識で、予断を許さない状況だ。官民で国内経済や取引企業への影響について実態把握を急ぐ。
 全国の財務局は地域金融機関を対象に、関税措置の影響について調査を開始…

【写真】米国関税措置に関する総合対策本部会合で、経団連からヒアリングした自民党(4月10日、本部)

2025年3月7日号10面 特集 ソウル現地取材、日韓経済交流に広がり、両国の新興支援も商機

2025年3月7日号10面 特集 ソウル現地取材、日韓経済交流に広がり、両国の新興支援も商機

 2025年は日本と韓国の国交正常化60周年にあたる。両国の往来者は過去最多の1200万人を超えるなど交流は活発化。人の交流に加え、政治的な歩み寄りを背景に経済・産業面においても結びつきは強まっている。韓国の首都・ソウルにみずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行はソウル支店を構え、両国間のビジネスを支える。それぞれ200人前後の行員が在籍し、取引先は日系・非日系あわせて700~1000社を抱える。日系企業進出はすでに一巡して韓国は成熟した市場とも映るなか、金融機関の支援のあり方に新たな取り組みが見えてきた。

 「人口が多く、商慣習が似ている日本は参入しやすい環境が整っている」とリートンテクノロジーズジャパンの増田良平ゼネラルマネージャーは話す。
 同社は…

 【写真】ソウル中心部にある南山(ナムサン)の頂上から見た市内(2月21日)

2024年11月15日号3面 トランプ再選、大手行、外債運用で警戒、「利下げ享受」に暗雲

2024年11月15日号3面 トランプ再選、大手行、外債運用で警戒、「利下げ享受」に暗雲

 財政拡張路線や大幅減税を選挙公約に訴えてきたドナルド・トランプ前米大統領の再選で、大手行では金融市場に対する警戒感が高まっている。景気刺激策によるインフレ再燃や財政悪化懸念が高まり、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ停止観測も浮上。米金利は選挙情勢の報道が増した10月以降、上昇基調に転じ、キャピタルゲイン(売買差益)を狙って外債残高を積み上げてきたメガバンクなどでは、政情を見極めた運用が迫られそうだ。
 海外金利のボラティリティーが高まっている。…

2024年11月1日号1面 メガバンク、印のノンバンク規制注視、現地戦略へ影響も

2024年11月1日号1面 メガバンク、印のノンバンク規制注視、現地戦略へ影響も

 メガバンクは、インドの中央銀行にあたるインド準備銀行(RBI)によるノンバンク融資規制の動向を注視している。急成長するノンバンク市場への警戒を強めるRBIによる業務停止命令などが相次いでいるため。10月17日には三菱UFJ銀行出資先を含むノンバンク4社に対して新規融資の停止処分が下った。さらなる規制強化に発展すると、現地でリテール事業を強化する戦略に影響を与える可能性がある。
 10月17日に処分を受けたのは三菱UFJ銀が出資する…

2024年9月6日号4面 三菱UFJ銀行、デジタル金融トップへ、ASEANが成長の柱

2024年9月6日号4面 三菱UFJ銀行、デジタル金融トップへ、ASEANが成長の柱

  三菱UFJ銀行は、東南アジア諸国連合(ASEAN)4カ国(タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン)で戦略出資を加速している。アユタヤ銀行(タイ)などパートナー4行との連携に加え、口座を持たない消費者などにも積極的に貸し付けるデジタルレンディングに本格参入する。出資総額はこの10年で1兆6千億円に。今後10年のうちにASEANトップのデジタル金融グループの地位を固めたい考えだ。
 2024年6月にタイ最大手のアセンドマネーに306億円、8月にはフィリピンのユニコーン企業、ミントに633億円を出資。いずれもモバイル決済などで…

【写真】ASEANの出資先をつなぐイベント「MUFGフィンテックフェスティバル」(23年11月、シンガポール)

2024年7月12日号5面 百五銀行、三重を「ハラル先進県」に、認証取得サポート

2024年7月12日号5面 百五銀行、三重を「ハラル先進県」に、認証取得サポート

 【名古屋】百五銀行は、三重県内企業のイスラム市場開拓を支援する。海外進出にあたり、食事などでイスラム教の戒律に沿った「ハラル認証」の取得をサポート。政府関係機関とのネットワークも築き、全国の地域銀行でも珍しい巨大市場に三重から攻める。

【写真】ラウンドテーブルの第2部では、津市のつじ農園の米を始め、イスラム教徒も食べられるメニューを食堂で提供した(7月5日、同行丸之内本部)

2024年6月28日号1面 新連載 3メガGインドへ熱視線(上)膨らむ中間層に商機

2024年6月28日号1面 新連載 3メガGインドへ熱視線(上)膨らむ中間層に商機

  メガバンクグループ(G)が熱い視線を送るインド。人種や言語、宗教など多様性にあふれ、時にはそれが障壁となるものの、ダイナミックな経済成長は他国にない魅力だ。ノンバンクやフィンテック企業への出資を通じて現地のリテールビジネスに挑むメガバンクGの動きを追った。
 各社がインドのリテールビジネスに乗り出した背景には、人口増加と経済成長に加え、金融サービスを提供するデジタルインフラの発達がある。インド版マイナンバー「アドハー」は…

【写真】SMICCは農村部で酪農体験イベントを開催し、地域住民との距離を縮める(三井住友FG提供)

2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援

2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援

 堅調な米国経済を背景に安定基調にある米国銀行界。商業用不動産(CRE)ローンの不良債権問題が懸念されるが、「局地的、限定的」との見方もある。米財務省通貨監督庁(OCC)や連邦預金保険公社(FDIC)など金融監督当局は、中小規模の銀行の健全性支援に乗り出している。FDICのマーティン・J・グルンバーグ総裁、米国独立コミュニティー銀行家協会(ICBA)のレベッカ・ロメロ・レイニーCEOの両トップと米国銀行協会(ABA)の幹部に現在の業況、経営課題、規制のあり方などについて聞いた。

 【写真】マーティン・J・グルンバーグ FDIC総裁(左)、レベッカ・ロメロ・レイニー ICBA CEO(右)

営業店

2025年4月25日号18面 静岡銀行下田支店、市・経営者と地域共創、ジェット船の呼び込みも

2025年4月25日号18面 静岡銀行下田支店、市・経営者と地域共創、ジェット船の呼び込みも

 【静岡】静岡銀行下田支店(大箸武史支店長=行員21人うち渉外・預り資産担当者13人。パート8人)は、地域の経済・社会的な課題の解決を図るため、地方公共団体や地元商工会議所、観光協会と連携した中長期の取り組みを推進。しずおかフィナンシャルグループ(SFG)が進める「地域共創戦略」具現化を目指している。
 大箸武史支店長は2024年4月に着任。人口減少の現状を踏まえ、下田ブロック内の稲取・松崎2カ店を含めた営業エリア「賀茂地区1市5町」の課題を…

 【写真】事業承継セミナーであいさつする大箸武史支店長(左奥、4月16日、道の駅開国下田みなと会議室)

2025年4月18日号4面 地域銀行、非対面のCX向上へ、伊予銀行は国際認証取得

2025年4月18日号4面 地域銀行、非対面のCX向上へ、伊予銀行は国際認証取得

 地域銀行は、非対面チャネルの顧客体験価値(CX)向上を急ぐ。デジタル化の推進や人員に限りがある支店運営のサポートなどの観点から、コンタクトセンターの運営方針を再検討する動きが広がる。伊予銀行は4月4日、コンタクトセンターの国際品質保証規格「COPC®CX規格 Release7.0」を地方銀行で初めて取得したと発表した。
 一部地域銀は、行員や来店客が減少傾向にある時代に適した店舗戦略を議論…

2025年4月18日号18面 滋賀銀行九条支店、若手のアイデアが解決に、新規開拓エリア1位

2025年4月18日号18面 滋賀銀行九条支店、若手のアイデアが解決に、新規開拓エリア1位

 【大阪】滋賀銀行九条支店(野島裕人支店長=行員21人うち渉外7人。パート3人)は、若手行員が話しやすい職場環境づくりにより行員間のコミュニケーションが活性化。情報交換が増え、仕事への取り組み姿勢が業績につながっている。2024年度の新規融資開拓は28件で目標達成率は155%。同店が所属する京都・山科エリア(グループ)で1位となった。
 同店の営業エリアは、京都市の南区と伏見区、向日市、長岡京市など。堀場製作所(京都市南区)や…

 【写真】行員と打ち合わせをする野島裕人支店長(右、4月3日、滋賀銀行九条支店)

2025年4月11日号18面 西日本シティ銀行老司支店、シニア見守りで信頼得る

2025年4月11日号18面 西日本シティ銀行老司支店、シニア見守りで信頼得る

 投信販売増にも寄与
 【福岡】西日本シティ銀行老司支店(小田竜平支店長<4月1日付でローン天神営業室長>=行員14人うち渉外3人)は、独り身のシニア顧客宅を定期的に訪問する“見守り隊”の活動で信頼関係の強化に努めている。もともとは社会貢献の一環で始めたものだが、投資信託や信託商品販売などの業績底上げにも寄与している。
 「今日は寒いけん、心配で見にきたよ」――。寒さが厳しい2月下旬、小田竜平支店長はこんなかけ声で高齢者宅を訪問した。玄関先に出てきた…

 【写真】”見守り隊”活動で顧客宅を訪問する小田竜平支店長(右、2月18日、福岡市)

2025年4月4日号18面 足利銀行太田支店、支店全員で「方針」策定、当事者意識持ち目標達成

2025年4月4日号18面 足利銀行太田支店、支店全員で「方針」策定、当事者意識持ち目標達成

 足利銀行太田支店(田中徹支店長〈4月1日付で栃木支店長〉=行員24人うち取引先担当者10人)は、全員参加の会議で半期ごとの「支店経営方針」を策定、「法人貸出増強」などの項目について自分たちで成果指標(KPI)を定めている。全員が納得感を持ち、各項目の達成を目指す体制を構築。特に、取引先担当者は案件発掘会議をルーティン化、進捗(しんちょく)状況を共有し成果を上げている。
 同支店は、2023年度に始まった「支店経営方針」策定の試行店(2024年度下期から全店で策定)として半期ごと(2025年度から全期に変更)に…

 【写真】支店経営方針を話し合う行員(3月19日、足利銀行太田支店)

2025年3月28日号18面 岩手銀行水沢・日高・原中支店、ものづくり企業を支援

2025年3月28日号18面 岩手銀行水沢・日高・原中支店、ものづくり企業を支援

 高価値のコンサル提供
 【仙台】岩手銀行水沢・日高・原中支店(田中誠支店長=行員40人うち渉外19人。パート・嘱託18人)は、ものづくり企業への積極的な支援を行うことで、地域経済の活性化に取り組んでいる。本業やデジタルトランスフォーメーション(DX)をはじめ、補助金や利子補給制度の提案、事業承継、脱炭素化支援など付加価値の高いコンサルティングサービスを提供している。
 同店が立地する奥州市は、米メジャーリーグの大谷翔平選手の出身地として知られ…

 【写真】陽だまり工房の菊池大助社長(左)にSDGs宣言のパネルを贈呈する田中誠支店長(中央、3月12日、陽だまり工房本社)

2025年3月21日号20面 三菱UFJ信託銀行吉祥寺支店、相続起点に富裕層取引

2025年3月21日号20面 三菱UFJ信託銀行吉祥寺支店、相続起点に富裕層取引

 相続起点に富裕層取引
 三菱UFJ信託銀行吉祥寺支店(竹尾顕支店長=行員40人うち渉外14人。派遣スタッフ9人)は、富裕層のさまざまな悩みや課題を担当者一人が解決に導くワンストップ型のソリューション態勢を整えている。高度・複雑化する案件対応力を高めた結果、2024年度上期には行内の優秀な営業マン100人に贈られる“エクセレントメンバーズ”に全店で最多の8人が選ばれた。
 吉祥寺は代々続く地主をはじめとする富裕層が多く住む都内でも有数の人気タウン。文豪にも愛された文教地区でもある。相続を起点に個人取引を広げており…

 【写真】本店営業部・ウェルスマネジメント営業室の専任担当者を交えたTWMの店内勉強会。(2月18日)

2025年3月14日号17面 北おおさか信金、札勘でギネス世界記録、1万枚を8分2秒98で仕分け

2025年3月14日号17面 北おおさか信金、札勘でギネス世界記録、1万枚を8分2秒98で仕分け

 【大阪】北おおさか信用金庫(大阪府、須戸裕治理事長)は3月1日、札勘の速さでギネス世界記録に認定された。役職員50人が1万枚の模擬紙幣を100枚ずつ仕分けするタイムに挑戦し、8分2秒98を記録。運営するギネスワールドレコーズジャパンは「金融機関の日常業務である“札勘”での記録達成は初めて」という。
 同信金が、4月17日に迎える創業100周年の事業。職員のチームワークを高めるために日常業務を通して…

 【写真】ギネス世界記録に認定された「20世紀+α」の札勘風景(3月1日、本店、北おおさか信金提供)

インタビュー

2025年4月18日号7面 農林中金、2026年3月期黒字化を堅持、再投資先は慎重に選別

2025年4月18日号7面 農林中金、2026年3月期黒字化を堅持、再投資先は慎重に選別

 4月1日に農林中央金庫のトップに就任した北林太郎理事長は、同10日に本紙のインタビューに応じ、米国トランプ政権による関税引き上げの影響で世界的に金融不安への警戒感が高まるなかでも2026年3月期の黒字化目標を堅持すると明かした。
 25年3月期連結決算の純損益は約1兆9千億円の赤字を見込むが、24年度中に…

【写真】インタビューに応じる北林理事長(4月10日)

2025年4月4日号2面 インタビュー 半沢・全銀協新会長、成長支え未来への礎 築く

2025年4月4日号2面 インタビュー 半沢・全銀協新会長、成長支え未来への礎 築く

 全国銀行協会の会長に4月1日、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取(60)が就任した。国内景気は拡大基調が続くが、不祥事が相次いだ金融界は信頼回復という課題も抱える。今後の協会運営方針や銀行経営を取り巻く環境などについて聞いた。

■縮小均衡脱し好循環を実現
 ――失われた30年と言われた日本経済の現状認識は。
 「縮小均衡から変わるためのいい流れができつつある。これをしっかりした動きに…

2025年1月1日号3面 特集 新春インタビュー、福留・全銀協会長、スタートアップ育て再成長実現

2025年1月1日号3面 特集 新春インタビュー、福留・全銀協会長、スタートアップ育て再成長実現

官民挙げて推進するスタートアップ育成――。
日本の再成長のカギとなり、銀行界に求められる役割は融資から出資まで幅広い。
全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)に銀行のスタートアップ支援や日本が抱える課題について聞いた。
(聞き手=佐藤康浩)

■世界基準の生態系必要
 ――日本のスタートアップの現況をどうみていますか。
 「今の米経済を引っ張っているのは新しい産業を作り出した『マグニフィセント・セブン』のような…

2024年12月6日号9面 【ちょっと一言】 後藤真希さん(歌手・タレント)、ファンの存在が原動力

2024年12月6日号9面 【ちょっと一言】 後藤真希さん(歌手・タレント)、ファンの存在が原動力

 一店舗で他店対応を
 1999年に「モーニング娘。」でデビューし、2024年9月9日に25周年を迎えた。ミリオンヒットした「LOVEマシーン」では、加入直後にセンターへ抜てき。多くのファンの心をつかむと「恋のダンスサイト」などのヒット曲を連発させ、一時代を築いた。現在は歌手やタレントとして活躍中だ。
 自身が「転機だった」と話すのは2008年のエイベックスへの移籍。アイドル時代とは違い…

2024年10月11日号8面 特集 東北4信金、創業者に聞く・必要な支援とは

2024年10月11日号8面 特集 東北4信金、創業者に聞く・必要な支援とは

 融資で夢実現・助言を成長に
 【仙台】少子高齢化や事業所数減少の影響を大きく受けている東北地区経済。その厳しい環境のなかでも地元信用金庫の支援を得て創業や事業拡大に成功した企業がある。創業者4氏に起業の経緯や信金の支援内容、後に続く創業者に対して金融機関が担うべき役割を聞いた。

 ■NPO「水梨かふぇ」(気仙沼信金)、ビジョン描き導く存在
 障がい者などの支援施設、多機能型事業所「いっぽ」を運営する水梨かふぇ。看護師だった秋山順子理事長が…

 【写真】水梨かふぇの秋山順子理事長(右)から話を聞く気仙沼信用金庫南支店の村上達也支店長(7月9日、多機能型事業所「いっぽ」)

2024年9月20日号10面 再考地方創生(6) 積み残された課題、重み増す次の10年

2024年9月20日号10面 再考地方創生(6) 積み残された課題、重み増す次の10年

 政府が地方創生を打ち出してから10年。金融機関も自治体と連携して全国各地で取り組みを進め一定の成果を生んだ一方で、積み残された課題は少なくない。自見英子地方創生担当大臣(48)と、福島県会津若松市でICT(情報通信技術)を活用した「スマートシティ」化を推進するアクセンチュアの海老原城一執行役員(48)に今後の展望などを聞いた。

 【写真】(左から)自見英子・地方創生担当大臣、海老原城一・アクセンチュア執行役員

2024年8月30日号6面 インタビュー 平松・全信協会長、業界一丸でデジタル化推進

2024年8月30日号6面 インタビュー 平松・全信協会長、業界一丸でデジタル化推進

6月に就任した全国信用金庫協会の平松廣司会長(74歳、かながわ信用金庫会長)。地域経済の縮小や役職員の減少、預金獲得競争の激化など課題が山積するなか、今後の戦略を聞いた。


 ――金利環境が変わり預金の重要性は増すが、獲得に向けて必要になるのは。
 「預金に対する姿勢は変化しており、獲得に向けた動きが活発になりつつある…

2024年8月9日号1面 インタビュー 井藤・金融庁長官、貸出金利上昇の影響点検

2024年8月9日号1面 インタビュー 井藤・金融庁長官、貸出金利上昇の影響点検

 7月に就任した井藤英樹・金融庁長官(59)が本紙インタビューに応じ、国内金利上昇に伴う貸出金利の引き上げを見据え、顧客対応状況に焦点を当て銀行に対するモニタリングを行う考えを示した。担保・保証に依存しない事業性融資推進に向け、ノウハウや体制整備に課題があるとし、金融機関と納得感のある対話も進めていく方針だ。

 ――金利上昇局面を迎え、当局が注視するリスクや金融機関に求める対応は。…