2025年10月10日号1面 地域銀行、融資ファンドへ参加増、LBOノウハウ習得狙う

2025年10月10日号1面 地域銀行、融資ファンドへ参加増、LBOノウハウ習得狙う

 集めた資金で融資するプライベートデット(PD)ファンドに出資する地域銀行が増えている。トパーズ・キャピタルが5月に立ち上げたファンドには49社から500億円の資金が集まり、出資者の半数を地域金融機関が占めた。安定したリターンが見込めるほか、LBO(借入金を活用した買収)ローンなどのノウハウ習得を狙う。LBOローン市場の参加者拡大へ大手行のファンド立ち上げも相次ぐ。
 トパーズ・キャピタルが2012年に立ち上げた国内初のファンドで集めた資金は117億円だったが、今回4.3倍に…

2025年10月10日号8面 特集 北海道内金融機関の広告戦略、商品PRマス媒体主役

2025年10月10日号8面 特集 北海道内金融機関の広告戦略、商品PRマス媒体主役

 【札幌】営業エリアが広大な北海道の地域金融機関。行職員数や営業店への来店客数がともに減少傾向にあるなか、顧客との接点を維持・拡大させる一つの手段として広告戦略に着目する先が増えている。そこで道内金融機関にアンケートを実施。広告媒体の活用方法や課題を探った。

 ■8割が新聞を重視
 広告を使ってPRしているテーマは、融資(23機関)、預金(19)、イメージアップ(11)、イベント(10)、預かり資産(5)、各種サービス(3)の順となった。
 企業が広告費を支払って自社の情報を掲載する「ペイド(払う)メディア」で最も重視する媒体は…

 【写真】札幌市の大型商業施設・大通ビッセの地下2階ホールに街頭ビジョンを設置し、金融サービスに関する情報や企業広告を発信する北洋銀行(9月24日)

2025年10月10日号1面 3メガ 新卒内定7%増、三井住友銀行、半数が職種別

2025年10月10日号1面 3メガ 新卒内定7%増、三井住友銀行、半数が職種別

 3メガバンクの2026年春の新卒内定者数は、合計で1841人(みずほは持ち株会社、銀行、信託銀行の合算)と前年比7%増加したことが本紙調査で判明した。3行合算で新卒内定者が増加するのは3年連続。各行は専門人材を育成するため、職種(コース)別の採用に力を入れており、「量」よりも「質」を重視する傾向が強まっている。
 26年春の新卒内定者(10月1日時点)は、三菱UFJ銀行が…

【写真】三井住友銀の内定式(10月1日、本店)

2025年10月10日号2面 日銀調査、金融機関、AI急拡大、過半数が利用

2025年10月10日号2面 日銀調査、金融機関、AI急拡大、過半数が利用

 金融機関で生成AI(人工知能)の導入が急速に進んでいる。日本銀行が全国の銀行や信用金庫など153先を対象に実施した定例アンケートによると、「利用中」と回答した先は50.3%と、前年(2024年度)の31.0%から約20ポイント上昇し、過半数に達した。「試行中」を含めると7割を超える。地域金融機関での拡大が目立ち、利用分野も広がりをみせている。
 アンケートは25年4~5月に実施した。生成AI利用先の導入目的は、「業務効率化・コスト削減」という回答が75先(前年は48先)と最も…

2025年10月10日号4面 山梨中央銀行、エンディング動画作成、相続人への「想い」預かる

2025年10月10日号4面 山梨中央銀行、エンディング動画作成、相続人への「想い」預かる

 山梨中央銀行は10月1日、個人が相続人に「想い」を伝えるエンディング動画の作成サービスを始めた。エンディング動画の作成は東京都内の複数企業が手がけているが、同行のサービスは外部カウンセラーによる助言や動画の保管、相続人へのサプライズの手渡しまで含めたもので、全国初という。
 「お金だけでなく想いも預かり、届けたい」。発案した経営企画部の室伏諒さん(30)はそう話す。同サービスでは、2024年1月に…

【写真】新サービスの方針を話し合う室伏諒さん(左)と小田切耀平・地方創生推進部室長代理(9月25日、本店)

人事施策

2025年10月10日号1面 3メガ 新卒内定7%増、三井住友銀行、半数が職種別

2025年10月10日号1面 3メガ 新卒内定7%増、三井住友銀行、半数が職種別

 3メガバンクの2026年春の新卒内定者数は、合計で1841人(みずほは持ち株会社、銀行、信託銀行の合算)と前年比7%増加したことが本紙調査で判明した。3行合算で新卒内定者が増加するのは3年連続。各行は専門人材を育成するため、職種(コース)別の採用に力を入れており、「量」よりも「質」を重視する傾向が強まっている。
 26年春の新卒内定者(10月1日時点)は、三菱UFJ銀行が…

【写真】三井住友銀の内定式(10月1日、本店)

2025年10月10日号16面 三井住友信託銀行、東京本部業務関西で、新人事制度と連動

2025年10月10日号16面 三井住友信託銀行、東京本部業務関西で、新人事制度と連動

 【大阪】三井住友信託銀行は、東京本店の本部業務を関西圏でリモート勤務する「ワークデザインベース」が定着。個人の事情で、関西圏で勤務を希望する本部行員に、これまでの業務継続を後押しする。この働き方が浸透し、利用者は10月1日現在で45人(上期から24人増)。10月に導入した新人事制度と連動させ、多様な働き方を進める。
 ワークデザインベースは2023年度に導入。コロナ禍でリモート業務が充実したため、場所を問わずに仕事ができる体制が整い…

 【写真】大阪本店内のフリースペースでリモート業務をする行員(9月11日)

2025年10月3日号3面 三井住友信託銀行、自律的なキャリア形成、管理職を「選択制」に

2025年10月3日号3面 三井住友信託銀行、自律的なキャリア形成、管理職を「選択制」に

 三井住友信託銀行は、10月から始まった新人事制度において、管理職を選択制にした。キャリアの決定権を社員自身に渡すことで、部下を育てる意識などを醸成する狙い。勤務エリアや転勤の有無、希望する業務も選べる制度にして、社員一人一人が自律的なキャリアを組み立てられるようにする。(▼1面参照)
 従来のキャリア形成は、社員の希望を踏まえたうえで、最終的には会社が決めていた。新人事制度では、…

2025年9月26日号1面 三菱UFJ銀行、30代支店長登用を加速、転勤の選択制度も

2025年9月26日号1面 三菱UFJ銀行、30代支店長登用を加速、転勤の選択制度も

 三菱UFJ銀行は、一般職にあたるビジネス・スペシャリスト職と総合職の一本化をはじめとする人事制度の改革を進めている。新卒採用では、30代で支店長を目指すカスタマーサービス(CS)コースを導入し、2025~26年で合わせて約200人の入行を見込む。全行員が転居範囲を毎年選ぶ制度も新設するなど、働き手の意向を尊重したキャリア形成の実現を目指す。
 CS職は配属から2年間、支店でオペレーションや個人向けコンサルティングを学ぶ。窓口業務を担うが、…

【写真】研修を受ける2025年4月入行のCSコースの行員(三菱UFJ銀提供)

2025年9月26日号3面 地域銀行、管理職育成で目標設定、滋賀銀行、本支店経験7割に

2025年9月26日号3面 地域銀行、管理職育成で目標設定、滋賀銀行、本支店経験7割に

 地域銀行で、管理職の育成に関して目標を設定する動きが出ている。管理職の役割が多様化するなか、登用方法の見直しや、研修の充実を図る内容だ。滋賀銀行は管理職候補者として、本部と営業店の両方を経験した人材の割合を高める。琉球銀行は有価証券報告書で管理職の育成計画を具体的に開示した。
 有価証券報告書などで管理職育成に関する指標を定める銀行が増加傾向に…

2025年9月26日号16面 群馬銀行、ジョブ型人事拡充、専門職を2027年度250人に

2025年9月26日号16面 群馬銀行、ジョブ型人事拡充、専門職を2027年度250人に

 群馬銀行は、担う職務や専門性の高さで処遇するジョブ型人事制度を軌道に乗せている。2024年6月の導入後、高度な知見・スキルを有する「スペシャリスト(専門)職」に181人任命。2027年度には250人へ増やす計画だ。支店長などを公募するジョブポスティングでは30人を登用。職務・人的要件の明示で、全行員にキャリア自律を促す。
 年功序列型の資格体系を廃止し、部支店長などの「マネージャー職」や専門職など四つの職群を設けた。キャリア形成を複線型とすることで…

2025年9月19日号16面 三菱UFJ銀行、アルムナイに熱視線、中部で初イベント

2025年9月19日号16面 三菱UFJ銀行、アルムナイに熱視線、中部で初イベント

 【名古屋】三菱UFJ銀行は8月27日、中部地区で初のアルムナイ(卒業生)イベント「つながるBANKフェス」を開いた。退職時に専用サイトに登録していたアルムナイ14人が参加。人手不足感が強まるなか、中部地区でもアルムナイ採用に力を入れ始めた。
 首都圏ではすでに交流会を開催。今回は子ども連れも可能にして参加しやすくした。人事制度や働き方の解説に加え…

 【写真】座談会で交流するアルムナイと現役行員(8月27日、三菱UFJ銀行名古屋ビル)

2025年9月12日号3面 銀行・信金、新卒採用方法を見直し、早期化やインターン拡充

2025年9月12日号3面 銀行・信金、新卒採用方法を見直し、早期化やインターン拡充

 銀行や信用金庫が新卒採用プロセスを見直し、学生との接点を強化する動きが出てきている。学生優位の「売り手市場」が続くなか、優秀な学生に早期に内定を出せるように選考時期を前倒ししたり、インターンシップの受け入れ人数を増やしたりする金融機関が目立つ。
 ニッキンが銀行(銀行持ち株会社を含む)・大手信金(預金量上位50先)を対象に調査し、152機関から回答を…

法令制度政策

2025年10月3日号1面 銀行界、資金移動業向け送金制限、国から要請 対策検討

2025年10月3日号1面 銀行界、資金移動業向け送金制限、国から要請 対策検討

 銀行界は、資金移動業者向けの送金制限対策を検討している。金融庁と警察庁が9月12日、インターネットバンキング(IB)利用者が口座名義人と異なる依頼人名で、資金移動業者向けに送金する取引を拒否するよう金融業界団体などに求めた。「件数が多く個別行で対応するのは難しい」(銀行関係者)という声もあり、業界横断で連携した仕組みの創設も視野に入れ、各業態の業界団体が水面下で議論している。
 両庁は2024年、法人口座を含む預貯金口座の不正利用防止に向けて対策強化などを求める要請文を…

2025年10月3日号2面 中企庁、補助金で企業成長後押し、1次公募207件採択

2025年10月3日号2面 中企庁、補助金で企業成長後押し、1次公募207件採択

 中小企業庁は、金融機関による事業者の成長支援を後押ししている。金融機関が認めた投資計画に補助金を出す「中小企業成長加速化補助金」の1次公募で207件を採択した。そのうち、地域銀行が支援した案件が全体の半数以上を占めた。同庁担当者は「直近の財務状況は悪いものの、事業者をよく知る地域金融機関だからこそ作ることができる投資計画が多かった」とし、採択後も各企業の成長に向けた支援の継続を求める。
 6月に締め切った1次公募では、178金融機関が、延べ1082件の投資計画を認定。採択した207件のうち、地域銀行による案件は…

2025年9月26日号1面 警察庁と銀行界、ATM制限解除 原則なし、75歳以上は30万円まで

2025年9月26日号1面 警察庁と銀行界、ATM制限解除 原則なし、75歳以上は30万円まで

 警察庁と銀行界が進めていた高齢者のATM利用制限に関する議論が、決着する見通しとなった。懸案になっていた利用者本人が制限の解除を求めてきた場合の対応について、警察庁が銀行界からの要望を受け入れ、原則認めない方針を固めた。年齢・金額に関しても銀行界の要望通り、75歳以上はATMからの現金引き出しと振り込みを1日当たり30万円までとする方向だ。
 警察庁は当初、65歳以上がATMを利用する場合の1日当たりの上限額を20万円とし、…

2025年9月26日号2面 日銀、ETF処分決定、売り切るまで「100年超」

2025年9月26日号2面 日銀、ETF処分決定、売り切るまで「100年超」

 日本銀行は9月18、19日に開いた金融政策決定会合で、保有する上場投資信託(ETF)などの処分について、100年を超す期間をかけて市場で売ることを決めた。2026年初めにも売却を始める。一方、政策金利は5会合連続で維持。高田創、田村直樹両審議委員は、「0.75%程度」への追加利上げを求めて反対した。
 ETFの年間売却ペースは、時価ベース(25年3月末時点)で6200億円、日銀の買値である簿価ベースでは…

【写真】ETFの処分計画について説明する植田和男総裁(9月19日、本店)

2025年9月19日号1面 地銀、参入規制の格差解消要望、“銀商”問題に踏み込む

2025年9月19日号1面 地銀、参入規制の格差解消要望、“銀商”問題に踏み込む

 地方銀行は、「銀行業」と「非銀行業」における参入規制の格差是正を金融庁に求める。2025年度の規制改革・行政改革要望に、銀行から商業への参入は認められない一方で、商業から銀行への参入は認められている「One‐Way(ワンウェイ)規制」の撤廃を初めて盛り込む見通し。銀行グループと、銀行を保有する一般事業会社グループとの間で、金融規制が異なっていることなどを指す“銀商”問題の解消を要求する。銀行持ち株会社から一般持ち株会社への柔軟な移行を可能にする仕組みの検討などを働きかける。
 現行規制では、銀行を保有する一般事業会社グループには主要株主規制は課され…

2025年9月19日号2面 中企庁、成長企業の人材難解決、中小機構が3事業本格化

2025年9月19日号2面 中企庁、成長企業の人材難解決、中小機構が3事業本格化

 中小企業庁は、事業者による人材の採用・育成を支援する施策を通じて企業の成長を後押しする。所管の中小企業基盤整備機構は、各社が必要とする人材の明確化や従業員のエンゲージメント向上をサポートする三つの事業を本格化させる。企業の成長過程で必要となる経営幹部人材の確保や、離職を防ぐための社内組織体制の整備に向けたノウハウを伝授する取り組みとなる。
 中小機構関係者は、金融機関などに対して「取引先への人材紹介支援などを補完するために活用…

2025年9月12日号2面 金融庁、粉飾対策 「第2線」注視、営業現場と連携求める

2025年9月12日号2面 金融庁、粉飾対策 「第2線」注視、営業現場と連携求める

 金融庁は、粉飾決算による倒産件数が増加傾向にあることを受けて、金融機関の信用リスク管理態勢のうち審査部など、いわゆる「第2線」の動きを注視する。「第1線となる営業店を指導するだけでなく助言も必要だが、機能していないケースが見受けられる」(同庁)。モニタリングする過程で第2線の具体的な取り組みのほか、課題認識などを聞く。2025事務年度(25年7月~26年6月)も、こうした活動を継続する方針だ。
 9月3日、中国財務局岡山財務事務所が地域金融機関などを対象に勉強会を主催…

2025年9月5日号2面 金融庁、来夏、大規模な組織改正へ、「資産運用・保険監督局」新設

2025年9月5日号2面 金融庁、来夏、大規模な組織改正へ、「資産運用・保険監督局」新設

 金融庁は、「資産運用・保険監督局」を新設するなどの大規模な組織再編へ動き出す。資産運用業の高度化や保険業界の信頼回復に向けた対応を強化する狙い。8月26日、自民党の資産運用立国議員連盟(岸田文雄会長)は金融庁の組織改編を支援する姿勢を示した。
 2026年夏の変更を求める機構・定員要求に盛り込んだ。監督局と総合政策局を…

【写真】金融庁の組織改編に言及する岸田文雄会長(8月26日、衆議院第一議員会館)

経営

2025年10月10日号8面 特集 北海道内金融機関の広告戦略、商品PRマス媒体主役

2025年10月10日号8面 特集 北海道内金融機関の広告戦略、商品PRマス媒体主役

 【札幌】営業エリアが広大な北海道の地域金融機関。行職員数や営業店への来店客数がともに減少傾向にあるなか、顧客との接点を維持・拡大させる一つの手段として広告戦略に着目する先が増えている。そこで道内金融機関にアンケートを実施。広告媒体の活用方法や課題を探った。

 ■8割が新聞を重視
 広告を使ってPRしているテーマは、融資(23機関)、預金(19)、イメージアップ(11)、イベント(10)、預かり資産(5)、各種サービス(3)の順となった。
 企業が広告費を支払って自社の情報を掲載する「ペイド(払う)メディア」で最も重視する媒体は…

 【写真】札幌市の大型商業施設・大通ビッセの地下2階ホールに街頭ビジョンを設置し、金融サービスに関する情報や企業広告を発信する北洋銀行(9月24日)

2025年10月10日号2面 日銀調査、金融機関、AI急拡大、過半数が利用

2025年10月10日号2面 日銀調査、金融機関、AI急拡大、過半数が利用

 金融機関で生成AI(人工知能)の導入が急速に進んでいる。日本銀行が全国の銀行や信用金庫など153先を対象に実施した定例アンケートによると、「利用中」と回答した先は50.3%と、前年(2024年度)の31.0%から約20ポイント上昇し、過半数に達した。「試行中」を含めると7割を超える。地域金融機関での拡大が目立ち、利用分野も広がりをみせている。
 アンケートは25年4~5月に実施した。生成AI利用先の導入目的は、「業務効率化・コスト削減」という回答が75先(前年は48先)と最も…

2025年10月10日号6面 信金・信組、求められる内部監査高度化、担当部門任せから脱却も

2025年10月10日号6面 信金・信組、求められる内部監査高度化、担当部門任せから脱却も

 信用金庫・信用組合業界に対して、内部監査の高度化に対する要請が高まっている。金融庁は信金・信組を対象に勉強会を実施するなど、フォローアップを図ってきた。ただ、マネーロンダリング対策やサイバーセキュリティーなど対応事項が多岐にわたるなか、銀行と比較して小規模な先が多い協同組織金融機関では、リソースの確保が課題となる。
 無断で顧客の名義を借用した融資など、複数の不正が明るみに出たいわき信用組合のケースでは、東北財務局が…

2025年10月10日号10面 改革の旗手 淡路睦・千葉銀代表取締役専務執行役員・グループCSuO

2025年10月10日号10面 改革の旗手 淡路睦・千葉銀代表取締役専務執行役員・グループCSuO

 誰もが活躍できる道拓く
 2024年4月、地方銀行で初の生え抜きの女性代表取締役に就任した。女性活躍のフロントランナー的存在だが、その道のりは「エリートコースとはかけ離れた銀行員人生だった」という。男性との昇格差や育児との両立、未経験の部署でのマネジメント。逆境にさらされても成長の糧にし、誰もが活躍できる道を作ってきた。

 ■男女の格差に失望
 入行後、ある先輩にかけられた言葉にがくぜんとした。「5年は働いてね。制服の元が取れないから」。
 1986年に男女雇用機会均等法が施行されていたが…

 【写真】淡路睦・千葉銀行代表取締役専務執行役員・グループCSuO

2025年10月3日号5面 TSUBASA10年の軌跡(下)環境変化 真価試す連携

2025年10月3日号5面 TSUBASA10年の軌跡(下)環境変化 真価試す連携

■活発な人材交流
 「他行の文化や風土を肌で感じて」――。TSUBASAアライアンスは2022年8月、女性幹部候補層の育成を目的にクロスメンター制度を創設した。全10行から選んだメンター(役員)とメンティ(女性管理職)が、それぞれ他行同士で面談を通じて対話。自行の枠を超えて多様な視点や気づきを得られ、「良い刺激になった」との声が多い。
 人材交流が活発なのは同アライアンスの大きな特色だ。経営人材を育てるための部長クラス向け…

【写真】クロスメンター研修に参加した10行のメンター(役員)とメンティ(8月1日、千葉銀提供)

2025年10月3日号15面 特集 広島銀行・玉島信金、「ノルマ廃止」定着へ、真の顧客本位めざす

2025年10月3日号15面 特集 広島銀行・玉島信金、「ノルマ廃止」定着へ、真の顧客本位めざす

 【広島】「ノルマ廃止」――。中国地方では、広島銀行と玉島信用金庫(岡山県)が従来の営業方針を転換し数年がたった。真の「顧客本位の徹底」を掲げ、各営業店の自主性を重視。定量的な目標をなくし、定性面を評価する制度を導入した。営業店連携の活発化など成果をあげる一方、変化に伴う課題も見えてきた。内外での定着を目指し試行錯誤する姿を追った。

 ■目標設定は自主性重視
 広島銀行は、本部から振り分けていた営業店別の数値目標を2023年度に廃止。各営業店が主体的に計画を立てるボトムアップ方式に転換した。玉島信金は協同組織の原点に立ち返り…

 【写真】広島銀行では、個人顧客の資産運用担当者が地区を越えて集まり成功事例などを共有した(9月2日、広島銀行広島東支店)

2025年9月26日号4面 TSUBASA10年の軌跡(上)シナジー、全方位に広がる

2025年9月26日号4面 TSUBASA10年の軌跡(上)シナジー、全方位に広がる

 全国の有力地域銀行による広域連携「TSUBASAアライアンス」が10月に発足10年を迎える。参加は10行に拡大し、連携領域はシステムにとどまらずフィンテックや営業施策、人材育成など全方位に広がる。各行の独立性を重んじる連携モデルとして進化してきた軌跡を追う。(佐藤涼香、酒井杏)

■連携業務10以上

 「北から南まで広域、かつ地域のトップバンクが持ち寄った先行事例からベストプラクティスを選べる。『時間を買える』点が大きかった」。千葉銀行の…

【写真】TSUBASA金融システム高度化アライアンス調印式に出席した(左から)宮長雅人・中国銀頭取と佐久間英利・千葉銀頭取、並木富士雄・第四銀頭取、下野雅承・日本IBM副社長(15年10月、肩書は当時、千葉銀提供)

2025年9月19日号3面 足利銀行、営業店がKPI策定、本部計画上回る利益達成

2025年9月19日号3面 足利銀行、営業店がKPI策定、本部計画上回る利益達成

 足利銀行は、営業店が経営方針を策定し成果指標(KPI)を定める「自主経営」の定着を目指す。初めて全店で取り組んだ2024年度下期の業務粗利益は本部が公表せずに立てた計画比で105%になった。25年度は短期の数値目標に縛られずに活動できるよう年度目標に改定。トップダウン式のノルマ営業に「後戻りさせない」(清水和幸頭取)考え。
 業績評価制度を見直したのは21年度。当時、本部から達成すべき示達項目は110項目に…

【写真】太田支店で支店経営方針を話し合う行員

手数料

2025年8月15日号1面 地銀協・第二地銀協、口振納付手数料引き上げ、国税庁と水面下で協議

2025年8月15日号1面 地銀協・第二地銀協、口振納付手数料引き上げ、国税庁と水面下で協議

 全国地方銀行協会と第二地方銀行協会は、国税庁から委託されている口座振替納付手数料の引き上げへ水面下で協議を始めた。両協会で連携し、業務経費負担の適正化を目指す。全国の地域銀行が指定金融機関業務の手数料徴収を巡って地方公共団体などと交渉を進めるなか、「国税(の手数料)が動けば地公体の姿勢も軟化する」(関係筋)という見方もあり、引き上げが実現した場合の影響は大きい。
 国税の口座振替納付は、納税者の預貯金口座から引き落とし、各金融機関が国税庁に税金を納付…

2024年11月15日号11面 生保、外貨保険手数料見直し、1年目の料率は約半分

2024年11月15日号11面 生保、外貨保険手数料見直し、1年目の料率は約半分

 生命保険会社は2025年4月から、外貨建て一時払い保険などの販売手数料を見直す。販売1年目の手数料率は約半分に引き下げ、次年度以降の料率を引き上げる。現在の手数料体系は1年目の手数料を高めに設定する「L字型」が主流だが、来春以降はよりフラットに近いL字型になる。銀行などの販売会社に対し、保険契約者へのアフターフォローを促す動機づけとなる。
 生保各社は、具体的な手数料率の公表を控えている。…

2024年11月8日号1面 地銀など指定金、手数料徴収は道半ば、「ゼロ円」地公体 約4割

2024年11月8日号1面 地銀など指定金、手数料徴収は道半ば、「ゼロ円」地公体 約4割

 地方銀行など指定金融機関が税・公金収納業務の手数料徴収をめぐり、地方公共団体と交渉していた最新結果が明らかになった。窓口収納にかかるコストに対し、徴収している金額はいまだかい離があった。約4割の地公体で「ゼロ円」となっており、交渉の難しさが浮き彫りになった。
 全国銀行協会が、8月に実施した会員行への調査結果を…

2024年8月30日号1面 金融庁、外貨保険手数料にメス、生保の見直し状況検証

2024年8月30日号1面 金融庁、外貨保険手数料にメス、生保の見直し状況検証

 金融庁は、生命保険会社が金融機関代理店などに支払う外貨建て保険販売手数料体系の見直し状況を検証する。生命保険協会が4月に改正した同保険に関連するガイドライン(指針)への対応の進捗(しんちょく)度について、フォローアップを近く開始する。銀行窓販チャネルを主力とする生保8社が対象。指針改正を受け、各社は2025年4月をめどに手数料体系を見直す方向で最終調整しており、同庁もその動向を注視する。(関連記事3面)
 同庁は4月、…

2024年7月19日号1面 地銀など指定金、「振込手数料」交渉を継続、事務コスト負担で隔たり

2024年7月19日号1面 地銀など指定金、「振込手数料」交渉を継続、事務コスト負担で隔たり

 指定金融機関を務める地方銀行などは、地方公共団体と公金業務に関する手数料交渉を継続している。10月から公金振り込みに適用される内国為替制度運営費については、総務省が地公体の費用負担分(1件当たり62円)に対し、地方交付税の措置を講じることを決めており、指定金の事務コストの上乗せ額が争点だ。いったん合意したという地銀の関係者は「当初の提示金額と隔たりがあり、交渉を続ける」として長期戦も覚悟する。
 内為運営費は、振り込みを受け付けた仕向け銀行(指定金)から…

2024年3月29日号4面 百五銀行、公金手数料交渉が進展、三重県全自治体で有料化

2024年3月29日号4面 百五銀行、公金手数料交渉が進展、三重県全自治体で有料化

 【名古屋】百五銀行は、三重県内の地方自治体全30先で「公金手数料」の有料化が実現するめどが立った。公金の窓口収納や振込に関して自治体からの手数料を有料化する方向で地域銀行が交渉しているが、県内の全自治体が同じ手数料で一挙にまとまる好事例と言えそうだ。
 提案先は三重県と29市町。このうち指定金融機関は18先。振込1件当たりの手数料は、…

2024年2月16日号3面 総務省、内為運営費に交付税、地公体負担を軽減

2024年2月16日号3面 総務省、内為運営費に交付税、地公体負担を軽減

 総務省は、公金振り込みへの内国為替制度運営費の適用によって増える地方公共団体の負担を、地方交付税で軽減する。2024年度から、負担増加分に相当する金額を上乗せして交付する方針を固めた。地公体は指定金融機関に支払う手数料の財源を確保しやすくなり、負担を求める金融機関にとっても追い風になりそうだ。
 1月末までに、自治財政局財政課が負担分を地方交付税に上乗せする方針を各地公体に通知した。交付税は自治行政に求められる経費と不足分を…

2023年12月1日号1面 地域銀、公金手数料で合意相次ぐ、200団体が引き上げ承諾

2023年12月1日号1面 地域銀、公金手数料で合意相次ぐ、200団体が引き上げ承諾

 指定金融機関を務める地域銀行が、手数料引き上げ交渉で地方公共団体と相次ぎ合意している。関係者によると、十数行の地方銀行が公金振り込みに関する経費負担の見直しで、200近くの地公体から承諾を得たという。全国の地公体数は1700超。2024年10月から公金振り込みに適用される内国為替制度運営費(内為運営費)をめぐり、全国的に交渉が大詰めを迎えている。
 内為運営費は、仕向け銀行から被仕向け銀行に対して支払われる費用で、1件当たり62円。民間取引には21年10月から適用済みだが…

ネット・システム

2025年9月26日号10面 Techで変える(最終回)

2025年9月26日号10面 Techで変える(最終回)

■静岡銀行、データ分析で営業改革、顧客ニーズをスコア化
 【静岡】静岡銀行は、DX推進部内のデータサイエンス推進グループが中心となって、デジタル技術を活用してデータ分析力を高め、効果的・効率的なマーケティングを推進。収集データを可視化するTableau(タブロー)や機械学習を支えるプログラミング言語Python(パイソン)、AI(人工知能)を使い金融商品に対する顧客ニーズをスコア化する。顧客特性に合わせたアプローチを可能にしたほか、ダイレクトメール(DM)送付先の削減も実現した。マネーロンダリング分野を中心にリスク管理面にも生かす。
 鍋田直也グループ長は子会社である静銀ITソリューション内の分析チーム設立時(2014年)から関わる。当初は…

 【写真】インターンシップでデータサイエンティストの“卵”が預金獲得策を検討(8月20日、静岡銀行本部研修センター)

2025年9月19日号4面 四国銀行、デジタル化後押し300件、商店街モデルを横展開

2025年9月19日号4面 四国銀行、デジタル化後押し300件、商店街モデルを横展開

 【高松】四国銀行は、企業の業務効率化だけでなく売り上げ増加に資するデジタル化支援に力を注ぐ。専業部隊の設置後、2年半で支援先は約300先。商圏人口の減少といった課題を抱える商店街の活性化にも取り組む。
 デジタル化支援の一環で手がける商店街の活性化は、県からの委託事業。2024年度は7先から受託し、25年度も7先の継続支援に加えて…

【写真】デジタルプランニングデスクの支援内容について説明する担当者(四国銀提供)

2025年8月29日号1面 金融界、業態横断でデータ連携、粉飾検知の枠組み構築へ

2025年8月29日号1面 金融界、業態横断でデータ連携、粉飾検知の枠組み構築へ

 金融界で、業態を横断してデータ連携を行うプロジェクトが本格化する。銀行などが保有する決算書データを持ち寄って比較し、融資先企業の粉飾決算を検知する枠組みを構築したい考え。デモデータを用いた技術検証を終えており、早ければ2025年秋ごろから実際の決算書データを用いた実証を始める方針だ。
 複数金融機関から借り入れがある企業を念頭に、各金融機関が受け取った決算書の各項目が一致するか…

【写真】データ連携の実現に向けて意見を出し合ったワーキンググループの検討会(金融データ活用推進協提供)

2025年8月29日号11面 PFP、窓販共同募集拡大の兆し、生保監督指針案受け

2025年8月29日号11面 PFP、窓販共同募集拡大の兆し、生保監督指針案受け

 八十二銀行など導入
 PGフレンドリー・パートナーズ(PFP)による保険窓販の新たなビジネスモデル導入を検討する動きが高まっている。金融庁が進める保険会社向けの総合的な監督指針案を受けての対応。プロダクトガバナンスやアフターフォローの体制整備、保険ビジネスの収益確保への波及も期待でき、地域銀行や大手信用金庫などが関心を寄せる。
 保険窓販の新たなビジネスモデルは、PFPの共同募集ビジネス。同モデルでは、保険募集資格を持つPFPのインシュアランス・コンサルティング・パートナー(ICP)とともに募集し…

2025年8月22日号3面 金融機関、法人版「PayB」推進、税・公金納付など電子化

2025年8月22日号3面 金融機関、法人版「PayB」推進、税・公金納付など電子化

 金融機関は、法人が公共料金や税金などをウェブで支払えるサービスの活用を推進する。ビリングシステム(東京都)と連携した推進体制構築のほか、自社の法人ポータルの活用を通じて、同社が提供する「PayB for Business」の利用を企業に促す。法人から金融機関の窓口に持ち込まれる年間約1億2千万件の納付書の処理負担を軽減するとともに、顧客の利便性を高める。
 PayB for Businessは、大手銀行や地域銀行、信用金庫など多くの金融機関が顧客向けに…

2025年8月22日号10面 Techで変える (5)

2025年8月22日号10面 Techで変える (5)

 ■十六フィナンシャルグループ、「グーグル」を全社導入、チャットやAI“日常”に
 【名古屋】グーグルが提供するグループウエア「グーグルワークスペース(GWS)」を活用する十六フィナンシャルグループ。全社で予定を共有し、スマートフォンやパソコンからチャットで気軽に連絡を取り合う。日常のコミュニケーションを変えるまでには、地道な発信・啓発の積み重ねがあった。
 GWSの導入は、2023年9月に十六銀行が先行し…

 【写真】「16 min(ミニッツ)AI」の配信で、解説するDX関連部署の社員(8月6日、十六フィナンシャルグループ提供)

2025年8月15日号3面 金融界、セキュリティー知見共有、“共助”実現へ前進

2025年8月15日号3面 金融界、セキュリティー知見共有、“共助”実現へ前進

 金融界が、サイバーセキュリティー対策に関する知見の共有に乗り出す。対策を講じた際のツール活用や組織内の浸透方法を業界横断で「集合知」にするほか、個別金融機関で経営層や営業など非セキュリティー人材に対策の意義などを伝播(でんぱ)させるための方策を確立。金融庁が求める“共助”の枠組み実現へ、前進することになりそうだ。
 金融IT協会(東京都)が、IT民主化委員会内にセキュリティ民主化ワーキンググループ(WG)を設立し、大手を中心に深化する対策…

【写真】会合で意気込みを語った阿部展久WG長(8月5日、FinGATE KAYABA)

2025年8月15日号6面 全信協、DX計画の実践フォロー、「ツールありき」回避

2025年8月15日号6面 全信協、DX計画の実践フォロー、「ツールありき」回避

 全国信用金庫協会は、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進計画の実行段階にある信用金庫の支援に本腰を入れ始めた。2025年度から「DX推進実践セミナー」を開催。これまでは計画策定などに主眼を置いたセミナーを開いてきたが、ツール導入など策定後の課題に応えていく。事例の紹介を通じて、業務改善の動きを加速させ、「ツールありき」の取り組みに陥らないよう促す。
 全信協は、23年度から2年にわたりDX推進計画の策定をはじめとした基礎的な分野を扱うセミナーを…

預金

2025年9月5日号1面 大手行、個人預金 獲得競争激化、みずほ銀行も金利戦線に

2025年9月5日号1面 大手行、個人預金 獲得競争激化、みずほ銀行も金利戦線に

 大手行で個人預金の獲得競争が激しさを増してきた。対面やウェブ面談を通じてシニア層、相続金などに対象を絞り込み、インターネット専業銀行などを上回る金利を提示。6カ月・1年物で年1.3%を設定した三菱UFJ信託銀行は2カ月余りで8500億円を集めた。三井住友銀行が「オリーブ」効果により1年間で個人預金を1兆4千億円増やし、競争に拍車がかかっている。
 みずほ銀行は9月1日から、1千万円以上の退職金と相続金を対象に3カ月定期預金の金利を…

【写真】退職金定期を案内するみずほ銀東京中央支店の行員(9月1日)

2025年9月5日号10面 やさしいニュース解説 地域金融機関の預金減少、動き始めた利用者

2025年9月5日号10面 やさしいニュース解説 地域金融機関の預金減少、動き始めた利用者

 金融界では、この2年ほど「預金獲得」がキーワードとして話題に上ることが増えました。新型コロナウイルス感染症の蔓延(まんえん)と正常化、日本銀行による政策金利引き上げなど、金融機関を取り巻く環境が大きく変わるなか、預金を巡る動きを改めて整理します。

 ■金利上昇で競争始まる
 「金利上昇を経験した職員は少ない」――。2024年の冬ごろ、銀行や信用金庫の営業店をまわっていると、頻繁に耳にした話題です。当時は…

2025年8月8日号5面 西京銀行、口座開設効果 給振1000件、サービス拡充、流出防ぐ

2025年8月8日号5面 西京銀行、口座開設効果 給振1000件、サービス拡充、流出防ぐ

 【広島】西京銀行が1月から2カ月間展開した「新規口座開設キャンペーン」に伴い、給与振込口座数を1千件以上増やしたことがわかった。キャンペーンで10万2千口座が開設され、この7割程度が現役世代だったことも要因とみられる。期間中に集まった金額は1300億円で、9割以上が残っている。新しい利用者が別途、100億円近くを預金したことも明らかになった。同行は今後、預金者向けサービスを拡充し流出を防ぐ考えだ。
 松岡健頭取がニッキンのインタビューで語った。今回のキャンペーンは、山口県内在住で新たに普通預金口座を開設した人を…

【写真】インタビューに応じる松岡頭取(7月25日、本店)

2025年7月11日号1面 地銀、法人預金流出を警戒、メガ銀、決済戦略強化で

2025年7月11日号1面 地銀、法人預金流出を警戒、メガ銀、決済戦略強化で

 地方銀行は、中小企業の法人預金流出に警戒感を高めている。メガバンクが安価な振込手数料などを武器に中小の決済性預金の確保に動き出しており、一部地銀は法人預金の粘着性強化や、地元取引先の預金口座の分析高度化を急ぐ。「金利ある世界」が戻って以降、個人預金に伸び悩みの兆しがあることが背景にある。
 緊張感を高めたのが、三井住友フィナンシャルグループが5月に始めた口座や決済に関する機能を一気通貫で…

2025年7月4日号4面 メガ銀、外貨預金「小口分散」進む、非日系メイン化道半ば

2025年7月4日号4面 メガ銀、外貨預金「小口分散」進む、非日系メイン化道半ば

 メガバンクで外貨預金の獲得スタンスが変化している。日本銀行の調査・分析によると、高金利で採算性の低い大口預金の推進を抑制し“小口分散化”が進展。半面、低利かつ粘着性の高い「決済性預金」の割合は依然として低水準の横ばい傾向が続く。資金効率向上を支援するソリューション提供を通じた非日系企業の囲い込みなど、取引先のメイン化戦略が重みを増している。
 3メガバンクの外貨預金動向について、個別取引データ(高粒度データ)に基づく…

2025年6月20日号1面 メガバンク、中堅・中小の「決済」に照準、粘着性高い預金獲得

2025年6月20日号1面 メガバンク、中堅・中小の「決済」に照準、粘着性高い預金獲得

 メガバンクが、「決済」を起点にした粘着性の高い法人預金の獲得へ動き出した。ブランディングや利便性などで差別化し、大手だけでなく中堅・中小企業を囲い込む動きが激しくなっている。
 みずほフィナンシャルグループの大友聡・トランザクション業務部次長は「決済ビジネスをしっかりとやっていく。預金獲得に向けて、まずは社内の意識を変えていかなければいけない」と話す。同社は…

【写真】法人ネット口座「Trunk」を発表した三井住友FGの中島達社長(中央、4月15日)

2025年6月6日号8面 特集 公金預金入札揺れる3地域

2025年6月6日号8面 特集 公金預金入札揺れる3地域

 東海 1%超で突出、関東・近畿 じわり上昇
 自治体などが預入先の金融機関を入札で募集する公金預金が、存在感を増している。関東・東海・近畿の3地域で金融機関や自治体に入札動向を取材した。

 ■新規参入、落札が増加
 関東地区のA自治体では、2025年に入り、公金預金で入札のなかった地域銀行が参加するようになった。ネット銀行からも参加の可否を聞かれることがあるが…

2025年5月23日号4面 地銀、法人向け寄付型定期 拡大、山口FG、2カ月で30件

2025年5月23日号4面 地銀、法人向け寄付型定期 拡大、山口FG、2カ月で30件

 地方銀行で、法人向け「寄付型定期預金」の取り扱いが広がりそうだ。定期預金総額の一定割合相当額を銀行側が地方公共団体や学校などへ寄付する商品。社会貢献活動を進めるとともに、金利以外の付加価値をつけて、粘着性のある預金の獲得につなげる。足元で西日本シティ銀行や筑邦銀行、山口フィナンシャルグループ(FG)傘下の3行などが商品を取り扱っている。山口FGは開始から約2カ月で5千万円以上を30件獲得。「認知度の高まりに伴い、今後さらに増える」(同社)見通しだ。
 西日本シティ銀は2024年11月に取り扱いを…

【写真】下関商高の校長から感謝状を受け取る前田機工の山本社長(左、5月8日)

融資

2025年10月10日号1面 地域銀行、融資ファンドへ参加増、LBOノウハウ習得狙う

2025年10月10日号1面 地域銀行、融資ファンドへ参加増、LBOノウハウ習得狙う

 集めた資金で融資するプライベートデット(PD)ファンドに出資する地域銀行が増えている。トパーズ・キャピタルが5月に立ち上げたファンドには49社から500億円の資金が集まり、出資者の半数を地域金融機関が占めた。安定したリターンが見込めるほか、LBO(借入金を活用した買収)ローンなどのノウハウ習得を狙う。LBOローン市場の参加者拡大へ大手行のファンド立ち上げも相次ぐ。
 トパーズ・キャピタルが2012年に立ち上げた国内初のファンドで集めた資金は117億円だったが、今回4.3倍に…

2025年10月3日号8面 特集 新興未開地に種芽吹く、北陸・大学発の新産業を

2025年10月3日号8面 特集 新興未開地に種芽吹く、北陸・大学発の新産業を

 【金沢】国内経済の成長エンジンとして期待がかかるスタートアップ。なかでも大学の研究成果を活用する「ディープテック」は参入障壁が高い分、成功すれば独自性と成長性を備える。しかし、ベンチャーキャピタル界隈(かいわい)から「未開の地」とささやかれてきた北陸では、長らく起業環境が整っていなかった。だが近年、大学や行政、金融機関、地域ベンチャーキャピタルの連携により、変化の兆しが生まれている。

 ■自動運転で世界挑戦
 27年間にわたり自動運転技術を研究してきた金沢大学の菅沼直樹氏(工学博士)は、2024年にスタートアップ「ムービーズ」を設立。社員6人でロボタクシー(無人タクシー)の社会実装に挑む。同社の強みは…

2025年9月19日号7面 観音寺信金、蓄電池事業向け融資開拓、再エネ関連で次の一手

2025年9月19日号7面 観音寺信金、蓄電池事業向け融資開拓、再エネ関連で次の一手

 【高松】観音寺信用金庫(香川県、小林浩二理事長)は、蓄電池事業向け融資の開拓に挑んでいる。2025年度中に第1号案件として約6億円の融資実行を予定。今後の需要拡大を見据え、案件を積み上げながらノウハウを蓄積していく考えだ。
 同信金は、地域の脱炭素化を後押しするため、太陽光発電など再生可能エネルギー関連の融資に力を…

【写真】蓄電池事業の計画について意見を交わす(左から)田中彰人支店長、大平真弘理事経営支援部長、仁田英児代表社員(8月28日、観音寺市内)

2025年9月12日号1面 地域金融機関、地公体貸出 割れる戦略、金利上昇で見直し加速

2025年9月12日号1面 地域金融機関、地公体貸出 割れる戦略、金利上昇で見直し加速

 地域金融機関で、政府・地方公共団体向け貸出戦略が割れている。一部の地域銀行は、金利が低い傾向にある政府・地公体向け貸出を減らし、より高い利回りを確保できる案件に振り向ける動きを加速させている。一方で、地公体向け貸出については「自治体支援という観点から消極化させる予定はない」(地域銀)という金融機関もある。信用金庫では6月末の地公体向け貸出が前年同月比6.4%増加し、2015年以来の高い伸びとなった。
 財務省をはじめとする政府や自治体への融資は、預貸金利ざやを確保しにくいマイナス金利下…

2025年8月29日号1面 金融界、業態横断でデータ連携、粉飾検知の枠組み構築へ

2025年8月29日号1面 金融界、業態横断でデータ連携、粉飾検知の枠組み構築へ

 金融界で、業態を横断してデータ連携を行うプロジェクトが本格化する。銀行などが保有する決算書データを持ち寄って比較し、融資先企業の粉飾決算を検知する枠組みを構築したい考え。デモデータを用いた技術検証を終えており、早ければ2025年秋ごろから実際の決算書データを用いた実証を始める方針だ。
 複数金融機関から借り入れがある企業を念頭に、各金融機関が受け取った決算書の各項目が一致するか…

【写真】データ連携の実現に向けて意見を出し合ったワーキンググループの検討会(金融データ活用推進協提供)

2025年8月29日号2面 国内銀、低利融資の圧縮加速、「1%以上」10年ぶり過半

2025年8月29日号2面 国内銀、低利融資の圧縮加速、「1%以上」10年ぶり過半

 国内銀行による低利融資の減少ペースが加速している。日本銀行の統計によると、適用利率が「1%未満」の低利融資残高は、直近(6月末)で前年同月比138兆円(33%)減の275兆円まで縮小。「0.5%未満」の残高圧縮が際立つ。「1%以上」が過半を占める融資構成に回帰し、運用原資となる預金囲い込みの重みが一段と増している。
 日銀の段階的な利上げで、ピーク時に414兆円に達した低利融資残高は急減。特に、適用利率が0.5%を…

2025年8月29日号4面 三菱UFJ銀行、映画に邦銀初の融資、「完成保証」導入も視野

2025年8月29日号4面 三菱UFJ銀行、映画に邦銀初の融資、「完成保証」導入も視野

 三菱UFJ銀行は、映画製作を対象にした本格的な投融資に乗り出す。映画製作会社のK2ピクチャーズ(東京都)が設立したファンドへの出資を足がかりに、早ければ1~2年内に数億円の融資を目指す。映画製作はリスクテイク手法が確立しておらず、邦銀としては初の試み。将来的には「完成保証契約」に基づくファイナンスの確立を視野に入れる。
 製作の中止・延期などのリスクを抱える企画段階では出資に比重を置き、撮影に入ると融資の割合を…

2025年8月22日号4面 コンコルディアFG、不動産金融で地銀連携へ、空き家問題など解決

2025年8月22日号4面 コンコルディアFG、不動産金融で地銀連携へ、空き家問題など解決

 コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)は、4月に連結子会社化した不動産担保融資専門のL&Fアセットファイナンス(旧三井住友トラスト・ローン&ファイナンス)の業務展開で、全国の地域銀行と協業していく方針だ。空き家物件など銀行では与信対応が難しい案件で連携し「地域の課題解決に役立ててもらう」(片岡達也社長)狙い。
 L&Fアセットファイナンスは住宅ローン、アパートローン、不動産担保ローンなどを提供するノンバンク。コンコルディアFGは…

【写真】インタビューに答える片岡社長(8月13日)

投信保険

2025年6月27日号8面 特集 2024年度下期生保窓販、一時払い終身26%減

2025年6月27日号8面 特集 2024年度下期生保窓販、一時払い終身26%減

 地域金融機関の2024年度下期「生命保険窓販実績」(回答ベース)がまとまった。地方銀行61行、第二地方銀行36行、2025年1月末で預金残高5千億円以上および販売実績がある86信用金庫を対象にニッキンが調査した。

 ■終身保険、3業態とも減少
 一時払い終身保険の販売件数(3業態合計)は、2024年度上期比26.7%減の16万5668件。地銀は同24.6%減の11万7391件、第二地銀は同29.8%減の2万748件…

2025年6月20日号3面 地銀、外貨保険販売が3割減、2024年度下期、10万件割れ

2025年6月20日号3面 地銀、外貨保険販売が3割減、2024年度下期、10万件割れ

 地方銀行の2024年度下期外貨建て一時払い終身保険の販売件数が、24年度上期比36.2%減少した。ニッキンの調査で分かった。22年度上期以降、米国の急速な利上げに伴って外貨建て保険の魅力が高まり、5半期連続で販売件数は10万件を超えていた。24年度下期は10万件を割り込み、6万8832件となった。
 個別の増減をみると、減少幅が4割以上の先が24行あり、うち5行は…

2025年6月13日号3面 地域銀行・信金、NISA口座数伸び悩む、3カ月の増加率1%

2025年6月13日号3面 地域銀行・信金、NISA口座数伸び悩む、3カ月の増加率1%

 地域銀行や信用金庫は、少額投資非課税制度(NISA)の口座数が伸び悩んでいる。ニッキンの調査によると、2024年12月末~25年3月末の3カ月間で地域銀・信金を合算した増加率は1.0%にとどまった。日本証券業協会が集計した証券会社の増加率は同期間に4.1%となっており、伸び率に開きが出ている。地域銀においても個別にみると、口座数が8%以上増えた銀行があった一方、約2割の銀行は口座数が減少しており、明暗が分かれた。
 ニッキンは、投資信託の窓口販売を行う金融機関を対象に、四半期ごとに継続調査を…

2025年5月16日号3面 地銀、外貨保険の業績評価変更、手数料重視から脱却

2025年5月16日号3面 地銀、外貨保険の業績評価変更、手数料重視から脱却

 地方銀行は、2025年度に入ってから外貨建て保険販売の業績評価を相次ぎ変更している。金融庁が問題視する「プロダクトアウト型」営業から脱するため、銀行が保険会社から受け取る販売手数料をベースにした業績評価を変更したり、販売の数値目標自体を撤廃したりする事例もある。特定の商品に偏らないように、預かり資産関連の商品全般を一律の評価基準にするほか、評価の重点を販売額から預かり資産残高に移す銀行も出ている。
 生命保険会社が外貨保険の手数料体系や目標値設定機能を見直したのが…

2025年4月11日号1面 生保、一部で出向者引き揚げ、地銀は代替人材確保急ぐ

2025年4月11日号1面 生保、一部で出向者引き揚げ、地銀は代替人材確保急ぐ

 国内大手や外資系の生命保険会社が、地方銀行への出向者を引き揚げ始めたことが分かった。2024年度は損害保険会社による出向者引き揚げの動きが広がったが、「生保(の出向者引き揚げ)は損保以上に影響が大きい」(大手地銀)という。生命保険協会が25年度中にも、営業目的などでの代理店出向を一定程度制限するか、出向条件を厳しくしたガイドラインを出す可能性があり、地域金融機関は動向を注視している。
 生保が出向者を引き揚げ始めたのは、損保業界の一連の不祥事が飛び火したという…

2025年4月4日号10面 やさしいニュース解説 円建て保険 いま売れてるの?

2025年4月4日号10面 やさしいニュース解説 円建て保険 いま売れてるの?

 銀行窓販・円建て保険復権
 地域銀行の保険窓販の主力商品である「一時払い終身保険」で、円建て保険が存在感を増している。ニッキンの直近の調査では、2024年度上期は販売件数に占める割合が31%となり、2023年度下期に比べ11ポイント上昇した。日本銀行の利上げに伴い、生命保険各社が2024年に入ってから予定利率を相次ぎ引き上げて商品の魅力が増したことが大きい。以前は米ドル建ての利回りが高く、銀行窓販では外貨建て保険の人気がダントツだった。外貨建てに比べて極端に利回りが低かった円建て保険は影が薄くなり、2022年度下期は地方銀行で販売件数の1割まで落ち込んでいた。「金利ある世界」の復活は、保険販売にも地殻変動をもたらしている。

 ■金融政策が追い風に
 保障期間が長期にわたる商品を多く抱える生命保険会社は…

 【写真】円建て保険は為替リスクがなく販売しやすい

2025年3月21日号7面 おかやま信金、営業店の投信好調、販売額は2022年度比倍増

2025年3月21日号7面 おかやま信金、営業店の投信好調、販売額は2022年度比倍増

 【広島】おかやま信用金庫(岡山市、桑田真治理事長)の投資信託の販売が好調だ。預かり資産の専担者や営業店職員の推進活動により、2024年度の営業店における販売額が22年度と比べ倍増した。キャンペーンの展開や独自パンフレットの作成などを通して、顧客のライフプランに合わせた提案を強化している。
 24年度の営業店での投信販売件数は25年1月末で1782件。金額は28億700万円に上り、…

【写真】LA候補生となった価値創造部の職員(2月17日、本店営業部)

2025年2月28日号8面 投信市場、インデックス型3割超す、運用会社、アクティブ型周知

2025年2月28日号8面 投信市場、インデックス型3割超す、運用会社、アクティブ型周知

 投資信託市場で、信託報酬の低いインデックス型ファンドへの資金流入が加速している。公募株式投信の純資産総額に占めるインデックス型の割合は足元で3割と、この10年で3倍以上増加した。資産運用業界では収益低下が危惧され、一部運用会社ではアクティブ型の周知強化に動き出している。
 投資信託協会によると、インデックス型の純資産総額は1月末で51兆5千億円と…

資産管理

2025年10月10日号4面 山梨中央銀行、エンディング動画作成、相続人への「想い」預かる

2025年10月10日号4面 山梨中央銀行、エンディング動画作成、相続人への「想い」預かる

 山梨中央銀行は10月1日、個人が相続人に「想い」を伝えるエンディング動画の作成サービスを始めた。エンディング動画の作成は東京都内の複数企業が手がけているが、同行のサービスは外部カウンセラーによる助言や動画の保管、相続人へのサプライズの手渡しまで含めたもので、全国初という。
 「お金だけでなく想いも預かり、届けたい」。発案した経営企画部の室伏諒さん(30)はそう話す。同サービスでは、2024年1月に…

【写真】新サービスの方針を話し合う室伏諒さん(左)と小田切耀平・地方創生推進部室長代理(9月25日、本店)

2025年8月1日号6面 信金界、個人向け信託1000億円、若年層と接点創出で関心

2025年8月1日号6面 信金界、個人向け信託1000億円、若年層と接点創出で関心

 信用金庫業界で個人向け信託商品の取り扱いが堅調に推移している。2017年1月に信金中央金庫が提供を開始した2商品の累計申込金額は、25年7月に1千億円に達した。「金利ある世界」の到来で、預金集めに奔走するものの、相続発生時に預金が流出する状況を受け、信金からの注目を集めているようだ。
 信金中金が提供するのは「しんきん暦年信託『こころのリボン』」と「しんきん相続信託『こころのバトン』」。こころのリボンは、…

2025年5月30日号11面 野村証券、地銀連携 残高3兆円、アライアンス先6行に

2025年5月30日号11面 野村証券、地銀連携 残高3兆円、アライアンス先6行に

 野村証券は、地方銀行との間で進めているアライアンスの預かり資産残高が、提携当初から1.5倍超に成長した。2019~2023年に提携を始めた山陰合同銀行、阿波銀行、大分銀行、福井銀行の4行分で、最終合意時点のアライアンス残高を合算すると2兆円弱だったのが、2024年12月末時点で3兆円を突破。2025年に入り東邦銀行と提携開始し、百十四銀行とも2025年度中に最終合意する予定。今後も成長が加速しそうだ。
 アライアンス残高は、提携地銀の残高と、同証券が提携地銀の主要営業地域で廃店した支店の残高の合計金額。野村証券は提携時に…

2025年5月2日号8面 特集 個人向け国債販売、金利上昇受け好調

2025年5月2日号8面 特集 個人向け国債販売、金利上昇受け好調

 金利上昇を受けて地域金融機関の個人向け国債の販売が好調だ。地方銀行、第二地方銀行、大手信用金庫(預金量5千億円以上)、大手信用組合(同3千億円以上)の180機関を対象にニッキンが独自調査。2024年度下期(2024年11月~2025年4月発行)の固定3年・5年、変動10年の合計販売実績は前年度比で70.9%増加。2024年度上期に続いて2期連続で2桁増加となった。

 ■利率、変動10年0.92%
 販売増加を後押しするのが金利上昇。2024年3月の日本銀行の政策決定会合によるマイナス金利解除を受け…

  【写真】財務省は2024年度に「KOKUSAIには愛があるプロジェクト2024」として、愛知県と岡山県でプロモーション活動を展開。両県で使われたオリジナルパンフレット

2025年4月25日号3面 日証協方針、「多要素認証」を義務化、サイトで社名公表へ

2025年4月25日号3面 日証協方針、「多要素認証」を義務化、サイトで社名公表へ

 日本証券業協会は、フィッシング詐欺などによる証券口座の不正取引被害拡大を受け、顧客に対して「多要素認証」の義務化を証券会社に要請した。ログイン時の多要素認証を必須とする証券会社をウェブサイトで公表する予定。同意を得た証券会社の社名を掲載する見通しで、被害防止に向けた緊急対応を求める。
 初回公表後も、同意した証券会社名は順次追加する。対応時期は明確化しない…

【写真】不正取引対策の方針を説明する森田会長(4月16日、日証協)

2025年3月21日号10面 特集 首都圏信金の相続対策、顧客密着でニーズに対応

2025年3月21日号10面 特集 首都圏信金の相続対策、顧客密着でニーズに対応

 最適解導く案内役に
 首都圏の信用金庫では、高齢化による相続ニーズが急速に高まっている。遺産分割トラブル、認知症による資産凍結、預金流出リスクなどさまざまな課題があるなかで、細やかな顧客ニーズに対応できる信用金庫ならではの役割発揮に努める。

 ■6割が預金流出増加
 内閣府の「令和6年高齢社会白書」によると、首都圏(東京都と埼玉・千葉・神奈川県)の高齢者人口(65歳以上)は…

 【写真】埼玉県信金では専担者のFP相談員が定期的に集まり、案件の共有化を図っている(2024年9月20日、埼玉県信金上尾支店会議室)

2025年2月21日号11面 ネット証券、NISA口座 216万件増、増加率は対面大手の10倍

2025年2月21日号11面 ネット証券、NISA口座 216万件増、増加率は対面大手の10倍

 ネット証券が少額投資非課税制度(NISA)の口座数を大きく伸ばしている。新NISA制度スタート1年目の2024年は手数料無料化などを背景に、ネット証券5社で合計216万件増えた。一方、対面主軸の大手証券は5社計で9万件の微増にとどまり、二極化傾向が鮮明だ。
 24年1~12月のNISA口座開設数はSBI、楽天、松井、マネックスグループ、三菱UFJeスマート(旧auカブコム)のネット証券5社合計で…

2025年1月24日号4面 大手信託2行、不動産テックに出資、業界課題・協業で解決

2025年1月24日号4面 大手信託2行、不動産テックに出資、業界課題・協業で解決

 大手信託2行は、不動産テック事業を手掛けるスタートアップへの同時出資を通じて協業体制を築き、商業用不動産市場が抱える共通課題の解決に乗り出す。分散的に存在する物件データや、形式が不ぞろいのレポーティング資料といった情報の“壁”を洗い出し、デジタル技術を活用したデータの構造化や利活用環境の向上を検討していく。
 三菱UFJ信託銀行と三井住友信託銀行は1月8日、大手デベロッパー出身者らが設立した「estie(エスティ、東京都)」と資本提携した。出資額は非公表だが…

取引先支援

2025年10月3日号4面 肥後銀行、ブルーカーボン波及へ、クレジット購入推進

2025年10月3日号4面 肥後銀行、ブルーカーボン波及へ、クレジット購入推進

 肥後銀行は、ブルーカーボンから生み出される「Jブルークレジット」の購入を取引先に後押しする。同行は金融機関で初めて、主体的にブルークレジットの取得を実現。このクレジットを自然資本・生物多様性保全に関心の高い熊本県内企業に購入してもらい、さらなる意識醸成を狙う。足元では、クレジットの所有権を持つ芦北町漁業協同組合と約10社による売買契約につなげており、2026年中をめどに計20社程度との契約締結を見込む。
 同行は熊本県立芦北高校、芦北町漁協、芦北町役場など6者で連携し、アマモ場の再生などを通じた…

2025年9月26日号15面 特集 九州地区金融機関、アジア進出 全力支援、強み生かし 輸出導く

2025年9月26日号15面 特集 九州地区金融機関、アジア進出 全力支援、強み生かし 輸出導く

 【福岡】「アジアの玄関口」と称される九州。日宋貿易や南蛮貿易、江戸時代は鎖国政策の拠点として、古くから海外との交易が盛んな地域だった。門司税関によると2024年の九州経済圏(九州全県・山口県・沖縄県)の輸出総額は12兆4307億円。うち、アジア圏は7兆6213億円で約60%を占める。九州地区金融機関は、海外拠点や外部機関のネットワーク、貿易実務の知見を持つ行員が取引先の多様なニーズに応える。アジア進出支援の特長的な取り組みをみた。

 佐賀銀行、知識習得に貿易検定
 佐賀銀行は、海外支援業務に携わる人材育成に注力する。法人営業担当者を中心に「貿易実務検定C級」の資格取得を奨励。現中期経営計画終了の2027年度末までに…

 【写真】佐賀銀行は、8月に香港で開催されたアジア最大級の食品見本市に取引先と出展。海外短期研修の一環で、派遣行員もサポート(8月14日、香港コンベンション&エキシビション・センター、佐賀銀行提供)

2025年9月19日号4面 四国銀行、デジタル化後押し300件、商店街モデルを横展開

2025年9月19日号4面 四国銀行、デジタル化後押し300件、商店街モデルを横展開

 【高松】四国銀行は、企業の業務効率化だけでなく売り上げ増加に資するデジタル化支援に力を注ぐ。専業部隊の設置後、2年半で支援先は約300先。商圏人口の減少といった課題を抱える商店街の活性化にも取り組む。
 デジタル化支援の一環で手がける商店街の活性化は、県からの委託事業。2024年度は7先から受託し、25年度も7先の継続支援に加えて…

【写真】デジタルプランニングデスクの支援内容について説明する担当者(四国銀提供)

2025年9月12日号4面 常陽銀行、100億企業創出に本腰、包括支援へ157社選定

2025年9月12日号4面 常陽銀行、100億企業創出に本腰、包括支援へ157社選定

 常陽銀行は、売上高100億円を超える企業の創出に本腰を入れる。独自の基準で選定した157社に対し、企業価値向上に向けた支援を包括的に提供する。
 中小企業庁が目指す“100億企業創出”に呼応した取り組み。売り上げ規模や従業員数、地元にサプライチェーンを持つ――など六つの定義で“地域中核企業”と捉え直して157社を…

2025年9月5日号4面 ちゅうぎんFG、新興への資金供給 多様化、ベンチャーデット試行

2025年9月5日号4面 ちゅうぎんFG、新興への資金供給 多様化、ベンチャーデット試行

 【広島】ちゅうぎんフィナンシャルグループ(FG)は、スタートアップへの資金供給手段を充実させる。傘下の投資子会社、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ(CCP)を通じてベンチャーデットを試行する。“投資熱”の地元波及を目的に、他地域の独立系ベンチャーキャピタル(VC)にも投資する。将来的には、投資手法や投資先を絞ったテーマファンドの立ち上げを視野に入れる。
 新ファンド「ちゅうぎんインフィニティファンド3号」で試行…

2025年9月5日号15面 都・福井県よろず支援拠点、福井に「東京モデル」、40人が研究会参加

2025年9月5日号15面 都・福井県よろず支援拠点、福井に「東京モデル」、40人が研究会参加

 【金沢】東京都と福井県のよろず支援拠点は8月28日、連携して福井市内で「信用金庫とのよろず支援拠点活用研究会」を開催した。両拠点の関係者や福井県内4信金(福井、敦賀、小浜、越前)の職員に加え、富山、石川県内の信金職員ら計約40人が参加した。
 福井拠点と県内4信金が、東京拠点と都内信金が連携する「よろず×信用金庫」モデルを学ぶことで取引先の支援体制を強化する。
 研究会では…

 【写真】各班では福井拠点のコーディネーターがファシリテーターを務め議論した(8月28日、福井市内)

2025年8月29日号6面 中国地区信金の商談会、改善続け「マンネリ」防ぐ、サプライヤー探しに奔走

2025年8月29日号6面 中国地区信金の商談会、改善続け「マンネリ」防ぐ、サプライヤー探しに奔走

 【広島】信用金庫が取引先企業の販路拡大を目的に、ビジネスマッチングの場を設けるようになって20年以上が過ぎた。コロナ禍の中断もあったが、信金主催の商談会は全国で40以上が開かれている。形式は合同や単独のほか、リアル、オンラインとさまざまある一方、マンネリ化や出展企業の確保が共通の課題だ。中国地区信金の活動を追った。

■一般来場受け入れ
 岡山県内の7信金(おかやま、水島、津山、玉島、備北、吉備、備前日生)は11月、19回目となる商談会を岡山市内で…

【写真】西岡養蜂場の西岡雄紀代表からミツバチの巣箱をみせてもらう西中国信金の渡邉太郎代理(8月1日、下関市内)

2025年8月29日号5面 武蔵野銀行、病院の課題を迅速支援、承継など2024年度170件対応

2025年8月29日号5面 武蔵野銀行、病院の課題を迅速支援、承継など2024年度170件対応

 武蔵野銀行は、地域医療機関向け支援のギアを上げている。2024年度から医療福祉担当チームが、行内の事業承継など複数チームとの連携を強め、経営全般の課題に迅速対応できる体制にシフト。24年度は約170件、25年度は現在までに約70件の相談に対応した。
 同行が地盤とする埼玉県は人口1人当たりの医師数が少ないうえ、医学部を持つ大学が…

地域貢献

2025年10月10日号17面 大分銀行、学生と観光プラン考案、宇佐の酒造PR強化

2025年10月10日号17面 大分銀行、学生と観光プラン考案、宇佐の酒造PR強化

 【福岡】大分銀行は、地域活性化を地元の学生と後押しする。地域創造連携協力を結ぶ大分県宇佐市と大分大学による産官学の連携組織「おおいた地域連携プラットフォーム」の3者で、学生に地域を学ぶ機会を提供。同市の「酒蔵ツーリズム」に学生の視点を取り入れ、認知度向上とブランド力強化に寄与したい考えだ。
 宇佐市は、麦焼酎の出荷量が全国トップクラス。市内七つの酒造による「JYOKKAS∞(ジョッカス)」の観光振興をテーマに、大分大学の学生9人が3チームに分かれ9月1日から約3週間…

 【写真】観光プランの立案をサポートする高橋美保・大分銀行地域創造部地域活性化グループ推進役(大分大学提供)

2025年10月3日号6面 岐阜信金、信金初の「森林Jクレ」、3者連携し11月販売

2025年10月3日号6面 岐阜信金、信金初の「森林Jクレ」、3者連携し11月販売

 【名古屋】岐阜信用金庫(岐阜市、好岡政宏理事長)は、11月にも森林を通じた脱炭素ビジネスを始める。南ひだ森林組合(岐阜県下呂市)、バイウィル(東京都)との3者連携で進めてきたJ‐クレジットの発行にめどがついた。全国の信金で初めての事業に挑む。

 ■初年度は4000トン発行
 J‐クレジットは、国が認証した温室効果ガス(GHG)の削減・吸収量(クレジット)を売買…

2025年9月26日号17面 池田泉州HD子会社、交通弱者の移動支援、AI送迎を地域展開

2025年9月26日号17面 池田泉州HD子会社、交通弱者の移動支援、AI送迎を地域展開

 【大阪】池田泉州ホールディングス(HD)の子会社である池田泉州エリアサポート(大阪市、土岐隆宏社長)は、交通が不便な地域で予約制の相乗り送迎サービス「AI(人工知能)オンデマンド型交通」を手がける。銀行業とはかけ離れた事業だが、地域課題である交通インフラの維持によって高齢者などの外出支援を行い、営業基盤の活性化が目的。現在、大阪府和泉市で実施しているが、10を超す自治体と導入に向けて協議中だ。
 池田泉州HDは自動車部品メーカーのアイシン(愛知県)と連携し、2023年から府内5市町で実証実験をサポート。そのうち…

 【写真】AIによって効率的に配車された相乗り送迎サービスで外出する利用者(9月8日、和泉市)

2025年9月19日号5面 あいち銀、農山漁村の課題解決、自治体と企業を仲介

2025年9月19日号5面 あいち銀、農山漁村の課題解決、自治体と企業を仲介

 【名古屋】あいち銀行は、10月から市町村など自治体が抱える社会的な課題の解決支援に乗り出す。山間部や漁村地区では、高齢化による担い手不足、環境保全、行政運営などが都市部以上に深刻化している。こうした課題を解決するため同行が自治体と企業をつなぎ、仲介役としてソリューションを提供する。企業や市町村向けの融資だけでなく計画作成などもサポート。東海農政局との連携を生かし、官民共創の仕組みを通じて社会課題領域の支援を事業として取り組んでいく。
 あいち銀は2023年1月に農林水産省東海農政局と連携協定を締結…

【写真】企業担当者の前で課題を説明する自治体担当者(あいち銀名古屋駅前ビル、9月8日)

2025年9月19日号12面 実像 3メガバンクグループ、「サステナ提案」にじむ独自色

2025年9月19日号12面 実像 3メガバンクグループ、「サステナ提案」にじむ独自色

 未来起点の対話積極化
 環境問題や社会問題の解決に貢献するサステナビリティ提案で、3メガバンクグループがそれぞれの独自色を打ち出し始めている。単なる資金提供にとどまらず、1歩先、2歩先の未来を見据え、ステークホルダーとの議論や発信の機会を積極的に創出している。各社の取り組みを追った。

 ■「白書」もとにGX後押し
 「未来の“子孫”が突然現れ、温暖化が進んだ地球の生活を語る」――。三菱UFJフィナンシャル・グループは2月…

 【写真】三菱UFJフィナンシャル・グループは「トランジション白書」内容を基にしたウェブページやTikTok動画を公開

2025年8月29日号17面 高知銀行、酒処「土佐」発展支える、地域商社中心に事業拡大

2025年8月29日号17面 高知銀行、酒処「土佐」発展支える、地域商社中心に事業拡大

 【高松】“酒処・土佐”を支え発展を――。高知銀行は、グループ子会社「地域商社こうち」が手がける酒米の精米など事業展開を拡大する。高知県内の酒蔵だけでなく県外にも受注先を広げ、840トンの精米受注量を1千トンまで引き上げる。酒米の生産にも手を広げるなど、酒造会社が抱える課題の解決、発展に向けた取り組みを加速していく。
 同社が地場産業支援の一環で精米事業に乗り出したのは2024年4月。高知県農業協同組合による県内唯一の精米工場が閉鎖され…

 【写真】地域商社こうちの精米工場

2025年8月1日号15面 キッザニア東京、夏休みは金融学ぼう!、“リアル”な機会提供

2025年8月1日号15面 キッザニア東京、夏休みは金融学ぼう!、“リアル”な機会提供

 子ども向け職業体験施設「キッザニア」の運営を担うKCJ GROUP(東京都)は7月19日~8月31日、キッザニア東京で「金融経済」をテーマにイベントを開催する。パビリオンを常設する大和証券グループ(G)本社や三井住友銀行に加え、東京証券取引所も協力。投資や上場の手続きなどを学ぶ機会を提供する。金融リテラシー向上に注力する「こどもが主役の街」の金融機関を追った。

 ■3歳からIPO体験
 「このなかから作りたい会社を選んでください」--。黒いジャケットを着こなした子どもたちが、キャストが説明する「新規上場」「発行株式数」など…

 【写真】東証パビリオンのメディア向け発表会で上場の手続きを体験する子ども(7月18日、キッザニア東京)

2025年8月1日号17面 みずほフィナンシャルグループ、芸大と連携し初展覧会、社員がガイド

2025年8月1日号17面 みずほフィナンシャルグループ、芸大と連携し初展覧会、社員がガイド

 みずほフィナンシャルグループ(FG)と東京芸術大学の連携事業「アートとジェンダー研究会」が発足3年目を迎え、初の展覧会を開いている。美術愛住館(東京都)で7月4日~8月3日の週末に開催。約500人が来場する見込み。みずほFGでは共同プロジェクトに公募した有志社員が展示作品のガイドツアーを実施するなど、従来になく踏み込んだ社員参加型企画だ。
 みずほFGは社会課題の解決などを目指し、2023年度に東京芸大と包括連携協定を結んだ。その一環として「アートとジェンダー」共同研究プロジェクトを立ち上げ…

 【写真】展示品の解説をする、ガイド役のみずほ銀行女性行員(7月27日、美術愛住館)

国際

2025年7月18日号1面 みずほFG、インドを事務・IT拠点に、海外100カ所の集約視野

2025年7月18日号1面 みずほFG、インドを事務・IT拠点に、海外100カ所の集約視野

 みずほフィナンシャルグループ(FG)は、海外拠点の事務業務をインドに集約していく。中長期的に、海外にある約100拠点の事務処理業務をインドの拠点が担うことを視野に入れる。社員も現在の約500人から、3千~4千人規模に拡大することを想定する。事務処理の集約に加え、業務効率化を推進するIT開発拠点としての位置付けも強める。
 ITや事務処理を担うオフショア拠点として「みずほグローバルサービシーズインディア(MGS)」を…

【写真】MGSのオフィス(みずほFG提供)

2025年6月20日号8面 特集 現地取材・デジタルバンキング2025、全米から640人参加

2025年6月20日号8面 特集 現地取材・デジタルバンキング2025、全米から640人参加

 AIとデジタル資産に注目
 アリゼント(米国の金融専門紙「アメリカン・バンカー」発行)は、6月1~4日、米フロリダ州ボカラトンで、「デジタルバンキング2025」を開催した。金融機関関係者ら約640人が参加した。協賛社はエス・エー・ピー(SAP)、ジャック・ヘンリ―、ファイサーブなど48社。「AI(人工知能)」「顧客体験価値(CX)」「サイバーリスク」「デジタル資産」などのテーマでセミナーや展示、ピッチコンテストが行われた。特に今回は、AIとデジタル資産に関する関心が高く、熱のこもった講演や質疑応答が展開された。米デジタルバンキングの最前線を取材した。

 ■攻守一体の変革、武器はAI
 銀行業界でAI活用が勢いを増している。AIはビジネス成果を生む「攻め」と、巧妙化する脅威への「守り」のツールとなっている。

 【写真】AIを駆使した製品に関心が集まった展示会場(6月2日)

2025年6月6日号2面 金融庁、リスク管理態勢を懸念、3メガ、米ファンド融資増

2025年6月6日号2面 金融庁、リスク管理態勢を懸念、3メガ、米ファンド融資増

 金融庁は、大手行による米国ファンド向け融資のリスク管理態勢を懸念している。米トランプ政権による相互関税の影響で世界経済に不透明感が漂うなか、ファンド市場全体に悪影響が生じるリスクを注視する。各行はファンドの運用実態の把握とリスク分析の高度化が急務となっている。
 日本銀行によると、3メガの米国ファンド向け融資額は2024年9月末時点で…

2025年5月23日号6面 信金、シンガポールに商機、京都信金は物産展

2025年5月23日号6面 信金、シンガポールに商機、京都信金は物産展

 信用金庫業界で、シンガポールでの取引先の販路開拓に関心が広がっている。信金中央金庫のグループ会社である信金シンガポールには、2024年に全国の信金から販路拡大について153件の相談が寄せられた。京都信用金庫は5月、現地の日系百貨店で京都フェアを開催。取引先7社が催事場で自社商品を売り込んだ。参入障壁の低さや安定した政治などを背景に、信金の主要顧客である中小企業でも同国市場に商機を見いだす機運が高まっている。
 京都信金は5月9~22日、シンガポールの伊勢丹で、食品関連7社の商品を集めて…

【写真】京都フェアを訪れた伊勢丹の利用者(5月9日、シンガポール、信金中金提供)

2025年4月18日号2面 金融界、刻々と変わる米関税措置、取引先の実態把握急ぐ

2025年4月18日号2面 金融界、刻々と変わる米関税措置、取引先の実態把握急ぐ

 時々刻々と変化する米国トランプ政権の関税政策――。トランプ大統領は4月9日(現地時間)に「相互関税」を発動したが、1日も経たずに、中国を除く90日間の一時停止を発表。国内金融界は「一時的に過度な不安は後退したものの、不確実性は残っている」(四国地区地域銀行)との認識で、予断を許さない状況だ。官民で国内経済や取引企業への影響について実態把握を急ぐ。
 全国の財務局は地域金融機関を対象に、関税措置の影響について調査を開始…

【写真】米国関税措置に関する総合対策本部会合で、経団連からヒアリングした自民党(4月10日、本部)

2025年3月7日号10面 特集 ソウル現地取材、日韓経済交流に広がり、両国の新興支援も商機

2025年3月7日号10面 特集 ソウル現地取材、日韓経済交流に広がり、両国の新興支援も商機

 2025年は日本と韓国の国交正常化60周年にあたる。両国の往来者は過去最多の1200万人を超えるなど交流は活発化。人の交流に加え、政治的な歩み寄りを背景に経済・産業面においても結びつきは強まっている。韓国の首都・ソウルにみずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行はソウル支店を構え、両国間のビジネスを支える。それぞれ200人前後の行員が在籍し、取引先は日系・非日系あわせて700~1000社を抱える。日系企業進出はすでに一巡して韓国は成熟した市場とも映るなか、金融機関の支援のあり方に新たな取り組みが見えてきた。

 「人口が多く、商慣習が似ている日本は参入しやすい環境が整っている」とリートンテクノロジーズジャパンの増田良平ゼネラルマネージャーは話す。
 同社は…

 【写真】ソウル中心部にある南山(ナムサン)の頂上から見た市内(2月21日)

2024年11月15日号3面 トランプ再選、大手行、外債運用で警戒、「利下げ享受」に暗雲

2024年11月15日号3面 トランプ再選、大手行、外債運用で警戒、「利下げ享受」に暗雲

 財政拡張路線や大幅減税を選挙公約に訴えてきたドナルド・トランプ前米大統領の再選で、大手行では金融市場に対する警戒感が高まっている。景気刺激策によるインフレ再燃や財政悪化懸念が高まり、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ停止観測も浮上。米金利は選挙情勢の報道が増した10月以降、上昇基調に転じ、キャピタルゲイン(売買差益)を狙って外債残高を積み上げてきたメガバンクなどでは、政情を見極めた運用が迫られそうだ。
 海外金利のボラティリティーが高まっている。…

2024年11月1日号1面 メガバンク、印のノンバンク規制注視、現地戦略へ影響も

2024年11月1日号1面 メガバンク、印のノンバンク規制注視、現地戦略へ影響も

 メガバンクは、インドの中央銀行にあたるインド準備銀行(RBI)によるノンバンク融資規制の動向を注視している。急成長するノンバンク市場への警戒を強めるRBIによる業務停止命令などが相次いでいるため。10月17日には三菱UFJ銀行出資先を含むノンバンク4社に対して新規融資の停止処分が下った。さらなる規制強化に発展すると、現地でリテール事業を強化する戦略に影響を与える可能性がある。
 10月17日に処分を受けたのは三菱UFJ銀が出資する…

営業店

2025年10月10日号18面 山梨中央銀行河口湖支店、ホテル売上高 過去最高に

2025年10月10日号18面 山梨中央銀行河口湖支店、ホテル売上高 過去最高に

 アニメ客室づくり協力
 山梨中央銀行河口湖支店(西川雄介支店長=行員20人うち渉外13人。パート8人)で、東京の情報を活用して山梨県内事業者を成長させる「山梨強靭(きょうじん)化戦略」の好事例が生まれた。富士河口湖町のホテル「湖龍」に都内のアニメ制作会社を紹介し、客室にアニメの世界を再現する企画に協力。同ホテルの月間売上高が過去最高を記録するのに貢献した。
 湖龍の外川亜希子代表は元漫画家で、6作品がコミック誌などに掲載された。先代の死を受けて2020年7月に実家の湖龍を継いだが…

 【写真】ホテル1階に設けた漫画カフェで話す外川亜希子代表(左)と担当者の渡邊重幸支店長代理(10月6日、湖龍)

2025年10月3日号18面 清水銀行東静岡支店、ソリューション営業で成果、訪問頻度を底上げ

2025年10月3日号18面 清水銀行東静岡支店、ソリューション営業で成果、訪問頻度を底上げ

 【静岡】清水銀行東静岡支店(畔柳(くろやなぎ)直之支店長=行員11人うちマネーアドバイザー含む渉外担当者4人。パート4人)は、行員スケジュールの支店内共有を基本に行員の行動管理を徹底。業務効率化で訪問頻度を底上げし、デジタル化の促進や補助金申請支援、ソリューション営業などで成果を上げる。
 畔柳直之支店長は、静岡市葵区、駿河区、清水区など約10キロメートル四方が営業エリアの同店に2023年5月、着任。清水銀行のパーパス(存在意義)「地域を愛し、お客さまの未来をともに考え、共創します」の具現化に向け…

 【写真】進ちょく状況を共有する畔柳直之支店長(中央、8月27日、清水銀行東静岡支店会議室)

2025年9月26日号18面 あいち銀行浄心支店、融資攻勢で初の入賞、合併風土差、懇親通じ結束

2025年9月26日号18面 あいち銀行浄心支店、融資攻勢で初の入賞、合併風土差、懇親通じ結束

 【名古屋】「何としても入賞を目指してくれ」。あいち銀行浄心支店(丸山英治支店長=行員21人うち渉外担当8人)は、名古屋第二ブロックの中核店。ブロック長を兼務する丸山支店長が2024年6月の異動時に役員から言われた言葉は重かった。愛知銀行と中京銀行との経営統合発表後、近隣金融機関から攻め込まれることも多い同ブロック。入賞への道は険しく思えた。
 名古屋第二ブロックは、業績表彰制度がブロック単位に移行してから入賞がなかった。しかも全17ブロックで6位以上の…

 【写真】会議で融資推進について説明する丸山英治支店長(中央奥、8月28日、あいち銀行浄心支店)

2025年9月19日号18面 熊本銀行大矢野支店・松島支店、“天草船主”支え貸出伸長

2025年9月19日号18面 熊本銀行大矢野支店・松島支店、“天草船主”支え貸出伸長

 渉外の知見高め人脈拡大
 【福岡】熊本銀行大矢野支店・松島支店(満尾優一支店長=行員7人うち渉外3人。スタッフ3人)は、「天草船主」と呼ばれる内航海運事業者など海運関連業者を支える融資に注力する。渉外担当者の海運に関する知見を高めるほか、船主の会合に積極的に出席し人脈を広げる。同分野には2018年度から力を入れ、約6年間で中小企業向け貸出金残高が約2倍となるなど残高増加に大きく寄与した。
 営業エリアの熊本県上天草市は、国内の港間で貨物を輸送する内航海運業や造船業が盛ん。また…

 【写真】取引先の船の写真が飾られた部屋で話し合う満尾優一支店長(右)と松村崇史課長代理(9月3日、熊本銀行大矢野支店・松島支店)

2025年9月12日号1面 3メガ銀 リアル接点拡充、三菱UFJ銀行、20年ぶり新店

2025年9月12日号1面 3メガ銀 リアル接点拡充、三菱UFJ銀行、20年ぶり新店

 3メガバンクは、対面での顧客接点の拡充を本格化させている。三菱UFJ銀行は9月12日、約20年ぶりの新店舗となる個人特化型の「エムットスクエア」を東京都内の商業施設、ニュウマン高輪にオープンした。営業時間は11~20時に設定し、これまでリーチしづらかった現役・子育て世代の来店も見込む。三井住友銀行は個人向け店舗を休日も営業する軽量店のストアに移行しているほか、カフェなどを併設したオリーブラウンジでは地域性に応じた…

【写真】約20年ぶり新店舗となる個人特化型「エムットスクエア」(ニュウマン高輪)

2025年9月12日号18面 鳥取銀行五千石支店、報連相徹底し進捗管理、訪問増え貸出4億円増

2025年9月12日号18面 鳥取銀行五千石支店、報連相徹底し進捗管理、訪問増え貸出4億円増

 【広島】鳥取銀行五千石支店(林伸太朗支店長=行員13人うち営業6人、パート職員2人)は、報連相(報告・連絡・相談)を重視して案件の進捗(しんちょく)管理を徹底する。取引先の現状把握や課題への対応に素早くつながり、訪問頻度が向上。競合行との差別化要因になり、2024年度末の貸出金残高は前年度末比4億2900万円増加。法・個人ともに年間で7%以上伸ばし、2024年度下期の業績表彰に輝いた。
 主なエリアは鳥取県の米子市と伯耆町。林伸太朗支店長は2024年4月に新任の支店長として着任した。預金が貸出金の約4倍あり…

 【写真】飲食店を経営する松友の松田優美子社長から新メニューの説明を受ける林伸太朗支店長(左、8月7日、米子市)

2025年9月5日号18面 横浜銀行大森支店、対話深め財務戦略提案、シ・ローン27億円組成

2025年9月5日号18面 横浜銀行大森支店、対話深め財務戦略提案、シ・ローン27億円組成

 横浜銀行大森支店(武田将明支店長=行員12人うち渉外7人。パート2人)は、取引先の多様な財務戦略ニーズに対し、高度なソリューション提案で実績を上げている。経営者が抱える課題を引き出すため面談時の“傾聴”を重視するなど、対話を深めながら信頼関係を構築。総額27億円に上る大型シンジケートローン組成やコベナンツ(特約条項)付き融資といった案件獲得につなげた。
 2023年10月にソリューション営業部グループ長から着任した武田将明支店長。目指す姿に「強さ、品格、実現力」を掲げ…

 【写真】(左から)サイクラーズの高山啓介財務部担当部長、福田隆代表取締役と商談する武田将明支店長、法人渉外課リーダー(8月22日)

2025年8月29日号18面 百十四銀行三木支店、地域おこしで知恵絞る、ふる納や就農支援軸に

2025年8月29日号18面 百十四銀行三木支店、地域おこしで知恵絞る、ふる納や就農支援軸に

 【高松】百十四銀行三木支店(原靖貴支店長=行員22人うち渉外6人。パート8人)は、地域おこしにつながる取り組みに尽力している。地方創生施策に貢献する企業版ふるさと納税の仲介や、特産品であるイチゴの就農支援を軸とした地域振興を積極化。地域の持続可能性を高める活動に知恵を絞った結果、2024年度下期にはコンサルティング部門の表彰につながった。
 同店は高松市の東隣、三木町に立地。ベッドタウンとして発展したが、近年は人口減少が進む地域だ。2023年10月に着任した原靖貴支店長は…

 【写真】大坂誠・太陽技報堂常務(左から2人目)から生産工程の説明を受ける原靖貴支店長(同3人目)と川崎紘平支店長代理(同4人目、8月19日、三木町内)

インタビュー

2025年8月22日号4面 コンコルディアFG、不動産金融で地銀連携へ、空き家問題など解決

2025年8月22日号4面 コンコルディアFG、不動産金融で地銀連携へ、空き家問題など解決

 コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)は、4月に連結子会社化した不動産担保融資専門のL&Fアセットファイナンス(旧三井住友トラスト・ローン&ファイナンス)の業務展開で、全国の地域銀行と協業していく方針だ。空き家物件など銀行では与信対応が難しい案件で連携し「地域の課題解決に役立ててもらう」(片岡達也社長)狙い。
 L&Fアセットファイナンスは住宅ローン、アパートローン、不動産担保ローンなどを提供するノンバンク。コンコルディアFGは…

【写真】インタビューに答える片岡社長(8月13日)

2025年8月15日号1面 伊藤・金融庁長官、地域銀行の数「気にせず」

2025年8月15日号1面 伊藤・金融庁長官、地域銀行の数「気にせず」

 金融庁の伊藤豊長官は、長期にわたる巨額の不正融資が発覚したいわき信用組合の事案を踏まえ、年内に予定される「地域金融力強化プラン」の策定を待たず、公的資金注入先に対する監督・モニタリングを一層強化する考えを示した。経営統合や合併が進む地域銀行については、当局主導で再編を促す気はなく、銀行の数も「全く気にしていない」と断言。質の高い金融サービスの提供と、それに適した経営基盤の確保を求める意向だ。
 8月7日、本紙のインタビューに応じた。金融界で相次ぐ不祥事の端緒を見抜けなかった同庁の責任を問う声も…

【写真】インタビューに応じる伊藤長官(8月7日)

2025年8月15日号12面 特集 万博でのぞこう、金融の未来。

2025年8月15日号12面 特集 万博でのぞこう、金融の未来。

 未来社会を体験できる実験場、大阪・関西万博――ここで「金融業界の未来の姿」も見つけられそう!そんな希望を胸に、一路万博会場を訪ねました。注目のテーマは「アンドロイド」と「ウォレットアプリ」。みなさんも一緒に、未来をのぞいてみましょう!

 ■石黒浩先生に聞く 金融とアンドロイド、あとアバター
 「金融機関にアンドロイド」って、SFすぎ?いえいえ、そんな未来は、意外とすぐそこかも。
 ロボット研究の第一人者・石黒浩先生(大阪大学基礎工学研究科教授)へのインタビューと、同氏がプロデュースする…

 【写真】石黒浩・大阪大学基礎工学研究科教授

記事のロングバージョンは「digital FIT」に掲載中

2025年4月18日号7面 農林中金、2026年3月期黒字化を堅持、再投資先は慎重に選別

2025年4月18日号7面 農林中金、2026年3月期黒字化を堅持、再投資先は慎重に選別

 4月1日に農林中央金庫のトップに就任した北林太郎理事長は、同10日に本紙のインタビューに応じ、米国トランプ政権による関税引き上げの影響で世界的に金融不安への警戒感が高まるなかでも2026年3月期の黒字化目標を堅持すると明かした。
 25年3月期連結決算の純損益は約1兆9千億円の赤字を見込むが、24年度中に…

【写真】インタビューに応じる北林理事長(4月10日)

2025年4月4日号2面 インタビュー 半沢・全銀協新会長、成長支え未来への礎 築く

2025年4月4日号2面 インタビュー 半沢・全銀協新会長、成長支え未来への礎 築く

 全国銀行協会の会長に4月1日、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取(60)が就任した。国内景気は拡大基調が続くが、不祥事が相次いだ金融界は信頼回復という課題も抱える。今後の協会運営方針や銀行経営を取り巻く環境などについて聞いた。

■縮小均衡脱し好循環を実現
 ――失われた30年と言われた日本経済の現状認識は。
 「縮小均衡から変わるためのいい流れができつつある。これをしっかりした動きに…

2025年1月1日号3面 特集 新春インタビュー、福留・全銀協会長、スタートアップ育て再成長実現

2025年1月1日号3面 特集 新春インタビュー、福留・全銀協会長、スタートアップ育て再成長実現

官民挙げて推進するスタートアップ育成――。
日本の再成長のカギとなり、銀行界に求められる役割は融資から出資まで幅広い。
全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)に銀行のスタートアップ支援や日本が抱える課題について聞いた。
(聞き手=佐藤康浩)

■世界基準の生態系必要
 ――日本のスタートアップの現況をどうみていますか。
 「今の米経済を引っ張っているのは新しい産業を作り出した『マグニフィセント・セブン』のような…

2024年12月6日号9面 【ちょっと一言】 後藤真希さん(歌手・タレント)、ファンの存在が原動力

2024年12月6日号9面 【ちょっと一言】 後藤真希さん(歌手・タレント)、ファンの存在が原動力

 一店舗で他店対応を
 1999年に「モーニング娘。」でデビューし、2024年9月9日に25周年を迎えた。ミリオンヒットした「LOVEマシーン」では、加入直後にセンターへ抜てき。多くのファンの心をつかむと「恋のダンスサイト」などのヒット曲を連発させ、一時代を築いた。現在は歌手やタレントとして活躍中だ。
 自身が「転機だった」と話すのは2008年のエイベックスへの移籍。アイドル時代とは違い…