2025年6月20日号2面 政府、金融データ連携実現へ、基盤整備し利活用促す
政府は、金融データの連携・標準化に向けた検討を加速させる。2025年度中に金融や医療など、公共性の高いデータの利活用を促すべく、必要な加工を行ったうえで提供するプラットフォーム(基盤)整備の検討を進める。家計の安定的な資産形成の実現へ、金融資産の“見える化”を実現したい考えだ。
政府のデジタル行財政改革会議は6月13日、「データ利活用制度の在り方に関する基本方針」を…
2025年6月20日号3面 地銀、外貨保険販売が3割減、2024年度下期、10万件割れ
地方銀行の2024年度下期外貨建て一時払い終身保険の販売件数が、24年度上期比36.2%減少した。ニッキンの調査で分かった。22年度上期以降、米国の急速な利上げに伴って外貨建て保険の魅力が高まり、5半期連続で販売件数は10万件を超えていた。24年度下期は10万件を割り込み、6万8832件となった。
個別の増減をみると、減少幅が4割以上の先が24行あり、うち5行は…
2025年6月20日号4面 山口FG、地域活性化の効果測定、インパクト算出20件
【広島】山口フィナンシャルグループ(FG)が地域活性化事業の効果測定に乗り出す。開発した「経済的インパクト」算出手法を用いて、20件程度のプロジェクトを対象にその効果を測る。プロジェクトの入り口となる事業構想や調整の段階から、事業化後までの価値をそれぞれ金額として算出するのが特徴だ。対外的な説明に使うほか「プロジェクトに関与する行員のモチベーションアップにもつながる」(山口FG)。こうした取り組みは地方銀行で初めてという。将来的には他行への展開も視野に入れる。
経済的インパクトの算出は、プロジェクトを大きく四つのパートに…
2025年6月20日号6面 信金、出資会員の整理進む、東海は大幅増、二極化も
信用金庫の出資会員数(2024年度末)は、前年度末から0.2%減少し、867万1千人(速報値)となった。減少は9年連続。14年の信用金庫法施行規則の改正に伴い、定款を変更すれば所在不明会員の除名が可能になったことから、会員の整理が進んでいるとみられる。出資会員数が減少する信金がある一方、東海地区では2000年度末比で大幅に増加するなど、二極化が進んでいる。
14年の改正では、(1)5年以上継続して信金の事業を利用していない(2)信金の通知または催告が…
2025年6月20日号8面 特集 現地取材・デジタルバンキング2025、全米から640人参加
AIとデジタル資産に注目
アリゼント(米国の金融専門紙「アメリカン・バンカー」発行)は、6月1~4日、米フロリダ州ボカラトンで、「デジタルバンキング2025」を開催した。金融機関関係者ら約640人が参加した。協賛社はエス・エー・ピー(SAP)、ジャック・ヘンリ―、ファイサーブなど48社。「AI(人工知能)」「顧客体験価値(CX)」「サイバーリスク」「デジタル資産」などのテーマでセミナーや展示、ピッチコンテストが行われた。特に今回は、AIとデジタル資産に関する関心が高く、熱のこもった講演や質疑応答が展開された。米デジタルバンキングの最前線を取材した。
■攻守一体の変革、武器はAI
銀行業界でAI活用が勢いを増している。AIはビジネス成果を生む「攻め」と、巧妙化する脅威への「守り」のツールとなっている。
【写真】AIを駆使した製品に関心が集まった展示会場(6月2日)
2025年6月20日号10面 実像 保険会社の出向者引き揚げ、地域銀行で窓販縮小も
保険会社が地域銀行に出向させていた社員の引き揚げに動いている。損害保険会社の不祥事に端を発した出向者引き揚げが生命保険会社にも波及しており、今後の動向や対応次第では保険窓口販売を従来通り継続できるか差が出てくる可能性がある。銀行の保険窓販が全面解禁された2007年12月から約17年たつが、いまだに保険関連の中核業務を出向者に依存している銀行もあり、その穴をどう埋めるかが喫緊の課題だ。
■損保人材を出勤停止に
保険会社の出向者引き揚げの流れは、大手損保の不祥事から始まった。ビッグモーターや共同保険などの不祥事が相次ぎ発覚するなかでクローズアップされたのが…
2025年6月20日号15面 MUFG、社員起案の新事業が始動、社会課題解決と収益貢献へ
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、社員起案によるビジネスアイデアの事業化に乗り出す。障がい者の法定雇用率を達成したい企業向けの支援事業実証を2024年11月に開始し、早ければ今秋にもマンション管理組合の理事会運営を請け負う新事業に参入する。いずれも目の前にある社会課題をMUFGの強みを生かしながら解決し、同時に収益貢献をもたらす事業創出の試みだ。
ビジネスアイデアを三菱UFJ銀行や三菱UFJ信託銀行などのグループ社員から募る事業創出プログラム「Spark X」が始まったのは2022年度。MUFGのパーパス(存在意義)である…
2025年6月20日号18面 北海道銀行岩見沢エリア岩見沢支店、個社別討議で需要発掘
若手行員の成長も促す
【札幌】北海道銀行岩見沢エリア岩見沢支店(中尾竜実エリア統括支店長=行員41人うち渉外14人。スタッフ7人)は、毎朝15分の個社別ミーティングで取引先のビジネスモデルの把握や想定されるニーズを検討。潜在需要を発掘し、融資拡大などで成果をあげる。2024年度下期は若手行員の成長が促されたことも評価され、同規模エリア店で総合優良店舗表彰に輝いた。
同エリアは岩見沢、美唄、月形の3カ店で構成。中尾竜実支店長は2023年7月に着任した。前任は同行が出資する…
【写真】昭和マテリアルの五十嵐一朗社長(右)から事業の説明を受ける(左から)中尾竜実支店長、渉外係、中島孝支店長代理(5月21日、昭和マテリアル)