ニッキン・2025年4月18日号

主な記事

2025年4月18日号1面 地銀、「再生人材」確保急ぐ、他行の定年退職者採用も

  • 経営

 地方銀行で、取引先の事業再生を担える人材の確保が課題になっている。足元では、倒産件数の増加に加え、経営難に陥った企業を他の事業会社などが承継して再建を目指す「スポンサー型再生」の案件も増加。一部地銀では再生支援担当部署の拡充に着手し、中途採用も含めて人員増強に動いている。
 金融庁が2023事務年度に行った調査によると地域銀行の経営改善支援専門部署の行員数は…

2025年4月18日号2面 金融界、刻々と変わる米関税措置、取引先の実態把握急ぐ

  • 国際

 時々刻々と変化する米国トランプ政権の関税政策――。トランプ大統領は4月9日(現地時間)に「相互関税」を発動したが、1日も経たずに、中国を除く90日間の一時停止を発表。国内金融界は「一時的に過度な不安は後退したものの、不確実性は残っている」(四国地区地域銀行)との認識で、予断を許さない状況だ。官民で国内経済や取引企業への影響について実態把握を急ぐ。
 全国の財務局は地域金融機関を対象に、関税措置の影響について調査を開始…

【写真】米国関税措置に関する総合対策本部会合で、経団連からヒアリングした自民党(4月10日、本部)

2025年4月18日号3面 地域金融機関、事業者支援先を選別、金利上昇局面で岐路に

  • 融資

 地域金融機関で、経営改善支援先を選別する動きがじわり出てきている。見直しを図っているのは、返済猶予を延長するリスケジュールが常態化する実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資先。関東地区信用金庫の融資担当者は「再生の見込めない先にもう一度融資して(問題を)引き延ばすわけにはいかない」と吐露する。これまで継続的な訪問により与信管理や経営改善を行ってきたが、金利上昇局面に入り支援対象の選択と集中が一段と進む可能性がある。
 金利ある世界に突入し、返済負担が増す中小企業や個人事業主を中心に倒産リスクは…

2025年4月18日号4面 地域銀行、非対面のCX向上へ、伊予銀行は国際認証取得

  • 営業店

 地域銀行は、非対面チャネルの顧客体験価値(CX)向上を急ぐ。デジタル化の推進や人員に限りがある支店運営のサポートなどの観点から、コンタクトセンターの運営方針を再検討する動きが広がる。伊予銀行は4月4日、コンタクトセンターの国際品質保証規格「COPC®CX規格 Release7.0」を地方銀行で初めて取得したと発表した。
 一部地域銀は、行員や来店客が減少傾向にある時代に適した店舗戦略を議論…

2025年4月18日号5面 群馬銀行、育休代行部隊を新設、営業店へ最長1カ月派遣

  • 人事施策

 群馬銀行は、育児や介護を理由に休業する営業店行員の代務を担う「営業店サポート部隊」を新設。4月から試行で派遣を開始した。育児・介護のための休業制度を使いやすくするのが狙い。同行が力を入れる夫婦での「共育て」実現に向けた両立支援を強化する。
 営業店サポート部隊の支援申請者は、行内専用フォームから2週間前までに…

2025年4月18日号7面 農林中金、2026年3月期黒字化を堅持、再投資先は慎重に選別

  • インタビュー

 4月1日に農林中央金庫のトップに就任した北林太郎理事長は、同10日に本紙のインタビューに応じ、米国トランプ政権による関税引き上げの影響で世界的に金融不安への警戒感が高まるなかでも2026年3月期の黒字化目標を堅持すると明かした。
 25年3月期連結決算の純損益は約1兆9千億円の赤字を見込むが、24年度中に…

【写真】インタビューに応じる北林理事長(4月10日)

2025年4月18日号8面 東証、子会社化規則を厳格化、MBO時の少数株主保護

  • 法令制度政策

 東京証券取引所は、7月をめどにMBO(経営陣が参加する買収)やグループ会社による完全子会社化についての規則を厳格化する。「少数株主にとって不利益でない」という意見を、独立社外取締役など利害関係がない者から入手して適時開示することを義務付ける。少数株主を保護することが目的だ。
 現在は支配株主による完全子会社化においてだけ、少数株主にとって不利益でないことに…

2025年4月18日号10面 特集 【本紙調査】主要金融機関の2025年度採用実績

  • 人事施策
  • 特集

 3年連続増・1万3910人
 銀行・グループ(G)と大手信用金庫の2025年度新卒採用者数が3年連続で増加した。主要機関の新入行職員は計1万3910人となり、2024年度の1万2541人から10.9%増加した。6割に当たる97機関が2024年度より新卒採用者を増やし、コロナ禍前の2019年度実績と同水準の1万3千人台に回復した。業態を越えて採用競争が激化するなか、「金利ある世界」に向けて営業力を強化する狙い。本紙が大手行・G、地域銀行・G、預金量上位50信金(2025年1月末)の計152機関を調査した。
 全業態で新卒採用人数が増え、大手行・Gが2024年度比8.8%増の3297人、地域銀・Gが9.8%増の7785人…

 【写真】りそなグループ入社式であいさつする南昌宏社長(4月1日、明治記念館)

2025年4月18日号17面 筑邦銀行の林執行役員、働きながら博士号、事業承継テーマに論文

  • 人事施策

 【福岡】筑邦銀行でコンサルティング本部長を務める林昭信執行役員(51)は3月、関西大学大学院で事業承継とリスクマネジメントに関する論文をまとめ、博士号を取得した。働きながらの論文執筆や学会発表、学費の負担など楽な道のりではなかったが、銀行の後押しもあり無事に修了。論文執筆の出発点となったのは、中小企業のM&A(合併・買収)に対して抱いていた「承継後の企業を存続させたい」との思いだ。
 福岡支店(現福岡営業部)勤務の2016年、MBA取得のため九州大学大学院に入学。学費や交通費を銀行が負担する支援制度を使い…

 【写真】学位記を持つ林昭信執行役員(4月2日、筑邦銀行本店)

2025年4月18日号18面 滋賀銀行九条支店、若手のアイデアが解決に、新規開拓エリア1位

  • 営業店

 【大阪】滋賀銀行九条支店(野島裕人支店長=行員21人うち渉外7人。パート3人)は、若手行員が話しやすい職場環境づくりにより行員間のコミュニケーションが活性化。情報交換が増え、仕事への取り組み姿勢が業績につながっている。2024年度の新規融資開拓は28件で目標達成率は155%。同店が所属する京都・山科エリア(グループ)で1位となった。
 同店の営業エリアは、京都市の南区と伏見区、向日市、長岡京市など。堀場製作所(京都市南区)や…

 【写真】行員と打ち合わせをする野島裕人支店長(右、4月3日、滋賀銀行九条支店)

学び (13面)

【Nikkin 金融講座】
私のターニングポイント(52) Trust Base取締役CEO・田中 聡氏(下)
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

預かり資産 (14面)

夢育む資産形成コンサルタント
 財務諸表の活用(2)
フリー・キャッシュフローを計算
投信窓販優績者に聞く 富山銀行・野澤 佳乃さん
経験談交えて提案活動
投信レビュー 3月、年度末では過去最高、トランプ関税で不透明感
「ニッキンONLINE」に掲載
企業価値担保権が創造する新たな中小企業金融の世界(3) 多数行取引に伴う情報の非対称性の解消(2)

レギュラー企画

寸言 令和のリレバンに期待(1面)=関 禎一郎・近畿財務局長
東西ペンリレー 日本選手権“準優勝”(9面)=山崎 徹也・北海道銀行取締役執行役員
ちょっと一言 「のびゆく浜松」取り戻す(9面)=浜松市長・中野 祐介さん
『初支店長 [896]』 若手の育成に注力(18面)=南日本銀行末吉支店・松元 祐亮氏
『スマイル』 会話で顧客の心開く(18面)=紀北信用金庫・植中 翼さん

企画・特集・連載など

2%への覚悟〔下〕(1面)
「ニッキンONLINE」に掲載
苦境に立つ「生命線」
真のリスクテイカー 出番
インタビュー(5面)
「ニッキンONLINE」に掲載
吉川 浩・山陰合同銀行頭取
成長続けて地域守る
インサイト
 キーパーソンに聞く<158> (12面)
スパイラル上席執行役員金融ソリューション事業本部長・福田 桂介氏
金融DXを伴走支援
先輩の学び術 ルーティンを盗め[3] (16面) 情報を常に提供する側で
高松信用金庫・青井 瑞希さん
ザ・フロント・バンカーズ(62)(18面) 著:江波戸 哲夫氏

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