ニッキン・2025年8月1日号

主な記事

2025年8月1日号1面 金融庁・警察庁、URL貼付禁止案を軟化、銀行界から反発受け

  • 法令制度政策
  • ネット・システム

 金融庁と警察庁は、顧客の口座やアカウントへの不正アクセス・不正取引を防止するための金融機関に対する要請内容を軟化させた。銀行界からの反発が大きかった電子メールへのリンク先の貼付について、禁止を求める色合いが強かった書きぶりを見直した。ただ、要請文にはリンク先貼付について現状の体制の再考を促す文言もあり、顧客向けの電子メールやショートメッセージサービス(SMS)の位置づけは今後も重要な検討課題となりそうだ。
 両庁は、証券口座が乗っ取られて不正に株式が売買される被害の急増を踏まえ、なりすまし対策の強化などを…

2025年8月1日号15面 キッザニア東京、夏休みは金融学ぼう!、“リアル”な機会提供

  • 地域貢献

 子ども向け職業体験施設「キッザニア」の運営を担うKCJ GROUP(東京都)は7月19日~8月31日、キッザニア東京で「金融経済」をテーマにイベントを開催する。パビリオンを常設する大和証券グループ(G)本社や三井住友銀行に加え、東京証券取引所も協力。投資や上場の手続きなどを学ぶ機会を提供する。金融リテラシー向上に注力する「こどもが主役の街」の金融機関を追った。

 ■3歳からIPO体験
 「このなかから作りたい会社を選んでください」--。黒いジャケットを着こなした子どもたちが、キャストが説明する「新規上場」「発行株式数」など…

 【写真】東証パビリオンのメディア向け発表会で上場の手続きを体験する子ども(7月18日、キッザニア東京)

2025年8月1日号3面 横浜銀行や静岡銀行など20行庫、生成AIの実装拡大へ、検証結果・最善策を共有、エージェント視野

  • ネット・システム

 横浜銀行や静岡銀行など20行庫は、業務への生成AI(人工知能)実装を拡大する見通しだ。共同で参画する研究会を通じて、業務フローに組み込むノウハウのほか、AIエージェントを視野に検証結果やベストプラクティス(最善策)を共有する。2026年3月までに複数のAIシステム稼働を見据える。加えて、データの取り扱いやガバナンスなどの最善策も探る。
 24年度にNECが運営主体となって立ち上げた研究会を発展させ、「Agentic AI共同研究会」で…

【写真】24年度の研究会で選定したユースケースを実装する(写真は24年度の様子。NEC提供)

2025年8月1日号4面 広島銀行、金利再来 ALMを改革、各部門の責任明確に

  • 経営

 【広島】広島銀行は「金利ある世界」の再来で、資産と負債の総合管理(ALM)改革を進めている。2025年度に、本部の営業部門とALM部門でスプレッドや金利変動リスクを意識した収益管理を復活。預貸金利ざやを分解し、各部門の収益責任を明確化した。清宗一男頭取は「ALMが再び脚光を浴びることになってきた」と強調する。
 同行は、日本銀行の政策金利が26年度上期に0.75%、27年度上期に1%へ上昇することをメインシナリオに…

【写真】勉強会で「ALM・スプレッドバンキングの考え方を理解してほしい」と話す清宗一男頭取(7月1日、ひろぎんホールディングス本社)

2025年8月1日号5面 八十二銀行、AIモデル開発50種、投信販売モニタリングも

  • ネット・システム

 八十二銀行はAI(人工知能)の活用領域を広げている。取引状況などの各種情報を一元管理するデータウェアハウス(DWH)を用いて開発したAIモデルは50種類以上に達し、今後は投資信託などリスク商品販売のモニタリングにも活用を検討。業務・組織のデジタル改革を加速させる。
 同行は2019年に全社DWHを稼働させて以降、AIモデルを内製化して各種業務に組み込んで…

2025年8月1日号6面 信金界、個人向け信託1000億円、若年層と接点創出で関心

  • 資産管理

 信用金庫業界で個人向け信託商品の取り扱いが堅調に推移している。2017年1月に信金中央金庫が提供を開始した2商品の累計申込金額は、25年7月に1千億円に達した。「金利ある世界」の到来で、預金集めに奔走するものの、相続発生時に預金が流出する状況を受け、信金からの注目を集めているようだ。
 信金中金が提供するのは「しんきん暦年信託『こころのリボン』」と「しんきん相続信託『こころのバトン』」。こころのリボンは、…

2025年8月1日号8面 特集 東北地区5機関、よろず支援拠点を活用、経営者の良き相談相手に

  • 取引先支援
  • 特集

 【仙台】東北地区金融機関は、経営への助言や補助金の申請支援など、創業者や経営者の良き相談相手として支援に汗を流す。本支店の連携に加えて、よろず支援拠点など外部専門家の知見を得て課題解決に導いた取り組み事例をみた。

 ■秋田銀行、円滑な融資へ計画作成
 秋田銀行大町支店(鈴木純支店長)は、「なかいちこども歯科クリニック」の開業を支援。外部連携により融資を円滑に実行した。分院だった歯科医院を…

 【写真】事業について話し合う(左から)秋田県事業承継・引継ぎ支援センターのサブマネージャー、氏家隼人院長、鈴木純支店長、秋田県よろず支援拠点チーフコーディネーター(7月10日、なかいちこども歯科クリニック)

2025年8月1日号10面 改革の旗手 安藤聡・金融経済教育推進機構(J‐FLEC)理事長

  • 経営
  • 特集

 金融リテラシー高め日本変える
 資産運用立国実現のカギを握る金融教育改革へ旗を振る。目指すのは「個人の金融リテラシーを高めることで、日本社会を変える原動力になる」ことだ。2023年12月25日、クリスマスに金融庁幹部に理事長就任を打診され、即座に応諾した。その裏には、これからのインベストメント・チェーンは、「リターン優先の機関投資家ではなく、人生の豊かさを求める個人投資家が主役になるべき」という思いがあった。

 ■身に付いた「多様性」
 「グローバルでダイナミックな仕事に就きたい」と、都市銀行の一つで唯一の外国為替専門銀行だった東京銀行に入行した。特に思い出深いのは…

 【写真】安藤聡・金融経済教育推進機構(J-FLEC)理事長

2025年8月1日号17面 みずほフィナンシャルグループ、芸大と連携し初展覧会、社員がガイド

  • 地域貢献

 みずほフィナンシャルグループ(FG)と東京芸術大学の連携事業「アートとジェンダー研究会」が発足3年目を迎え、初の展覧会を開いている。美術愛住館(東京都)で7月4日~8月3日の週末に開催。約500人が来場する見込み。みずほFGでは共同プロジェクトに公募した有志社員が展示作品のガイドツアーを実施するなど、従来になく踏み込んだ社員参加型企画だ。
 みずほFGは社会課題の解決などを目指し、2023年度に東京芸大と包括連携協定を結んだ。その一環として「アートとジェンダー」共同研究プロジェクトを立ち上げ…

 【写真】展示品の解説をする、ガイド役のみずほ銀行女性行員(7月27日、美術愛住館)

2025年8月1日号18面 東京東信金亀戸支店、預貸増やし5期連続表彰、保証付き融資72%増

  • 営業店

 東京東信用金庫亀戸支店(森内隆光支店長=職員18人うち渉外5人。パート2人)は、預貸金の期中平残増加を最重点目標に掲げ、信用保証協会保証付き融資のスピーディーな実行を軸に全体朝礼などで進捗(しんちょく)を管理。2024年度期中平残は1年で預金が0.63%、貸出金が0.19%とそれぞれ増え、一般店舗グループ(16カ店)で初の5期連続表彰(通期)を達成した。
 営業エリアの江東区亀戸地区は、廃業・業種転換・工場移転に伴う跡地などに分譲・賃貸マンションやテナントビルの建設が進み…

 【写真】推進項目の進捗を職員全員と共有する森内隆光支店長(左、7月22日、東京東信金亀戸支店)

学び (13面)

【Nikkin 金融講座】
私のターニングポイント(66) 大分県信用組合理事長・吉野 一彦氏(下)
顧客愛から県民愛へ、日々の声かけが信頼つくる
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

預かり資産 (14面)

投信窓販優績者に聞く 京都中央信用金庫・中野 琴絵さん
アフターフォロー重視
不祥事どう防ぐ 「他人ごと」にさせない対面研修

レギュラー企画

寸言 地域と向き合う覚悟(1面)=石田 諭・南都銀行頭取
東西ペンリレー 宮城と群馬、群馬と宮城 (9面)=岡山 和裕・日本銀行検査室検査役
ちょっと一言 人々が交流する場所へ (9面)=金沢21世紀美術館5代目館長・鷲田 めるろさん
『横顔』 経営改革で基盤強化を (16面)=中村 錠治・四国財務局長
南九州の発展、力尽くす (16面)=三原 健・九州財務局長
『初支店長 [910]』 人とのつながり大切に(18面)=北都銀行鷹巣支店・渡邊 元希氏
『スマイル』 地元で頼られる存在へ(18面)=八幡信用金庫・坪井 真鈴さん

企画・特集・連載など

インタビュー (1面)
「ニッキンONLINE」に掲載
金成 茂・いわき信用組合理事長
職員の声聞き組織風土改革
インタビュー (11面)
「ニッキンONLINE」に掲載
小池 昌洋・東京海上ホールディングス社長
進化のフェーズIIIへ
インサイト
 キーパーソンに聞く<171>(12面)
増田 明生・SSBソリューション代表取締役社長
新リース会計基準が焦点
NG例で解説! 法人融資の基礎 [4] (18面)
 基礎知識編
ALMA代表取締役/中小企業診断士・安元 計皓氏
画:吉田 一裕氏

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