2025年10月10日号1面 3メガ 新卒内定7%増、三井住友銀行、半数が職種別
3メガバンクの2026年春の新卒内定者数は、合計で1841人(みずほは持ち株会社、銀行、信託銀行の合算)と前年比7%増加したことが本紙調査で判明した。3行合算で新卒内定者が増加するのは3年連続。各行は専門人材を育成するため、職種(コース)別の採用に力を入れており、「量」よりも「質」を重視する傾向が強まっている。
26年春の新卒内定者(10月1日時点)は、三菱UFJ銀行が…
【写真】三井住友銀の内定式(10月1日、本店)
2025年10月10日号2面 日銀調査、金融機関、AI急拡大、過半数が利用
金融機関で生成AI(人工知能)の導入が急速に進んでいる。日本銀行が全国の銀行や信用金庫など153先を対象に実施した定例アンケートによると、「利用中」と回答した先は50.3%と、前年(2024年度)の31.0%から約20ポイント上昇し、過半数に達した。「試行中」を含めると7割を超える。地域金融機関での拡大が目立ち、利用分野も広がりをみせている。
アンケートは25年4~5月に実施した。生成AI利用先の導入目的は、「業務効率化・コスト削減」という回答が75先(前年は48先)と最も…
2025年10月10日号4面 山梨中央銀行、エンディング動画作成、相続人への「想い」預かる
山梨中央銀行は10月1日、個人が相続人に「想い」を伝えるエンディング動画の作成サービスを始めた。エンディング動画の作成は東京都内の複数企業が手がけているが、同行のサービスは外部カウンセラーによる助言や動画の保管、相続人へのサプライズの手渡しまで含めたもので、全国初という。
「お金だけでなく想いも預かり、届けたい」。発案した経営企画部の室伏諒さん(30)はそう話す。同サービスでは、2024年1月に…
【写真】新サービスの方針を話し合う室伏諒さん(左)と小田切耀平・地方創生推進部室長代理(9月25日、本店)
2025年10月10日号6面 信金・信組、求められる内部監査高度化、担当部門任せから脱却も
信用金庫・信用組合業界に対して、内部監査の高度化に対する要請が高まっている。金融庁は信金・信組を対象に勉強会を実施するなど、フォローアップを図ってきた。ただ、マネーロンダリング対策やサイバーセキュリティーなど対応事項が多岐にわたるなか、銀行と比較して小規模な先が多い協同組織金融機関では、リソースの確保が課題となる。
無断で顧客の名義を借用した融資など、複数の不正が明るみに出たいわき信用組合のケースでは、東北財務局が…
2025年10月10日号10面 改革の旗手 淡路睦・千葉銀代表取締役専務執行役員・グループCSuO
誰もが活躍できる道拓く
2024年4月、地方銀行で初の生え抜きの女性代表取締役に就任した。女性活躍のフロントランナー的存在だが、その道のりは「エリートコースとはかけ離れた銀行員人生だった」という。男性との昇格差や育児との両立、未経験の部署でのマネジメント。逆境にさらされても成長の糧にし、誰もが活躍できる道を作ってきた。
■男女の格差に失望
入行後、ある先輩にかけられた言葉にがくぜんとした。「5年は働いてね。制服の元が取れないから」。
1986年に男女雇用機会均等法が施行されていたが…
【写真】淡路睦・千葉銀行代表取締役専務執行役員・グループCSuO
2025年10月10日号16面 三井住友信託銀行、東京本部業務関西で、新人事制度と連動
【大阪】三井住友信託銀行は、東京本店の本部業務を関西圏でリモート勤務する「ワークデザインベース」が定着。個人の事情で、関西圏で勤務を希望する本部行員に、これまでの業務継続を後押しする。この働き方が浸透し、利用者は10月1日現在で45人(上期から24人増)。10月に導入した新人事制度と連動させ、多様な働き方を進める。
ワークデザインベースは2023年度に導入。コロナ禍でリモート業務が充実したため、場所を問わずに仕事ができる体制が整い…
【写真】大阪本店内のフリースペースでリモート業務をする行員(9月11日)
2025年10月10日号17面 大分銀行、学生と観光プラン考案、宇佐の酒造PR強化
【福岡】大分銀行は、地域活性化を地元の学生と後押しする。地域創造連携協力を結ぶ大分県宇佐市と大分大学による産官学の連携組織「おおいた地域連携プラットフォーム」の3者で、学生に地域を学ぶ機会を提供。同市の「酒蔵ツーリズム」に学生の視点を取り入れ、認知度向上とブランド力強化に寄与したい考えだ。
宇佐市は、麦焼酎の出荷量が全国トップクラス。市内七つの酒造による「JYOKKAS∞(ジョッカス)」の観光振興をテーマに、大分大学の学生9人が3チームに分かれ9月1日から約3週間…
【写真】観光プランの立案をサポートする高橋美保・大分銀行地域創造部地域活性化グループ推進役(大分大学提供)
2025年10月10日号18面 山梨中央銀行河口湖支店、ホテル売上高 過去最高に
アニメ客室づくり協力
山梨中央銀行河口湖支店(西川雄介支店長=行員20人うち渉外13人。パート8人)で、東京の情報を活用して山梨県内事業者を成長させる「山梨強靭(きょうじん)化戦略」の好事例が生まれた。富士河口湖町のホテル「湖龍」に都内のアニメ制作会社を紹介し、客室にアニメの世界を再現する企画に協力。同ホテルの月間売上高が過去最高を記録するのに貢献した。
湖龍の外川亜希子代表は元漫画家で、6作品がコミック誌などに掲載された。先代の死を受けて2020年7月に実家の湖龍を継いだが…
【写真】ホテル1階に設けた漫画カフェで話す外川亜希子代表(左)と担当者の渡邊重幸支店長代理(10月6日、湖龍)