ニッキン・2025年9月19日号

主な記事

2025年9月19日号1面 地銀、参入規制の格差解消要望、“銀商”問題に踏み込む

  • 法令制度政策

 地方銀行は、「銀行業」と「非銀行業」における参入規制の格差是正を金融庁に求める。2025年度の規制改革・行政改革要望に、銀行から商業への参入は認められない一方で、商業から銀行への参入は認められている「One‐Way(ワンウェイ)規制」の撤廃を初めて盛り込む見通し。銀行グループと、銀行を保有する一般事業会社グループとの間で、金融規制が異なっていることなどを指す“銀商”問題の解消を要求する。銀行持ち株会社から一般持ち株会社への柔軟な移行を可能にする仕組みの検討などを働きかける。
 現行規制では、銀行を保有する一般事業会社グループには主要株主規制は課され…

2025年9月19日号10・11面 特集 防災の日制定から65年、予期せぬ天災 奪われる日常

  • 社会
  • 特集

 金融機関の舵取りを問う
 関東大震災を発端とする「防災の日」(9月1日)は今年、制定から65年目を迎えた。気象庁によると、1時間あたりの降水量が80ミリを超える猛烈な雨の頻度は、1980年ごろと比べ約2倍に増加。南海トラフ地震は、30年以内の発生確率が「80%程度」に引き上げられた。さまざまな自然災害を想定しておく必要があり、業務継続計画(BCP)の完備は不可欠だ。金融機関の被災体験をたどり、次世代へと教訓をつなげる。

 ◆地震対策
 ■北国銀行、モバイルバッテリー備蓄
 【金沢】2024年1月1日に発生した能登半島地震。被害の中心が交通網の脆弱(ぜいじゃく)な半島を直撃、社員も被災者となるなど移動や物資輸送面で大きな影響を受けた。4日からの通常営業ができなかった支店は…

 【写真】大規模火災が発生した観光名所「輪島朝市」(2024年1月30日、輪島市内)

2025年9月19日号2面 中企庁、成長企業の人材難解決、中小機構が3事業本格化

  • 法令制度政策

 中小企業庁は、事業者による人材の採用・育成を支援する施策を通じて企業の成長を後押しする。所管の中小企業基盤整備機構は、各社が必要とする人材の明確化や従業員のエンゲージメント向上をサポートする三つの事業を本格化させる。企業の成長過程で必要となる経営幹部人材の確保や、離職を防ぐための社内組織体制の整備に向けたノウハウを伝授する取り組みとなる。
 中小機構関係者は、金融機関などに対して「取引先への人材紹介支援などを補完するために活用…

2025年9月19日号3面 足利銀行、営業店がKPI策定、本部計画上回る利益達成

  • 経営

 足利銀行は、営業店が経営方針を策定し成果指標(KPI)を定める「自主経営」の定着を目指す。初めて全店で取り組んだ2024年度下期の業務粗利益は本部が公表せずに立てた計画比で105%になった。25年度は短期の数値目標に縛られずに活動できるよう年度目標に改定。トップダウン式のノルマ営業に「後戻りさせない」(清水和幸頭取)考え。
 業績評価制度を見直したのは21年度。当時、本部から達成すべき示達項目は110項目に…

【写真】太田支店で支店経営方針を話し合う行員

2025年9月19日号4面 四国銀行、デジタル化後押し300件、商店街モデルを横展開

  • ネット・システム
  • 取引先支援

 【高松】四国銀行は、企業の業務効率化だけでなく売り上げ増加に資するデジタル化支援に力を注ぐ。専業部隊の設置後、2年半で支援先は約300先。商圏人口の減少といった課題を抱える商店街の活性化にも取り組む。
 デジタル化支援の一環で手がける商店街の活性化は、県からの委託事業。2024年度は7先から受託し、25年度も7先の継続支援に加えて…

【写真】デジタルプランニングデスクの支援内容について説明する担当者(四国銀提供)

2025年9月19日号5面 あいち銀、農山漁村の課題解決、自治体と企業を仲介

  • 地域貢献

 【名古屋】あいち銀行は、10月から市町村など自治体が抱える社会的な課題の解決支援に乗り出す。山間部や漁村地区では、高齢化による担い手不足、環境保全、行政運営などが都市部以上に深刻化している。こうした課題を解決するため同行が自治体と企業をつなぎ、仲介役としてソリューションを提供する。企業や市町村向けの融資だけでなく計画作成などもサポート。東海農政局との連携を生かし、官民共創の仕組みを通じて社会課題領域の支援を事業として取り組んでいく。
 あいち銀は2023年1月に農林水産省東海農政局と連携協定を締結…

【写真】企業担当者の前で課題を説明する自治体担当者(あいち銀名古屋駅前ビル、9月8日)

2025年9月19日号7面 観音寺信金、蓄電池事業向け融資開拓、再エネ関連で次の一手

  • 融資

 【高松】観音寺信用金庫(香川県、小林浩二理事長)は、蓄電池事業向け融資の開拓に挑んでいる。2025年度中に第1号案件として約6億円の融資実行を予定。今後の需要拡大を見据え、案件を積み上げながらノウハウを蓄積していく考えだ。
 同信金は、地域の脱炭素化を後押しするため、太陽光発電など再生可能エネルギー関連の融資に力を…

【写真】蓄電池事業の計画について意見を交わす(左から)田中彰人支店長、大平真弘理事経営支援部長、仁田英児代表社員(8月28日、観音寺市内)

2025年9月19日号12面 実像 3メガバンクグループ、「サステナ提案」にじむ独自色

  • 地域貢献

 未来起点の対話積極化
 環境問題や社会問題の解決に貢献するサステナビリティ提案で、3メガバンクグループがそれぞれの独自色を打ち出し始めている。単なる資金提供にとどまらず、1歩先、2歩先の未来を見据え、ステークホルダーとの議論や発信の機会を積極的に創出している。各社の取り組みを追った。

 ■「白書」もとにGX後押し
 「未来の“子孫”が突然現れ、温暖化が進んだ地球の生活を語る」――。三菱UFJフィナンシャル・グループは2月…

 【写真】三菱UFJフィナンシャル・グループは「トランジション白書」内容を基にしたウェブページやTikTok動画を公開

2025年9月19日号16面 三菱UFJ銀行、アルムナイに熱視線、中部で初イベント

  • 人事施策

 【名古屋】三菱UFJ銀行は8月27日、中部地区で初のアルムナイ(卒業生)イベント「つながるBANKフェス」を開いた。退職時に専用サイトに登録していたアルムナイ14人が参加。人手不足感が強まるなか、中部地区でもアルムナイ採用に力を入れ始めた。
 首都圏ではすでに交流会を開催。今回は子ども連れも可能にして参加しやすくした。人事制度や働き方の解説に加え…

 【写真】座談会で交流するアルムナイと現役行員(8月27日、三菱UFJ銀行名古屋ビル)

2025年9月19日号18面 熊本銀行大矢野支店・松島支店、“天草船主”支え貸出伸長

  • 営業店

 渉外の知見高め人脈拡大
 【福岡】熊本銀行大矢野支店・松島支店(満尾優一支店長=行員7人うち渉外3人。スタッフ3人)は、「天草船主」と呼ばれる内航海運事業者など海運関連業者を支える融資に注力する。渉外担当者の海運に関する知見を高めるほか、船主の会合に積極的に出席し人脈を広げる。同分野には2018年度から力を入れ、約6年間で中小企業向け貸出金残高が約2倍となるなど残高増加に大きく寄与した。
 営業エリアの熊本県上天草市は、国内の港間で貨物を輸送する内航海運業や造船業が盛ん。また…

 【写真】取引先の船の写真が飾られた部屋で話し合う満尾優一支店長(右)と松村崇史課長代理(9月3日、熊本銀行大矢野支店・松島支店)

社説/ニッキン抄

学び (13面)

【Nikkin 金融講座】
私のターニングポイント(73) 宮崎太陽銀行本店営業部長・石沢 彰久氏(上)
紹介による開拓で活路、仕事ぶりが成果に直結
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

預かり資産 (14面)

投信窓販優績者に聞く 福岡銀行・濱福 菜月さん
“人生の伴走者”を目指す
投信レビュー 8月、純資産総額の増加続く
MRFも過去最高に

レギュラー企画

寸言 事業承継と信託(1面)=笹田 賢一・みずほ信託銀行社長
東西ペンリレー 思い出の地(9面)=持丸 秀樹・みなと銀行社長
ちょっと一言 登場人物に入り込む(9面)=名古屋外国語大学学長・亀山 郁夫さん
『初支店長 [917]』 ベテランと若手をつなぐ(18面)=湘南信用金庫 深沢支店腰越支店・野島 栄 氏
『スマイル』 明るく寄り添う接客(18面)=杜の都信用金庫・吉田 汐里さん

企画・特集・連載など

インタビュー (2面)
 「ニッキンONLINE」に掲載
柴田 聡・REVIC常務
人材紹介“点”から“面”へ
インタビュー (5面)
 「ニッキンONLINE」に掲載
杖村 修司・北国フィナンシャルホールディングス社長
社名変更 両利き経営始動
インタビュー (10面特集)
 「ニッキンONLINE」に掲載
藤井 聡・京大大学院工学研究科教授
成果連動型PFI導入を
【フロントライン】
営業店を支える最新テクノロジー(15面)
セキュリティー対策特集
新ガイドラインから1年
事件特集(下)(16面) 強盗・その他(2025年1~6月)
NG例で解説! 法人融資の基礎[10] (18面)
融資開拓編
経営デザインコンサルティングオフィス代表・川居 宗則氏
画:吉田 一裕氏

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