2025年8月29日号2面 国内銀、低利融資の圧縮加速、「1%以上」10年ぶり過半
国内銀行による低利融資の減少ペースが加速している。日本銀行の統計によると、適用利率が「1%未満」の低利融資残高は、直近(6月末)で前年同月比138兆円(33%)減の275兆円まで縮小。「0.5%未満」の残高圧縮が際立つ。「1%以上」が過半を占める融資構成に回帰し、運用原資となる預金囲い込みの重みが一段と増している。
日銀の段階的な利上げで、ピーク時に414兆円に達した低利融資残高は急減。特に、適用利率が0.5%を…
2025年8月29日号3面 銀行・信金、長期インターン導入増、「5日間以上」が4割
銀行・グループ(G)と大手信用金庫で、5日間以上の長期インターンシップの導入が増えている。政府が新卒採用ルールを見直し、2025年に卒業する学生から、一定の条件を満たせばインターン情報を採用選考にも活用できるようになったため。各金融機関は企業文化の理解促進を図り、ミスマッチのない採用の実現を目指す。
本紙が調査した銀行・Gと大手信金(預金量上位50信金)の計152機関のうち、24年度までに…
2025年8月29日号4面 三菱UFJ銀行、映画に邦銀初の融資、「完成保証」導入も視野
三菱UFJ銀行は、映画製作を対象にした本格的な投融資に乗り出す。映画製作会社のK2ピクチャーズ(東京都)が設立したファンドへの出資を足がかりに、早ければ1~2年内に数億円の融資を目指す。映画製作はリスクテイク手法が確立しておらず、邦銀としては初の試み。将来的には「完成保証契約」に基づくファイナンスの確立を視野に入れる。
製作の中止・延期などのリスクを抱える企画段階では出資に比重を置き、撮影に入ると融資の割合を…
2025年8月29日号5面 武蔵野銀行、病院の課題を迅速支援、承継など2024年度170件対応
武蔵野銀行は、地域医療機関向け支援のギアを上げている。2024年度から医療福祉担当チームが、行内の事業承継など複数チームとの連携を強め、経営全般の課題に迅速対応できる体制にシフト。24年度は約170件、25年度は現在までに約70件の相談に対応した。
同行が地盤とする埼玉県は人口1人当たりの医師数が少ないうえ、医学部を持つ大学が…
2025年8月29日号11面 PFP、窓販共同募集拡大の兆し、生保監督指針案受け
八十二銀行など導入
PGフレンドリー・パートナーズ(PFP)による保険窓販の新たなビジネスモデル導入を検討する動きが高まっている。金融庁が進める保険会社向けの総合的な監督指針案を受けての対応。プロダクトガバナンスやアフターフォローの体制整備、保険ビジネスの収益確保への波及も期待でき、地域銀行や大手信用金庫などが関心を寄せる。
保険窓販の新たなビジネスモデルは、PFPの共同募集ビジネス。同モデルでは、保険募集資格を持つPFPのインシュアランス・コンサルティング・パートナー(ICP)とともに募集し…
2025年8月29日号16面 栃木銀行、本業支援人材を育成、若手・中堅に目利き力講座
栃木銀行は、若手・中堅行員に企業考察力講座の開催と事業支援部での実地研修を実施する。取引先企業の本業支援を強化するため、「目利き力」を備えた行員の育成を目指す。
7月から、「企業考察力養成講座」を毎月1回、全8回の予定で開催。営業店などから公募で選ばれた20~40代の若手・中堅行員38人(うち女性9人)が参加。商工組合中央金庫で大規模企業再生を手がけた部長や事業再生を得意とする…
【写真】共同通信記者による企業考察力養成講座(8月8日、本店、栃木銀行提供)
2025年8月29日号17面 高知銀行、酒処「土佐」発展支える、地域商社中心に事業拡大
【高松】“酒処・土佐”を支え発展を――。高知銀行は、グループ子会社「地域商社こうち」が手がける酒米の精米など事業展開を拡大する。高知県内の酒蔵だけでなく県外にも受注先を広げ、840トンの精米受注量を1千トンまで引き上げる。酒米の生産にも手を広げるなど、酒造会社が抱える課題の解決、発展に向けた取り組みを加速していく。
同社が地場産業支援の一環で精米事業に乗り出したのは2024年4月。高知県農業協同組合による県内唯一の精米工場が閉鎖され…
【写真】地域商社こうちの精米工場
2025年8月29日号18面 百十四銀行三木支店、地域おこしで知恵絞る、ふる納や就農支援軸に
【高松】百十四銀行三木支店(原靖貴支店長=行員22人うち渉外6人。パート8人)は、地域おこしにつながる取り組みに尽力している。地方創生施策に貢献する企業版ふるさと納税の仲介や、特産品であるイチゴの就農支援を軸とした地域振興を積極化。地域の持続可能性を高める活動に知恵を絞った結果、2024年度下期にはコンサルティング部門の表彰につながった。
同店は高松市の東隣、三木町に立地。ベッドタウンとして発展したが、近年は人口減少が進む地域だ。2023年10月に着任した原靖貴支店長は…
【写真】大坂誠・太陽技報堂常務(左から2人目)から生産工程の説明を受ける原靖貴支店長(同3人目)と川崎紘平支店長代理(同4人目、8月19日、三木町内)