2025年10月31日号1面 みずほFG、内定辞退率10ポイント改善、役員が交流、“距離”縮める
みずほフィナンシャルグループ(FG)は、執行役員以上の経営幹部と最終面接を通過した学生の面談などを実施し、2025年入社の内定辞退率が10ポイント(24年入社比)改善した。売り手市場が続くなか、新卒採用では内定を出した学生が他社へ流出する「内定辞退」をいかに減らすかが各社共通の課題になっている。同FGは23年夏から、学生が入社志望を固めるための「キラーコンテンツ」として幹部面談を取り入れた。
最終面接を通過した学生を、東京・丸の内の本部ビルにある特別応接室に招き、希望領域に適した役員や行員と…
【写真】座談会で笑顔を見せる加藤勝彦頭取(左奥、みずほFG提供)
2025年10月31日号3面 信金、人材紹介支援 広がる、「スキマバイト」活用
信用金庫の取引先企業において、副業人材や「スキマバイト」で人手不足を補う動きが広がっている。2019年10月に信金中央金庫がパーソルホールディングス(東京都)と提携し、同社グループの人材関連サービスを紹介し始めたのをきっかけに、信金の人材紹介支援が拡大。これまでは中途採用の支援メニューを中心に実績を伸ばしていたが、足元では空き時間を利用してアルバイトする「スポットワーク」や副業人材の採用支援実績が増えている。
働き手の減少により常勤雇用の難易度が高まるなか、従来とは異なる採用方法への…
2025年10月31日号4面 阿波銀行、承継ファンド活用進む、1年強で投資先6社へ
【高松】阿波銀行は、子会社のファンドを活用した事業承継支援の取り組みを広げている。投資を実行した支援先は2月の第1号案件から半年強で3社に拡大。2026年3月末までに3社の上積みを見込むなど、徳島県内外で取引先の企業価値の向上と円滑な事業承継で存在感を高めつつある。
原動力は、投資専門子会社の阿波銀キャピタルだ。23年10月に始動した総額30億円の事業承継ファンドを…
【写真】支援先の長瀬光宏社長(右)から製材品の納入先について説明を受ける松島賢治社長(10月21日、徳島県三好市内)
2025年10月31日号6面 鹿児島信金、ビジコン案件に融資、21件、1億2000万円実行
【鹿児島】鹿児島信用金庫(鹿児島市、市川博海理事長)は、2024年に初開催したビジネスプランコンテストに応募があった事業計画への融資を伸ばしている。最終審査が終わった24年11月から約1年間で、21件、約1億2千万円を実行した。鹿児島県内の事業者減少に歯止めをかけ、地域を活性化させるのが目的だ。
■審査後も支援継続
「かしんへGO!!ビジネスコンテスト2024」は、24年5月から創業・第二創業の事業計画を…
【写真】低酸素ルームを使ったフィットネス事業を始めたヘルス・イノベーションの斉野仁社長(左、10月21日)
2025年10月31日号8面 特集 不動産会社に聞く・愛知県の住宅ローン
審査柔軟・地域密着が好評、借り入れ負担増に注意を
【名古屋】住宅ローン市場はすでにピークアウト――。国土交通省統計の新設住宅着工戸数は減少傾向で、東海地区では目標を引き下げる地域銀行も出てきた。しかし、2025年度は兆円超えの信用金庫が「ローンセンターでの営業を強化する」「ローラー活動にも取り組む」など、若年層の取引拡大も見込んで重視する地域金融機関は多い。ローン獲得のヒントを探るべく、激戦地・愛知県の不動産仲介会社に金融機関への評価を取材した。
■金利で三菱・百五
愛知県は、県庁所在地の名古屋市が西に広がり、東の三河地域にトヨタ自動車、デンソーをはじめとする自動車部品・関連製造業が集積する。これらの中間に位置しているエリアが…
【写真】JAなごやが2月に設置したローンセンターで対応する職員(10月20日、本店)
2025年10月31日号16面 広島銀行、マミートラックなくせ! 「8時間の短時間勤務」活用
【広島】広島銀行は、仕事と育児の両立へ、昇進・昇給が遠のく「マミートラック」の解消を目指す。残業しないことを意味する「8時間の短時間勤務」など独自の制度を活用。足元で、短時間勤務者のうち7時間以上働く人が半数を超える。長時間の働き方を選択できるように、勤務先を自宅近くに替える工夫もする。
マミートラックは、女性が出産や育児を機に自らの意思に反して昇進や重要な業務から外れ…
2025年10月31日号17面 高知銀行、地元“祠”守り70年、清掃や祭礼は移転後も全う
【高松】「八幡浜発祥の地」と言い伝えられている祠(ほこら)の手入れを70年間続けている金融機関がある。高知銀行だ。八幡浜支店の開設以来、店舗敷地内にある「須崎八幡」の清掃や祭礼行事を支え続け、同店を松山支店に移転後も、守り人のお役目を全うしている。
須崎八幡は、愛媛県八幡浜市の中心部に位置。地番整理されるまでは「八幡浜市1番地」とされていた。養老元年(717年)頃に漁師が干潟で霊光を放つ八幡様の御神像を見つけ…
【写真】宮司を迎え、4、7、10月の年3回の祭礼を続けている(10月21日、高知銀行提供)
2025年10月31日号18面 川崎信金大倉山支店、新規開拓に支店長同行、日誌回覧しノウハウ共有
川崎信用金庫大倉山支店(平井貴雄支店長=職員26人うち渉外係8人。パート2人)は、新規開拓先へ支店長との同行訪問を通じ、職員の育成に励む。訪問先でのやりとりは「開拓日誌」に記録し、営業店の渉外係全員に回覧。新規先に対するアプローチ方法を共有し、支店職員の新規開拓への心理的ハードルも下げる。
同支店営業エリア内の駅周辺には取引のない事業所が多く存在。「資金需要の開拓の余地がある」と判断し…
【写真】木村和由社長(右)と話す平井貴雄支店長(中央、10月7日、横浜市内)