ニッキン最新号ダイジェスト(2025年10月31日号)

主な記事

2025年10月31日号1面 金融界、デジタル通貨で金流変革、「信認」維持に課題も

  • 為替・決済

 デジタル通貨の発行機運が世界的に高まるなか、現金大国の日本でも資金の流れをデジタル化する動きが急加速している。決済インフラの効率・高度化といった社会的要請などを背景に、資金決済法に基づく国内初のステーブルコインが登場。メガバンクも共同発行を検討するなど、金融界全体が対応を本格化している。
 フィンテック企業のJPYCは10月27日、預金や国債などの安全資産を裏付けとして日本円に連動するステーブルコイン…

2025年10月31日号10面 改革の旗手 大前孝太郎・城北信用金庫理事長

  • 経営
  • 特集

 金融の枠越え、地域と仲良く
 銀行員、官僚、大学教員を経て城北信用金庫の理事長として10年目を迎えた。ラジオ番組の制作・出演、花火会の演出、音楽レーベルでの楽曲制作など、信金トップの活動として異彩を放つ。「地域と仲良くすること」を全ての軸とし、「金融」の枠にとらわれず、「非金融面」を含めた多種多様な価値を提供するため、革新的なアイデアで先手を打ち続ける。

 ■内閣府で培った発想力
 慶応大学を卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行したが、考える時間がないほど多忙だった。34歳の時に内閣府の民間人採用枠に応募して…

 【写真】しぶさわくんFMの番組収録に臨む大前孝太郎理事長(10月9日、城北信金メディアラボ)

2025年10月31日号1面 みずほFG、内定辞退率10ポイント改善、役員が交流、“距離”縮める

  • 人事施策

 みずほフィナンシャルグループ(FG)は、執行役員以上の経営幹部と最終面接を通過した学生の面談などを実施し、2025年入社の内定辞退率が10ポイント(24年入社比)改善した。売り手市場が続くなか、新卒採用では内定を出した学生が他社へ流出する「内定辞退」をいかに減らすかが各社共通の課題になっている。同FGは23年夏から、学生が入社志望を固めるための「キラーコンテンツ」として幹部面談を取り入れた。
 最終面接を通過した学生を、東京・丸の内の本部ビルにある特別応接室に招き、希望領域に適した役員や行員と…

【写真】座談会で笑顔を見せる加藤勝彦頭取(左奥、みずほFG提供)

2025年10月31日号3面 信金、人材紹介支援 広がる、「スキマバイト」活用

  • 取引先支援

 信用金庫の取引先企業において、副業人材や「スキマバイト」で人手不足を補う動きが広がっている。2019年10月に信金中央金庫がパーソルホールディングス(東京都)と提携し、同社グループの人材関連サービスを紹介し始めたのをきっかけに、信金の人材紹介支援が拡大。これまでは中途採用の支援メニューを中心に実績を伸ばしていたが、足元では空き時間を利用してアルバイトする「スポットワーク」や副業人材の採用支援実績が増えている。
 働き手の減少により常勤雇用の難易度が高まるなか、従来とは異なる採用方法への…

2025年10月31日号4面 阿波銀行、承継ファンド活用進む、1年強で投資先6社へ

  • 取引先支援

 【高松】阿波銀行は、子会社のファンドを活用した事業承継支援の取り組みを広げている。投資を実行した支援先は2月の第1号案件から半年強で3社に拡大。2026年3月末までに3社の上積みを見込むなど、徳島県内外で取引先の企業価値の向上と円滑な事業承継で存在感を高めつつある。
 原動力は、投資専門子会社の阿波銀キャピタルだ。23年10月に始動した総額30億円の事業承継ファンドを…

【写真】支援先の長瀬光宏社長(右)から製材品の納入先について説明を受ける松島賢治社長(10月21日、徳島県三好市内)

2025年10月31日号6面 鹿児島信金、ビジコン案件に融資、21件、1億2000万円実行

  • 融資

 【鹿児島】鹿児島信用金庫(鹿児島市、市川博海理事長)は、2024年に初開催したビジネスプランコンテストに応募があった事業計画への融資を伸ばしている。最終審査が終わった24年11月から約1年間で、21件、約1億2千万円を実行した。鹿児島県内の事業者減少に歯止めをかけ、地域を活性化させるのが目的だ。

■審査後も支援継続
 「かしんへGO!!ビジネスコンテスト2024」は、24年5月から創業・第二創業の事業計画を…

 【写真】低酸素ルームを使ったフィットネス事業を始めたヘルス・イノベーションの斉野仁社長(左、10月21日)

2025年10月31日号8面 特集 不動産会社に聞く・愛知県の住宅ローン

  • 融資
  • 特集

 審査柔軟・地域密着が好評、借り入れ負担増に注意を
 【名古屋】住宅ローン市場はすでにピークアウト――。国土交通省統計の新設住宅着工戸数は減少傾向で、東海地区では目標を引き下げる地域銀行も出てきた。しかし、2025年度は兆円超えの信用金庫が「ローンセンターでの営業を強化する」「ローラー活動にも取り組む」など、若年層の取引拡大も見込んで重視する地域金融機関は多い。ローン獲得のヒントを探るべく、激戦地・愛知県の不動産仲介会社に金融機関への評価を取材した。

 ■金利で三菱・百五
 愛知県は、県庁所在地の名古屋市が西に広がり、東の三河地域にトヨタ自動車、デンソーをはじめとする自動車部品・関連製造業が集積する。これらの中間に位置しているエリアが…

 【写真】JAなごやが2月に設置したローンセンターで対応する職員(10月20日、本店)

2025年10月31日号16面 広島銀行、マミートラックなくせ! 「8時間の短時間勤務」活用

  • 人事施策

 【広島】広島銀行は、仕事と育児の両立へ、昇進・昇給が遠のく「マミートラック」の解消を目指す。残業しないことを意味する「8時間の短時間勤務」など独自の制度を活用。足元で、短時間勤務者のうち7時間以上働く人が半数を超える。長時間の働き方を選択できるように、勤務先を自宅近くに替える工夫もする。
 マミートラックは、女性が出産や育児を機に自らの意思に反して昇進や重要な業務から外れ…

2025年10月31日号17面 高知銀行、地元“祠”守り70年、清掃や祭礼は移転後も全う

  • 地域貢献

 【高松】「八幡浜発祥の地」と言い伝えられている祠(ほこら)の手入れを70年間続けている金融機関がある。高知銀行だ。八幡浜支店の開設以来、店舗敷地内にある「須崎八幡」の清掃や祭礼行事を支え続け、同店を松山支店に移転後も、守り人のお役目を全うしている。
 須崎八幡は、愛媛県八幡浜市の中心部に位置。地番整理されるまでは「八幡浜市1番地」とされていた。養老元年(717年)頃に漁師が干潟で霊光を放つ八幡様の御神像を見つけ…

 【写真】宮司を迎え、4、7、10月の年3回の祭礼を続けている(10月21日、高知銀行提供)

2025年10月31日号18面 川崎信金大倉山支店、新規開拓に支店長同行、日誌回覧しノウハウ共有

  • 営業店

 川崎信用金庫大倉山支店(平井貴雄支店長=職員26人うち渉外係8人。パート2人)は、新規開拓先へ支店長との同行訪問を通じ、職員の育成に励む。訪問先でのやりとりは「開拓日誌」に記録し、営業店の渉外係全員に回覧。新規先に対するアプローチ方法を共有し、支店職員の新規開拓への心理的ハードルも下げる。
 同支店営業エリア内の駅周辺には取引のない事業所が多く存在。「資金需要の開拓の余地がある」と判断し…

 【写真】木村和由社長(右)と話す平井貴雄支店長(中央、10月7日、横浜市内)

学び (13面)

【Nikkin 金融講座】
私のターニングポイント(79) 京葉銀行流山おおたかの森支店 支店長代理・北川 菜月氏(上)
窓口から渉外係に転身、支店長の頼みに根負け
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

預かり資産 (14面)

投信窓販優績者に聞く 西武信用金庫・坂本 沙記さん
雑談からニーズを把握
マンスリーマーケット 新政権と米テック企業に注目

レギュラー企画

寸言 読書の秋(1面)=石塚 清博・茨城県信用金庫協会会長
東西ペンリレー 神在月のばけばけと妖怪(9面)=吉岡 佐和子・山陰合同銀行 代表取締役専務執行役員
ちょっと一言 がん患者の生きる力育む(9面)=マギーズ東京 共同代表理事・秋山 正子さん
『日銀支店長』 道南の持続的発展に貢献(16面)=西澤 裕之・函館支店長
『日銀支店長』 経済情勢を丁寧に把握(16面)=上口 洋司・名古屋支店長
『初支店長 [923]』 時代変化に柔軟対応(18面)=空知信用金庫 由仁支店・後藤 尚史氏
『スマイル』 顧客“愛”は人一倍(18面)=大分信用金庫・鷹本 梨加さん

企画・特集・連載など

片山 さつき財務・金融担当相 (2面)
 「ニッキンONLINE」に掲載
地域金融機関の役割を支援
インタビュー (3面)
 「ニッキンONLINE」に掲載
安地 和之・都銀懇幹事(三井住友銀行取締役兼専務執行役員)
リスクテイク力 高めたい
インサイト
 キーパーソンに聞く<183>(12面)
角田 望・LegalOn Technologies代表取締役 執行役員・CEO
AIで法務負担を軽減
金融ジャーナル社
2025年度「ベストバンカー賞」(15面特集)
深井 彰彦・群馬銀行頭取が受賞
パーパス営業と高効率経営実践
NG例で解説! 法人融資の基礎[16] (18面)
融資開拓編
経営デザインコンサルティングオフィス代表・川居 宗則氏
画:吉田 一裕氏

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