2025年9月26日号1面 三菱UFJ銀行、30代支店長登用を加速、転勤の選択制度も
三菱UFJ銀行は、一般職にあたるビジネス・スペシャリスト職と総合職の一本化をはじめとする人事制度の改革を進めている。新卒採用では、30代で支店長を目指すカスタマーサービス(CS)コースを導入し、2025~26年で合わせて約200人の入行を見込む。全行員が転居範囲を毎年選ぶ制度も新設するなど、働き手の意向を尊重したキャリア形成の実現を目指す。
CS職は配属から2年間、支店でオペレーションや個人向けコンサルティングを学ぶ。窓口業務を担うが、…
【写真】研修を受ける2025年4月入行のCSコースの行員(三菱UFJ銀提供)
2025年9月26日号2面 日銀、ETF処分決定、売り切るまで「100年超」
日本銀行は9月18、19日に開いた金融政策決定会合で、保有する上場投資信託(ETF)などの処分について、100年を超す期間をかけて市場で売ることを決めた。2026年初めにも売却を始める。一方、政策金利は5会合連続で維持。高田創、田村直樹両審議委員は、「0.75%程度」への追加利上げを求めて反対した。
ETFの年間売却ペースは、時価ベース(25年3月末時点)で6200億円、日銀の買値である簿価ベースでは…
【写真】ETFの処分計画について説明する植田和男総裁(9月19日、本店)
2025年9月26日号3面 地域銀行、管理職育成で目標設定、滋賀銀行、本支店経験7割に
地域銀行で、管理職の育成に関して目標を設定する動きが出ている。管理職の役割が多様化するなか、登用方法の見直しや、研修の充実を図る内容だ。滋賀銀行は管理職候補者として、本部と営業店の両方を経験した人材の割合を高める。琉球銀行は有価証券報告書で管理職の育成計画を具体的に開示した。
有価証券報告書などで管理職育成に関する指標を定める銀行が増加傾向に…
2025年9月26日号4面 TSUBASA10年の軌跡(上)シナジー、全方位に広がる
全国の有力地域銀行による広域連携「TSUBASAアライアンス」が10月に発足10年を迎える。参加は10行に拡大し、連携領域はシステムにとどまらずフィンテックや営業施策、人材育成など全方位に広がる。各行の独立性を重んじる連携モデルとして進化してきた軌跡を追う。(佐藤涼香、酒井杏)
■連携業務10以上
「北から南まで広域、かつ地域のトップバンクが持ち寄った先行事例からベストプラクティスを選べる。『時間を買える』点が大きかった」。千葉銀行の…
【写真】TSUBASA金融システム高度化アライアンス調印式に出席した(左から)宮長雅人・中国銀頭取と佐久間英利・千葉銀頭取、並木富士雄・第四銀頭取、下野雅承・日本IBM副社長(15年10月、肩書は当時、千葉銀提供)
2025年9月26日号10面 Techで変える(最終回)
■静岡銀行、データ分析で営業改革、顧客ニーズをスコア化
【静岡】静岡銀行は、DX推進部内のデータサイエンス推進グループが中心となって、デジタル技術を活用してデータ分析力を高め、効果的・効率的なマーケティングを推進。収集データを可視化するTableau(タブロー)や機械学習を支えるプログラミング言語Python(パイソン)、AI(人工知能)を使い金融商品に対する顧客ニーズをスコア化する。顧客特性に合わせたアプローチを可能にしたほか、ダイレクトメール(DM)送付先の削減も実現した。マネーロンダリング分野を中心にリスク管理面にも生かす。
鍋田直也グループ長は子会社である静銀ITソリューション内の分析チーム設立時(2014年)から関わる。当初は…
【写真】インターンシップでデータサイエンティストの“卵”が預金獲得策を検討(8月20日、静岡銀行本部研修センター)
2025年9月26日号16面 群馬銀行、ジョブ型人事拡充、専門職を2027年度250人に
群馬銀行は、担う職務や専門性の高さで処遇するジョブ型人事制度を軌道に乗せている。2024年6月の導入後、高度な知見・スキルを有する「スペシャリスト(専門)職」に181人任命。2027年度には250人へ増やす計画だ。支店長などを公募するジョブポスティングでは30人を登用。職務・人的要件の明示で、全行員にキャリア自律を促す。
年功序列型の資格体系を廃止し、部支店長などの「マネージャー職」や専門職など四つの職群を設けた。キャリア形成を複線型とすることで…
2025年9月26日号17面 池田泉州HD子会社、交通弱者の移動支援、AI送迎を地域展開
【大阪】池田泉州ホールディングス(HD)の子会社である池田泉州エリアサポート(大阪市、土岐隆宏社長)は、交通が不便な地域で予約制の相乗り送迎サービス「AI(人工知能)オンデマンド型交通」を手がける。銀行業とはかけ離れた事業だが、地域課題である交通インフラの維持によって高齢者などの外出支援を行い、営業基盤の活性化が目的。現在、大阪府和泉市で実施しているが、10を超す自治体と導入に向けて協議中だ。
池田泉州HDは自動車部品メーカーのアイシン(愛知県)と連携し、2023年から府内5市町で実証実験をサポート。そのうち…
【写真】AIによって効率的に配車された相乗り送迎サービスで外出する利用者(9月8日、和泉市)
2025年9月26日号18面 あいち銀行浄心支店、融資攻勢で初の入賞、合併風土差、懇親通じ結束
【名古屋】「何としても入賞を目指してくれ」。あいち銀行浄心支店(丸山英治支店長=行員21人うち渉外担当8人)は、名古屋第二ブロックの中核店。ブロック長を兼務する丸山支店長が2024年6月の異動時に役員から言われた言葉は重かった。愛知銀行と中京銀行との経営統合発表後、近隣金融機関から攻め込まれることも多い同ブロック。入賞への道は険しく思えた。
名古屋第二ブロックは、業績表彰制度がブロック単位に移行してから入賞がなかった。しかも全17ブロックで6位以上の…
【写真】会議で融資推進について説明する丸山英治支店長(中央奥、8月28日、あいち銀行浄心支店)