2025年8月15日号2面 中企庁、事業再生集約 後押し、中小の経営力を強化、雇用維持にもつなぐ
中小企業庁は、事業再生分野における集約化・統合(ロールアップ)を後押しする。経営力を有する地域の中核企業などと、財務状況は傷んでいるものの高い技術やアセット(資産)を持つ事業者による連続的なM&A(合併・買収)を促進。単独での再生が難しい中小企業や小規模事業者の経営力を強化し、地域の産業や雇用の維持につなげたい考えだ。
中小企業活性化協議会を軸とした関係機関との連携強化策などを打つ。例えば、同協議会が蓄積する再生企業側の情報…
2025年8月15日号3面 金融界、セキュリティー知見共有、“共助”実現へ前進
金融界が、サイバーセキュリティー対策に関する知見の共有に乗り出す。対策を講じた際のツール活用や組織内の浸透方法を業界横断で「集合知」にするほか、個別金融機関で経営層や営業など非セキュリティー人材に対策の意義などを伝播(でんぱ)させるための方策を確立。金融庁が求める“共助”の枠組み実現へ、前進することになりそうだ。
金融IT協会(東京都)が、IT民主化委員会内にセキュリティ民主化ワーキンググループ(WG)を設立し、大手を中心に深化する対策…
【写真】会合で意気込みを語った阿部展久WG長(8月5日、FinGATE KAYABA)
2025年8月15日号5面 富山銀行、企業研修“まるごと代行”、現場見てマニュアル作成
【金沢】富山銀行は企業の社員研修を代行する新たなサービスを開始した。接客・営業面での人材育成を手がける日本CIS認定協会(CIS、東京都)と連携し、企業ごとの課題に即したオーダーメード型の実践研修を提供する。教育体制が整わない中小企業を主な対象に、人材育成を支援することで取引先との関係強化を狙う。
研修は3カ月から半年にわたる。営業店からのトスアップ情報をもとに、CISに出向している…
【写真】検定試験に向けてロープレ研修に取り組む東洋通信工業の社員と指導するCISの大山広子理事長(中央、東洋通信工業、CIS提供)
2025年8月15日号6面 全信協、DX計画の実践フォロー、「ツールありき」回避
全国信用金庫協会は、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進計画の実行段階にある信用金庫の支援に本腰を入れ始めた。2025年度から「DX推進実践セミナー」を開催。これまでは計画策定などに主眼を置いたセミナーを開いてきたが、ツール導入など策定後の課題に応えていく。事例の紹介を通じて、業務改善の動きを加速させ、「ツールありき」の取り組みに陥らないよう促す。
全信協は、23年度から2年にわたりDX推進計画の策定をはじめとした基礎的な分野を扱うセミナーを…
2025年8月15日号12面 特集 万博でのぞこう、金融の未来。
未来社会を体験できる実験場、大阪・関西万博――ここで「金融業界の未来の姿」も見つけられそう!そんな希望を胸に、一路万博会場を訪ねました。注目のテーマは「アンドロイド」と「ウォレットアプリ」。みなさんも一緒に、未来をのぞいてみましょう!
■石黒浩先生に聞く 金融とアンドロイド、あとアバター
「金融機関にアンドロイド」って、SFすぎ?いえいえ、そんな未来は、意外とすぐそこかも。
ロボット研究の第一人者・石黒浩先生(大阪大学基礎工学研究科教授)へのインタビューと、同氏がプロデュースする…
【写真】石黒浩・大阪大学基礎工学研究科教授
記事のロングバージョンは「digital FIT」に掲載中
2025年8月15日号16・17面 特集 ニッキン70周年企画、架け橋(下)~次代金融へ英知集結~
“決済難民”デジタルで包む
10年後の金融界を展望する「ニッキン70周年企画」後編です。デジタル通貨、AI(人工知能)、BaaS(サービスとしての金融)などフィンテックの技術革新は日進月歩。金融サービス提供者の垣根は消えつつあり、旧来型のビジネスモデルから抜け出せない金融機関は、異業種から参入する新興プレーヤーとの競争から取り残される懸念が強まっています。新たな競争環境に適応しようと動き始めた金融機関の姿を通して、次代の金融の進路を探ります。
■急縮する現金流通網
「金融機関経営は常に“二律背反”を抱えている。『何のために存在しているのか』を突き詰めて考え…
2025年8月15日号18面 阿波銀行、“野村流”で若手育成、営業力強化へ密着指導
【高松】阿波銀行は、預かり資産営業の強化に向けて行員育成に力を注ぐ。金融商品仲介業務で連携する野村証券の教育制度を4月に導入。野村証券の出向者が若手行員に一対一で業務知識などを1年間指導し、若手の早期戦力化を目指す。
銀証連携から4年がたつなか、実動部隊のアセットコンサルティング部は人材育成を課題視。預かり資産営業を担う行員がほぼ女性という点も鑑みて…
【写真】野村証券からの出向者である佐藤雄大経営役(右)と新聞の読み合わせを行う阿波銀行担当者(6月26日、徳島コンサルティングプラザ)
2025年8月15日号20面 三井住友信託銀行本店営業部、ウェブ活用し面談数2.6倍
場所や時間超え接点
三井住友信託銀行本店営業部(冨田博文部長=行員82人)は、専門人材によるワンストップ対応で顧客の心をつかんでいる。築いた信頼は顧客のライフスタイルに変化があっても薄れることなく、場所や世代を超える縁につながった。コロナ禍に導入したオンライン面談は顧客との接点を拡大。2024年度のオンラインを含む顧客との面談数は、導入前の2022年度比で2.6倍に増加した。
1926年に旧住友信託銀行東京営業部として営業を開始した歴史ある店舗で、現在もリテールの旗艦店だ。強みは人材の厚み。財務コンサルタントや…
【写真】オンライン面談も組み合わせ、コミュニケーションをとる冨田博文部長(6月19日)