2020年5月22日号19面 金融界、電解水に関心高まる、除菌効果で導入拡大
塩を加えた水を電気分解して作られる「電解水(次亜塩素酸水)」。高い洗浄・除菌・脱臭効果があり、安全で人体や環境への影響も少ないといわれる。金融界でも新型コロナウイルスをはじめとした感染症予防へ関心が高まっている。
電解水は「水」のため活用の幅は広く、その安全性や優位性から厚生労働省が食品添加物殺菌料に指定。6月に施行される…
【写真】金融機関の営業店などで導入が進む除菌電解水給水器の説明をする中本義範・テックコーポレーション社長(5月8日、テックコーポレーション東京支社)
2020年5月22日号3面 地域銀、与信コスト増大、19年度・過去5年の2.6倍
今期“リーマン級”も
地域銀行が融資先の業況悪化に身構えている。2019年度の与信費用は5月15日までに決算を開示した99行(単体)の合計で約3200億円と、過去5年平均の2.6倍となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響が顕在化するのは20年度決算になる見込み。一部の銀行は“リーマン級”も想定している。
地域銀の与信費用は近年、歴史的低水準で推移してきた。潮目の変化は…
2020年5月22日号2面 終盤国会、独禁法特例法が成立、地域銀行統合へ選択肢拡大
100万円超の送金解禁も
2020年の通常国会が6月17日の会期末まで1カ月を切った。新型コロナウイルス感染拡大を受けた20年度補正予算の審議で金融関連法案は審議が遅れたが、終盤に入り相次ぎ、成立しそうだ。貸出シェアが高くなる地域銀行の合併や経営統合を行いやすくする独占禁止法特例法が成立。フィンテック企業などが銀行や証券会社、保険会社の商品を仲介する資格を一本化する法案も5月19日に審議に入った。
独禁法特例法は5月19日、参議院の委員会を通過し、翌20日の…
2020年5月22日号3面 大手行、「コロナ関連融資」が急増、三井住友銀は10兆円
コロナショックで企業の資金需要が高まるなか、大手行で貸出金が急増している。三井住友銀行は5月上旬までに関連融資で10兆円の申し込みを受けた。同行の3月末の貸出残高は約80兆円で、1割を超える水準だ。各行は一時的な自己資本比率低下も織り込み、企業支援に全力を尽くす。
三菱UFJ銀行は、3月10日~5月8日までに…
2020年5月22日号6面 地域銀行、業績予想開示に苦慮、コロナの影響を見通せず
八十二銀行など4行「未定」
地域銀行は2021年3月期の業績予想に苦慮している。新型コロナウイルス感染拡大の影響を正確に見積もるのが困難なためで、八十二銀行や福島銀行など4行は「未定」とした。千葉銀行や北洋銀行のように影響を織り込まず予想値を開示した銀行も多い。
地域銀で最も早い5月1日に20年3月期決算を公表した八十二銀は、…
【写真】連結業績予想を「未定」とした八十二銀行の決算短信
2020年5月22日号8面 信金・信組、引当金積み増し、リーマン危機級想定
3月期決算に反映も
信用金庫・信用組合で、コロナ禍を受けた取引先の業況悪化を見込み、貸倒引当金を積み増す動きが広がりそうだ。3月期決算に反映させる機関も出てくるとみられる。計上する引当金を手厚くするため、リーマン・ショック時の貸倒実績率を踏まえて算定することなどを検討。特に影響が大きい飲食業などをグルーピングして引当金を積み増す案もある。
3月ごろから検討が本格化。信金業界では、全国信用金庫協会や信金中央金庫に多くの…
2020年5月22日号16面 特集 大手行5グループの2020年3月期決算、金融の使命果たす「正念場」
純利益2.4%減・見通し厳しく、与信費用増「有事モード」に
大手行5グループの2020年3月期決算は、5社計の当期純利益が前年同期比2.4%減の1兆9958億円だった。コロナショックの影響で、予防的な引き当てを含む与信関係費用が大幅に増加。危機の影響が本格化する2021年3月期はさらなる与信費用の増加と業務純益の下押し圧力で、一層厳しい見通しを置く。
2020年5月22日号17面 【地域にスポット】北陸地区16信金、定積集金の効率化進む
収益重視し自振り提案、コロナ禍で削減加速
【金沢】北陸地区3県の16信用金庫は、定期積金の集金業務を効率化する動きが広がっている。自動振り替えへの転換で集金を廃止する信金や大幅な見直しを進める信金が目立ってきた。一方で、集金を継続する信金もある。新型コロナウイルス感染拡大の影響で集金活動の縮小を迫られるなか、各信金の定積集金の動向を追った。
2020年5月22日号20面 ワンチーム 統合効果を生かす、第四北越FG白根、共通与信先へ新商品提案
総貸出金・前年同月比104%に
【新潟】第四銀行白根支店(青柳一博支店長=行員21人うち女性7人)と北越銀行白根中央支店(永井哲也支店長=行員12人うち女性4人)は、エリア衛星店の第四銀行月潟支店とともに、第四北越フィナンシャルグループ(FG)白根として活動している。2020年4月の総貸出金平均残高は、前年同月比103.9%の386億円と順調に増加させている。
2018年10月の経営統合後、両行は近隣店舗同士でパートナー店を組織。店舗業績は2019年度から両行営業店のうち…
【写真】第四銀行と北越銀行の融資担当者がワンチームとなって活動するため、頻繁に情報交換を行っている(4月16日、第四銀行白根支店)<写真撮影時にマスクを外していただきました>