2020年9月18日号2面 菅義偉首相が誕生、自民総裁選で圧勝
自民党の菅義偉(よしひで)総裁が9月16日に召集された臨時国会で第99代首相に指名された。体調不良で急きょ辞任した安倍晋三氏の政策を引き継ぐ一方、「デジタル庁」の創設など改革路線も打ち出している。首相就任前には地域銀行再編をにおわす発言もあり、金融界の関心は高い。
菅氏は首相指名に先立つ9月14日の自民党総裁選で…
【写真】首相に指名された菅氏(9月16日、衆院)
2020年9月18日号2面 金融庁、銀行業務・範囲拡大へ
出資規制など緩和検討
金融庁は、銀行グループの業務範囲規制の緩和に向け、本格的な検討に着手する。金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会で具体的なルールづくりを議論する。新型コロナウイルスの終息後を見据え、地域銀行や信用金庫などが地方創生や地域企業を支援しやすい環境を整えたい考え。
作業部会は9月11日の金融審総会で設置を決めた。具体策の詰めを急ぎ…
2020年9月18日号3面 メルカリと地域活性化、全254信金が加盟店開拓
域外マネー、域内消費に
信用金庫がメルカリグループと地域経済活性化に取り組む。不要品の出品・売却で域外マネーを獲得し、キャッシュレス決済で地域の消費を増やす好循環の拡大を目指す。これまでに、全254信金がメルペイと加盟店開拓契約を結び、このうち252信金が口座を接続した。今後、信金の顧客にメルカリの使い方を伝える教室を開いていく。
信金が協力してきたオリガミはメルカリグループに入った。これを受け…
2020年9月18日号4面 三井住友FG、医療データの情報銀行へ、「プラスメディ」子会社化で“第一歩”
地域全域、健康増進も
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、医療情報に的を絞った情報銀行の本格稼働に向け第一歩を踏み出した。9月14日には、医療機関の業務効率化と個人のカルテデータを基に患者へのサービス向上などを図るスマートフォンアプリを開発・運営するスタートアップ企業を連結子会社化。将来的には、医療における情報銀行の全機能を同子会社が利用・管理する計画。
医療を切り口とした情報銀行のサービスを通じて、SMBCグループ基準の…
【写真】情報銀行稼働に向けて第一歩を踏み出した三井住友FGの谷崎勝教執行役専務グループCDIO(右)と永田社長(9月15日、同FG東館)
2020年9月18日号6面 地銀、預金膨張に一服感、7月減少・8月も微増
マイナス金利避けやすく
コロナ禍で続いていた地方銀行の預金増加が落ち着きつつある。全国銀行協会の集計によると、地銀64行の実質預金残高は7月末、半年ぶりに前月比減少に転じ、8月末も同0.7%(2兆2億円)の微増にとどまった。10万円給付金や企業に融資した運転資金の滞留が解消してきたとみられる。
地銀の実質預金残高は新型コロナウイルス感染拡大とともに増加してきた…
2020年9月18日号9面 全信中協・全信組連、信組の将来像を模索、有識者会議で提案集める
全国信用組合中央協会と全国信用協同組合連合会は、有識者会議で信組業界の将来像を模索していく。10月1日の第2回会議以降、委員から意見・提案を聞く。期間を決めて答申を求める形式は想定せず、中央機関や各信組による経営戦略の練り直しに役立つ提案を集める。
両組織の理事長を兼ねる内藤純一氏が主催する形で「信用組合の将来を考える有識者会議」を…
2020年9月18日号18面 宮崎銀行、「結婚後も働く」6割超、細かな両立支援が奏功
【鹿児島】宮崎銀行は、女性行員の仕事と子育ての両立支援や復職後のキャリア形成支援に注力している。産休・育休対象者への個別相談、情報や悩みを共有するための座談会などを企画し、復職をバックアップ。こうした取り組みは2014年に発足した人事部所管のワーキンググループによって加速し、2割だった結婚後の就業継続率が6割超まで増加した。
14年以降は人事部に「女性活躍推進」担当者を2人配置。結婚や出産といった…
【写真】女志リーダーズが企画・運営した宮崎県日南地方の郷土料理「魚うどん」作り体験。中央は油津支店の石崎智則支店長(「まなびピア」調理室)
2020年9月18日号19面 「おうちで、にちぎん」、本店見学を最新VRで
閲覧は月1万超・海外からも
重要文化財を最新VR(仮想現実)技術で堪能――。日本銀行が今夏に導入した本店本館のオンライン見学「おうちで、にちぎん」が好評だ。新型コロナウイルス感染症により“リアル”の見学休止が続くなか、3DやVRなど最先端のデジタル技術を活用したバーチャルツアーをホームページで公開。アクセス数は海外を含め月間1万を超える。
日銀の本店見学ツアーは修学旅行生や高齢者など…
2020年9月18日20面 ワンチーム 事業性評価(理解)、岩手銀行矢巾支店、何度も支援策を見直し
行員同士が活発に意見交換
【仙台】岩手銀行矢巾支店(高橋忠和支店長=行員16人うち女性8人。パート4人)は、取引先企業の事業性を深く理解し、経営課題解決のための適切な提案活動で成果をあげている。行員同士の活発な意見交換により多様な支援策を模索するとともに、何度もプランを見直しながら取引先の実情に合ったアドバイスにつなげている。
店周は岩手医科大学と同大付属病院が立地し、医療や福祉関連の業種が集積。同店の貸出先も医療関係が上位を占め…
【写真】取引先の経営課題やニーズを把握するため、継続的に状況を確認する高橋忠和支店長(中央)と谷井直樹次長(右、9月4日。左は北日本製袋の田代幸司社長)<写真撮影時にマスクを外していただきました>