2020年7月3日号15面 特集 金融界の2020年株主総会、出席者・2019年比8割減
「コロナ後」経営に関心
金融界(銀行、証券、保険)の2020年3月期決算の定時株主総会が6月15~29日に開催された。新型コロナウイルス感染防止対策で、事前の議決権行使を促して来場自粛を呼びかけたことなどから、出席株主数の合計は前年に比べて約8割減少した。株主からは新型コロナ禍における金融機関の経営などを問う声が寄せられた。
一部金融機関では、出席株主数は1千人規模で大幅に減った。事前登録制を設けたあおぞら銀行は…
【写真】めぶきフィナンシャルグループの株主総会では、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、入り口にサーモグラフィーカメラを置いたほか、受付に透明なアクリル板を設置した(6月24日、足利銀行本店)
2020年7月3日号2面 金融庁、適合性違反で行政処分も、監督指針改正し対応しやすく
金融庁は監督指針を改正し、顧客の意向や属性に合わないリスク性商品の不適切な販売に行政対応しやすくする。金融機関が投資信託や外貨建て貯蓄性保険などを勧誘する際に順守を求められる適合性の原則や、誠実公正義務に反する行為に行政処分での対応も検討する。
現行法令上も適合性の原則に違反した行為に行政対応する法的根拠はあるが…
2020年7月3日号4面 MUFG、社会貢献拠出額ルール化、業務純益0.5%充当
枠組み構築、大手行初
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、寄付などの社会貢献活動の拠出額をルール化する。社会課題の解決と、MUFGの経営戦略を一体推進する枠組みを新たに構築。金融サービスによる貢献が難しい領域に対し、より機動的で柔軟な支援を展開していく。
MUFGは、前事業年度におけるグループ業務純益(与信関係費用など控除後)の0.5%相当額を、…
2020年7月3日号7面 山梨中央銀行、医療・福祉向け貸出が好調、専門チームで残高900億円
山梨中央銀行の医療・福祉向け貸出金が伸長している。2014年に設置した「医療チーム」を中心に、5年間で残高を約420億円増やし、20年3月末に900億円を突破した。専門人材の配置と外部機関と一体となったコンサルティング営業が奏功している。
医療チームは、リーダーの藤原優芳調査役率いる5人体制。医療機関への出向経験や…
【写真】ミーティングで最新の業界動向を共有する医療チームと藤原調査役(左から2人目、6月18日、本店)〈写真撮影時にマスクを外していただきました〉
2020年7月3日号8面 信金中金、非金融分野へ参入を後押し、信金主体で地方創生
日本財団通じ3億円助成
信金中央金庫は、総額2億9千万円の助成で信用金庫による非金融分野への参入を後押しする。日本財団の「わがまち基金」を活用し、地方創生を促す事業を刷新。1件当たりの助成上限額を1千万円から5千万円に引き上げ、より大きな社会的影響が見込める活動を支援する。
信金の主体的・先導的な地域商社の立ち上げや人材紹介業などの事業構築を…
2020年7月3日号3面 地域銀行、「比較サイト」で接点拡大、freeeが法人融資向けも
地域銀行で、フィンテック企業などが運営するローン商品の「比較サイト」を利用する動きが広がっている。サイトの“集客力”を生かして、顧客との接点を拡大するのが狙い。商品を掲載するだけでなく、利用可否の可能性を事前に算出できるサイトもあり、審査事務の効率化にもつながる。
「比較サイト」は複数の事業者が提供。これまでは個人向けが中心だったが…
2020年7月3日号16面 【地域にスポット】四国地区地銀、変化する店舗ニーズ
“特化”と“多機能”に移行
【高松】高齢化と人口減少の課題先進地区である四国。公共交通機関も廃線・減便が相次ぎ、人の流れが急激に変化するなか、地域銀行は店舗のあり方を大きく見直している。
■軽量型の需要高まる
これまでも中小規模店の渉外係を母店に集約するグループ化に取り組んできたが、店舗として営業し続けるからにはセキュリティーの…
【写真】コンサルティングロビーでは、ソファに座ってゆったりと相談ができる(6月19日、伊予銀行余戸支店)
2020年7月3日号16面 高島屋とTFP、投信など金融事業を開始、日本橋に専用カウンター
高島屋(大阪市)と連結子会社の高島屋ファイナンシャル・パートナーズ(東京都、TFP)は6月17日、顧客の資産形成・承継などのニーズに向けて金融サービス事業を始めた。百貨店の顧客基盤、提案力、接遇を生かして、金融関連事業の営業利益は、2倍の100億円を目指す。
日本橋高島屋S.C.本館8階(東京都)に「タカシマヤ ファイナンシャル カウンター」を設置。投資信託、遺言信託…
【写真】専用カウンターでは百貨店の接客経験者が金融相談に応じる(6月17日)
2020年7月3日号20面 ワンチーム 大型設備資金に対応、伊予銀行川之江支店
貸出金平残・1年で10億円増、お客さまの価値を創造する
【高松】伊予銀行川之江支店(土居惣平支店長=行員26人うち女性13人。パート10人)は、法人取引において融資商品やソリューションなど多様な提案で実績をあげている。製紙会社が主力の製造業の街ならではの案件を、行員が知恵を絞ってまとめるチームワークと総合力が光る。2020年3月の貸出金平均残高は475億3200万円。前年同月比で10億500万円増加した。
2019年度の業績を牽引(けんいん)した主な取引は、地元の特殊紙メーカー、三木特種製紙(愛媛県四国中央市)に対する設備資金。3行による37億円のシンジケートローンの組成とともに…
【写真】店内の融資案件に関するミーティングでは、取引先の紙製品を手に取って協議する(6月17日、伊予銀行川之江支店)<写真撮影時にマスクを外していただきました>