2020年8月7日号1面 連載・サステナビリティを問う 第3部 変革に挑む(1)
隔たり越え、つながり探る
コロナ禍がもたらした新たな生活様式は、金融界にデジタル化などの事業変革を迫っている。感染拡大で生じた人と人の隔たりをいかに乗り越え、顧客や従業員との結びつき、社会課題への関わりを深めていくのか。新常態の接点を探る。
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7月16日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)で社員約500人の…
【写真】オンラインによる「タウンホールミーティング」(対話集会)を開き、社員と語らう亀澤社長(7月16日、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの会議室から)
2020年8月7日号2面 金融庁、認知症顧客の対応改善要請へ
代理取引柔軟化など課題
金融庁は銀行界に対し、認知症顧客の対応を改善するように求める。全国銀行協会が検討中の指針策定を支援し、家族や公的機関の職員などが本人に代わって預金を引き出せる環境を整えたい考え。2025年には認知症患者が700万人前後に達すると推計されており、高齢客の利便性確保とトラブルの防止を両立できる方策を探る。
高齢客対応を検討していた金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会が…
2020年8月7日号4面 三菱UFJ銀行、ペーパーレス業務フロー構築、印鑑票3億ページ電子化
米企業技術を活用
三菱UFJ銀行は2021年から、同行内で保管する紙書類の電子化と、現物に縛られない業務フローの構築を目指す。米スタートアップ企業の技術を活用し実現する。第1段階として印鑑票関連資料3億ページの電子化を完了させる。
米シリコンバレーのスタートアップ企業であるRipcord社の…
【写真】三菱UFJ銀行が活用するRipcord社のロボット
2020年8月7日号6面 千葉銀行と横浜銀行、パートナーシップから1年、効果額は目標比2.4倍
シ・ローンが実績牽引
千葉銀行と横浜銀行が2019年7月に結んだ業務提携「千葉・横浜パートナーシップ」から1年が経過した。初年度の効果額は目標比の2.4倍を達成。法人向け融資を中心に実績を積み重ねている。1周年を機にロゴマークも制定した。
法人向け融資のなかでも実績を牽引(けんいん)するのはシンジケートローン…
2020年8月7日号8面 信金中金、個人信託の営業強化、DMやギフトで信金支援
信金中央金庫は、信用金庫が取り扱う個人向け信託商品の営業支援を強化する。例年のダイレクトメール(DM)に加え、プレゼントなどで信金を支援。「コロナ禍で対面営業が難しくなるなか、顧客との接点を作り、信金が相談を受け付けるきっかけを作っていく」(高橋慎弥信託部次長)。
信金中金は2017年に相続信託と暦年信託の取り扱いを始めた…
【写真】消毒液の台で信託商品を紹介。新たな宣伝ツールとして信金へ提供する(7月29日、高橋次長)
2020年8月7日号16面 特集 【読者の意見】進むか「脱ハンコ」、押印いらぬ書類・9割が「あり」
「コロナ禍で促進」の見方も
業務効率化や利便性向上を妨げていると言われる「ハンコ」。押印習慣の見直しへ、政府が腰を上げた。押印が必要な申込書や内部書類が多く残る金融機関も、印鑑レス化へ動きだしている。押印の現状や脱ハンコへの考えを読者に聞いてみた。
2020年8月7日号17面 大手行5グループの2020年4~6月期決算、コロナ禍・純利益半減
与信費用31倍・株式損失も
大手行5グループの2020年4~6月期決算がまとまった。与信関係費用や株式関連損失の増加で、5社合計の四半期純利益は前年同期比47%減の4420億円。一方、本業の儲(もう)けである実質業務純益は17%増の1兆69億円だった。
コロナ禍で焦点の与信関係費用は5社合計で3165億円の費用計上と、前年同期比31倍になった。通期計画対比の発生額はみずほフィナンシャルグループが…
2020年8月7日号18面 新連載・キャリアを描く(1)本部の仕事、みずほFG・みずほ銀行・刀禰博隆氏
横っとびの精神でチャレンジを
みずほフィナンシャルグループ(FG)・みずほ銀行のデジタルイノベーション部は柔軟な発想で新規事業を…
【写真】若手には無限の可能性が広がっていると刀禰氏(7月14日、虎ノ門ヒルズ)
2020年8月7日号20面 ワンチーム 承継支援からクロスセル、中国銀行岡山駅前支店
深い対話でニーズ探る、遺言信託・半期6件
【広島】中国銀行岡山駅前支店(金子雅年支店長=行員36人うち女性22人。ビジネススタッフ8人)は、企業経営者との深い対話からニーズを掘り起こし、事業承継を契機とした遺言信託の提案などに力を注いでいる。投資銀行業務の小口案件を積み重ねたことで、収益面の実績にも大きく寄与。2019年度下期に7期ぶりとなる優良営業店表彰を受けた。
同店エリア内では「60代半ばの経営者が多く、事業承継に対する潜在ニーズはある」(金子雅年支店長)ことに着目。ただ、「事業承継の提案はハードルが高い」と渉外担当者の腰が引けていた部分もあり…
【写真】理美容商材を扱う創美堂の小土井秀明社長(右)に現況をヒアリングする金子雅年支店長(中央)と担当者(7月28日)<写真撮影時にマスクを外していただきました>