2024年6月28日号1面 新連載 3メガGインドへ熱視線(上)膨らむ中間層に商機
メガバンクグループ(G)が熱い視線を送るインド。人種や言語、宗教など多様性にあふれ、時にはそれが障壁となるものの、ダイナミックな経済成長は他国にない魅力だ。ノンバンクやフィンテック企業への出資を通じて現地のリテールビジネスに挑むメガバンクGの動きを追った。
各社がインドのリテールビジネスに乗り出した背景には、人口増加と経済成長に加え、金融サービスを提供するデジタルインフラの発達がある。インド版マイナンバー「アドハー」は…
【写真】SMICCは農村部で酪農体験イベントを開催し、地域住民との距離を縮める(三井住友FG提供)
2024年6月28日号2面 金融庁、人材仲介“100件”間近に、優良事例共有で普及促進
金融庁が地域経済活性化支援機構(REVIC)に構築した大企業人材の仲介プラットフォームの活用が、地域金融機関の間で急速に広まっている。マッチング件数(内定ベース)は累計93件(2024年6月24日時点)となり、“100件”の大台が視野に入る。大企業人材の累計登録者数も3千人規模と着実に増えている。同庁は5月に、地域銀行によるマッチング事例集を作成。地域金融機関への配布や優良事例の共有を通じて、さらなる普及・促進を図りたい考え。
同機構が運営するプラットフォーム「REVICareer(レビキャリ)」は、21年10月に稼働を開始。金融機関が…
【写真】レビキャリを活用した経営人材マッチングの事例共有会で挨拶する伊藤監督局長(中央、6月24日、同庁)
2024年6月28日号7面 福島県商工信組、「臨店審査」が成果、融資稟議プロセスを円滑化
【仙台】福島県商工信用組合(福島県、須佐真子理事長)で、審査部の役職員が営業店を訪問して融資案件の方向性を定める「臨店審査」が成果を上げている。稟議(りんぎ)書を作成する前の段階で、営業店と審査部が資金使途や課題などを調整。稟議の精度を高めることで、審査スピードや承諾率が向上し、円滑な融資実行につなげている。
【写真】臨店審査で融資案件を共有する職員ら(福島県商工信組提供)
2024年6月28日5面 山口FG、地域と他行にDX支援、800社・2銀行の実績
【広島】山口フィナンシャルグループ(FG)およびDXコンサルティング子会社のデータ・キュービック(DQ)は、地域と銀行に対しデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を展開している。これまで800社超をサポート、地域銀行2行の開発に協力した。多賀本悠介・DQ社長は「山口FGで磨き上げたシステムや体制を、地域や自社グループ以外に提供することを軸にした」と語った。
【写真】山口県内の商工会議所で事業者向けセミナーを開催するなどDXを呼びかけてきた(下関商議所、DQ社提供)
2024年6月28日号16面 地域銀行 採用に「デジタル広報」、ツールの使い分け進む
地域銀行で、新卒採用にデジタルを活用した広報活動が広がっている。宮崎銀行はインスタグラムで表示するウェブ広告のターゲット層を絞るほか、琉球銀行はYouTubeやLINEを活用し、県外学生に幅広くアプローチしたい考え。足利銀行や関西みらい銀行、愛媛銀行などは仮想空間(メタバース)での会社説明会を実施するなど、多様なツールを試行する動きが目立つ。
宮崎銀はこれまで関東地区の学生もインスタのウェブ広告の配信対象としていたが…
2024年6月28日号8面 特集 【米ワシントン現地取材】米当局・中小銀の健全性を支援
堅調な米国経済を背景に安定基調にある米国銀行界。商業用不動産(CRE)ローンの不良債権問題が懸念されるが、「局地的、限定的」との見方もある。米財務省通貨監督庁(OCC)や連邦預金保険公社(FDIC)など金融監督当局は、中小規模の銀行の健全性支援に乗り出している。FDICのマーティン・J・グルンバーグ総裁、米国独立コミュニティー銀行家協会(ICBA)のレベッカ・ロメロ・レイニーCEOの両トップと米国銀行協会(ABA)の幹部に現在の業況、経営課題、規制のあり方などについて聞いた。
【写真】マーティン・J・グルンバーグ FDIC総裁(左)、レベッカ・ロメロ・レイニー ICBA CEO(右)
2024年6月28日号10面 特集 再考 地方創生(3)、領域広げる地域商社、非金融の底力
銀行系「地域商社」の活動領域が広がっている。非金融業務を通じた地方創生を使命とし、銀行から身を転じた現場職員が新規事業に挑戦している。2016年の銀行法改正によって完全子会社形態での設立が解禁されてから8年。先進的な3事例の取材を通じて、地域商社が向かうべき方向性を探った。
■四国の地銀4行・Shikokuブランド、ブランド化で価値向上、商流に乗せ販路拡大へ
【高松】4県に特色ある魅力的な地場産品がそろう四国で存在感を高めているのが、地域商社「Shikokuブランド(SB)」だ。四国アライアンスを組む地方銀行4行(阿波、百十四、伊予、四国)が…
【写真】人的交流のある他の地銀系地域商社と連携して開いた物産フェア(6月6日、住友生命保険東京本社)
2024年6月28日号18面 広島銀行福山南支店、支店全体で若手育てる、顧客支援実り・新人表彰
【広島】広島銀行福山南支店(中島浩司支店長=行員35人うち渉外係8人、パート9人)は、支店全体で若手行員の育成に取り組んでいる。新人でも取引先の支援に尽力できるように、独自の施策で質問や相談がしやすい環境を整備。2023年度下期の個人表彰では、所属する入行1年目と3年目の行員の2人が選出される快挙を成し遂げた。
中島浩司支店長は、育成に充てる時間を確保するため、会議はできる限り開かない。週1回開く次長…
【写真】中島浩司支店長(左から3人目)は、週に1回の「責任者ミーティング」で情報の共有を行う(6月4日、広島銀行福山南支店)