2024年11月1日号2面 日銀調査、不動産市場に過熱感、「ミニバブル期」上回る
日本銀行は、金融機関の商業用不動産向け投融資に対する視線を強めている。東京都心など都市部を中心に高額帯の取引が増加。経済実態と比べた関連投融資残高の割合や賃料に対する不動産価格の水準は、リーマン・ショック前のミニバブル期(2000年代半ば)を上回る。不動産取引業者の販売在庫も積み上がり、景気変動による将来的な価格調整リスクが膨らむ。
「不動産関連投融資が趨勢(すうせい)的に増加している」…
2024年11月1日号3面 銀行・大手信金、内定辞退者と接点維持、「ファストパス」15先が付与
銀行・大手信用金庫で、新卒採用の内定(内々定)辞退者との関係を構築する動きが広がっている。大卒3年以内の離職率が3割を超えており、別の企業に新卒入社した後もつながりを維持することで転職先の有力候補に入れてもらう狙い。第二新卒採用の選考を優遇する「ファストパス」付与の表明は15先に上る。
ニッキンが銀行・大手信金(7月末預金量上位50)の156先に調査した。…
2024年11月1日号4面 北都銀行と荘内銀行、統合後の効果拡大、支店に「営業部」設置
【仙台】フィデアホールディグス(HD)傘下の北都銀行と荘内銀行は、店舗統廃合を踏まえた効果的な営業体制の構築を進める。両行は、営業店内に営業各部(第一~第三部)を新設。店内の指揮系統を細分化し、マネジメントカを向上させる。同時に、複雑化していた渉外係の担当先を整理し、店舗運営の効率化を目指す。
統廃合に伴う人員集約により、支店長1人が管理するべき行員数が拡大し…
2024年11月1日号6面 朝日信金、個人ローン専担者が活躍、訪問徹底で上期15億円を獲得
朝日信用金庫(東京都、伊藤康博理事長)は、個人営業部に所属する個人ローン専担者が活躍している。住宅ローンの借り換え提案を切り口に訪問活動を徹底。2024年度上期は、住宅ローンやフリーローンなど88件、約15億円を獲得した。
同信金は個人ローン比率が比較的低いことから、専担者の集中的な推進で拡大が可能と判断。23年2月に専担者を配置し、当初は2人でスタートした。
24年2月から4人に増員。あわせて…
【写真】新たな訪問戦略について説明する石田直幸・個人営業部部長(右から3人目、10月16日、本店)
2024年11月1日号10面 やさしいニュース解説 勘定系システムのクラウド移行
安全性確保し稼働10機関に
銀行と協同組織金融機関で、ビジネスの根幹を担う「勘定系システム」の稼働環境をクラウドに移行する動きが活発化している。北国銀行が2021年に日本マイクロソフトの「Azure(アジュール)」で稼働して以降、地域銀行や信用金庫で計画が相次いでいる。かつて安全性を問題視されたクラウドの活用が最重要のシステムで広がる要因をひも解く。
■構成見直しが活発化
勘定系のクラウド移行は地方銀行やネット専業銀行を中心に進み、現状10機関で稼働しているとみられる。北国銀が稼働を始めた2021年以降…
【写真】7月から勘定系システムをクラウド稼働した福島銀行。デジタルトランスフォーメーションの素地として活用する(左から2人目が加藤容啓社長、9月4日、AWS目黒オフィス)
2024年11月1日号16面 阿波銀行、新人研修刷新で即戦力化、県外店へ“武者修行”も
【高松】阿波銀行は、2024年度から大幅刷新した新入行員研修で早期戦力化に取り組む。全員を本部に配属し、研修内容に合わせてOJT先の店舗を柔軟に変更。県外店へ“武者修行”する機会を設けるなど全国的に珍しい施策も組み込み、若手行員の定着にもつなげる。
特徴の一つが入行から10カ月間を本部の経営統括部付とした点。4月の約1カ月に及ぶ集合研修後のOJTは…
【写真】佐々木支店長(左)から融資業務を学ぶ廣瀬さん(中央)と亀岡さん(北大阪支店)
2024年11月1日号17面 MUFG、国内外拠点で社会貢献、参加者は年間1万人超
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、社会貢献の枠組みを整備して国内外の営業拠点および社員個人による活動を後押ししている。資金を同社が拠出する「MUFG SOUL」などを通じた社会貢献活動への参加者数は2023年度に約9千人。2024年度は1万人を超える見通しだ。2024年4月に開始した中期経営計画で基本方針の3本柱の一つに「社会課題の解決」を位置づけたことも社員参画の機運を高めている。
MUFG SOULの活動はグループ6社(三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJアセットマネジメント、アコム、三菱UFJニコス)が対象。国内拠点および個人、個人グループが企画した社会課題解決のアイデアに対し…
【写真】入院中の子供たちにプレゼントを準備する三菱UFJ銀行フランクフルト支店の現地行員
2024年11月1日号18面 川崎信金御幸支店、「全員参加」で目標達成へ、情報共有から最適提案
川崎信用金庫御幸支店(菅井孝浩支店長=職員21人うち渉外7人。パート1人)は、職員全員で目標達成を目指す「全員参加型」の支店運営に注力している。顧客のニーズをヒアリング後、随時店内でミーティングを開き情報交換のスピードを加速。さらに、独自のジョブローテーション制度などにより職員の能力向上に取り組んだ結果、2024年度上半期のブロック表彰を獲得した。
同信金では表彰制度を見直し、各ブロックごとの目標に向けてブロック内の店舗が協力する体制となった。4月に第2ブロックの幹事店舗である御幸支店に着任した菅井孝浩支店長は…
【写真】情報交換をする(左から)担当者、菅井孝浩支店長、葎口善行専務、吉田千香子財務ユニット長(10月15日、秀光本社)