ニッキン・2024年11月22日号

主な記事

2024年11月22日号1面 潮目変わる個人預金、国内銀は伸び1%台、信金、初の前年割れ

  • 預金

 増加を続けてきた金融機関の個人預金残高が潮目を迎えつつある。インフレ局面の継続や少額投資非課税制度(NISA)拡充で、低利の定期預金などに歩留まっていた資金が利回り優位の金融資産に流れているためだ。日本銀行の統計によると、国内銀行の9月末時点の年間増加率は1%台に鈍化。信用金庫の9月末残高は初めて前年同月を割り込んだ。経済・金融環境の変化が個人マネーの新たなトレンドを生んでいる。
 国内銀の個人預金残高は9月末で…

2024年11月22日号6面 信金、M&Aセンターと連携加速、全国案件組成や人材育成

  • 取引先支援

 信用金庫は、日本M&Aセンターホールディングス(HD)との連携を加速させている。取引先経営者の高齢化が進むなか、全国規模のM&A(合併・買収)案件の組成や人材育成などに向けて協力関係を強化。現在、210信金以上が提携関係にあり、「連携支援の件数は増加傾向にある」(同HD)という。
 各信金の担当者が取引先の事業承継ニーズを把握し、同HDにトスアップした後、連携しながら具体的なサポートを進めている。一部信金では…

【写真】パネルディスカッションする北見・西武・枚方・福岡ひびき・川崎の5信金の理事長をはじめとする役員ら(11月14日、明治記念館)

2024年11月22日号2面 政投銀、移行金融支援を加速、起債で資金の受け皿に

  • 取引先支援

 日本政策投資銀行は、邦銀初のトランジションボンド(移行債)発行によるリスクマネー供給などで温室効果ガス(GHG)多排出産業の脱・低炭素化支援を加速している。2月に世界初の「GX経済移行債」を発行した政府の動きに呼応。関連プロジェクトの資金需要の受け皿を拡充しつつ、トランジションファイナンス(移行金融)に対する民間企業・投資家の認知度を高め、円滑なグリーン社会実現を後押しする。
 「全ての産業が“一足飛び”に脱炭素化が可能なわけでは…

2024年11月22日号3面 銀行・信金のインターン、「採用直結型」4割超す、宿泊費支給やシフト制も

  • 人事施策

 銀行・大手信用金庫で、2026年卒の採用直結型インターンシップの実施先が4割超に上っている。ニッキンが銀行・大手信金(7月末預金量上位50)に調査し、インターンの採用直結(5日間以上)実施について尋ねたところ、「する」と回答したのが69先と全体(149先)の46%を占めた。多くの学生に自社のビジネスを体験してもらうため、コースを多様化する動きが目立ち始めている。
 2回以上実施する先は少なくとも26先に上る。…

2024年11月22日号4面 常陽銀行、高齢客ニーズ 外訪開拓、専任20人・各200先担当

  • 人事施策

 常陽銀行で高齢者の課題解決にあたる専任担当者「スマイルフルパートナー」(SP)は、外訪による困りごと相談が特長だ。従来、預かり資産や法人渉外、店頭窓口の担当者らで対応していたが、高齢化社会の深まりも背景に、高齢客支援に特化した体制づくりを推進。現在SP20人が活動中で、親族や相続世代にわたる取引の広がりも生み出している。
 2020年の3人からの試行以来、人数や配置エリアを拡大。地区別の複数店を束ねた「ブロック」が活動範囲で…

【写真】スマイルフルパートナーのメンバー(10月31日、研修センター)

2024年11月22日号5面 地域銀行・2024年4~9月期、純利益は19%増、38行・Gが上方修正

  • 経営

 地域銀行の業績が堅調に推移している。80行・グループ(G)の2024年4~9月期連結純利益は前年同期比19.3%増の6972億円となった。資金利益が好調なほか、国債等債券関係損益が改善されたことが主因。与信関係費用が低水準なのも寄与した。日本銀行の金融政策変更に伴う貸出金利への効果は通期業績に反映され、38行・Gが従来予想を上方修正した。
 11月15日までに公表された地域銀を集計した。80行・Gのうち、8割弱となる60行・Gが最終利益で増益を確保した。…

2024年11月22日号10面 特集 金融プラスで課題解決(2)

  • 地域貢献
  • 特集

 取引先企業の課題解決を目的に設立が相次ぐ金融機関の子会社・関連会社。今回は、SDGs(持続可能な開発目標)を切り口に取引先企業の支援に取り組む、ふくおかフィナンシャルグループ(FG)の「サステナブルスケール」と、中小企業の人材紹介を起点に幅広い支援を展開する西武信用金庫の「西武コミュニティセンター」を紹介する。

 ■サステナブルスケール、ふくおかFG SDGs支援子会社、“見える化”実績1000件、潜在ニーズ発掘にも寄与
 【福岡】SDGs(持続可能な開発目標)機運の高まりを受けて2021年4月に設立された、ふくおかフィナンシャルグループ(FG)子会社の「サステナブルスケール」。全国の金融機関に先駆け…

 【写真】打ち合わせするサステナブルスケールのメンバー(10月29日、ふくおかフィナンシャルグループ本社)

2024年11月22日号15面 特集 2024年度上期の生保窓販実績、一時払い終身は22万件超

  • 投信保険
  • 特集

 地域金融機関の2024年度上期「生命保険窓販実績」(回答ベース)がまとまった。地方銀行62行、第二地方銀行37行、2024年7月末で預金残高5千億円以上および販売実績がある86信用金庫を対象にニッキンが調査した。

 【終身保険】信金が件数大幅増加
 一時払い終身保険の販売件数(3業態合計)は、2023年度下期と比べ6%増の22万6293件だった。業態別では…

2024年11月22日号17面 富山第一銀行、金融教育担当は元校長、児童と考える授業を展開

  • 地域貢献

 【金沢】富山第一銀行が、15年以上富山県内の小学校で実施している金融教育は、先生役を小学校校長のキャリアを持つ行員が歴代担当している。3代目の牧野和則氏(64)は、県内の公立小学校のうち2割超の40校を1年間に訪問する。学校での金融教育が活発になるなか、子供を引き付ける授業とは。その秘訣(ひけつ)に迫った。
 「もしお金がバナナだったら、どんなことが起こる?」――。牧野氏の問いかけに、小学6年生からは「腐って使えない」「自分で栽培できちゃう」など次々に意見が出た。11月5日、新庄北小学校(富山市)での授業の一コマだ。この日、交換や価値保存といったお金の機能について、児童は牧野氏と一緒に考えた。
 砺波市内の校長を退職後…

 【写真】手作りの教材を使って授業をする牧野和則氏(11月5日、新庄北小学校)

2024年11月22日号18面 四国銀行山田支店、多様な提案担える人材へ、複数仮説立て課題解決

  • 営業店

 【高松】四国銀行山田支店(石原洋志支店長=行員21人うち渉外5人)は、多様な提案を担える人材育成に力を注いでいる。取引先の課題や悩みのヒアリングに徹し、複数の仮説を立ててさまざまな切り口から提案する。顧客に喜ばれる活動に力点を置いた取り組みが実を結び、同支店は2023年度下期まで4期連続で営業店業績表彰を受けている。
 事業所や個人宅など法個人が混在する高知県香美市において、幅広い提案活動を展開。事業先であれば…

 【写真】アオイコーポレーションのムース状介護食を試食する石原洋志支店長(右)と関田優果主任(右から2人目、11月13日、社会福祉法人土佐香美福祉会)

社説/ニッキン抄

学び (13面)

【Nikkin 金融講座】
私のターニングポイント(33) 足利銀行執行役員ローン事業部長・中嶋 久美子氏(上)
係替えで融資回収に奔走、未経験の業務が前進させる
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

預かり資産 (14面)

夢育む資産形成コンサルタント
 株式の評価
PBRの1倍割れとは?
投信窓販優績者に聞く 筑邦銀行・福島 佑太郎さん
視野を広げる提案
投信レビュー 10月 残高238兆円で最高、円安進み運用増加
「ニッキンONLINE」に掲載

レギュラー企画

寸言 有備無患(1面)=坂爪 敏雄・仙台銀行頭取
東西ペンリレー 人生の転機―高校留学の勧め(9面)=鍋嶋 美佳・東京海上ホールディングス執行役員
ちょっと一言 投手との対話大切に(9面)=埼玉西武ライオンズ捕手・炭谷 銀仁朗さん
『初支店長 [878]』 サステナブルな店舗運営(18面)=福岡中央銀行二日市支店・藤井 淳成氏
『スマイル』 「聞く力」で最適な提案(18面)=吉備信用金庫・江草 涼花さん

企画・特集・連載など

M&A地銀の選択 [2](1面) 企業襲う悪質な買収
「ニッキン×環境新聞」連携企画
脱炭素 試される金融の力
 ~地域ESG金融を中心に~[2](4面)
静岡銀行、GHG排出量可視化ツール
全県内の地域銀行・信金に
「ニッキンONLINE」に掲載
【フロントライン】
 営業店を支える最新テクノロジー (12面)
サイバーセキュリティー特集
新ガイドラインへ対応
ザ・フロント・バンカーズ(44)(18面) 著:江波戸 哲夫氏

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