2024年10月18日号2面 無担保コール市場、取引急減、機能度が低下、日銀当預「階層式」廃止で
日本銀行がマイナス金利政策解除と同時に実施した日銀当座預金制度の見直しが、無担保コール市場の機能度低下を招いている。代表的な取引の「翌日物」は、1営業日当たりの出来高がピークから7割超減少。資金余剰のもと、銀行などの取引動機を生んでいた「階層式(三層構造)」の廃止が背景だ。特定の市場参加者の取引がレートに反映されやすくなり、ベース金利としての信頼性に疑念を抱く声も出ている。
多い日で12兆円を超えていた「無担保コール翌日物」の…
2024年10月18日号3面 地域銀行、サイバー防御底上げへ、勘定系グループで連携
地域銀行が、サイバーセキュリティー対応のレベル底上げに連携を深めている。同じ勘定系システムのスキームに参画する地域銀同士で情報交換の機会などを設け、サードパーティーリスク対応や内部の態勢整備といった取り組みを共有。金融庁のガイドライン対応など、各行が抱える課題の解決に向けて共助を拡大する。
BIPROGY(ビプロジー)で扱う「BankVision(バンクビジョン)」加盟行は、…
【写真】バンクビジョン加盟行の情報交換会では金融庁の「金融分野におけるサイバーセキュリティーに関するガイドライン」の理解を深めた(9月26日、ビプロジー本社)
2024年10月18日号4面 百五銀行、店舗評価・「要件」を非公開、営業プロセスで加点
【名古屋】百五銀行は、預かり資産営業における「顧客本位の業務運営(FD)」を一層浸透させるため、行員に要件を公開しない店舗評価制度を運用する。全国の地域銀行でも珍しい。役員も参加する「FD委員会」でチェック機能を高度化する。
「要件を公開しない評価制度は、聞いたことがない」。ある支店長は驚きを隠さない。同行は2024年度下期の10月1日から…
2024年10月18日号6面 信金界、中小のタイ進出支援 試験拠点活用、ニーズ把握
信用金庫業界は、消費者の声を収集できるタイ・バンコクのテストマーケティング拠点「縁結び」を活用し、中小企業の現地進出を支援する。信金中央金庫が6月末に設置した同拠点には、これまでの約3カ月間で、約10信金の取引先など25社が出店。今後は、アンケートで把握した購買傾向をもとに、商品の改良やマーケティング戦略の策定などのサポートも本格化する。
バンコク中心部にある試験販売拠点「縁結び」は…
【写真】SNSアカウントの総フォロワー数が100万人を超えるインフルエンサーが、拠点・商品の情報を発信
2024年10月18日号7面 労金界、人材育成計画を刷新、「個」尊重し組織変革
労働金庫業界は、2035年度までの人材育成計画「ろうきん業態の統合的人材育成プラン」に基づき、「個」を尊重した研修施策を展開して組織の変革につなげる。24年度から26年度までには、全国労働金庫協会が業界向けに提供する七つの既存研修をリニューアルするほか、新たに五つのプログラムを設ける予定。24年度中は、組織を変革できるリーダーの育成を目的とした初研修「RRRプログラム」に力を入れる。
労金業界は23年度に、全国6労金の実務担当者で構成するプロジェクトチームを編成。14年に策定した…
【写真】「RRRプログラム」に参加する労金や関連会社の若手職員ら(7月11日、連合会館、労金協提供)
2024年10月18日号10面 実像 迫るバーゼル最終化、実務者も対応に苦慮か
国際的な資本規制「バーゼル3最終化」。新型コロナウイルス感染症に伴う開始延長を経て、2025年3月31日から国内金融機関で適用が始まる。実務者や経営陣以外にとってなじみが薄い資本規制だが、金融機関経営に与える影響は甚大だ。
■信用リスク計算見直し
2017年12月、バーゼル銀行監督委員会の最終合意を踏まえ、バーゼル3の枠組みが固まった。2024年3月31日から…
2024年10月18日号15面 特集 銀行界の2023年度役員報酬、6割増額・平均3%上昇
大手行が伸びけん引
全国102の銀行持ち株会社・銀行の2023年度役員報酬総額は、267億1300万円だった。増額したのは59行・社で新設銀行持ち株会社1社を除いた上昇率は平均3%。好業績や株高を背景に業績連動報酬の割合が高い大手行が伸びをけん引した。本紙が2024年3月期の有価証券報告書をベースに銀行持ち株29社、銀行73行の取締役・執行役(社外役員と監査等委員を原則除く)の報酬を集計した。
■1人当たり168万円増
大手行グループ(G)5社合算の報酬総額は2022年度比8.1%増の67億9千万円。役員賞与・業績連動報酬と…
2024年10月18日号18面 中国銀行呉支店、グループ仲介から開拓、融資こだわらず接点強化
【広島】中国銀行呉支店(藤井康晶支店長=行員15人うち営業担当者9人。パート3人)は、ちゅうぎんフィナンシャルグループ傘下のグループ会社との連携を生かした活動で顧客接点を強化し、新規開拓につなげている。融資にはこだわらず「お客さまに喜んでもらえる提案」を徹底。顧客満足度の向上を優先させる戦略が取引拡大の好循環を生んでいる。
広島県呉市は地場金融機関が存在感を発揮する地域。県外行が取引拡大するのは容易ではない。法人取引は約200先でサブ取引以下が中心のため…
【写真】カジオカL.Aの新商品拡販プロジェクトについて打ち合わせする藤井康晶支店長(左、9月19日、カジオカL.A呉本店、中国銀行提供)