ニッキン・2024年6月7日号

主な記事

2024年6月7日号1面 地域金融機関、格付け簡素化の弊害危惧、目利き力低下・不動産融資増

  • 融資

  地域金融機関で、信用格付けの簡素化による弊害が危惧されている。現場のマンパワー不足もあり、時間や手間のかかる事業性評価ではなく、財務数値をもとに与信判断するケースが増えており、「行職員の目利き力低下を招いている」(東海地区地域銀行関係者)という。実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の返済が進み、貸出残高の底上げが課題となるなか、一部の金融機関では債権を保全しやすい不動産担保融資に偏重する動きもみられる。
 ある大手地方銀行では、戦略的な融資提案をできる人材を十分に確保できず…

2024年6月7日号8面 鹿児島銀行の畜産事業者支援、関連事業者とチーム組成、ABL残高383億円

  • 取引先支援

 【鹿児島】鹿児島銀行は、地域の基幹産業である農畜産業の活性化と融資拡大に取り組む。2003年に、農畜産業を活性化させることで食品加工など2次産業、流通や飲食など3次産業まで幅広く盛り上げる「アグリクラスター構想」を提唱してから約20年。2023年度末のアグリクラスター関連融資残高は942億円(2013年度末比170億円増)で、同行の建設業向け融資に匹敵する額まで増えた。鹿児島県の農業産出額はこの10年で約1千億円伸びており、農業の成長を後押ししてきた結果が融資残高の増加につながっている。

 ■出荷成績向上へ協働
 コンサルティングなどさまざまな支援を展開するが、特に注力するのは畜産事業者とその取引先の関係性を強化し…

 【写真】(左から)取引先の千春畜産の深野明輝社長、従業員、鹿児島行アグリ事業開発室の竹俊彦副調査役、宮崎支店の堂薗良輔主任(5月22日、宮崎県えびの市)

2024年6月7日号2面 政府の規制改革、非上場株市場を活性化、公的手続きデジタル化も

  • 法令制度政策

  政府は、非上場株を取り扱う市場の活性化や、従業員に対する株式無償交付の解禁を目指し、規制改革を進める。規制改革推進会議が5月末までに答申を取りまとめた。金融関連分野では、相続事務や公金納付のデジタル化などが盛り込まれた。
 スタートアップ企業の資金調達を円滑化する観点から…

2024年6月7日号3面 中企庁、M&Aの手数料開示求める、ガイドライン改訂で方向性

  • 法令制度政策

  中小企業庁は、フィナンシャル・アドバイザー(FA)業務や仲介業務を行う「M&A(合併・買収)支援機関」に対し、手数料体系の開示を求める。5月31日に公表した2024年度の「M&A支援機関登録制度」の公募要領では、開示の義務化が明記された。また、同日に開催した有識者会議では、支援機関が順守すべき中小M&Aガイドラインの改訂について議論。利益相反を防ぐため、仲介契約を結ぶ前に相手方の手数料の開示などを求める方向で検討する。
 中小M&Aガイドラインでは、仲介・FA契約締結前の重要事項を説明するときに…

2024年6月7日号5面 山梨中央銀行、自前システム商品化、ベンダーとの協業検討

  • ネット・システム

  山梨中央銀行は、自行開発した個人ローン進捗(しんちょく)管理システムの商品化を目指し、日本電子計算(JIP)と協業ビジネスの検討を開始した。JIPが提供する個人融資管理システムと連携したサービスを開発し、金融機関における個人ローン業務全体の効率化と最適化を図る。
 2021年から稼働している個人ローン進捗管理システムを更新し…

2024年6月7日号6面 信金の新NISA、46万口座超、トップは京都中央信金

  • 投信保険
  • 資産管理

  信用金庫業界の2024年3月末の新しい少額投資非課税制度(NISA)の口座数がまとまった。本紙独自調査によると、業界全体の新NISA口座数は46万口座を突破。トップは京都中央信用金庫(京都市)の3万3702口座だった。新NISA開始を機に一部信金の推進体制に変化が生じるなか、23年12月末比の増減数では朝日信用金庫(東京都)が2881口座増加し最も多かった。
 調査対象は投資信託の窓口販売を行う全金融機関で、四半期ごとに実施。24年3月末調査では、140を超える信金から回答を得た。新NISA口座数は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の合計。(詳細は『ニッキン投信情報』6月10日号)
 埼玉県信用金庫(埼玉県)は、24年度から店舗や個人の業績評価に…

2024年6月7日号16面 愛媛銀行G、人的資源への投資加速、制度改定で挑戦と成長後押し

  • 人事施策

  【高松】愛媛銀行グループ(G)は、人的投資を加速させていく。6月から「キャリアチャレンジ制度」の制定で、行員の自律的なキャリア形成や挑戦・成長を後押していく。7月にはシニア社員の活躍推進に向けた制度など人事・処遇制度を見直す。
 キャリアチャレンジのなかで新たに設けたのは…

2024年6月7日号10面 やさしいニュース解説 動き出す金融教育の官民組織

  • 地域貢献

 中立性強みに学ぶ機会増やす
 国民の金融リテラシー向上を担う「金融経済教育推進機構(J‐FLEC=ジェイ フレック)」が8月に本格稼働します。これまで金融広報中央委員会や全国銀行協会、日本証券業協会などが取り組んできた金融教育の事業を引き継ぐ官民一体の認可法人です。中立的な立場から、幅広い世代に金融知識を身に付けてもらい、適切な行動を促す“司令塔”の全容に迫ります。

 ■Q.1 新組織はなぜ生まれ、何に取り組む?
 J‐FLECは金融教育を推進するため、法律に基づき4月に設立されました。背景には金融教育の…

2024年6月7日号17面 山口FG、伝統菓子の復刻に貢献、地域商社が総合調整

  • 地域貢献

 【広島】山口フィナンシャルグループ(FG)は地域の伝統的菓子「亀の甲せんべい」の復刻に貢献。グループの地域商社やまぐちが商品開発・販売に関わるトータルコーディネートを務めた。ジェイアールサービスネット広島などが6月1日、山陽3県の駅ビル・駅ナカで販売を開始した。
 亀の甲せんべいは1862年に誕生し幕末から山口県で親しまれてきた。製造する江戸金が後継者不足で廃業する見通しとなった際…

 【写真】令和復刻版 下関・馬関 亀の甲せんべい

2024年6月7日号18面 大光銀行佐渡ブロック、整理整頓から意識改革、1年半で事業所43先開拓

  • 営業店

 【新潟】大光銀行佐渡ブロック=佐和田・両津支店(金子俊博統括支店長=行員15人うち渉外担当者4人、マネーアドバイザー<MA>2人。パート1人)は、あいさつや店内の整理整頓、個々の目標管理の明確化など基本事項の徹底で行動にメリハリをつけ、職場の意識改革に努めている。金子支店長が着任した2022年度下期以降、3期連続で業績表彰を受賞した。
 地元出身の金子氏は業績表彰から遠ざかっていた状況をみて「職場の意識改革と推進方法の改善を図ろう」と出動時などのあいさつを励行。各自の机周りなどの…

 【写真】中川清也社長(右)と商談する金子俊博統括支店長(中央)、法人営業担当副長(5月15日、中川運送)

学び (13面)

【Nikkin 金融講座】
私のターニングポイント(9) 川上 武・広島信用金庫理事長(上)
社長に引退を促す、廃業放置せず向き合う原点
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

預かり資産 (14面)

預かり資産営業の“お悩み”Q&A (21)
 分散か、一括運用か
安易な相場予測による助言は避ける
投信窓販優績者に聞く 静岡中央銀行・磯崎 冴さん
支店スタッフと連携し成果
苦情に学べ ノルマ廃止時の原点に回帰を

レギュラー企画

寸言 筋トレと経営(1面)=谷垣 邦夫・かんぽ生命保険社長
脚光 失敗恐れずチャレンジを(5面)=栃木銀行頭取に就任する・仲田 裕之氏
東西ペンリレー 美し国三重とお伊勢さん(9面)=朝比奈 由起夫・三十三銀行常務執行役員
ちょっと一言 子ども食堂で社会参加(9面)=南流山子ども食堂の会代表・金川 聡美さん
『初支店長 [854]』 あらゆることに関心を(18面)=姫路信用金庫手柄・野田支店・原 典子氏
『スマイル』 夢は一人前の融資係(18面)=豊橋信用金庫・柴田 亜未さん

企画・特集・連載など

インタビュー(4面)
 「ニッキンONLINE」に掲載
長谷川 英一・福井銀行頭取
「まるごと支援」でシナジー
安藤 聡・J-FLEC理事長に聞く(10面) 金融知識「自分ごと」に
インサイト
 キーパーソンに聞く<120>(12面)
田中 孝治・シェアコト代表取締役
一気通貫でSNS支援
羽ばたく新人へ私の仕事秘話 [9](16面) 富山第一銀行・岩井 文乃さん
顧客思う気持ち前面に
ザ・フロント・バンカーズ(20)(18面) 著:江波戸 哲夫氏

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