2024年2月2日号2面 マネロン共同機構、業務開始へ準備進める、AI検知も全先利用見込み
マネー・ローンダリング対策共同機構が業務開始へ向けて準備を進めている。2種類のサービスを段階的に提供する計画で、2024年4月から「業務高度化支援サービス」を始める。25年4月には「人工知能(AI)スコアリングサービス」を開始する予定。いずれも利用は各金融機関の判断に委ねられているが、複数の関係者によれば「最終的に(全国銀行協会の)正会員すべてが手を挙げる」との見方がある。
業務高度化支援サービスは、利用金融機関の間でマネロン対策に関する情報を共有して、全体の底上げを図るもの。行員の各層を対象にした研修に加え…
2024年2月2日号3面 銀行界、シ・ローン市場拡大へ、設備投資やPBR策で需要
銀行界で、2024年に国内シンジケートローン市場が拡大する見通しだ。金利上昇傾向を踏まえ、企業で社債からローン調達にシフトする動きがあるほか、大型設備投資や買収・株式非公開化などの資金需要が高まっているためだ。株価純資産倍率(PBR)改善に取り組む大企業向けのシ・ローンも出始めた。
ロンドン証券取引所グループ(LSEG)によると、23年の国内シ・ローン案件数は約5%減の1831件だったが、…
2024年2月2日号4面 MUFG、国際水準の運用人材拡大、自己報酬投資やEMP4倍
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、資産運用ビジネスを強化する一環で、グローバルに通用する運用人材を拡大する。その柱が、ファンドマネージャー(FM)が報酬の一部を自己運用ファンドに投資する枠組みの導入と、若手運用者育成プログラム(エマージング・マネージャー・プログラム=EMP)の投資枠拡大だ。
海外ではFMが報酬の一部を自己運用ファンドに投じる仕組みを導入するのが一般的。FMが顧客と利益を共有してファンドが同じ方向に進む姿勢を示すためだ。FMの運用資金は…
2024年2月2日号5面 鳥取銀行、支援先8割が売り上げ増、商流学び商談の精度増す
【広島】鳥取銀行は、課題解決型コンサルティング支援で成果をあげる。2019年3月期~22年3月期に事業拡大や販路開拓で支援した約1840社のうち8割以上の1524社で売上高が上昇。力を入れる商談会出展支援は、23年度は七つのイベントに参加し支援先の売り上げ増につなげた。顧客の課題を共有して商流を意識した販路拡大支援が奏功した。
営業店担当者は、出展企業の事前準備から関与して当日のブース運営、バイヤーとの商談まで一貫して支える。これによって…
2024年2月2日号6面 信金、採用活動で運用模索も、メタバース活用拡大
信用金庫で、メタバースを活用した取り組みが広がり始めている。一般的なオンライン配信と比較して、一体感を醸成しやすい点や双方向性が高い特性を生かし、セミナーなどイベントでの活用が進む。一部では、業界共通の課題である新卒の確保に向けて、採用活動での運用を模索する動きも出てきた。
メタバースは、インターネットに構築された仮想空間で、空間内にいる他の利用者との親近感を演出できるのが特徴だ。同一空間内で複数の会話を同時進行できるなど、…
【写真】静岡市やしずおか焼津信金の職員が、学生に対して地元で働く魅力をPRした(1月26日、ふるさと回帰支援センター)
2024年2月2日号7面 農林中金、農業融資を推進強化へ、JAの組織づくり支援
農林中央金庫は、全国の農業協同組合(JA)や信用農業協同組合連合会に対し、農業融資推進に向けた支援を強化する。内部の態勢整備と融資担当者のスキル向上を両輪とした組織づくりを後押しする。その一環として1月26日と2月9日は、組織内外の円滑な連携のための調整役を育てる「JAバンク担い手金融リーダー全国大会」を4年ぶりにオンライン形式で開催。2回合計で、全国のJA・信農連職員ら120人以上が参加する見込みだ。
1月26日は、農林水産省経営局金融調整課の宮田龍栄課長が来賓としてあいさつ。参加者によるディスカッションをメインに据え、…
【写真】来賓あいさつする農林水産省経営局金融調整課の宮田課長(右、1月26日、JAビル)
2024年2月2日号10面 やさしいニュース解説 どうして重要?マネロン対策
態勢整備の期限が目前
マネー・ロンダリング、縮めてマネロン。犯罪組織が違法な手段で得た資金をどこから生じたものか分からないようにする「お金の洗浄」を食い止めるため、日本の金融機関が対策の強化を求められています。だが、膨大な量の取引から危険性が高い案件を見つけ出し、ピンポイントで防ぐ態勢を整えるためには大きな負担がかかってしまうのも事実。金融庁が態勢整備の期限として設定した3月末が近づくなか、改めて対策の重要性や今後の課題を説明します。
■どのような行為がマネロンに該当するか教えてください。
犯罪組織が送金、有価証券や高価な物品の売買、保険の加入・解約などで資金の流れを不透明にする行為です。不正に取得した他人名義の金融機関口座を使う手口が目立ち…
2024年2月2日号18面 第四北越銀行塩沢支店、個人収益146%達成、窓口と渉外が連携
職域セミナーでNISA推進
【新潟】第四北越銀行塩沢支店(五井美寿穂支店長=2月1日付で白根兼白根中央支店長。行員6人うち渉外2人。キャリア行員など3人)は、小型店ながら窓口係と渉外係が連携、店頭で得た情報をもとに渉外が成約させる手法で業績を伸ばしている。個人分野の収益達成率は2022年度下期134.3%、2023年度上期146.8%。優績店と準優績店をそれぞれ受賞。
営業エリアは米どころで知られる南魚沼市の塩沢地区。与信先は約140先。建設業者など…
【写真】取引先との商談の進ちょくについて報告する大谷彩花主任(左から2人目、1月10日、第四北越銀行塩沢支店)