2024年8月9日号2面 日銀、追加利上げ 「0.25%」に、国債購入は25年度末 月3兆円へ
日本銀行は7月30、31日に開いた金融政策決定会合で追加利上げを決めた。政策金利である無担保コール翌日物金利を「0.25%程度」に誘導。上げ幅は0.15%ポイント程度で、利上げはマイナス金利政策を解除した3月以来3会合ぶり。長期国債買い入れの減額計画も明らかにし、これまで「6兆円程度」だった月間購入額を段階的に減らし、2026年1~3月に「3兆円程度」とする。(1面参照)
同会合の声明文で、国内経済・物価は…
【写真】会見で為替円安による物価見通しの上振れリスクについて言及する植田総裁(7月31日、日銀本店)
2024年8月9日号3面 信金界、現金管理スキーム広がる、利上げ受け運用資金確保
信用金庫業界で、信金中央金庫が日本通運関係会社と連携して提供する現金管理の共同化スキームが急拡大している。各信金が本部や本店で行う現金管理を信金中金に集中させるもの。2023年3月末には約40信金だったが、足元では70信金に迫る。24年度末には80~90信金になる見通しだ。職員減少に伴う業務効率化のほか、金利上昇を受けより多くの運用資金を確保する狙いからニーズが高まっている。
信金の多くは日本銀行が定める管理方法に従い、…
2024年8月9日号4面 伊予銀行、目的意識向上幅広い提案、方針管理への移行6年
【高松】伊予銀行が業績表彰制度を取りやめ、方針管理を軸とした体制に移行してから6年。金融界で先駆けた取り組みは功を奏し、業績は好調に推移している。組織内での定着化に成功した方針管理の実情を追った。
【写真】伊予銀行松山北支店では、役席者や担当者を交え月1回の頻度で進捗ミーティングを実施している(7月17日)
2024年8月9日号5面 ひろぎんHD、プロ人材紹介で課題解決、内製化後に成約40件
【広島】ひろぎんホールディングス(HD)は、取引先の経営課題解決に専門知識を持つ「プロ人材」の紹介を積極化している。業務委託契約型のプロ人材紹介事業を子会社のひろぎんヒューマンリソース(HHR)で内製化。広島銀行の取引先を中心に、これまでに40件を超える成約につなげた。
2024年8月9日号8面 特集 首都圏信金の現状と課題、本部建て替え・移転戦略
変化に応じて最適解を探る
首都圏信用金庫では、老朽化した本部の建て替えや移転の実施・計画・検討が進んでいる。多くの信金が本部の建設から50年程度が経過して環境や職員・顧客の価値観が変化。長期的な費用対効果も見据え、建て替えか補強かの選択に悩む先もみられる。点在した本部の再配置、本部内のレイアウト変更、移転先確保など検討すべき事項は多く、先行信金への視察も相次ぐ。首都圏40信金の現状と課題、今後を追った。
■倒壊リスクに備え
本部の建て替え・移転の最大の理由は耐震基準。内閣府によると、今後30年以内にマグニチュード7クラスの首都直下地震が70%の確率で起きるとされる。建築基準法が定めた旧耐震基準(1981年以前)の建築では…
【写真】軽量タイプの耐震性天井への張り替えを進める(8月2日、城南信用金庫営業部本店)
2024年8月9日号10面 改革の旗手 みずほFGグループ執行役員危機管理担当・河本哲志氏
システム障害の教訓を風化させない
2002年の3行統合直後、2011年の東日本大震災発生時に続き、2021年に三度目の大規模システム障害を起こしたみずほ銀行。基幹システムにとどまらず企業風土まで抜本的な見直しを迫られるなか、みずほグループの「危機管理担当」に就いた。「顧客優先の事後対応が重要」と、部署の垣根を超えた事前対策に力を入れる。顧客に多大な迷惑をかけてしまったことを忘れてはならないと、自らの発案で異例のシステム障害「展示室」を設けた。
■起こるはずがない
「定期預金のシステムが動かない」。2021年2月28日・日曜日。在宅中に第一報が舞い込んだ。当時は当局担当の責任者である企画管理部長。「障害は休日の定期預金。影響は…
【写真】みずほフィナンシャルグループ グループ執行役員危機管理担当・河本哲志氏
2024年8月9日号17面 金融庁、SNS型投資詐欺が猛威、近く要請文発出
SNS型投資・ロマンス詐欺の被害が急増している。警察庁によると、2024年1~6月の認知件数は前年同期比4倍の5068件となり、被害額も同4.7倍の660億円に膨らんだ。被害の拡大を踏まえ、金融庁も対策に乗り出す。
認知件数の約7割(3570件)は、SNS型投資詐欺によるものだ。投資家や著名人になりすましたSNSの偽広告で被害者を誘い込み、投資詐欺によって金銭をだまし取る手口を指す。さまざまなSNSで掲載されるバナー広告や…
2024年8月9日号18面 多摩信金橋本支店、顧客第一で課題解決、成長見込み・改善支援
多摩信用金庫橋本支店(佐藤智紀支店長=職員12人うち渉外5人)は「お客さまのため」を軸に課題解決活動を展開する。創業や実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の返済で課題を抱える企業に対して、財務面などからの支援に奔走している。
同店は神奈川県相模原市橋本に立地。他金融機関より後発の2017年12月に事業所特化型店舗として開店した。企業開拓を地道に積み重ね…
【写真】取引先のハタノ工務店の佐藤実専務(左)と打ち合わせする佐藤智紀支店長(中央)と吉澤謙太お客様サービス課長(7月10日、ハタノ工務店)