ニッキン・2024年7月19日号

主な記事

2024年7月19日号1面 地銀など指定金、「振込手数料」交渉を継続、事務コスト負担で隔たり

  • 手数料

 指定金融機関を務める地方銀行などは、地方公共団体と公金業務に関する手数料交渉を継続している。10月から公金振り込みに適用される内国為替制度運営費については、総務省が地公体の費用負担分(1件当たり62円)に対し、地方交付税の措置を講じることを決めており、指定金の事務コストの上乗せ額が争点だ。いったん合意したという地銀の関係者は「当初の提示金額と隔たりがあり、交渉を続ける」として長期戦も覚悟する。
 内為運営費は、振り込みを受け付けた仕向け銀行(指定金)から…

2024年7月19日号8面 実像 急げ「カスハラ」対策、CS・ES向上の好循環へ

  • 人事施策

 顧客からの暴言や不当な要求を指す「カスタマーハラスメント」。厚生労働省の直近の調査では、過去3年間で企業に相談のあった各ハラスメントの件数が頭打ちになる一方、カスハラのみで増加傾向がみられ、対策の遅れが浮き彫りになった。全業種で取り組みが急がれるなか、金融界でも機運は高まる。“顧客第一”や公共性が高い業界特性の弊害を指摘する声は根強いが、カスハラを防止して従業員満足(ES)を高めることは、顧客満足(CS)向上にもつながる。

 ■損害賠償責任のリスクも
 「支店長が死ぬしかないな」。ある金融機関に、特別金利が半年間適用される相続定期預金を預け入れた男性は金利優遇が期間限定であることを聞いていなかったと激高。大きな声や物音を出したり居座りを続けた後、先述の言葉を吐いた。
 日本労働組合総連合会の調査によると…

 【写真】全国銀行協会が会員行向けに作成したカスハラ防止を呼びかけるポスター

2024年7月19日号2面 地域銀行、新興の力で社会課題解決、VC通じ“接点”作り

  • 地域貢献

 地域銀行は、スタートアップ(新興)企業の力で地元の社会課題を解決する。フィンテック系のベンチャーキャピタル(VC)への出資を通じリレーションを深め、新興企業のプロダクトを活用した課題解決を進めたい意向。VC出資先を地元に誘致するほか、ビジネスマッチングや協業による支援を視野に、接点作りを始めた。
 マネーフォワード系の「HIRAC FUND」は…

【写真】HIRACが6月に開いたミーティングイベントには地域金融機関や振興企業から80人以上が集まり関係を深めた(同社提供)

2024年7月19日号6面 岐阜信金、実践研修で提案力高める、マッチング年4000件

  • 取引先支援

【名古屋】岐阜信用金庫(岐阜県、好岡政宏理事長)は、事業者の課題に合わせて提携先の専門家などを紹介するビジネスマッチングが好調だ。案件はSDGs(持続可能な開発目標)や事業承継・M&A(合併・買収)など多岐にわたり、2023年度のマッチング実績は前年度比434件増の3972件となった。

【写真】23年度に実施したコンサルアカデミー第1期の様子(23年11月18日、岐阜信金本店営業部ビル)

2024年7月19日号3面 銀行など、外債運用に新リスク浮上、仏国債格下げで含み損拡大か

  • 経営

 銀行などの預金を取り扱う金融機関で、フランス国債が有価証券運用における新たなリスクとなりそうだ。5月末に大手格付け会社が仏国債の格付けを引き下げ、政治情勢の先行き不透明感から一段の格下げリスクが浮上しているため。財務省によると、3月末時点で日本の預金取扱金融機関が保有している仏国債など中長期債のエクスポージャーは約8兆8千億円。再び格下げとなれば評価損が膨らむ可能性がある。
 財務省が7月8日に発表した…

2024年7月19日号4面 地銀、内部監査 高度化急ぐ、体制整備の進捗に差

  • 経営

地方銀行は、内部監査を高度化するため、体制整備を急ぐ。経営陣が積極的に関与して監査体制を見直す動きがある一方で、不正や不祥事の防止など従来型の監査から脱却できないケースもあるようだ。ある内部監査の専門家は「銀行の規模ではなく、経営陣が持つ意識の差」とみる。ただ、監査に対する行内の認識や人材育成など、短期的には解決できない課題も横たわる。

2024年7月19日号7面 結城信金と奄美大島信金、取引先同行で「成長」促す、渉外が互いの地元訪問

  • 経営

結城信用金庫(茨城県、石塚清博理事長)と奄美大島信用金庫(鹿児島県、伊東寛久理事長)は、業務提携に基づいた職員の相互訪問を推進している。互いの取引先への同行訪問で、渉外担当者らの成長を促し、連携・協調関係を地元の活性化に生かす。

【写真】「AJ GROUP HD」の浅島社長(右)と面談する結城信金の宮部さん(左手前)と奄美大島信金の塩崎次長代理(7月9日、茨城県常総市)

2024年7月19日号16面 金融界の2023年労基署調査、違反率6年ぶり改善、勤怠管理意識向上で44%

  • 人事施策

 金融界で、従業員の労務管理の適正化が進んでいる。2023年に全国の労働基準監督署から労働基準法や労働安全衛生法などに基づき法令違反を指摘された割合が44.8%と18年以来6年ぶりに減少に転じた。企業側の勤怠管理意識の向上や働き方改革による残業時間の削減などが要因とみられる。
 厚生労働省労働基準局がまとめた23年の監督業務実施状況によれば、金融業(銀行、証券・保険会社など)の事業場422先のうち違反先数は…

2024年7月19日号17面 豊和銀行、店舗・香りで演出、来店客の癒やしに

  • 営業店

 【福岡】豊和銀行は、来店客の癒やしを狙いに店舗にオリジナルの「香り」を取り入れる。下郡支店をモデルに香りの試作とテストを経て、本格導入する。
 空間を香りで演出し、企業ブランド向上を支援するスタートアップを立ち上げた折井茜さんに調香を依頼。同行ソリューション支援部が…

 【写真】折井茜さん(中央)から試作したサンプルの説明を聞き、香りを嗅ぐ豊和銀行下郡支店の行員(6月11日、豊和銀行下郡支店、豊和銀行提供)

2024年7月19日号18面 関西みらい銀行枚方支店、枚方市駅前再開発を支援

  • 営業店

 事業者目線で融資提案
 【大阪】関西みらい銀行枚方支店(山本哲秀支店長=行員23人うち営業担当8人。パート・嘱託4人)は、京阪本線・枚方市駅前再開発を支援。シンボルとなる商業施設への融資は、顧客目線に徹した提案で他行との競合を制して単独で実行した。また、2024年度から導入された営業店の「自主目標」では、伴走支援体制の確立など顧客との関係強化に取り組む。
 山本哲秀支店長は2023年10月に着任。再開発事業は、準備期間を含め約10年前から枚方市や京阪電鉄、多くの地権者が関与して進めてきた。(1)事務所・ホテル・住宅・店舗などの…

 【写真】商業施設「HirakataWoven(ヒラカタウーヴン)」のテラスで、枚方鉄建の竹嶋浩之会長(左)と話す山本哲秀支店長(7月2日)

社説/ニッキン抄

学び (13面)

【Nikkin 金融講座】
私のターニングポイント(15) 雨宮 次郎・京都銀行執行役員名古屋支店長(上)
まさかの辞令に「支店長失格?」、逸材ぞろいの部署まとめられず
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

預かり資産 (14面)

預かり資産営業の“お悩み”Q&A (27)
 ネットに流れる若い顧客への対応
対面の意義を理解してもらう
投信窓販優績者に聞く 名古屋銀行・南田 沙知佳さん
ニーズ引き出す「会話の間」
投信レビュー 6月株式投信、増加額6兆4000億円
ニッキンONLINE」に掲載

レギュラー企画

寸言 地域経済発展への決意(1面)=御室 健一郎・浜松いわた信用金庫会長
東西ペンリレー 癒やしと前向き思考の考察(9面)=石原 和幸・ひろぎんホールディングス執行役員
ちょっと一言 「カッコいい」表現磨く(9面)=アーティスト・秋山 雅貴さん
『初支店長 [860]』 まずはあいさつが基本(18面)=長野県信用組合更埴支店・興津 佑亮氏
『スマイル』 仕事とスポーツの二刀流(18面)=富士信用金庫・高村 実結さん

企画・特集・連載など

全国銀行協会5委員長に聞く[上](4面)
 「ニッキンONLINE」に掲載
安地 和之・企画委員長(三井住友銀行常務執行役員)
新興支援、知見共有で底上げ
全国541金融機関の資金量・融資量ランキング(2024年3月末)(10・11面特集)
インサイト
 キーパーソンに聞く <125>(12面)
山田 純希・FRAIM執行役員営業副本部長兼営業企画部責任者
規程・契約書を一元管理
羽ばたく新人へ私の仕事秘話 [15](16面) 南都銀行・加藤 あずさ さん
初めに顔が浮かぶ銀行員
ザ・フロント・バンカーズ(26)(18面) 著:江波戸 哲夫氏

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