2024年3月1日号2面 中小機構 地域金融と能登復興、販路確保や資金調達
中小企業基盤整備機構は、地域金融機関と連携して能登半島地震からの復旧・復興支援に取り組む。販路や協業先の確保を仲介するウェブサイトや、個人から資金を募るクラウドファンディング(CF)を被災事業者に紹介し、新規融資や債権買い取りなど本格的な金融支援が始まるまでの期間を支える。北陸地区の地域銀行や信用金庫に働き掛けを強めている。
2月までに事業者を仲介するウェブサイトを立ち上げ…
【写真】発災から2カ月近く経ち道路の復旧は進むが復興には時間がかかる(2月23日、石川県珠洲市)
2024年3月1日号3面 メガバンク、シ・ローン参加行拡大へ、書式標準化や情報発信
3メガバンクなどが理事を務める日本ローン債権市場協会(JSLA)は2024年度、シンジケートローンの参加銀行を広げる取り組みを始める。各アレンジャー行が独自の様式で作っていた契約書などの文書の標準化に着手。情報共有の場として「意見交換会」の新設や、会員会社向け研修などで情報発信も充実させる。JSLAが2月27日、新年度の活動方針として決定した。
標準化するのは秘密保持契約書、コミットメントレター、マンデートレターなど。参加機関が円滑に取引できるように…
2024年3月1日号4面 地域銀行、富裕層囲い込み策で新手、船舶ファンド運営会社と協力
ふくおかFG、人間国宝の作品展
地域銀行は、富裕層の囲い込み策の一環として、船舶投資ファンドを運営するアンカー・シップ・パートナーズ(ASP、東京都)とタッグを組む。同社は、重要無形文化財保持者(人間国宝)の伝統工芸作家や技術者らが所属する日本工芸会と連携しており、富裕層向けのイベントで協力する。ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は2月中旬に実施しており、手応えをつかんだという。検討中の地域銀もあり、今後は同様の取り組みが増える見通し。
ふくおかFGは2月13日、取引先の超富裕層を対象にした催しを…
【写真】来場者に作品を説明する今泉氏(中央、2月13日、福岡市内)
2024年3月1日号5面 八十二銀行の非対面営業チーム、小口融資先や勤労者と接点
現場連携で裾野広げる
八十二銀行は、非対面営業の専門部隊「お客さまコンタクトチーム(OCT)」を主体に、小口融資先や勤労者層へのアプローチを強めている。2月にOCTの人員を拡充。デジタルチャネルの活用や電話などできめ細かく接点機会を増やし、裾野拡大を目指す。
2023年度から整備を進める新営業体制の一環。営業現場のマンパワーを最大限に生かすため、顧客セグメント別に、営業店による「対面営業」と、…
【写真】長野市の本店内に拠点を置き、2月に体制を強化したお客さまコンタクトチーム(2月16日、本店)
2024年3月1日号6面 信金界、SDGsで海外販路開拓、イベントは商談100件実施
信用金庫業界は、SDGs(持続可能な開発目標)を切り口にして、取引先の海外販路開拓を支援している。信金中央金庫と中小企業基盤整備機構が連携して開設したオンライン展示会サイトは、約4カ月間で登録企業が88社になった。2月19~22日には、国外企業と海外に販路を持つ国内企業をバイヤーとした商談会のイベントを開催。4日間で約100商談を実施した。
欧州などで社会や環境に配慮した消費行動への関心が高まるなか、信金中金は2023年10月、…
2024年3月1日号10面 DXで克/勝つ ちゅうぎんFG、課題解決へ地域リード
全ての業務プロセス棚卸し
【広島】ちゅうぎんフィナンシャルグループ(FG)は地域と取引先のデジタルトランスフォーメーション(DX)をリードし地域課題の解決につながるイノベーションの創出に取り組んでいる。一連のDX推進の土台として、(1)業務プロセスの洗い出し(2)業務プロセスの見直しと人員の再配置(3)行員へのデジタル教育と最新技術の実験・普及――を軸に改革を進める。
■現状把握に注力
「DXは一日にして成らず」。改革を成功させるため真っ先に取り組んだのは現状把握。司令塔のイノベーション推進センター(デジタルイノベーション推進センターを2022年12月に再編)は…
2024年3月1日号16面 百五銀行、人材戦略を加速、適切な配置で能力生かす
【名古屋】百五銀行は、2024年度から人材戦略を加速する。柱は「プロフェッショナル人材の育成」「ダイバーシティ推進」「健康経営の実践」。エンゲージメント強化の一環として、行員が希望する業務に就ける職場環境にするため、タレントマネジメントシステムの運用を高度化していく。
プロフェッショナル人材の育成では、顧客の課題に対するコンサルティングを重視。このため、FP1級やCFPなどの資格取得を推奨。同銀が推奨する資格の取得者を、…
【写真】法人コンサルティング部の実務を行う実践型トレーニーの様子(百五銀行提供)
2024年3月1日号17面 ゆうちょ銀行、AIで特殊詐欺被害防ぐ、ATMサイネージから警告
ゆうちょ銀行は、警察庁と組み、特殊詐欺被害の防止に挑む。同行は、ATMの前で通話をする来店客の動きを判別して、デジタルサイネージ(電子看板)で警告動画を流す仕組みを、同庁と協力して構築。ATMに設置されたカメラを通じて人工知能(AI)が動作を高確率で検知し、犯人グループなどによる送金指示を水際で食い止める。特殊詐欺被害が社会問題化するなか、新たな防止策として注目を集めそうだ。
ゆうちょ銀と警察庁は2月20日、東京都内で特殊詐欺の啓発イベントを開いた。AIが通話動作を確認すると…
【写真】ATM前でAIが通話動作を確認すると、ATM上部のデジタルサイネージで橘慶太・警察庁特別防犯支援官(左)による警告動画と音声が流れた(2月20日、大手町プレイス)
2024年3月1日号18面 宮崎太陽銀行平和台支店、取引先の新商品発売支援
外部機関紹介し課題解決、情報共有とスピード重視
【鹿児島】宮崎太陽銀行平和台支店(黒瀬博之支店長=行員9人うち融資渉外4人。パート2人)は、黒瀬博之支店長が重視する「情報共有とスピード」を確保するため、毎朝のミーティングを欠かさない。渉外担当の宮崎雄大係長が、「印刷業者から新商品の売り出し方を相談された」と報告したのもこの席でのこと。外部機関と連携した支援が始まるきっかけとなった。
へいわ(宮崎市)は、大手企業とも取引する技術力に定評ある加工・印刷事業者。同社の池尻浩彰社長が開発したのは…
【写真】池尻浩彰社長(左)から加工・印刷機の説明を聞く黒瀬博之支店長(中央)と宮崎雄大係長(1月30日、へいわ)