ニッキン・2024年8月23日号

主な記事

2024年8月23日号1面 国内銀、伸び際立つ大口定期預金、3カ月で12兆円超増加

  • 預金

 国内銀行で大口定期預金残高が急増している。日本銀行の統計によると、預入額が「1千万円以上(大口)」の残高は6月末で120兆円に迫り、前年同月比16%増加。2024年度に入って伸びが目立ち、4月からの3カ月間で12兆円超膨らんだ。背景には金利上昇局面における法人顧客や銀行の行動変化がある。一方、際立つ伸びに対し、一部では必要以上の資金を貸し付けて預金に積み上げる「歩積両建」を疑う向きもでている。
 超低金利下で減少傾向が続いた定期預金残高は…

2024年8月23日号10面 再考地方創生(5) 取引先の課題、人材仲介で解消

  • 取引先支援

 人口減少時代を迎え、人手不足が日本経済の足かせとなっている。とりわけ地方企業では深刻な経営課題だ。そのため、企業支援に取り組む地域金融機関にとっても人材仲介業務の重要性が増している。単に人員の頭数をそろえれば事足りるというケースはまれで、経営人材やプロ人材を招いて次の一手を打ちたいという企業が少なくない。人材関連企業と組んで、地元企業と専門人材の橋渡し役を担っている地域銀行の姿を追った。

 ■パーソナルキャリア、地銀・信金130先と提携、成約率高めるサポート強み
 人材サービスを提供するパーソルキャリア(東京・千代田区)は、人材関連会社のなかで地方銀行や信用金庫との提携数がトップクラスにある。人材紹介業の許認可を取得した…

 【写真】パーソルキャリアが地域金融機関向けに開催した勉強会で意見交換する受講者たち(8月6日、東京都内)

2024年8月23日号2面 金融庁、サイバー対策強化促す、自己評価に基づく改善を

  • 法令制度政策

 金融庁は、地域銀行に対してサイバー攻撃対策の強化を求めていく。サイバーセキュリティーに関する経営計画を未策定のまま看過するケースや、インターネットに接続していない内部システムの対策が不十分などの不備があったため。モニタリングに加え、「サイバーセキュリティセルフアセスメント(CSSA)」の集計結果の還元などを通じて、改善を促す構え。
 金融庁は「(サイバー攻撃を)金融セクターのトップリスクの一つ」に…

2024年8月23日号3面 みずほFGや北陸銀行、キャリア助言の専担配置、傾聴で「モヤモヤ」解消

  • 人事施策

 銀行界で社内のキャリアアドバイザーを創設する動きが広がりつつある。画一的なキャリアパス見直しで行員が選べる「複線型」のコース体系への移行が進み、上司以外にも相談できる相手を求めるニーズが高まっているため。みずほフィナンシャルグループ(FG)と北陸銀行はサポート体制を整え、社員の言語化しづらい「モヤモヤした気持ち」を解消して仕事の意欲向上や、自律的なキャリア形成につなげている。
 みずほFGは、キャリアコンサルタントの国家資格を持つ社員…

2024年8月23日号4面 京都銀行、投信積立が月額30億円、顧客に資産防衛意識

  • 投信保険

【大阪】京都銀行は、新しい少額投資非課税制度(NISA)の制度拡充を踏まえて投資信託の自動積立(投信積立)の強化に取り組み、3カ年中期経営計画で立てた月度振替額30億円の目標を1年余りで達成した。月度振替額が30億円を超えるのは、地域銀では福岡銀行に次いで2番目。インフレに備えて資産防衛をしたい顧客も増えており、同行は中計期間内の目標を同40億円に引き上げる方針だ。

2024年8月23日号7面 JAバンク、個人向けにIBアプリ、振り込みや口座開設も

  • ネット・システム

JAバンク(農業協同組合・信用農業協同組合連合会・農林中央金庫)は、スマートフォンを使った非対面取引を強化する。全国の信農連とJAが8月19日、個人向けのインターネットバンキング(IB)機能を備えた「JAバンクアプリプラス」の提供を始めた。以前から取り扱う「JAバンクアプリ」とともに利用を推進し、既存客との取引深耕や新規客の獲得につなげる。

【写真】JAバンクが8月19日に個人向けに提供を始めた「JAバンクアプリプラス」

2024年8月23日号16面 金融労組界・2025年春闘 賃上げ水準が焦点、「非金銭的報酬」も議論

  • 人事施策

  金融労組は8~10月に上部団体が大会・総会を開催し、新組合年度がスタートする。2024年春闘は前年超えとなるベースアップ(ベア)3%以上を獲得する労組が相次いだ。賃上げを起点に業績向上を目指す「人への投資」が定着し始め、25年は賃上げ水準が焦点となりそうだ。「金利ある世界」に突入するなか、労使で中長期的な視点での議論が求められる。
 24年春闘は、物価高騰対策や従業員のモチベーション向上を目的に満額回答・満額超回答で妥結する動きが目立った。特にメガバンクは…

2024年8月23日号8面 大手生保4社、国内債含み損5兆6000億円、日銀YCC撤廃で拡大

  • 経営

 大手生命保険4社の2024年6月末の国内債券含み損は、3月末比3兆6399億円増の5兆6906億円に膨らんだ。有価証券全体では18兆8772億円の含み益だった。
 3月に日本銀行がイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を撤廃し、…

2024年8月23日号17面 パリパラ五輪、8月28日開幕、金融界から22人出場

  • 社会

 パリ2024パラリンピック競技大会が8月28日、開幕する。金融界からは、10競技22人(表)が出場を予定する。

 前回の東京パラリンピック(2021年)で金メダルの道下美里選手(三井住友海上火災保険)が女子マラソン(T12)に出場。4月の前哨戦(茨城県)では…

2024年8月23日号18面 北洋銀行北広島中央・大曲・西の里支店、交流促し、協力体制築く

  • 営業店

 窓口担当者が店内CM発案
 【札幌】北洋銀行北広島中央・大曲・西の里支店(浅野泰昭支店長=行員30人うち渉外3人。パート11人)は、行員同士が交流する機会を数多く創出し、協力体制を構築することで業績向上や業務改善につなげている。窓口担当者らは連携して少額投資非課税制度(NISA)などを紹介する店内CMを発案。顧客の反応は上々で、店頭セールスの話題づくりに一役買っている。
 2022年10月に着任した浅野泰昭支店長は、支店目標に全員で取り組む方針を掲げ、良好な職場の雰囲気づくりと活発なコミュニケーションに力を入れる。
 立場や所属を超えた意思疎通を促すため…

 【写真】NISAなどを推進する担当者(7月16日、北洋銀行北広島中央・大曲・西の里支店)

社説/ニッキン抄

学び (13面)

【Nikkin 金融講座】
私のターニングポイント(20) 北海道銀行第7法人営業部・渡邊 実央さん(下)
法人業務は一朝一夕ならず、“個人もできる”強み発見
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

預かり資産 (14面)

預かり資産営業の“お悩み”Q&A (32)
 市場価格調整の説明法
例示を用い一緒に考えてもらう
投信窓販優績者に聞く 高山信用金庫・田上 愛さん
仮説立てニーズ引き出す
投信レビュー 7月株式投信、円高で3兆6000億円減
「ニッキンONLINE」に掲載

レギュラー企画

寸言 金融リテラシーの向上へ(1面)=小牧 義弘・日本銀行情報サービス局長
東西ペンリレー 忘れ難き新潟の旧街道(9面)=小林 俊・日本銀行決済機構局FinTechセンター長
ちょっと一言 確率モデルで不確実性分析(9面)=周南公立大学 情報科学部教授・木島 正明さん
『日銀支店長』 地域支える責任を実践(16面)=松本支店長・真川 伸樹氏
『日銀支店長』 長期繁栄の底力に期待(16面)=北九州支店長・森下 浩文氏
『日銀支店長』 足を運び 対話深める(16面)=長崎支店長・伊藤 真 氏
『初支店長 [865]』 苦境でもあきらめない(18面)=福井信用金庫森田支店・下田 渉 氏
『スマイル』 ファンを増やしたい(18面)=中央労働金庫・石垣 玲花さん

企画・特集・連載など

インタビュー(4面)
「ニッキンONLINE」に掲載
藤原 一朗・名古屋銀行頭取
現地現物から学ぶ
インタビュー(5面)
「ニッキンONLINE」に掲載
朝瀬 久・かんそうしん社長
50周年で「挑戦と社会貢献」
インタビュー(6面)
「ニッキンONLINE」に掲載
林 稔・城南信用金庫理事長
職員のアイデア生かす
FIT大阪2024 (11面特集)
 9月5日(木)・6日(金)開催
最新ICT・DX展示、「地域の未来」を共創
インサイト
 キーパーソンに聞く <129>(12面)
乾 亮太・フューチャーアーキテクト取締役金融サービス事業担当
収益高度化に貢献
2024年3月期・全国254信金決算短信 (15面特集)
ザ・フロント・バンカーズ(31)(18面) 著:江波戸 哲夫氏

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