ニッキン・2024年5月10日号

主な記事

2024年5月10日号1面 地域金融機関、膨らむ普通預金が重荷に、利上げ追随で“即”打撃

  • 経営

 金融機関で異次元金融緩和下に積み上がった普通預金の利払い負担が重荷となりそうだ。国内銀行の同残高は2024年2月末で過去最高の620兆円を超え、預金全体の6割に達する。収益力の低い地域金融機関では、日本銀行が示唆する段階的な利上げ局面で“大手行追随”の金利改定スタンスを維持した場合、「量」「割合」の両面で本業利益に打撃を与える可能性がある。
 国内銀の預金残高は足元で976兆円と、異次元緩和開始前(13年3月末)から340兆円以上増え…

2024年5月10日号8面 特集 【読者アンケート】マイナス金利解除

  • 法令制度政策
  • 特集

 評価高くも時期「遅すぎ」3割超、貸出金利上げ交渉に不安
 日本銀行が3月にマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに政策金利を引き上げた。金融界では預金金利の引き上げが広がり、今後は貸出金利の引き上げ交渉も本格化してくる。事業環境のパダイムシフトとなる「金利のある世界」をバンカーはどう受け止めているのか。日銀の大規模緩和見直しに対する評価や業務への影響などについて、本紙読者にアンケートをした。

 【写真】多くの金融機関が並ぶ東京都千代田区の永代通り

2024年5月10日号2面 銀行・信金、若手の中途採用機関7割増、新卒辞退者に「ファストパス」も

  • 人事施策

 銀行・グループ(G)や信用金庫は、社会人経験3年以内の「第二新卒」採用に乗り出している。2024年度には23年度比7割増の78先が実施する。転職支援会社経由が多いが、新卒採用選考での内定辞退者を再受験時に優遇する「ファストパス」制度を導入し、自社への転職潜在層として他社に入社後も関係を維持する動きが出始めている。
 ニッキンが銀行・G、大手信金(1月末時点の預金量上位50信金)156先を調査した。第二新卒は新卒入社後3年目以内の転職市場で、ビジネスマナーなど基礎知識があるため…

2024年5月10日号3面 金融界、「物流24年問題」を解決、三井住友信託銀行は上流支援

  • 取引先支援

 4月からトラック運転者に時間外労働の上限規制が適用され、人手不足が深刻化する運送・物流業界。三井住友信託銀行は荷主企業を中心に幅広い業種で中長期の物流戦略の策定支援などに注力する。2024年度には物流コンサルティングの累計実績100件を目指す。地域金融機関ではスタートアップと連携し、運送会社向け支援策を拡充する動きが広がっている。
 三井住友信託銀は情報開発部内の物流ソリューションチーム(7人体制)が課題解決に奔走する。現場視察や面談による現状評価をしたうえで…

【写真】エンステムが提供するスマートウオッチを活用したドライバーの安全・健康管理サービス「Nobi for Driver」

2024年5月10日号4面 福井銀行G、「延伸」機にキャッシュレス化、タクシーなど取扱高23%増

  • 地域貢献
  • 為替・決済

 【金沢】福井銀行グループ(G)は、北陸新幹線が3月に敦賀(福井県)まで延伸したのに合わせて、福井県内全域のキャッシュレス化を進めている。首都圏などとのアクセス向上で国内外から観光客増加が期待されるなか、決済手段の多様化が利便性向上の鍵となるためだ。
 福井カードが福井銀行、福邦銀行と連携し、2023年度には前年度の約1.5倍となる800件超の新規加盟店を獲得。24年3月の加盟店取扱高は

【写真】同行グループの提案でキャッシュレス端末を導入した料理店(4月15日、福井市内のフレンチバル「エノバル」)

2024年5月10日号6面 特集 信金・信組、押し寄せる預金減少の波、人口減少・割れる戦略

  • 預金
  • 特集

 信用金庫や信用組合に、預金減少の波が押し寄せている。信金業界の前年同月比の預金残高は全体として微増しているものの、個別では2024年2月末に全254信金のうち半分で減少した。信組業界も全体としては増加しているが、「特に地域信組では預金減少に対する問題意識は信金以上」(全国信用協同組合連合会幹部)という。全国で少子高齢化が加速するなか、法的な制約によって顧客基盤が限定される信金・信組は経営戦略の見直しを迫られている。

 ■定期性減少が足かせに
 「定期性預金が、予想していなかった勢いで減っている」。東海地区の信金理事長は…

2024年5月10日号7面 特集 能登半島地震から4カ月、事業再開支援が本格化

  • 地域貢献
  • 特集

 復旧・復興フェーズへ
 【金沢】1月1日の能登半島地震から4カ月が過ぎ、災害支援から復旧・復興にフェーズが移り始めた。被災地域を営業基盤とする興能信用金庫・のと共栄信用金庫は、事業再開を目指す企業の支援を本格化している。上下水道や道路網などのインフラが依然として復旧途上にあるなかで事業再開に挑む事業者と、それを支える信金の奮闘を追った。

 ■興能信金、寄り添い早期再開促す
 興能信金は4月1日、住民の生活再建・事業者支援を目的とする「能登復興支援部」(7人)を新設した。能登地区の7市町をそれぞれ担当する。
 国や県から多様な支援制度が用意されたが…

 【写真】塩田村の状況を説明する石田尚史社長(左から3人目)と中野文彦・興能信金珠洲支店長(同4人目、4月19日、奥能登塩田村)

2024年5月10日号10面 やさしいニュース解説 何の役に立つ?地方税統一QRコード

  • ネット・システム

 広がるか非対面納税、金融機関と地公体の事務改善
 QRコードを活用して地方税を納付する全国統一の取り組みが始まってから、4月で1年が経過しました。固定資産税や自動車税種別割などの納付書に印刷されたQRコードを読み取ると、地方税ポータルシステム「eLTAX」(エルタックス)を通じて電子納付ができる仕組みです。納税者が金融機関の有人窓口で納付する場合と比べ、金融機関と地方公共団体の双方の事務作業が大幅に軽減されます。国はこのような電子化を一段と進めて、事務コストの削減と納税者の利便性を高める方針を打ち出しています。

 ■繁忙期の順番待ち解消へ
 2023年4月、地方税統一QRコード(eL‐QR)を活用した納付方法が全国で導入されました。対応済みの地公体は…

2024年5月10日号15面 特集 注目金融時事用語

  • 人事施策
  • 特集

 デジタル革命、新しい金融法制、国際的な潮流の変化、ポストコロナ――。金融業界は100年に一度の変革期を迎えている。未知の時代を担う新社会人向けに、最新の金融事情を知るための必須ワードを解説する。

 ■インターバンク市場
 金融機関が資金の運用や調達に利用する金融市場のこと。円やドルなどの通貨を売買する外国為替市場の一つ。このうち…

 【写真】企業価値担保権を創設する新法案は今国会で成立見通し

2024年5月10日号18面 朝日信金金町支店、渉外・内勤が“全員営業”

  • 営業店

 窓口情報から借り換え提案
 朝日信用金庫金町支店(吉崎剣人支店長=職員11人うち渉外3人)は、渉外担当者と内勤職員が一体となった“全員営業”を運営方針に掲げる。窓口からのトスアップ情報を借り換え融資につなげたり、医療法人に重点を置いた推進で成果をあげている。2023年度は預金が前年度比5.1%増、貸出金も同11.2%増。2022年度上期から3期連続でグループトップを収めている。
 営業面において、外回りが少ない同店では内勤職員が果たす役割も大きい。渉外役席を講師にほぼ毎日、預かり資産や住宅ローンなど…

 【写真】渉外担当や内勤職員も含め情報交換を密にする(4月18日、朝日信用金庫金町支店)

社説/ニッキン抄

学び (13面)

【Nikkin 金融講座】
私のターニングポイント(5) 堤 裕倫・熊本第一信用金庫 理事審査第一部長兼代理業務部長(上)
熊本地震で目にした惨状、復興へ決意「すぐ動き出そう」
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

預かり資産 (14面)

預かり資産営業の“お悩み”Q&A (17)
 目標設定へのプロセス
分かりやすく目的を具現化
投信窓販優績者に聞く 福岡銀行・小迫 莉奈さん
メリットを平易な言葉で
苦情に学べ モニタリング結果から読み解く

レギュラー企画

寸言 顧客本位の業務運営(1面)=伊野 彰洋・関東財務局長
東西ペンリレー 全国を訪れ飲む日本のお酒(9面)=明石 衛・第一フロンティア生命保険代表取締役社長
ちょっと一言 納得するまで練習を(9面)=女優・玉田 志織さん
『初支店長 [850]』 何度も訪れたい支店へ(18面)=尾西信用金庫西成支店・田中 俊毅氏
『スマイル』 満期案内に自筆の手紙(18面)=広島市信用組合・安原 由理さん

企画・特集・連載など

インタビュー(3面)
 「ニッキンONLINE」に掲載
金沢 敏郎・日本銀行発券局長
新紙幣、円滑な流通へ
伴走支援の現在地
 ~中小機構と組む~ [3](3面)
伊予銀行
専門家の知見活用
インタビュー(4面)
 「ニッキンONLINE」に掲載
助川 和浩・東日本銀行頭取
企業を支えともに成長
インサイト
 キーパーソンに聞く<116>(12面)
水野 善仁・トラスト&ファイナンス法務事務所代表
家族信託の普及に尽力
羽ばたく新人へ私の仕事秘話 [5](16面) 福岡中央銀行・栗原 可菜子さん
伴走支援の喜び実感
ザ・フロント・バンカーズ(16)(18面) 著:江波戸 哲夫氏

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