ニッキン・2024年9月13日号

主な記事

2024年9月13日号1面 人件費 伸び率に差、都銀24%、地域銀行1%未満

  • 人事施策

 銀行界の人件費の伸びに業態差が生じている。全国銀行協会の統計によると、2023年度の人件費は都市銀行が22年度に比べて24%超増えたのに対し、地域銀行の伸び率は1%に満たなかった。都銀は歴史的高水準の賃上げに加え、国際的な相場観を意識したハイレベル人材の積極採用などが人件費を押し上げた。地域銀も賃上げは行ったものの、離職者増や採用難による人員不足が影響し、人件費総額の伸びは抑えられた。
 23年度の人件費は、都銀が…

2024年9月13日号1面 防げ介護離職(上)在宅勤務とSNSが支え

  • 人事施策

 「入居金で1人1千万円するのか」――。三菱UFJ銀行本部に勤務する渡辺紀子さん(仮名、50代)は東京都内の老人ホームを見学し、呟いた。2人の妹は遠方で暮らし、最も近い自分が「両親を介護する」と決めた瞬間だった。2020年から約3年間、働きながら介護した渡辺さん。両立できたのは、銀行による柔軟な働き方支援と、行員が介護の悩みを共有できる社内SNSの存在が大きかった。…

【写真】介護で悩む行員の助けになればとSNSへの投稿を心掛ける渡辺さん

2024年9月13日号2面 住宅機構、融資分野をデジタル化、AIで審査の質・速さ向上

  • 融資

 住宅金融支援機構は、審査の質や速さの向上などを目的に、融資分野でのデジタル化を急ぐ。10月から、住宅ローン「フラット35」において、融資分野で初の人工知能(AI)活用となる「AI審査モデル」を導入する。不適正な利用案件を検知するもの。同モデルの稼働状況を踏まえ、与信審査でのAI活用も検討する。
 AI審査モデルは、2023度末までに蓄積した…

2024年9月13日号3面 銀行界、統合報告書、「見せ方」工夫、「多過ぎ」でMUFG刷新

  • 経営

 銀行界で統合報告書の「見せ方」を工夫する動きが広がりそうだ。開示情報の充実と並行して、その厚みが年々増しており、5年以上統合報告書の発行実績がある32の銀行・グループ(G)の2024年3月期の平均ページ数(本編)は約100ページ(9月9日時点)。4年前と比べ約30ページ増えている。一方、投資家からは「多過ぎる」との声もあり、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)はレイアウトや掲載内容を刷新した。
 MUFGが7月にデジタルで発刊した統合報告書では…

【写真】レイアウトを変更し、ページ数を減らしたMUFGの統合報告書

2024年9月13日号4面 地銀、医療機関へクラウドファンディング、地域に支援の輪広げる

  • 取引先支援

  地方銀行が、取引先の医療機関が抱える課題の解決手段として、クラウドファンディング(CF)を利用している。資金調達だけでなく、地域に支援の輪を広げるなど中長期的な効果を狙う。医療機関側の認知も進んでおり、提携先のCFサイト運営業者に対して案件を紹介するケースが今後一段と増えそうだ。
 医療機関が実施するCFは、支援者がリターンを求めない「寄付型」が大半だ。支援金額によっては…

2024年9月13日号5面 山口FG、柑橘の生産者支援、商品化やクラウドファンディングで

  • 取引先支援

  【広島】山口フィナンシャルグループ(FG)は山口県オリジナル柑橘2種の一次生産者を支援する。グループの地域商社やまぐちが、「長門ゆずきち」と「せとみ」を商品化して販売。同じグループ企業のKAIKAは寄付型クラウドファンディング(CF)を企画し、山口銀行やグループ社員が参加する収穫ボランティアも実施した。
 周防大島はかつて「みかんの島」と呼ばれたが、柑橘生産は2020年は7010トンでピークだった1975年の10%程度に落ち込んだ。せとみは…

【写真】長門ゆずきちの収穫ボランティアを行った(地域商社やまぐち提供)

2024年9月13日号10面 改革の旗手 山崎徹・山陰合同銀行頭取、対話から描く成長ストーリー

  • 経営
  • 特集

 本店を構えるのは全国で2番目に人口が少ない島根県。隣県の全国一人口が少ない鳥取県を合わせた2県がマザーマーケットだ。少子高齢化が進む課題先進地域でもあり、「他地区の地域銀行と同じことをしていては成長できない」という危機感は人一倍強い。副頭取時代に野村証券と提携し、証券子会社を解散するという地域銀初の試みに挑戦。2020年の頭取就任後も、再生エネルギーの子会社設立や外国人社外取締役の登用など、過去の常識やメンツにとらわれない大胆な改革を進める。

 ■「退職願い」が原点
 株主や行員などステークホルダーの率直な意見を真摯(しんし)に受け止め、改革の原動力とする。若いころは上意下達の組織構造、本部や…

 【写真】「当行のミライを考える会」で行員と会話する山崎徹頭取(右、山陰合同銀行提供)

2024年9月13日号11面 大手損保、半導体工場の保険料上昇、データセンターに外資参入

  • 投信保険

 大手損害保険会社では、2024年7月以降、古い半導体工場の火災保険料を引き上げたり、引き受け自体を厳格化する動きが活発化している。スプリンクラーなどの設置が不十分で、火災対策が遅れている工場物件が主な対象。一方、最新の工場やデータセンターなどでは外資系損保が盛んに営業攻勢をかけている。
 20年10月に旭化成エレクトロニクス、…

2024年9月13日号15面 特集 事件特集(下)・強盗・その他(2024年1~6月)

  • 社会
  • 特集

 強盗4件減も被害額増
 2024年1~6月(上半期)に金融機関で発生した店舗強盗事件は3件(日本防災通信協会調べ)で、前年同期比4件減少した。ただ、郵便局で起きた2事案はいずれも多額の現金被害(最高額は約90万円)があった。システム障害も多数発生。委託先のシステムがコンピューターウイルスに感染し、銀行業務に支障をきたすケースが複数みられ、「サードパーティー(第三者)リスク」を強く意識させる格好となった。
 社会人としての…

2024年9月13日号18面 京都銀行精華町支店、「地域みらい共創」で成果

  • 営業店

 伴走支援からメイン行へ
 【大阪】京都銀行精華町支店(島田明典支店長=行員16人うち得意先3人)は、地域にとって大事で将来に残したい会社や、成長を後押ししたい会社を伴走支援する「地域みらい共創事業」で成果を上げている。同店が選定したのはメイン取引先でもサブ取引先でもない2社。そのうち1社は7月に同店をメインバンクに変えた。島田支店長は約2年で事業性融資を約24億円増加させている。
 地域みらい共創事業は、京都フィナンシャルグループが4月に創設。投融資枠1千億円を設定…

 【写真】商品の特徴を説明するサンシードの桃井秀幸社長(右手前)と、島田明典支店長(左手前、9月4日、サンシード)

社説/ニッキン抄

学び (13面)

【Nikkin 金融講座】
私のターニングポイント(23) 北国フィナンシャルホールディングス経営管理部コンプライアンスグループ長・霜村 良子さん(上)
先輩との出会い、スキル磨く契機に、仕事と子育てを両立
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

預かり資産 (14面)

預かり資産営業の“お悩み”Q&A (35)
為替リスク説明のポイント
事例を交えて簡潔に説明を
投信窓販優績者に聞く 北海道銀行・平野 亜実さん
選びやすい提案重視
推しファンド フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド

レギュラー企画

寸言 「北極星」に向かって(1面)=道廣 剛太郎・三十三フィナンシャルグループ社長
『一人一言』 中核企業育てられる存在に(6面)=森垣 裕孝・但馬信用金庫理事長
東西ペンリレー 「私にはこう見えるけど」(9面)=八幡 道典・金融庁総合政策局参事官
ちょっと一言 仲間がいたからこそ(9面)=北限の海女・中川 やえ子さん
『横顔』 「誠心誠意」職務全う(16面)=四国財務局長・大島 朗 氏
『初支店長 [868]』 バトンをつなぐ(18面)=大牟田柳川信用金庫・大曲 信子氏
『スマイル』 場数踏み“コミュ力”磨く(18面)=愛媛銀行・利田 柚紀さん

企画・特集・連載など

インタビュー(3面)
「ニッキンONLINE」に掲載
山下 隆一・中小企業庁長官
事業承継税制の改善継続
FIT大阪2024(8面特集) DX強化へ2551人来場
インサイト
 キーパーソンに聞く <132> (12面)
大西 正晃・キー・ポイント代表取締役
グループメールに注力
ザ・フロント・バンカーズ(34)(18面) 著:江波戸 哲夫氏

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