2024年5月31日号2面 金融庁 政策保有株の開示に疑念、銀行に自己点検求める、「実質的な対応」促す
金融庁は、政策保有株式の情報開示について、銀行自身で対応を点検するよう求める。問題視しているのは、一部の上場企業で見られた、保有目的が具体的に記載されていない事例だ。政策保有目的から純投資目的の株式に区分変更したものの、継続保有している状態と変わらない事例にも懸念を示している。一部の銀行でも同様の課題が見られ、「形式的な対応をしているならば、実質的な対応をすべき」(同庁関係者)として改善を促す考え。
金融庁は、3月に公表した有価証券報告書レビューの審査結果とその結果を踏まえた留意すべき事項のなかで…
2024年5月31日号3面 大手行、外貨繰り耐性・強化進む、保守的想定でテスト
大手行で外貨流動性リスクに対する管理体制の強化が進んでいることが、金融庁と日本銀行の共同調査で明らかとなった。コロナ禍初期の市場急変動(2020年春)や米欧信用不安(23年春)を踏まえ、外銀の先進事例を参考にストレステストを厳格・精 緻(せいち)化する動きが加速。安定調達の拡充など一段高いリスクへの備えを講じる先が目立ち、「ストレス耐性は従来に比べ着実に強化されている」(金融庁・日銀)実態が鮮明となった。
海外事業の収益寄与が高まるメガバンクなどでは…
2024年5月31日号4面 しずおかFGと名古屋銀行、健康経営を高度化、アライアンス生かし課題共有
【静岡・名古屋】しずおかフィナンシャルグループ(FG)と名古屋銀行は、健康経営分野でノウハウを共有、アライアンスを生かし、取り組みを高度化させている。しずおかFGは3月に健康経営銘柄に初めて認定。名古屋銀も健康経営優良法人として2年連続で50位以内に入った。人的資本経営の側面からも注目される健康経営。高度化の背景には、双方の人事部門による人的交流や課題の共有があった。
しずおかFGは、2017年に静岡銀行グループとして健康経営宣言を制定し…
2024年5月31日号10面 特集 再考 地方創生(2)、観光需要に開拓余地
縮小する地方経済をカバーする有力な手段にあげられる観光。訪日外国人数は3月、4月に2カ月連続して300万人を超え、急速に回復する。一方で、2023年の外国人の宿泊地域は3大都市圏が7割超を占めるなど、地方ではインバウンド需要を十分、取り込めていない。コロナ禍で膨らんだ債務問題もある。観光産業の活性化に動く山梨中央銀行、ひろぎんホールディングス、地域経済活性化支援機構(REVIC)を取材した。
■山梨中央銀行、訪日客の県内周遊増やす、独自視点でツアー企画
日本最高峰・富士山を擁する山梨県。富士急行線河口湖駅には、秀麗な山を見ようと連日多くの観光客が訪れる。他県もうらやむ観光資源だが…
【写真】都内で外国人観光客に街頭インタビューを実施した(4月10日)
2024年5月31日号16面 三菱UFJ銀・横浜銀など9行、自行ブランド価値向上へ、行員の特集記事発信
三菱UFJ銀行や横浜銀行など9行は、活躍する行員のインタビュー記事を通じて、自行のブランド価値を高めている。採用競争力の強化に向けてイメージを高める狙いがあるほか、行内に対しロールモデルの可視化などにつなげたい考え。PR Table(テーブル、東京都)が提供する「talentbook」のサイトを活用して魅力を発信する。
横浜銀は2023年9月にtalentbookを活用し…
2024年5月31日号15面 三菱UFJアセットマネジメント、「eMAXIS Slim」10兆円
平均保有は5.2年
三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim」シリーズが5月15日に純資産総額10兆円を突破した。14ファンドを取りそろえ、ノーロード型インデックス投資信託として他を圧倒する。同シリーズの平均保有年限は4月末で5.2年(過去6カ月平均)。これは上場投資信託(ETF)と公社債を除く業界平均(全公募投信)の3.9年を大幅に上回る。
Slimシリーズは2017年2月に4ファンドで開始。設定当初から信託報酬を含む“業界最低水準の運用コスト”を標榜し…
【写真】「資産運用業の発展にはインデックス投信の成熟化が欠かせない」と話す代田秀雄常務
2024年5月31日号17面 米子信金、インスタフォロワー5000人突破、取引先発信・再生3万動画も
【広島】米子信用金庫(鳥取県、青砥隆志理事長)の公式インスタグラム「よなっこ通信」のフォロワー数が5千人を超えた。5月27日時点のフォロワー数は5212人。4月3日に投稿した2024年度新入職員を紹介する動画の再生回数は過去最高3.2万回を超え、その他の投稿動画の平均再生回数も増加傾向。地域の注目度は高まっている。
よなっこ通信は「山陰のすてきなお店を紹介!」をテーマに取引先の情報発信に貢献したいという狙いで始まった。7月に開設5周年を迎える。現在、投稿は週2、3回。異なるコンテンツの…
【写真】ねこルーム設計施工の「きじとら」岡田誠・代表取締役(左)を撮影するよなっこ通信の運営メンバー(5月16日、米子市)
2024年5月31日号18面 伊予銀行新居浜支店、プロセス管理徹し収益増
組織力高め好循環生み出す
【高松】伊予銀行新居浜支店(佐々木信幸執行役員支店長=行員・スタッフ68人うち渉外16人)は、プロセス管理に徹したことで収益の大幅増に成功している。生き生きと働ける職場環境など、好循環を生み出す組織づくりが奏功。プロセス重視の店舗運営で、2023年度は法人コンサルティング収益が計画値の2倍超となる2億1400万円に上るなど成果をあげている。
5カ店の店長を歴任してきた佐々木支店長は、約10年前から成果目標を廃し、プロセス目標を根幹とした運営に移行。変更直後の業績の急激な落ち込みから…
【写真】佐々木信幸支店長の働きかけで発足した「チームBNS」は3カ月に1度の頻度で勉強会や情報交換の場を設けている(5月14日、新居浜市内のホテルで)