2022年6月3日号2面 実像 岐路の債券運用~金利が上がる時代~(上)「急旋回」のFRB、動けぬ邦銀
金融機関の有価証券運用が岐路に立たされている。海外の中央銀行がコロナ禍を受けた大規模金融緩和から「引き締め」にかじを切り、米FRB(連邦準備制度理事会)は利上げを加速。残高を積み上げてきた外国債券は価格低下(金利上昇)で含み損が急拡大しているためだ。超低金利環境下、収益を下支えしてきた債券運用が大きな下振れリスクに変わりつつある。「金利が上がる時代」の針路を探る。
2022年6月3日号3面 金融庁、新設店の平日休業緩和、届け出制で戦略後押し
金融庁は、銀行や信用金庫が新規出店する際に平日を休業日として設定しやすくなるよう規制を緩和する。これまでは同庁の事前承認を義務付けていたが、今後は届け出のみに手続きを簡略化する。具体的な活用ニーズは未知数だが、土・日曜日に営業して平日に休業するリテール向け店舗などの出店がしやすくなる可能性がある。
金融機関の平日休業は…
2022年6月3日号4面 地銀共同センター・MEJAR、業務アプリを相互利用、サイバー対応でも連携
NTTデータの勘定系システムを共同利用する京都銀行など13行が加盟する「地銀共同センター」と、横浜銀行など5行がメンバーの「MEJAR(メジャー)」の2陣営が連携し、第1弾として業務アプリを相互利用できるスキームを構築した。先発行のアプリを利用行が短期間に低コストで実装できる仕組みで、先発行も利用行から相応の対価を得られるメリットがある。
2陣営は2021年11月にワーキンググループを発足。MEJARの横浜銀と地銀共同センターの幹事5行の担当者は…
2022年6月3日号6面 富山銀行、「家族憲章」が軌道に、策定検討中は30社
企業の永続発展支える
【金沢】富山銀行は、家族経営の中小企業向けに実施している「家族憲章」策定支援が軌道に乗り始めた。コンサルティングサービスの一つで、名称は「永続企業支援サービス」。2020年に全国で初めて導入してから2年が経過し、顧客の関心が高まっている。
同行の取引先には、家族経営の中堅・中小企業が多い。それらの企業は、事業承継が円滑に進まないなどの課題を…
2022年6月3日号9面 大垣西濃信金、取引先つなぐアプリ開発、名刺交換・マッチングに特化
経営者組織へ有料提供
【名古屋】大垣西濃信用金庫(岐阜県、栗田順公理事長)は6月1日、名刺交換やビジネスマッチング機能に特化したアプリを稼働させた。経営者会組織向けに提供していたマッチングサイトのアプリ版を開発。地域内でのマッチング強化が狙いで、両機能を搭載したアプリを開発するのは全国的にも珍しい。
同信金は、経営者懇話会などの会員企業同士が交流できる「マッチングサイト“絆”」を運用。2017年度から184件のマッチングが…
【写真】スマートフォンアプリでQRコードを読み込むだけで名刺交換ができる
2022年6月3日号11面 全国金融機関の2022年3月末資金量上位200、増加率3.5%に鈍化
全国金融機関の2022年3月末の資金量上位200(ニッキン調べ)がまとまった。合計残高は1283兆9026億円で前年同月から3.5%増加した。伸び率は前年同月の実績(5.9%増)から2.4ポイント低下した。コロナ禍に伴う預金増加が目立った前年同月と比べると、増加率が鈍化傾向になっている。
全体の90%にあたる180機関では残高が増加した。なかでも3機関が…
2022年6月3日号18面 地銀協、DX推進でウェブキャンプ、講師と面談し現状を可視化
全国地方銀行協会は7~9月、会員行のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するためのウェブキャンプを開催する。DX推進担当役席者を対象に、DXに関する参加行の現状と地銀が目指すべき水準とのギャップを客観的に認識し、とるべき施策を明確にするのが目的。講師を務めるコンサルティングファームが参加行と複数回の個別面談を行い、現場により深く入り込んで現状や課題を分析し今後の取り組みを検討する。
講師は「デロイト トーマツ コンサルティング合同会社」が務める。7月22日の全体講義では、…
2022年6月3日号16面 特集 金融審議会とは、制度作成へ重要な役割
金融制度がどのような手順で作られるかご存じだろうか。その検討過程で重要な役割を果たすのが金融審議会と呼ばれる組織だ。現在は傘下で「市場制度」と「ディスクロージャー」のワーキング・グループ(WG=作業部会)が活動中という。組織の中身をのぞいてみた。
中央省庁は、新法制定や既存の法律を見直す際に、実務・学識経験者や業界団体などから参考意見を聞く諮問機関をそれぞれ設置している。法制審議会や中央教育審議会と呼ばれる組織で…
2022年6月3日号20面 大光銀行安田支店、課題解決支援、複数提案しニーズ喚起
心に残る伝え方を工夫
【新潟】大光銀行安田支店(中嶋俊介支店長=行員10人うち営業4人。嘱託2人、パート1人)は、同店が基本方針に掲げる「お客さまにマメに対応し、目をかける」姿勢を心掛け、取引先と信頼関係を築いている。営業担当者は訪問のたびに売り上げ向上や業務効率化策などを提案。すぐに成果として表れなくても視点を変えたアイデアを数多く投げかけることで、ニーズ喚起につなげている。
中嶋俊介支店長は、2020年10月に初支店長で着任。コロナ禍で売り上げ減少などに苦しむ企業が多い現状から…
【写真】業務効率化などについて話し合う(左から)営業担当副長、中嶋俊介支店長、中村満エムテック代表取締役(5月11日、エムテック)