2022年8月26日号2面 実像 次期日銀総裁の要件 市場機能復元へ、「実務者」待望論
2023年4月に任期を終える黒田東彦・日本銀行総裁。異次元金融緩和の発動から9年超が経つも、日銀が望む形での「2%物価安定目標」の達成には遠い。一方、大胆な政策対応の長期化で副作用は深刻さが増し、米欧など海外中央銀行が金融引き締めを早める現局面では、金利抑制の強硬策による市場の“歪(ゆが)み”が一段と表面化。マーケットでは実務的手腕などに期待し、日銀出身者が次期総裁の有力候補にあがる。硬直化した金融政策からの脱却が課題ともされる「ポスト黒田」の総裁像に迫る。
【写真】昨今の強硬的な政策対応への批判は高まるが、日銀マンが長年、培ってきた知見や手腕に対する期待は厚い(写真は日銀本店外観)
2022年8月26日号3面 証券監視委、銀証の壁対応を重点検証、仕組み債販売態勢も注視
証券取引等監視委員会は2022事務年度(22年7月~23年6月)のモニタリングで、銀・証ファイアーウォール(FW)規制の緩和を踏まえた対応や、仕組み債の販売態勢を重点的に検証する。FW対応は、3メガ銀行グループの証券会社を主な対象とする。仕組み債販売では、地域銀行系の証券会社も注視する。
銀証の壁は6月に緩和され、同一グループの銀行と証券会社が国内上場企業の非公開情報を…
2022年8月26日号4面 地銀界、「物言う株主」対策急ぐ、協会が講座、総会運営を考察
地方銀行界では、アクティビスト(物言う株主)らによる高度な株主提案への対応が急務となっている。2022年6月の定時株主総会では一部地銀が海外投資ファンドから増配要求を受け、他の地銀でも警戒感が高まる。全国地方銀行協会は23年総会でも同様の動きを想定し、11月8日に金融法務講座として「株主総会対策講座」を初めて開催する。会員行の株主総会担当者がアクティビスト対応などを学ぶ。
英国の投資ファンド、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズは、22年に地銀4行の株主総会で株主還元の強化を迫った。同議案には…
2022年8月26日号5面 りそな銀行、事業承継ビジネス強化、ファンド出資5年で20件
担当人員を倍増へ
りそな銀行は、中堅・中小企業の事業承継をスムーズに進めるためグループのファンドが出資して経営に参画し、企業価値を高める取り組みを加速させる。これまでに500件近くの相談が寄せられており、2022年度中には新たに2件へ投資し、今後5年で20件程度の支援を目指す。増加する案件に対応するため担当人員を倍増させる構えだ。
岩永省一社長はインタビューで、「経営改善・競争力強化がキーワード。伴走型で事業承継を支援する」と語った。対象は安定したキャッシュフローがありながら事業承継に課題を抱える…
2022年8月26日号6面 広島銀行、与信・請求代行が好調、5年間で100社めざす
【広島】広島銀行では、与信・請求業務を代行し売掛金保証を行う全国初のサービス「ひろぎんBill」が好調に推移している。マネーフォワードケッサイ(東京都)と提携し、2021年5月に開始。インボイス制度が始まる23年10月を見据え、26年までに100先導入を目指している。
同サービスは、法・個人事業主が掛け売りする際、負担となる与信審査や請求書発行・発送、入金管理などの一連の請求・決済業務を代行する。利用者は、手間のかかる請求・決済業務を大幅に…
2022年8月26日号7面 福岡銀行、請求書ボックス試験提供、企業の電子保存に対応
【福岡】福岡銀行は、8月8日~12月30日、Fusic(福岡市)と協業し、取引先の請求書電子保存業務の対応を支援するため、「請求書ボックス」を試験提供している。インボイス制度など、企業が対応すべき各種制度や受発注業務から銀行決済までの業務効率化をサポートする。
同サービスは、電子保存義務が課されている電子メールやクラウドサービスで受け取った請求書ファイルを同ボックス内に一括で電子保存できる。(1)請求書電子送付(2)請求書の登録(3)請求書の電子保存に対応…
2022年8月26日号8面 信金界、指定代理人制度が拡大、高齢化に伴う取引対応急務
小松川信金など開始
信用金庫界では、顧客の高齢化に伴う取引対応が急務となるなかで、「指定代理人制度」の導入が増えている。認知・判断能力を喪失する前に指定代理人を届け出る制度を活用し、将来にわたって安心できる長期取引や店頭でのトラブル回避につなげる狙いだ。
小松川信用金庫(東京都)は、7月までに預金取引の「指定代理人制度」と、将来の認知能力低下に備えて事前登録する「指定代理人制度そなえ」の取り扱いを開始した。代理人ができる取引は、預金の入出金(当座預金を除く)、残高証明書の発行、…
2022年8月26日号19面 Shikokuブランド、みらいおきなわと物産展、元百十四銀行員が橋渡し
【高松】四国地区地方銀行4行(阿波、百十四、伊予、四国)が出資して設立した地域商社Shikokuブランドは、高松三越の催事スペースで沖縄銀行の地域商社みらいおきなわと連携して物産展を開催した。8月17~22日の期間中、沖縄の銘菓を四国で販売し、事業者の販路拡大や互いの地域活性化を後押しすることが狙いだ。
両社の橋渡し役になったのは、元百十四銀行員で現在は沖縄銀行員としてみらいおきなわに出向する…
【写真】来店客に商品の説明をする担当者(左、8月17日、高松三越)
2022年8月26日号20面 山陰合同銀行米子西支店、人事コンサル、採用や評価の新制度設計支援
本部連携で5社に提案
【広島】山陰合同銀行米子西支店(山根寛樹支店長=行員18人うち法人営業9人。パート2人、準職員8人)は、人事コンサルティングの提案に力を入れている。中小企業の事業拡大や採用計画の実現を後押しするのが狙い。人事制度の構築支援を開始した2021年6月以降、5社を本部につないだ。社長や従業員のヒアリング、課題整理などを通じて、オーダーメイドの人事制度設計をサポートしている。
山陰合同銀は「地域と顧客の夢をかなえる創造的なベストバンク」を理念に掲げ、全員コンサルプロジェクトを2021年度からスタート。米子西支店は…
【写真】カンダ技工の新工場について中山清会長(左端)から説明を受ける山根寛樹支店長と担当者(右端、8月10日、境港市)