2022年10月28日号1面 地域銀行が懸念、新私的整理活用に壁、「第三者専門家」15県でゼロ
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4月に創設された中小企業の新たな私的整理手続きを巡り、地域銀行から地方での活用に“壁”があるとの指摘が出ている。手続きには認定を受けた弁護士や公認会計士など「第三者支援専門家」の関与が必要だが、半数以上は東京都に集中し、15県では1人もいないためだ。ある地域銀は「地元の専門家を増やしてほしい」と訴える。
新たな私的整理手続きは…
4月に創設された中小企業の新たな私的整理手続きを巡り、地域銀行から地方での活用に“壁”があるとの指摘が出ている。手続きには認定を受けた弁護士や公認会計士など「第三者支援専門家」の関与が必要だが、半数以上は東京都に集中し、15県では1人もいないためだ。ある地域銀は「地元の専門家を増やしてほしい」と訴える。
新たな私的整理手続きは…
コロナ後見据え地域支える
【福岡】温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇る大分県。新型コロナウイルス感染拡大で観光客に依存する事業者は苦境に立たされた。ポストコロナを見据え大規模リニューアルした遊園地や団体旅行をターゲットにしていた韓国料理店の事業拡大をサポートするなど県内6金融機関を取材した。
■大分銀行、遊園地の大規模改装支援
大分銀行は、遊園地「城島高原パーク」の大規模リニューアルを支援した。運営する城島高原オペレーションズは…
【写真】リニューアルした城島高原パークで今後の見通しを話し合う後藤康男社長(左)と末宗英二・大分銀行別府支店長代理(9月1日)
地域商社を立ち上げる銀行が相次いでいる。10月以降でも、八十二銀行が地域商社や電力事業を手掛ける「八十二Link Nagano」を設立したほか、武蔵野銀行が地域商社「むさしの未来パートナーズ」の事業を開始した。ただ、各地域商社が持つ機能や事業展開にはそれぞれ違いがある。先行する地銀系地域商社の事例をみた。
■首都圏で県産品PR
秋晴れの10月中旬、日本橋三越本店の向かいにあるアンテナショップ「ブリッジにいがた」には、老若男女を問わず人が吸い込まれていく。クチコミサイトには…
【写真】東京都中央区日本橋にあるアンテナショップ「ブリッジにいがた」(10月19日)
未対応で仲介機能低下も
日本銀行は、10月21日に公表した金融システムレポートで、リスクシナリオとして海外の長期金利と短期金利が逆転する「逆イールド」を新たに想定したマクロ・ストレステストの分析結果をまとめた。
今回は、「ベースライン」「金融調整(リーマン・ショック級の影響を想定)」のほか、極端に逆イールド化することを想定したシナリオを設定。具体的には…
「全体は底堅い内容」
上場する地域銀行・グループの2023年3月期中間期決算の発表が10月28日に始まる。注目されるのが有価証券運用だ。米国を始めとした世界的な金利再上昇(債券価格は下落)局面にあるなか、外国債券の含み損はさらに膨らんでいるとみられる。ただ、企業倒産の大幅な増加は見られず、信用コストは抑えられており「予防的に貸倒引当金を積み増す銀行が出る可能性はあるが、全体としては底堅い決算」(日本総合研究所の大嶋秀雄主任研究員)が予想される。
米国の10年債利回りは9月30日時点で3.82%。22年6月末から約0.8%上昇している。同3月末からの3カ月間とほぼ同じ上昇幅であり…
数百社受託めざす
三菱UFJ信託銀行は、10月から導入した新たな株式報酬制度の管理サービスの推進を強化し、早期に受託数を数百社へ拡大する計画だ。人的資本経営への関心の高まりなどを背景に同制度を採用する企業が増加すると見込み、情報の一元管理が可能なプラットフォーム(PF)を提供することで収益増強につなげていく。
新たに導入したのは、上場企業の株式報酬制度を支援するクラウドベースの…
【名古屋】百五銀行は、漁業者の輸出戦略を伴走型で支援している。三重県産ブランド魚の販路拡大に向け、三重県漁業協同組合連合会(漁連)と事業計画を策定、生産現場にも足を運び生の声を聞く。8月には、タイにサンプルの魚を輸出、アンケート回答などを基にプロモーション戦略や品種の改良に活用、本格的な輸出につなげていく考え。
支援がスタートしたのは2021年11月ごろ、漁連では、国内の人口減少でマーケットの縮小が予想されるなか、…
【写真】漁業者支援を担当する国際営業部国際ビジネス支援課。打ち合わせする(左から)津田悟課長代理、原田浩司課長代理、中西課長(10月14日、同行本部)
【福岡】大分銀行は、2022年度に取り扱いを始めた地域の取引先に対する徹底した経営支援を目的に、設定した融資ファンドで実績を上げている。融資実行件数の増加に伴い、補助金コンサルティングなどを組み合わせた成功事例が出始めた。4~9月末の融資件数は約1100件で、実行額は約150億円となった。
4月に融資に関する裁量権を営業店長に委譲した融資枠500億円の新たなファンドを…
【写真】阿南代表取締役から新社屋内の説明を受ける(左から)坂ノ市支店の目原大輔支店長代理と渕支店長(10月13日、サンウッド新本社)
IPSuSと協力
信金中央金庫は、環境省が策定した環境認証制度「エコアクション21」の普及・拡大を通じて中小企業の環境経営をサポートしていく。10月26日に同制度を運営する持続性推進機構(IPSuS、森本英香理事長)と金融界初の連携協定を締結。同機構の地域事務局(全国37カ所)とともに全国の信用金庫取引先の脱炭素化支援を展開する。
エコアクション21は中小企業が自主的に環境経営に取り組めるよう、…
全国信用組合中央協会は10月21日、経団連会館で全国信用組合大会(第58回)を開いた。来賓は鈴木俊一・金融担当相、長峯誠・経済産業大臣政務官、黒田東彦・日本銀行総裁、森洋・全国中小企業団体中央会会長。新型コロナウイルス対策のため前回に続き規模を縮小したが、リアル会場の参加者は倍の約100人。ソフトドリンクでの懇親も行われた。大会の模様はしんくみバンク公式YouTubeでライブ配信した。
全信中協の柳沢祥二会長(大東京信用組合会長)は挨拶で、…
【写真】信組業界の課題について述べる柳沢会長(10月21日)
学校・行政にも連携拡大
【札幌】北洋銀行五稜郭公園支店(岡本亮支店長=行員31人うち渉外6人、パート7人)は、SDGs(持続可能な開発目標)の地域への普及に注力する。地元の学校法人や行政にも連携を広げ、高校生向けに開いた講演会では、同行取引先の経営者らが登壇し、自社の取り組みを紹介。参加した高校生たちは、身近な実例からも学び、2022年内にも自校の「SDGs宣言」を策定する予定だ。
北洋銀行は学校法人・遺愛学院(北海道函館市)、損害保険ジャパンと6月に「SDGs教育支援プロジェクト(PJ)」をスタート。女子中学・高校を営む同学院は授業で…
【写真】廃棄削減の工夫もつまったサンドイッチを手にする高校1年生。最後列の作業衣姿はチカラフーズの笹川力社長(10月1日、遺愛学院)
【福岡】長崎銀行は10月22日、創業110周年記念の運動会で「おもちゃの乗り物レールをつないだ人の最長の列」のギネス世界記録に挑戦した。開地龍太郎頭取(写真左)の「行きます!」との掛け声を合図に、レール上を西九州新幹線「かもめ」が走行。惜しくも記録達成にはならなかったが、一致団結して汗を流した。
【2022年度金融ホームドクター養成】 |
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投信窓販優績者に聞く | 福島銀行・萩野 愛梨さん アポと面談の即日対応 |
自己診断テスト |
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『初支店長(778)』 | 気付き共有し提案 (20面)=七十七銀行岩切支店・柿崎 圭一氏 |
『スマイル』 | 声掛けでチームけん引 (20面)=肥後銀行・櫻井 千尋さん |
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