2022年2月11日号2面 実像 変わる外貨建て保険(下)手数料や開示、2022年度に転機
「複雑」なイメージから脱却
外貨建て保険は、2022年度に大きな転換期を迎える。生命保険各社は4月、金融庁の監督指針改正を踏まえ、解約時に徴求するタイムラグマージン(時間差手数料)を引き下げる。さらに、地域金融機関などの販売会社では、今夏以降に当局から共通成果指標(KPI)の公表を求められるようになる。リスク構造や商品性が「複雑」とのイメージが浸透している外貨建て保険に、変化の兆しが見え始めている。
■時間差手数料見直し
生命保険各社では、4月の新規契約分から外貨建て保険の解約時に徴求する時間差手数料を見直す。現状の0.3%前後から、…
【写真】金融庁が示した外貨建て保険の共通KPIは今夏以降、地域金融機関など販売会社で公表が求められる
2022年2月11日号3面 金融機関、「全店営業」原則に苦慮、計画休業できず人繰り切迫
“部分開店”も現実味
オミクロン株の感染拡大を受け、金融機関が窓口業務の継続に苦慮している。金融庁は、原則として全ての店舗を開いて顧客対応を継続することを求めるが、濃厚接触者として出勤できない行職員も増え、「人繰りが厳しい」と訴える金融機関も出てきた。一部には計画休業の解禁を求める声もある。
全店舗での顧客対応業務の継続は、初の緊急事態宣言を受けて…
2022年2月11日号5面 大手行5グループの2021年4~12月期決算、与信費用半減で50%増益
顧客部門好調も債券損失懸念
大手行5グループ(G)の2021年4~12月期決算は、5社合計の当期純利益が前年同期比50%増の2兆4419億円だった。過年度に積んだ貸倒引当金の戻し入れなどに伴い、与信関係費用が全体で半減したのが主因。本業のもうけを示す実質業務純益は5%増の2兆9512億円。顧客部門の収益は好調なものの、保有債券の売買を中心とする市場部門は伸び悩んでいる。
全社で最終増益。三菱UFJフィナンシャル・グループは純利益が1兆703億円と、…
2022年2月11日号6面 地銀グループ、ECサイトを11行が運営、閲覧拡大やUI向上課題
地方銀行グループが運営するEC(電子商取引)サイトが増えている。2021年に5行・グループ(G)が開設し、全11行Gになった。このほか一部の地銀系地域商社がサイトオープンを目指しており、今後も増える見通し。ただ、閲覧者の拡大やサイトのUI(ユーザーインターフェース)・UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上など課題も多い。
銀行法改正やオンラインショッピングの普及を受け、21年に秋田銀行、千葉銀行、…
2022年2月11日号8面 しんきんアセットマネジメントの「S&P500」、35信金に取り扱い拡大
長期保有ニーズ根強く
信用金庫業界で、顧客の根強い投資意欲を背景に、米国株投資信託を取り扱う動きが拡大。しんきんアセットマネジメント(AM)投信が2021年4月に新規設定した「しんきんS&P500インデックスファンド」は、開始1年で全国35信金に取り扱いが広がる見通しだ。
同ファンドは、会津、高崎、アイオー信用金庫などが先行して取り扱いを開始。その後も、…
2022年2月11日号10面 岡三証券グループ、GBA型ラップ導入、IFA事業を拡大へ
地域銀行にも展開検討
岡三証券グループ(G)は、子会社の証券ジャパンにゴールベースアプローチ(GBA)型の投資一任(ラップ)サービスを導入し、IFA(金融商品仲介業者)ビジネスの拡大を図る。証券ジャパンに所属するIFAや地場証券に加え、地域銀行への展開も検討している。
GBA型ラップサービスでは、顧客の将来のゴールを起点とした資産運用計画の策定、…
2022年2月11日号13面 暗号資産業界、過度な規制に懸念、「保護と革新」両立提言
ブロックチェーン経済圏が広がりをみせるなか、同領域の決済手段として期待されるステーブルコインの規制のあり方について、各国で議論が進む。金融庁の金融審議会資金決済ワーキング・グループ(WG)の報告書を受け、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)はこのほど取りまとめた提言で、過度な規制で日本が世界から取り残される“ガラパゴス化”を懸念する。
現状、ステーブルコインは明確に法的な整理がされていない。金融審議会の資金決済WGがまとめた報告書によると…
2022年2月11日号16面 特集 事件特集(下)、強盗・情報流出・その他事件(2021年7~12月)
システム障害が大幅増
2021年7~12月に金融機関で発生した店舗強盗事件は2件(日本防災通信協会調べ)で、前年同期比2件減少した。2021年の1年間では前年比2件減の9件だった。現金被害が1件で600万円発生したが、顧客や職員にけが人はいなかった。(▼4面参照)
個人情報に関する漏えいや紛失は10件起きた。うち故意的な顧客情報の漏えいは…
2022年2月11日号20面 ワンチーム 事業再構築、香川銀行円座エリア
取引先新事業6件を支援、仮説で「経営情報」引き出す
【高松】香川銀行円座エリア(池上将太支店長=行員23人うち渉外4人。パート4人)は、「お客さまの悩みと課題を聞き取ること」を第一に活動し、補助金申請支援などのコンサルティング営業に力を入れる。事業再構築補助金では2021年12月末までに採択4件・給付見込み2億4900万円、申請中2件・5400万円と地元企業の挑戦を後押しする。
エリアは高松市内の円座、勅使、岡本の3カ店で構成。2020年度の資金繰り支援に続き…
【写真】事業再構築補助金の採択を受け2021年8月にオープンしたザ・チェルシーアベニュー。住田浩・高松パレス社長(左から3人目)から説明を聞く池上将太支店長(同2人目、1月20日、高松市)