2022年7月22日号2面 実像 地域銀行の証券ビジネス改革(上)“商品売り”からの脱却 急務
政府の「資産所得倍増プラン」などを背景に、官民で「貯蓄から資産形成」への機運が高まっている。個人金融資産2千兆円の半分以上を現預金が占める状況を打破し、投資への流れを根付かせるためにも、担い手となる地域銀行の役割は大きい。顧客本位の業務運営と持続可能な収益性を両立させた証券ビジネスの確立が急がれる。
■仕組債に厳しい目
「経営レベルで議論すべき」――。金融庁が6月に公表した販売会社による顧客本位の業務運営のモニタリング結果で…
【写真】ファンドラップを取り扱う地域金融機関が拡大している
2022年7月22日号3面 環境省、地域銀行・信金とESG、航空の脱炭素など推進
環境省の「ESG金融促進事業」の委託先として10金融機関が選ばれた。4年目の今回は、航空機燃料の脱炭素化へ新産業を興そうとする千葉銀行などを採択。同じ地域内の複数金融機関が連携して新しいサービスを作ろうとする取り組みや、地方公共団体と取引先の事業性評価を進める動きが広がっている。
7月11日に8件の事業を採択した。国として、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した金融の促進を目指す活動を支える。同省環境金融推進室は…
2022年7月22日号5面 MUFG、投資ビークル支援を拡充、資産管理の競争力強化
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、資産管理事業で投資ファンド用ビークルに関する支援やESG(環境・社会・ガバナンス)関連の機能を拡充している。中核機能であるファンドの運営・管理業務の充実を図ることで、バンキング業務を組み合わせて提供する。バンキング粗利益では2023年度に220億円を目指す。
投資ビークル支援では、その設立や運営に係る事務を請け負うサービスを強化するため、ノウハウを持つ資産管理会社への出資を検討・調査している。ESG関連の機能拡充は、…
2022年7月22日号6面 伊予銀行、災害見据えた支援推進、製造・建設業などで好評
【高松】伊予銀行は災害に備えた特約付き融資の契約を推進している。2018年5月に「震災対応型融資」、2019年8月には「水害対策融資」の取り扱いを開始し、これまで公表しているだけでも製造業、建設業、医療機関など計11件約54億円の契約を結んだ。
両融資は、あらかじめ定めた地点で一定以上の震度または降水量が観測された際に、直接、間接被害の有無にかかわらず、…
2022年7月22日号7面 筑波銀行・東和銀行・栃木銀行、埼玉のM&A応援、新プラットフォーム構築
筑波銀行と東和銀行、栃木銀行は7月13日、地元応援型M&A(合併・買収)サービス「“さいたま”の結び目」を創設した。各行は、それぞれの地元でニーズ発掘から事業再構築支援まで、ワンストップで解決できるプラットフォームを構築しているが、これを埼玉県で横展開する。
3行は2014年12月に「地域経済活性化に関する広域連携協定」を締結。これに基づいて7月13日に「事業承継業務の連携に関する覚書」を結び、…
2022年7月22日号8面 呉信金、人材紹介手数料1000万円へ、1年足らずで相談200件
【広島】呉信用金庫(広島県、向井淳滋理事長)は、人材紹介事業の手数料収入が2022年4月~23年3月末に合計1千万円に上る見通しだ。大手製鉄所の閉鎖を受けて3千人の雇用が失われる呉地域。地域の運命共同体として、人材紹介支援を軸に活性化に挑む同信金の足取りを追った。
21年8月、信金業界で先行して人材紹介業務に参入した。きっかけは、日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の閉鎖だ。雇用流出の阻止や…
【写真】地域貢献部の人材担当者である武馬調査役(左)古本主任(右)と打ち合わせをする松川部長(7月15日)
2022年7月22日号18面 地域銀行の女性活躍、管理職比率向上を最優先に、98%が数値目標
地域銀行で女性活躍推進の取り組みが進むなか、女性管理職比率の向上が課題になっている。本紙が厚生労働省の企業データベースに公表している地域銀47行の一般事業主行動計画を調査したところ、46行が管理職など指導的地位に占める女性の割合を引き上げる数値目標を掲示。最優先課題となっていることが浮き彫りになった。
取り組み内容は、「女性管理職比率の向上」が98%、「男女の育児休業取得率向上」が55%、「年次有給休暇取得率の向上」が30%、…
2022年7月22日号19面 全銀協、人権研修用資料を発行、全国の銀行で活用へ
全国銀行協会は、人権啓発の研修用資料「みんなの人権を守るために」をこのほど発行した。会員行からの要望に応え、2021年に作られた研修用テキストをベースにポイントを分かりやすくまとめた。各行内での研修で活用してもらう。
全銀協行動憲章は「すべての人々の人権を尊重する」と明示している。業務上さまざまな人と関わるため…
2022年7月22日号20面 川崎信金中野島支店、データ活用、資金需要期予測し適時提案
2カ月で5先2.5億円融資
川崎信用金庫中野島支店(鈴木章支店長=職員20人うち渉外5人。パート2人)は、本部データを活用した営業戦略を立案、実行している。分析ツールを駆使して、複数のデータから取引先の預金の実態を把握。大口先に狙いを定めた推進や時期を逃さない提案が奏功し、2021年度はグループ別の年間最優秀賞と上・下期最優秀賞を受賞した。
鈴木章支店長は事務統括部で勘定系システム更改のプロジェクトに携わった。この経験から…
【写真】アミューズメント業を営むプライムコーポレーションの田村精一社長(右)と情報交換する鈴木章支店長(左奥)と朝井亮介副長(左手前、6月29日、プライムコーポレーション)