2022年9月16日号12面 特集 FIT大阪、地域×金融 デジタルで創る「強い現場」
ソリューション求め1979人来場
【大阪】西日本最大の金融ITフェア「FIT大阪2022(金融国際情報技術展)」(主催=日本金融通信社、共催=金融ジャーナル社、後援=全国銀行協会など13団体、協力=大阪銀行協会、しんきん大阪システムサービス)が9月8日、9日、グランフロント大阪(大阪市北区)で開催された。今年は3年ぶりに関西地区の行政、金融団体トップによるテープカットを行い、開幕を彩った。2日間の来場者数は1979人で、基調講演、セミナーでは「満員」になるものもあった。出展社数は39社、セミナーは25セッションを実施した。
今回のテーマは、「地域×金融―デジタルで創る『強い現場』―」。地域金融機関にとって最大の使命である地域活性化の実現に、営業現場の強化は不可欠。金融機関の業務プロセス改革や安全性向上などに役立つソリューションを展示とセミナーで提案。展示会場は、対面式で行い、活気にあふれた。セミナーは9月26日~10月21日、全25セッションを「録画配信」する。会場は感染症防止対策を徹底し、セミナーは人数制限を設けて実施した。(1面参照)
■39社が課題解決策展示
会場には39社がブースを出展し、最新のソリューションを紹介。来場者は業務効率化をはじめ…
【写真】開幕のテープカットが行われた(左から)小方憲治・日本郵便常務執行役員近畿支社長、作田誠司・近畿地区信用金庫協会会長、高口博英・日本銀行理事大阪支店長、岩元達弘・財務省近畿財務局長、鵜川淳・大阪銀行協会副会長、石川泰旦・近畿信用組合協会会長、宮岸順一・日本金融通信社社長(9月8日)
2022年9月16日号2面 実像 BaaSで拓く金融(上)“裏方”に徹し、顧客接点拡大
カギ握る「エコシステム化」
フィンテックの台頭は、金融界に大変革をもたらした。オープンAPI(データ連携の接続仕様)を介し店舗に来店せず残高を確認できたり、オンラインレンディングで銀行融資よりも早く資金調達が可能になったりと、法個人の利便性は格段に上がった。近年注目されるのは、金融機能をサービス事業者などに提供する「BaaS(サービスとしての金融)」だ。事業や生活に根付くことでどのような価値が生まれるのか。その最前線に迫る。
■組込型300契約超
「お客さまが使っているサービスの一部に金融機能が組み込まれて、もっと近い所に出ていく。おうかがいするのは必然だ」――。こう語るのは、GMOあおぞらネット銀行の小野沢宏晋執行役員企画・事業開発グループ長。APIで銀行機能と事業者のサービスをつなぐ…
【写真】住信SBIネット銀は、大企業との協業を進めている(6月8日)
2022年9月16日号5面 三菱UFJ信託銀行、AI分析ツール外販、研修とパッケージ化
三菱UFJ信託銀行は人工知能(AI)分析ツールと利用方法を学ぶ研修コンテンツをパッケージ化して地域金融機関などへ外部販売する。資本業務提携するAIソリューション提供のAVILEN社と協働して取り組む。
同社と三菱UFJトラストシステムが共同開発したAIデータ分析ツール「AI Seed」の外販をスタートし、連携を進化させた。同社とは創業時からAI関連開発や人材育成の観点で連携し、…
2022年9月16日号6面 コンコルディアFG、「人的資本」情報開示を強化、非財務データも詳細に
コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)は、人的資本の情報開示を強化している。政府が企業に求める人的資本の可視化に沿った対応で、2022年度版の統合報告書に関連する情報やデータを盛り込んだ。
まず、「人財戦略」のページを新設し、働き方改革やダイバーシティの推進に関する内容を充実させ6ページ使用。例えば、21年度に取り組んだ指標(横浜銀行と東日本銀行の合算)として、主要なコンサルティング資格(中小企業診断士、FP1級)の保有者378人、…
2022年9月16日号7面 中京銀行、仮説立てて課題解決、本部と営業店で連携
【名古屋】中京銀行は、本部と営業店が一体となって顧客が抱える課題の仮説を立て、多角的な切り口で解決策を導き出す「アカウントプラン(AP)」が浸透、本業支援に向けた提案の高度化が進んでいる。
APは、2021年度にソリューション営業の競争力向上を目指しスタート。当初は、営業推進部が営業店に出向き、仮説の立て方や営業店内で実施する「AP会議」のノウハウなどを指導してきた。AP会議は、…
2022年9月16日号8面 遠州信金、湖西市でQR決済促進、8月中の利用額10倍
【静岡】遠州信用金庫(浜松市、守田泰男理事長)は、静岡県湖西市内事業者のDX(デジタルトランスフォーメーション)化事業に取り組んでいる。8月からQRコード決済の普及を本格化。同月末まで同市と連携し、au PAYの決済金額の最大50%をポイント還元するイベントを展開した。
活用するのはQRコード決済を一元管理するサービス「スターペイアプラス」。113事業者が参加し、同市内での8月中の決済金額は約500万円と、…
【写真】新居支店の落合洋仁支店長(左)にタブレット端末の活用方法を相談する飲食店「きらく市食堂」の榊原信一氏(8月24日、湖西市)
2022年9月16日号17面 東証、ETF電子取引が伸長、3カ月連続1000億円超
東京証券取引所が提供する機関投資家向けETF(上場投資信託)電子取引プラットフォーム「CONNEQTOR(コネクター)」経由での取引が、着実に伸びている。8月の売買代金は1392億円で、3カ月連続で1千億円を超えた。コネクター対応の証券会社も増え、地域金融機関での活用が広がる。東証は来春以降、資産運用会社との接続が本格化することで、さらなる利用拡大を期待する。
機関投資家はコネクターを通じ、国内外の主要なマーケットメイカー10社にETFの売買注文を依頼。各マーケットメイカーが提示した価格を比較することで、…
2022年9月16日号19面 村井・前Jリーグチェアマン、「恩返し」ファンド設立
地域銀行に連携呼びかけ
3月にJリーグのチェアマンを退任した村井満氏(63)が、2022年内にも地方企業の課題解決を支援する投資ファンドを立ち上げる。Jリーグを支えている地方へ「恩返し」するため、前々職のリクルート時代から培った人材活用や組織活性化に関する知見を生かす。地域銀行などにも出資を呼びかける考えだ。
村井満氏は4月にONGAESHI Holdingsを設立した。かねてより経営陣と親交があるTryfunds(トライファンズ)社が共同GP(無限責任組合員)となり…
【写真】村井満氏
2022年9月16日号20面 多摩信金田無支店、課題解決、コロナ禍・物価高対策を支援
創業や新規企業と接点拡大
多摩信用金庫田無支店(指田泰弘支店長=職員14人うち渉外5人。派遣1人)は、顧客や地域とのつながりを大切に創業者や新規事業所との接点を広げている。行政との連携や、コロナ禍、物価高などの影響を受ける企業の財務や事業の小さな課題にも真摯(しんし)に取り組むことで、信頼を重ねる。2022年4~8月までに16件の創業を支援。また、新規事業所36先と取引を開始した。
同店のある東京都西東京市は近隣5市のなかで事業所が最も多い。指田泰弘支店長は創業先や新規企業との接点を広げている。
コロナ禍でリモート環境が整い…
【写真】まちテナ西東京の中村晋也さんと打ち合わせする指田泰弘支店長(右、9月2日、東京都西東京市のまちテナ西東京)