2022年11月4日号2面 実像 地域で生きる(1)動き出す平塚 組織こえて人つなぐ
人口減少で衰退する地域経済。それに追い打ちをかけたコロナ禍から立ち直らなければ、再興がますます遠のく。地元に活力を取り戻すために、金融機関には何ができるのか。取引先の事業者、近隣の競合金融機関、地方公共団体などの関係者を巻き込んで、従来の流れを変えようとする現場の動きを4回シリーズで追う。第1回は、31歳の信用金庫職員が所属する組織の枠を越えて、商店街の活性化や観光需要の創出に取り組もうとしている神奈川県平塚市などの湘南地域を中心に取り上げる。
■熱生む「ちいきん会」
9月22日の夜、平塚信用金庫に務める猪股裕さん(31)は、静岡県御殿場市のリゾート施設「時之栖(ときのすみか)」を訪れた。地域の再生に向け…
【写真】しぞー会の勉強会で運営に協力する猪股さん(9月22日、時之栖)
2022年11月4日号3面 金融庁、仕組み債でヒアリング、証券子会社持つ地域銀行に
金融庁は複数の地域銀行に対して仕組み債販売のヒアリングを始めた。まずはグループ内に証券子会社を抱え、販売の依存度が高い地域銀を対象に、取り扱い方針や顧客への説明状況を検証する。他のリスク性商品についても選定基準などを把握する方針だ。
仕組み債は独立系証券会社などでも販売してきたが…
2022年11月4日号4面 全銀ネットが検討、次期システムに新機能、送金時の入金確認など
全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は、2027年度から移行予定の次期全銀システムに、銀行間送金時の入金ステータス確認や、異例処理が生じない仕組みの導入を検討している。実現すれば、接続先の預金取扱金融機関にとって業務効率化が期待される。費用面の実現可能性やシステム負荷を踏まえて本格検討し、22年度中に基本方針を固める。
検討しているのは、システムの主要部分「ミッションクリティカルエリア」における新たな仕様。一つは
2022年11月4日号5面 MUFG、アプローチ体制を整備、非対面営業100人増
接点拡大し満足向上へ
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、2023年度までに顧客との接点強化へアプローチ体制を整備する。セグメントごとに担い手を明確化するほか、非対面営業担当100人増員を目指す。資産運用とウェルスマネジメント(WM)の両プラットフォーム(PF)を生かしてデジタル化を進め、顧客満足を向上させる。
資産運用PF「マネーキャンバス」の基盤を活用し、顧客層をWM、アフルエント(AFL)、マスの三つにセグメント化…
2022年11月4日号6面 横浜銀行、戦略ソリューション強化、高付加価値融資を拡大
横浜銀行は、売上高または総資産額が10億円以上となる有力な事業会社をターゲットに、多様化・高度化する経営戦略の課題解決に向けた「戦略ソリューション」の取り組みを強化している。LBO(借入金を活用した企業買収)ローンやサステナブルファイナンスといった高付加価値融資の残高拡大につなげている。
上場企業が集積する神奈川県や都内に営業基盤のある強みを生かし、…
2022年11月4日号7面 愛知銀行、個人向けコンサル強化、育成プログラムを刷新
【名古屋】愛知銀行は、個人向けコンサルティング機能の向上を目的に、2022年度に開始した「ファイナンシャルマイスター育成プログラム」を、下期から刷新。預かり資産に加え、相続や税制など幅広く知識を習得することで提案機能のレベルアップを目指す。
同プログラムは、半期ごとに実施。上期は、各ブロックから1人ずつ支店長推薦などを受けた17人が…
【写真】講師が顧客との接し方を伝授(10月18日、愛知銀行名古屋駅前ビル)
2022年11月4日号8面 信金の投信販売、上期資金流入は739億円、取引件数は定時定額が93%
38信金が商品見直し支援を活用
信用金庫界の投資信託販売で2022年度上期は739億円の資金流入となったことが分かった(信金中央金庫の取り次ぎ方式による187信金の合算)。このうち、半期の購入額が336億円となった定時定額取引が販売件数の93%を占め、積立型投資のすそ野が着実に広がっている。つみたてNISAの取引実績も、件数・金額ともにコロナ禍前の19年度の通年実績比で2倍超に拡大した。
22年度上期は739億円の資金が流入した一方、海外の利上げを主因とする株式市場の低迷を受けて…
2022年11月4日号9面 鹿児島相互信金、コロナ禍の料理店再興、「よろず」と二人三脚
【鹿児島】鹿児島相互信用金庫(鹿児島県、永倉悦雄理事長)は鹿児島県よろず支援拠点と連携を強め、取引先の本業を支援している。本部と営業店も一体的に動き、顧客起点で継続的に伴走する。結節点となるのがアフターコロナ支援部だ。
中国料理店「青菜(チンサイ)」の支援はよろず拠点との二人三脚が奏功した典型例。大盛り料理の人気店だが、…
【写真】アフターコロナ支援部とよろず支援拠点が連携してサポートする(10月13日、青菜)
2022年11月4日号20面 城南信金新橋支店、営業推進改革、自主性でやりがい育む
「やることやって」5時退社
城南信用金庫新橋支店(佐藤真規支店長=職員24人うち渉外13人、パート1人)は、女性渉外の育成と渉外係の自主性に任せる態勢でやりがいを引き出している。2022年度上期のお客様応援賞の融資応援部門とメイン化推進部門で全店3位。佐藤支店長が着任してから1年以上、毎月の融資増加目標を連続達成し、他項目も上位を占める。店のスローガン「やることやって午後5時に帰る」も実現する。
東京・新橋周辺は、卸、商社、システム、広告関連の企業が多く、同店は法人主体の店舗だ。メガバンクや地域銀行、信金など多数と競合する。
佐藤真規支店長は2021年6月に着任。すぐに「戦力」固めに着手した。同信金は…
【写真】支店長は昨年6月の着任後、課長、渉外係らが相談しやすい店内レイアウトに変更(10月26日)