2022年4月8日号2面 実像 住宅ローン変調(下)~収益確保へ戦略再構築~
デジタル対応に活路
住宅ローンの獲得をめぐる金融機関の競争が先鋭化している。主力の変動金利は、メガバンクがインターネット銀行を下回る水準を提示するなど、薄利での攻防が続く。今後も持続的に収益を確保していくにはどうすれば良いか。デジタル化を軸に、事業のあり方を見直す動きが広がる。
利ざや縮小により収益性低下が叫ばれて久しい住宅ローンだが、金融機関の推進意欲は衰えていない。住宅金融支援機構が2月に公表した調査では…
【写真】伊予銀行は3分で最大借入額の目安が分かるスマホサービスを導入
2022年4月8日号3面 日銀・2022年度考査方針、市場・信用リスクに重点
金利上昇やコロナ長期化で
日本銀行は2022年度の考査で、海外金利の上昇や長引くコロナ禍の影響を踏まえ、市場リスクや信用リスクの管理体制を重点的に点検していく。3月29日に公表の考査方針で示した。低金利環境下、リスクテイクの積極・多様化が進むなか、環境変化や収益・経営体力に応じた管理の実効性などについて金融機関と対話を深める。
22年度考査では、市場リスクについて、ストレステストの実施を含め「時価やリスク量を適切な頻度でモニタリング・計測しているか」など管理状況を点検。また…
2022年4月8日号5面 三菱UFJ銀行、「事業共創投資」強化、リスク共有し新産業創出
3案件のプロジェクト進行
三菱UFJ銀行は、法人顧客の新規事業進出を共同投資によって支援する「事業共創投資」ビジネスを強化する。脱炭素への環境対応やデジタルシフトなど社会課題の解決に向けて、新しい産業や事業の創出に取り組む取引先を後押しする。共にリスクを負いながら、企業がゼロベースからのスタートとならないよう多くのソリューションを提供する。
同ビジネスを本格化に向け、4月1日付でコーポレートバンキング事業本部に「事業共創投資部」を新設。セクター調査や産・官・学との協働など…
2022年4月8日号6面 ひろぎんHDと中国銀行、顧客の目標設定を提案、シート使い課題共有
【広島】ひろぎんホールディングス(HD)と中国銀行は、顧客の目標設定(ゴール)に対する現状課題を共有し、シートなどのツールを活用して総合的に提案する取り組みを積極化している。事業性評価に強みを持つ両者にとって、作成しているシートは事業性評価の個人版ともいえる。
ひろぎんHDが注力しているのが個人顧客のコンサルティングを強化するための「ライフデザインシート」。2021年4月の導入からこれまでに1800先を…
【写真】年齢別の平均収入について打ち合わせする広島銀行個人営業部(3月28日)
2022年4月8日号7面 北洋銀行、全株取得で事業承継支援、バネ会社に後継者仲介
【札幌】北洋銀行が単独で出資する「北洋事業承継ファンド」(20億円)は3月31日、承継サポートで、総合バネ製造事業の「北海バネ」(岸俊之社長)に出資。同社の全株式を取得し、同行傘下のコンサルティング子会社を通じ、後継社長となる人材も仲介した。
同ファンドの出資は4件目で、100%出資と後継者の仲介を同時に行う同行グループ(G)初の例となった。金額は非公表。後継社長は、…
2022年4月8日号8面 信金界、副業人材をマッチング、中小の人手不足解消へ
21信金がみらいワークスと提携
信用金庫界で、地方企業に関心を持つプロフェッショナル人材を「副業」や「移住・転職」を通じてマッチングする、みらいワークス(東京都)との提携が拡大。3月23日の三島信用金庫までに全国21信金が提携した。中小企業の経営課題解決のために、都市部の人材を柔軟に活用する動きが広がりそうだ。
みらいワークスが信金と提携を拡大している分野は、副業でマッチングを支援する「スキルシフト」(SS)事業と、…
2022年4月8日号9面 東信協、サイバー対策を呼びかけ、全国でチラシを共同調製
東京都信用金庫協会は、国際情勢の悪化に伴うサイバー攻撃の急増を受け、5月中旬に「サイバー攻撃被害防止に向けた注意喚起チラシ」を共同調製する。全国の信用金庫から4月中旬まで申し込みを受け付け、ドアノックツールとして提供する。渉外活動を通じて中小企業にセキュリティーツールの導入や社員教育などの対策を促す。
サイバー攻撃は近年、その脅威の度合いを増しており、ターゲットは大企業から、信金の顧客層である中小・小規模企業に拡大。セキュリティー対策が甘いとされる中小企業や…
2022年4月8日号19面 ビットバンクが調査、新成人の55%は投資に慎重
18、19歳の若者のうち、4月の成人年齢引き下げ後に「投資を始めたい」と考えている人は半数以下にとどまることが、暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するビットバンクの調査で分かった。「知識がない」ことが投資や資産運用に慎重な最大の理由である実態も浮かび上がった。
18、19歳は成人となる4月以降、親の同意なく金融商品を契約できるようになる。ビットバンクは新成人の投資や資産運用に関する意識を調べるため…
2022年4月8日号20面 富山第一銀行新湊支店、アプローチ粘り強く、永続的発展へ新規開拓
2年半に50先と取引開始
【金沢】富山第一銀行新湊支店(水野伸之助支店長<4月4日付で黒部支店長>=行員10人うち渉外3人、パート2人)は、「支店が永続的に発展するためには事業先の新規開拓が不可欠」(水野支店長)との考えから粘り強い訪問活動で実績を上げている。与信取引のない純預金先や、既存取引先からの紹介など地縁・人縁をフルに活用。2019年10月~2022年3月で新たに50先と取引を開始し、8億4700万円の融資を実行した。
水野伸之助支店長は2019年5月に着任。若手時代から本部の新規開拓プロジェクトチームに選出されたほか、トレーニーで派遣されたメガバンクの海外拠点で飛び込み営業をしたりするなど…
【写真】クラタニの倉谷純弘社長(左)と情報交換をする水野伸之助支店長(3月18日、射水市)