2022年2月4日号2面 実像 変わる外貨建て保険(上)苦情縮減の取り組みが奏功
金融機関窓口などの保険販売代理店に寄せられた苦情が2019年度に過去最悪となり、社会問題化した「外貨建て保険」。対策の一環として、生命保険協会は業界共通の資格試験制度を創設。22年4月から試験合格者の登録制(ライセンス化)が始まる。それと同時に、登録された募集人以外は外貨建て保険を原則販売できなくなるため、銀行や信用金庫の行職員を含めて受験者数が増えている。適切な募集管理体制を構築し、苦情をなくそうと尽力する金融機関の姿に迫った。
為替次第で苦情増も
コロナ禍での営業自粛に加え、苦情縮減に向けた取り組みが代理店に浸透し…
【写真】日本生命は、募集時に活用する意向確認書の中で、投資経験や保険料に充てる原資など、適合性を確認できる仕組みを作った
2022年2月4日号5面 信託3行とりそな銀行、介護に備える商品注目、安全性と利便性両立
人生100年時代を迎えるなかで、高齢者の認知症や介護に備える信託商品が注目されている。大手信託銀行とりそな銀行が取り扱う代表的な商品を調べたところ、詐欺被害や親族間トラブルを防ぐ安全性向上に加え、本人や手続き代理人の利便性も両立するなど多様な工夫が見られる。
三菱UFJ信託銀行が提供する代理出金機能付信託「つかえて安心」は、専用のスマホアプリを活用し、…
2022年2月4日号7面 山梨中央銀行と静岡銀行、アライアンス発揮、商談会成約率10%超
包括業務提携「静岡・山梨アライアンス」を結ぶ山梨中央銀行と静岡銀行。施策の柱の一つが、地場のバイヤーとサプライヤーを引き合わせる“個別商談会”だ。提携から1年余りで「食」をテーマに月1回のペースで開催(計10回)。約400件の商談に対して成約が40件以上、継続中も170件ある。
両行が個別商談会に着目する背景には、取引先の販路支援につなげたい狙いに加えて、…
【写真】オンライン方式による個別商談会で、サプライヤーの商品を手に特徴を尋ねる杏林堂薬局のバイヤー(1月31日、アクトシティ浜松コングレスセンター)
2022年2月4日号8面 信金、広がるETF運用、取引1カ月で320件・120億円
しんきん証券へ移管の動き
しんきん証券が東京証券取引所の総合取引参加者としてETF(上場投資信託)取引に参入して約1カ月。取引約定件数は320件・120億円(1月25日現在)に達した。これまでに44信用金庫からETF取引があり、手数料の割安感から既存の保有分を移管する動きも出てきた。
しんきん証券が東証の総合取引参加者として新規参入し、ETF取引を開始したのは…
2022年2月4日号9面 信組界、決済アプリ活用が拡大、ユニクロペイなど開始へ
信用組合業界で、日本電子決済推進機構のバンクペイのキャッシュレスサービス活用が広がっている。2021年12月末にスタートした「auPAY」に続いて、22年1月末から3月に「UNIQLOPAY」や「ASTARI」「TOYOTAWallet」の3社のキャッシュレス決済アプリも活用が広がりそうで、全国で約60信組が取り扱う見込みだ。
信組とバンクペイとの提携は、20年8月に開始。現在取り扱う72信組のうち、スマートフォンなどを通じた…
2022年2月4日号18面 全労金、2022年春闘、「賃金改善」統一要求へ
社会的波及を意識
全国労働金庫労働組合連合会(全労金、14単組、組合員9千人、末留新吾委員長=東北労金労組)は2022年春季生活闘争で、2年ぶりに全単組が統一して「基本賃金の改善」を要求する方針を決めた。賃金の底上げに全単組が取り組むことで社会への波及につなげるほか、業務改革や効率化による生産性向上を進めながらエッセンシャルワーカーとして働く職員のモチベーション向上、人材の確保・定着が狙い。各単組は2月22日、会社側に要求書を提出する。
1月26日に開催した中央委員会で春闘方針を決定した。21年春闘ではコロナ禍を受けて…
2022年2月4日号11面 特集 事件特集(上)、内部事件(2021年7~12月)
行職員の着服や横領38件
2021年も金融機関行職員による着服や横領といった内部事件が相次ぎ発生した。同年中に判明した内部事件は75件(本紙調べ)に上り、2019年比で大幅に増加した2020年(82件)とほぼ同水準となった。(2021年1~6月分の事件は2021年9月10日号で既報)
内部事件は2021年下期(7~12月分)だけで38件発生し…
2022年2月4日号17面 三菱UFJ銀行・横浜銀行・かながわ信金、行政手続きデジタル化
口座振替をスマホで
三菱UFJ銀行、横浜銀行、かながわ信用金庫が神奈川県横須賀市で展開する行政手続きのデジタル化実証実験を加速。共通手続きプラットフォーム「AIRPOST(エアポスト)」活用で住民、地方公共団体、金融機関の利便性を高める。
エアポストは、トッパン・フォームズが中心に開発・推進を進める企業や地方公共団体に属性変更などの諸手続きが一度にできるプラットフォーム。スマートフォンの…
2022年2月4日号20面 ワンチーム 組織運営、きらぼし銀行町田支店、資産家チーム設置で成果
若手育成に「顧客カード」
きらぼし銀行町田支店(石田卓也執行役員支店長=行員47人うち営業課30人。パート18人)は、資産家層に相続や資産運用を提案する専担チームを営業課内に配置。町田ブロックの統括店として僚店と協力し、2021年度の収益目標を上期中に達成した。人材育成では面談記録を詳細に記した「顧客カード」を活用し、若手行員の成長につなげている。
同店は4カ店(成瀬、南町田、玉川学園、町田木曽)の融資業務を集約した町田ブロックの統括店。石田卓也執行役員支店長は2020年4月の着任から地域性重視したアプローチを試みてきた。
その一つが…
【写真】営業課のミーティング風景。法人・リテール・資産家の各チームはワンフロアに集約され、円滑なコミュニケーションが図られている(1月17日)