2022年6月17日号2面 実像 広がるキャッシュレス決済(上)デビットを安定収益源へ
「現金主義」の意識が強かった日本にもキャッシュレス(非現金)決済の波が押し寄せている。民間最終消費支出(内閣府調査)に対する非現金決済(クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード決済の合算)の比率は2011年に14.1%だったが、21年には32.5%と初めて30%を超えた。経済産業省は25年までに4割程度、将来的に80%まで引き上げる目標を掲げる。金融機関はキャッシュレスの流れをビジネス拡大につなげられるか。展望と課題を追う。
■コロナが通販後押し
足元でみて非現金決済が普及する要因の一つは、コロナ禍で非対面・非接触のオンラインショッピングを含む通信販売の需要が高まったことがあげられる。日本通信販売協会によると…
2022年6月17日号3面 金融機関、住宅融資に減速リスク、供給制約で着工下振れも
堅調な金融機関の個人向け住宅ローン実行に減速リスクが浮上している。今後の逆風になりうるのは、供給制約による新設住宅着工戸数の減少だ。2021年度実績の約87万戸に対し、22年度は8%減の約80万戸になるとの民間予測もある。
野村総合研究所は6月9日、ウクライナ侵攻やコロナ感染拡大などで供給制約が生じた場合、22年度の住宅着工が…
【写真】好調な新築住宅市場に減速懸念が
2022年6月17日号5面 三井住友銀行、排出量算定サービス開発、脱炭素への「入り口」提供
三井住友銀行はカーボンニュートラル実現に向けた持続的な取り組みのなかで、取引先の温室効果ガス(GHG)排出量を算定するデジタルソリューションを開発している。サプライチェーン全体のGHG排出量の算定を支援することで、企業が脱炭素への取り組みを検討するための“入り口”を提供する。
GHG排出量の算定は、企業にとって脱炭素実現への指針や具体的なアクションに向けた第一歩となる。しかし、社内に分散するデータの集約や専門的な知識を持つ人材が必要なことから、…
2022年6月17日号6面 鹿児島銀行、スマホ導入し営業効率化、業務アプリ独自開発
【鹿児島】鹿児島銀行は、業務用スマートフォン約1100台を導入し、営業効率を高める。現場目線で独自に開発したアプリを搭載し、担当者の負担を減らす。7月中にも営業支援機能を実装し、外出先で一定の顧客情報を確認できるようにする。対象は営業店で外訪活動する法個人の担当者と管理職。
独自に搭載する機能は、同行が開発したポータルアプリから使う。アプリ利用時は専用回線に切り替えて…
2022年6月17日号8面 信金キャピタル、事業承継の初期段階に接点、仙台・金沢新設し8拠点へ
信金キャピタルは、信用金庫の取引先の事業承継・M&A(合併・買収)を初期段階から支援する体制づくりを進める。地方拠点の整備では、2022年度中にも仙台と金沢に事務所開設を予定。外部機関と連携した支援プラットフォーム「しんきん事業承継コンソーシアム」の窓口として、課題解決機能を強化する。
信金中央金庫は新中期経営計画「SCBストラテジー2022」で、顧客基盤拡充の関連施策として、グループ会社の信金キャピタルによる事業承継・M&Aの取り組み強化を…
2022年6月17日号9面 豊田信金、高齢者向けコンサル強化、「家族信託」普及に尽力
【名古屋】豊田信用金庫(愛知県、藤嶋伸一郎理事長)は、高齢者向けコンサルティング事業を強化している。年間500件に上る相続関連の相談のうち、約半数を占める家族信託を中心に対応を積極化。信託融資を組み合わせた提案などで顧客ニーズに応え、家族信託制度の普及に力を尽くしている。
同信金は、2016年に専担部署「資産運用支援部相続遺言信託課」を設置。成年後見制度における家族内後見は2割程とも言われ、…
2022年6月17日号10面 三菱UFJモルガン・スタンレー証券、富裕層事業を収益の柱へ
ストック資産2兆円純増めざす
三菱UFJモルガン・スタンレー証券はウエルス・マネジメント(WM)事業を拡充し、ストック資産を2022~23年で1兆4千億円純増させる計画だ。米モルガン・スタンレー(MS)の人材育成ノウハウを活用して営業部門を強化。顧客の同意のもと三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)各社の情報を共有してアプローチする戦略を展開し、収益の柱として確立させる。
小林真社長が6月10日までにインタビューで明らかにした。小林氏は、「WMを投資銀行部門に次ぐ2本目の柱とし、収益の岩盤にしたい」との考え。同証券は、…
【写真】小林社長
2022年6月17日号19面 帯広信金、地場産品自販機が稼働、わがまち基金と拡販支援
【札幌】帯広信用金庫(北海道、高橋常夫理事長)が、事業者支援プロジェクト(PJ)の一環で設置をサポートしてきた地場産品の自動販売機が6月8日、稼働を開始した。
以降も拡大し、地元の帯広市や十勝地区を中心に計8台となる予定。自販機は、食品や土産品など、十勝名物の販路拡大に協力したい事業者らが運営する。
その名を十勝地区19市町村にちなむ…
【写真】「ホエー豚ぎょうざ20個」を購入した高橋常夫理事長(左、6月8日、帯広信用金庫本店)
2022年6月17日号20面 百五銀行日永支店、複合取引、コンサル収益16%増加
M&Aから不動産に波及
【名古屋】百五銀行日永支店(北出学支店長=行員16人うち渉外5人。パート11人)は、新たな収益源確保を目指す企業に対してコンサルティング営業を強化。M&A(合併・買収)仲介から不動産案件に結びつけることで新規融資や手数料収入を獲得した。2021年度のコンサル収益は2535万円と2020年度比356万円(16%)増加。2021年度上・下期と2期連続営業店業績表彰で努力賞を受賞した。
支店の運営方針に掲げるのはチーム、ネット、フット、ヘッド、デスクの5ワーク(仕事)。「周囲への感謝」「人脈の形成」「顧客との有効接点強化」「問題解決型の提案営業」「高い事務品質の徹底」への思いを込めた。コロナ禍では…
【写真】毎夕のミーティングで情報を共有(5月19日)