2022年6月24日号2面 実像 広がるキャッシュレス決済(下)次世代チャネル変革に挑む
店舗・ATMは20%減少
キャッシュレス決済の拡大は、顧客接点の在り方を大きく変えようとしている。多くの金融機関で従来型店舗やATMの統合・削減が加速。その一方、デジタル化や小型化などで業務を効率化した営業店のほか、スマートフォンを活用した新たな非対面サービスを強化する動きが広がる。過渡期にあるチャネル変革の現状をみた。
■進む店舗形態の転換
金融機関の店舗・ATMは、合併や統合などを背景に減少が続いている。店舗数(月刊金融ジャーナル「金融マップ」調べ)は過去10年間で…
【写真】現金の取り扱いが減る中、店舗ではタブレット機器などの活用が広がっている(5月13日、十八親和銀新大工支店兼馬町支店)
2022年6月24日号3面 金融庁・日銀、進むモニタリング“一元化”、連携強化で「進捗」公表
金融庁と日本銀行は6月17日、金融モニタリングの高度化や金融機関の負担軽減に向けた連携強化の進捗(しんちょく)状況を明らかにした。幹部級や実務者レベルといった階層別の会議体で検討を進め、大手行向けの共同調査・一斉ストレステストの実施や、金融機関が提出・報告する計表データの一元化を推進。高粒度データを収集・利活用するためのプラットフォーム構築に向けた実証実験も2022年度中に始める。
進捗報告では、21年3月に公表した連携強化の方針に基づき…
2022年6月24日号4面 信金が関心、親族間取引の住宅ローン、横浜信金などで開始
信用金庫界では、相続や離婚時などに発生する親族間取引に対応した住宅ローンへの関心が高まっている。3月に横浜信用金庫が、全国保証の子会社・みのり信用保証と多目的住宅ローン(マルチプラン)を共同開発。7月には東京都内の大手信金も同様のローンを予定するなど、追随の動きが出ている。
親族間の不動産売買は、これまでは価格の妥当性など複数の課題が原因で、ほとんどの保証会社が対応していなかった。その一方で…
2022年6月24日号5面 3メガ銀など参画、金融データ活用で協会発足、AI推進の汎用パターン作成
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行など大手行が参画する「金融データ活用推進協会」が6月22日に発足した。金融機関の実務目線で人工知能(AI)やデータの活用に取り組み、推進に生かす汎用(はんよう)パターンを作成する。金融業界のデジタル化とともに金融機関行職員のスキル向上を目指す。
金融機関のAI・データ活用を推進するため、金融データ活用の標準化を作成する。さらに金融業界および関係諸団体との連携と情報交換を進める。そのうえで、…
2022年6月24日号6面 十八親和銀行、“一気通貫”で起業家育成、学生向けにコンテスト
長崎市と連携しサポート
【福岡】十八親和銀行は、長崎発のスタートアップ企業育成を本格化していく。地元学生向けのビジネスプランコンテストで有望な人材を発掘し、長崎市らと連携した起業家支援プロジェクトで事業立ち上げまでを一気通貫でサポートする。
「長崎ビジネスプランコンテスト2022」の応募対象者は、起業を目指す長崎県内の大学生や高専の学生、留学生など。7~9月の全4回の教育プログラムでは、…
2022年6月24日号8面 大地みらい信金、完全子会社で地域商社、信金初・海産品など拡販
初年度売り上げ目標700万円
【札幌】大地みらい信用金庫(北海道、遠藤修一理事長)は7月1日、完全子会社では全国の信金で初となる地域商社を設立する。アジアなどへの輸出や日本国内への卸売り、EC(電子商取引)販売などを柱に、水産や酪農など、地盤の根室・釧路地区の特産・加工品の販売拡大やブランド化支援に取り組む。
銀行に対してすでに認められていた地域商社への100%出資が、2021年5月の法改正(同11月施行)で、信金でも可能になった。22年6月15日、北海道財務局で設立認可書の交付を受けた遠藤理事長は、…
2022年6月24日号11面 特集 地銀、コロナ禍の人材支援、相談・成約が急拡大
■体制・知見・データ構築
地方銀行の取引先人材支援が加速している。経営者の高齢化問題に加え、コロナ禍の環境変化で顕在化したDX(デジタルトランスフォーメーション)・新事業進出などに対応する人材の需要が高まった。2021年度の人材紹介に関する相談・成約件数は半数の地銀で2020年度比50%以上伸びた(図ー1)。地銀の人材支援の現状と課題を見た。
■32行が担当者増員で対応
人材支援の人員を「増やした・増やす予定」と回答したのは32行。「コロナ禍での経営課題の多様化」(東邦銀行)を背景に…
2022年6月24日号19面 城北信金、SNS活用進む、企業やアスリート紹介で
城北信用金庫(東京都、大前孝太郎理事長)は、地域企業や製品を紹介するウェブ媒体「NACORD」(ナコード)へのアクセスを増やすため、SNSを積極的に活用。本部の若手女性職員らが、コンテンツの取材・執筆・投稿・管理まで行い、情報発信が苦手な経営者をサポートする。
ナコードは、仲人とCORDS(絆)を合わせた造語。アクセスを増やすため…
【写真】ナコードのフェイスブック画面
2022年6月24日号20面 山口銀行富田支店、課題解決の提案活動、ソリューション収益5000万円
仮説立て改善へ導く
【広島】山口銀行富田(とんだ)支店(河内優支店長=行員19人、うち女性14人、パート3人)は、取引先企業の課題解決に注力している。デジタルトランスフォーメーション(DX)を活用して店内の情報を共有。カーボンニュートラル対応や人材支援など迅速かつ踏み込んだ提案により成果を上げている。2021年度のソリューション収益は、全店トップクラスの5千万円となった。
営業エリアの山口県周南市の主要産業は重化学工業。企業は、人材不足や脱炭素化対応など多くの…
【写真】定期会議で提案方針や進捗状況を共有する(6月2日)