2022年12月16日号2面 実像 専門人材を生かす(上)地域銀行に「理系」採用の波
地域銀行の新卒採用に理系学生確保という新しい波が起きている。2023年卒の新卒採用活動では、地域銀97行・グループ(G)の4割に上る39行・Gが理系の大学(院)生を確保した。就職人気の低迷が叫ばれ、採用活動の苦戦が続く地域銀が、なぜ専門人材を採ることができたのか。その背景に迫った。
■コース別で学生興味
「IT・デジタル人財採用コースが用意されていることもあり、広島銀行に志望を決めました」――。四国地方の国立大学4年生で広島銀に内定したAさん(22歳)は志望理由をそう話す。同行は総合職に…
【写真】横浜銀行はシステムの運用・開発・保守などを担当するICTや、データサイエンスなどコースごとにオープンカンパニーを開催している(同行提供)
2022年12月16日号5面 3メガ銀、国際資金利益が拡大、三菱UFJ銀行は国内と逆転
メガバンク3行は本業の資金利益の国際化が進んできた。これまで貸出金や有価証券運用などで稼ぐ資金利益は国内部門が国際部門よりも大きかったが、三菱UFJ銀行の2022年9月期は国内資金利益3529億円に対し、国際が4702億円と逆転した。みずほ銀行と三井住友銀行も近年、国内外の差は縮まっており、海外ビジネス戦略が実を結んでいることが見えてきた。
足元では、欧米を中心とする世界経済の変化が大きく影響した格好だ。海外貸出金は、…
2022年12月16日号6面 群馬銀行、政策株を5年で半減へ、保有先を全先訪問
群馬銀行は、2027年3月までの5年間で上場政策保有株式の簿価200億円縮減を目指し、全保有先訪問を始めた。面談では新たな提案も行い、関係再構築につなげる。同行が縮減目標を掲げるのは初めて。地域銀行でも明確に打ち出す例は珍しいという。
同行は、15年3月末に簿価ベースで663億円(うち上場株640億円)あった政策株を22年3月末に413億円(同382億円)まで減らした。今回の縮減計画は、…
2022年12月16日号7面 中京銀行、融資関連手数料が好調、課題解決策の蓄積結実
【名古屋】中京銀行では、顧客の課題解決に向けて蓄積してきたソリューションが実を結んできている。2022年4~9月のソリューション関連手数料は7億1千万円と前年同月末比で約2億6千万円増加。同手数料の大半を占める課題解決型融資手数料の伸長が寄与した。
課題解決型融資は、事業承継や設備投資など、事業者それぞれの課題に対するソリューションの一つ。資金提供にあたり、…
2022年12月16日号8面 京都中央信金の地域商社、インテリア展示場開設、伝統産業を世界へ発信
【大阪】京都中央信用金庫の地域商社「京都アンプリチュード」(首藤晃弘代表)は12月9日、受注販売するインテリアの展示場を開設した。建築業者やデザイナーらを招き、製品や素材を紹介する。
同信金は伝統産業への支援強化のため、7月4日に同社を設立。和紙や竹などの素材や加工技術を生かしたインテリア開発の支援に加え、…
【写真】マップケース内の素材をながめる門川大作・京都市長(12月9日、京都アンプリチュード展示場2階)
2022年12月16日号9面 信金中金、SDGsツール充実、中小機構を招き交流会
信金中央金庫は、信用金庫に対してSDGs(持続可能な開発目標)に関する新たな経営者との対話ツールを提供する。リーフレットや動画を通じて渉外のレベルアップや経営者の取り組みを促す。12月2日には、同ツールを紹介する機会として2回目のSDGs情報交換会をオンラインで開催。中小企業基盤整備機構から講師を招き、信金取引先へのSDGs推進の要点を学んだ。
信金中金が12月までにまとめた「中小企業におけるSDGsへの意識、取り組み実態」の調査結果によると、…
【写真】SDGs情報交換会では中小機構の日景氏(右から2人目)が経営者のスイッチの入れ方を解説(12月2日、信金中金)
2022年12月16日号16面 特集 2022年度上期生保窓販実績、終身保険が8割超増加
地域金融機関の2022年度上期の「生命保険窓販実績」(回答ベース)がまとまった。一時払い終身保険は、前年度下期比84%増と、2020年度下期以来の増加に転じた。海外金利の上昇に伴って、販売件数の80%を占める外貨建て商品の魅力が高まったことが背景にあるとみられる。一時払い定額個人年金保険も同98%増と好調に推移した。地方銀行62行、第二地方銀行37行、2022年7月末で預金残高5千億円以上の82信用金庫を対象に調査した。(詳細は「ニッキンレポート」11月14日号から順次掲載)
■終身保険、3業態計で20万件超
一時払い終身保険の販売件数(3業態合計)は…
2022年12月16日号19面 城北信金、YouTubeで取引先商品紹介、改正信金法の付随業務・全国初
城北信用金庫(東京都、大前孝太郎理事長)は12月7日21時に、YouTubeに開設したチャンネル「JoynTV!」の配信を始めた。地域の中小企業の魅力ある商品を紹介する。「金融機関が取引先を紹介するチャンネル開設は全国でも初」(総合企画部)という。
2021年施行された改正信用金庫法による信金の付随業務(地域活性化等業務)として実施。SNS活用が…
【写真】動画のサムネイル
2022年12月16日号20面 宮崎銀行国分支店、資金繰り改善、融資組み換え負担軽減
「成長環境」創出
【鹿児島】宮崎銀行国分支店(花畑晃洋支店長=行員23人<住まいのプラザ含む>、営業係=事業者渉外6人)は、取引先企業のビジネスモデルや将来にわたる受注動向を見極め、顧客の課題解決につながる資金を供給する。必要に応じて財務状況を点検し、成長投資に踏み出せる環境を創り出すのが特徴だ。他金融機関が関係する難易度が高い案件でも本部と連携し、課題解決に挑戦する。
取引先の「マイクロカット」社は、半導体製造装置や光通信機器の部品加工を手掛け…
【写真】高木治邦代表取締役(左)から新工場の稼動状況を聞く花畑晃洋支店長(左から2人目)ら(11月24日、マイクロカット第9工場)