2022年12月2日号2面 実像 CBDCが描く決済の未来(上)「発行」段階、世界が視野
中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入に向けた取り組みが世界的に活発化している。電子商取引(EC)が普及するなか、対価の支払い手段として汎用(はんよう)性があり利用コストのかからない「お金」のデジタル化ニーズは強まる。先進国中銀の多くは、調査研究から実証実験フェーズに進み、金融包摂や経済安全保障の観点から導入動機のより高い新興国では、すでに運用・浸透するケースも。ブロックチェーンなど最先端技術の発展も相まって歩みを速めるCBDCの動向に迫る。
■中銀の6割「実証実験」
誰でも、いつでも、どこでも、安心して使える―――。世の中に広く流通する現金が持つべき“特性”だ。新興国を含め…
2022年12月2日号4面 地域銀行、2022年9月末のNISA実績、福岡銀行が口座数トップ
投資信託の窓口販売をしている全金融機関を対象に、2022年9月末時点のNISA口座数を本紙が独自に調査した。その結果、地方銀行では福岡銀行が17万5970口座、第二地方銀行では北洋銀行が6万4043口座でそれぞれトップとなった。政府の資産所得倍増プランではNISAの拡充が柱となっており、今後は国民の関心が一段と高まる見通し。金融機関には、中立的で顧客から信頼される助言が求められている。(詳細は「ニッキン投信情報」11月28日号に掲載)
投信窓販をしている全金融機関365先のうち、306先から回答を得た。NISA口座数は「一般NISA」「ジュニアNISA」「つみたてNISA」の合計。前回の調査は22年6月末。
NISA口座数は全体で351万3652口座となり…
2022年12月2日号5面 りそなHD、承継関連収益300億円へ、信託併営の強み生かす
りそなホールディングス(HD)は中堅・中小企業の事業承継対策を強化し、グループの承継関連ビジネス収益を早期に年300億円へ拡大する。信託併営の商業銀行グループとして、多様化する事業承継ニーズに幅広いソリューションをワンストップで提供する。南昌宏社長が11月30日までにインタビューで明らかにした。
南社長は事業承継ビジネスについて、「国や企業の困りごとに信託併営の商業銀行として最大限に機能を生かすことができる」と強調。そのうえで…
【写真】事業承継ビジネスについて話す南社長
2022年12月2日号7面 高知銀行、インターバル活動で成果、事業性評価へ意識醸成
【高松】高知銀行は、取引先企業の経営課題を集中的に洗い出す「インターバル活動」に取り組み、提案営業で成果をあげている。インターバル活動は、2021年度に4回・約3800社で実施。各社の経営課題から潜在的ニーズを見いだし、最善の提案で課題解決と収益化を図ることが目的。事業性評価シートの作成などを通じて全営業店の意識醸成にもつながった。
22年度は、対象を絞り込み課題のさらなる深掘りに挑戦している。6~7月に22カ店で製造業32社の課題を…
2022年12月2日号8面 信金中金、しんきんコネクトで販路支援、会員登録は5354社に
信金中央金庫は、ビジネスマッチングサイト「しんきんコネクト」による販路開拓支援実績が開始1年余りで会員登録5354社・商談件数830件に達するなど好調だ。信金中金の本支店で、データベースを基に主体的な商談コーディネートに注力。同サービスの利用は足元で218信金に拡大した。
「しんきんコネクト」は2021年9月にスタート。コロナ禍で大型商談会のリアル開催が困難になるなかで、…
2022年12月2日号9面 稚内信金、業務の改廃を全庫で推進、預金移管手続きなど効率化
【札幌】稚内信用金庫(北海道、増田雅俊理事長)は、業務の改善・廃止を促進する「引き算プロジェクト(PJ)」を展開している。各部店から集まった提案は約200件。既に10月から、相続預金の受け取りや預金の移管などで、手続きの効率化に着手。2023年度からの予定分と合わせ、十数件の改廃を実行する方針だ。
「普段から効率化を進めていれば、こうした『大掃除』は必要ない。PJの展開で、改善に日頃から取り組む意識を高めたい」(増田理事長)。22年度、6月までアイデアを募集し、…
2022年12月2日号17面 MS&ADHD、2025年度末までに6300人削減、人件費200億円圧縮
MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス(HD)は、現中期経営計画(2022~25年度)の4年間で、人員削減を柱とした大胆な収益構造改革を展開する。中核生損保3社の社員6300人を削減し、200億円の人件費を圧縮。さらに損保2社の事務や商品を共同化し、物件費も減らす。強靱(きょうじん)な収益体制の構築へ、中計最終年度までに21年度比460億円の経費削減を目指す。
11月22日開催の「インフォメーションミーティング」で原典之社長が発表した。人員削減の対象は、…
2022年12月2日号21面 北洋銀行、空き店舗「子どもの居場所」に、建物賃貸で整備事業に協力
【札幌】北洋銀行は、空き店舗建物の賃貸などを通じ、北海道北広島市が進める「子どもの居場所」の整備事業に協力する。近隣支店への店舗内店舗化で空き物件となっていた旧・西の里支店(北広島市西の里)の施設を活用し、同市が学習室や遊戯スペースなどを開設。家庭や学校に居難い子供たち、放課後の生徒・児童らを原則無料で受け入れる。
賃貸借契約や改修、住民への説明などを経て、2023年8月に「児童活動センター」としてオープン予定。
不登校や虐待を受けた学齢期以降の市内の子らに安全な場を用意し…
【写真】「児童活動センター」の室内イメージ(北広島市提供)
2022年12月2日号22面 福井銀行松岡支店、グループ連携、酒の新名所プロジェクト支援
「人」との協力を重視
【金沢】曹洞宗の大本山・永平寺を抱える、福井県永平寺町。中部縦貫自動車道の岐阜県白鳥エリア延伸が2026年に控えるなど、観光産業のさらなる成長が見込まれている。同町にある福井銀行松岡支店(北坂竜平支店長=行員22人うち渉外10人、パート2人)は、取引先の課題に営業店だけでなくグループ会社とも連携して対応。「銀行」の枠にとどまらない支援策が顧客の信頼を高めている。
同町は観光資源が豊富で、北陸自動車道が近く近隣地域では物流業も盛ん。県内最大規模の一級河川…
【写真】「エシコト」内のスパークリング日本酒の二次発酵室の前で情報を交換する北坂竜平支店長(左)と水野直人社長(11月18日)