2022年12月9日号2面 実像 CBDCが描く決済の未来(下)日本型「最適解」、官民で模索
民間デジタル通貨を含め決済インフラが全国に張り巡らされ、現金ニーズも根強い日本は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行に対する切迫感が薄い。半面、ビジネスの電子化に比べて後れを取る「金流」のデジタル対応は急務で、その解決へCBDCに寄せる期待は強まる。ただ、導入・発行時の過度な預金流出懸念など金融界として詰めるべき論点は幅広い。決済のあるべき未来像を探りながら日本型の「最適解」を導く必要性が高まっている。
■“金流”デジタル化急務
現金大国の日本。通貨流通高は125兆円(10月末時点)。対GDP(国内総生産)比は20%を超え、諸外国より高い。預金取扱金融機関も500を上回り…
2022年12月9日号3面 デジタル庁、公金受取口座の普及加速、「不同意なし」で自動登録
デジタル庁は、緊急時の公的給付金などを受け取る金融機関口座の登録を加速させるため、給付対象者の「不同意」がなければ行政機関経由で自動的に口座を登録する特例制度を創設する。2023年通常国会への提出を目指すマイナンバー法改正案に制度創設を盛り込む方針だ。
行政機関から受給者に対して口座登録の意思確認を求める通知を出し…
2022年12月9日号5面 埼玉りそな銀行、非対面の相談機能強化、運用商品推進に時短勤務者活躍
埼玉りそな銀行は、資産運用の非対面取引を強化する。オンラインツールを使って店頭と同等のサービスを提供し、顧客の理解度を高めたうえで投資商品の販売・契約につなげる考え。2023年度から新たな推進体制を構築し、これまで取引拡大が難しかった現役世代などを開拓する。
同行は23年3月末までに、店頭で取り扱う投資商品をオンラインで相談しながら契約完了できる仕組みを導入する。福岡聡社長はインタビューで、…
【写真】インタビューに答える福岡社長(12月5日、本店)
2022年12月9日号7面 京都銀行など3行、EC通じ相互送客、地場産品の消費拡大支援
秋田銀行、京都銀行、西日本シティ銀行の3行は11月28日、EC(電子商取引)サイトを通じた顧客の相互送客を開始した。各行子会社などが運営するモールを、NTTデータのポータルサイト「&WA(アンドワ)」で連携し、地場商品の地産外消を促進。消費拡大を支援する。
コロナ禍や取引先企業の本業支援注力をきっかけに、地域銀行ではグループ会社などでECサイトの開設が活発化している。他方、商圏が限定されるため、…
2022年12月9日号8面 北おおさか信金、人材紹介54件取り次ぎ、きたしん総研が主導
【大阪】北おおさか信用金庫(大阪府、須戸裕治理事長)の子会社「きたしん総合研究所」の人材紹介業務が好調だ。7月から本格的に取り組み、11月末までの5カ月で取り次ぎ案件は54件。このうち7件がマッチング成約した。同信金営業店との連携と、同社会員3千社への独自のアプローチによる人材ニーズの把握が成果の要因だ。
信金本体ではなく子会社で行うのは、同社が持つ約3千社の有料会員と、20年間各種コンサルティング実績があるため。同総研は2月に…
【写真】きたしん総研は、北おおさか信金のビジネスマッチングフェアに出展し人材紹介の相談に対応(11月9日、マイドームおおさか)
2022年12月9日号9面 鹿児島相互信金、鯉料理店の承継実現、大崎町スキームで第1号
【鹿児島】鹿児島相互信用金庫(鹿児島県、永倉悦雄理事長)が大崎町役場や商工会と連携し、地元事業者の事業承継を成立させた。産官金で支援したのは鯉を育て、料理店も併設する養魚場の引き継ぎだ。ライトライト社が運営するウェブサイト「relay(リレイ)」を活用し、町内外から後継者を募り、開始3カ月で決まった。
11月25日、高井田養魚場に東靖弘町長や同信金の大迫哲也専務、商工会首脳らが集まり、…
【写真】高井田養魚場内で話す牧之瀬氏(左)と純浦氏(右、11月25日、大崎町)
2022年12月9日号18面 十六FG、2023年度から“成長促す評価”へ転換
「エキスパート制度」導入
【名古屋】十六フィナンシャルグループ(FG)は、2023年4月から新人事制度を導入する。年齢を問わず意欲ある社員に成長の機会を与え、目指す姿や才能、個性を評価に反映させることで、“差をつける評価”から“成長を促す”プラス評価に転換させる。
制度の柱には、社員の理想像とグループ経営理念とを重ね合わせて「実現したいこと」などを目標化する「マイビジョン・コミット」を中心に、…
2022年12月9日号17面 CRD協会、信用力評価モデル簡易版、入力負担軽減で普及へ
中小企業の財務データを集積・提供するCRD協会は、預金口座情報を用いた信用力評価モデル「T‐Forest」の新版を開発し、12月から会員金融機関向けに案内を始めた。既存型と比べ入力項目を減らしたのが特徴。デフォルト予測精度の低下は最小限に抑えており、入力負担からモデル導入を控えていた金融機関への普及を見込む。
既存型はモデルに投入する入出金情報を、「売り上げの入金」「借り入れの入金」「仕入れの出金」「借り入れ返済の出金」など10項目程度のグループに分けて…
2022年12月9日号20面 みちのく銀行十和田支店、店内連携、取引先の課題や悩み共有
保証残高は県内トップ
【仙台】みちのく銀行十和田支店(石村彰浩支店長=行員25人うち法人営業担当9人。パート12人)は、法人取引先の課題や悩みを行員同士で共有しながら連携し、解決に結びつけている。取引の有無にかかわらず若手経営者との独自の勉強会を開催し、地域の交流の場としての活動にも貢献する。青森県信用保証協会の9月末保証債務残高では、県内金融機関全店でトップを走る。
同行は、2025年1月に青森銀行との合併を控えていることから、新規取引先の開拓を一時ストップしている。石村彰浩支店長は2022年4月に着任。担当者が既存取引先の課題を見いだし…
【写真】竹ヶ原直大・竹ヶ原農産代表取締役から国内に7台しかないという海外製の巨大トラクターの説明を受ける担当者(左)と石村彰浩支店長(11月22日、竹ヶ原農産)