2019年7月26日号3面 全銀協 2020年度税制改正要望、国際課税の公平性確保
連結納税見直しも注視
全国銀行協会は7月18日、2020年度の税制改正要望をまとめた。NISA制度の恒久化や確定拠出年金制度の拡充を継続して掲げる一方、国際課税の公平性確保や連結納税制度の見直し、SDGs(持続可能な開発目標)関連の投資促進、所得拡大促進税制の使い勝手を高める要望などを打ち出した。
新規要望の一つが、海外進出の形態の違いで生じる税負担の公平性の確保。在外拠点の所得に対する…
【写真】全銀協が入る朝日生命大手町ビル
2019年7月26日号2面 金融庁、外部委託先の管理強化促す、クラウド利用が拡大
障害時対応に課題
金融庁は外部ベンダーが提供するシステムを利用する金融機関に対し、リスク管理態勢の再構築を促す。自前構築を前提にしたサイバー攻撃やシステム障害への対策では対応しきれないためだ。典型例が銀行界でも広がり始めたクラウド型の活用で、適切な対策の確立を求める。
外部システムを利用する場合、従来とリスク管理手法が異なる。最大の違いは…
2019年7月26日号4面 三井住友信託銀行、投信・投資一任を拡大、顧客本位の営業展開
三井住友信託銀行は、投資信託やファンドラップなど投資一任運用商品の販売で、顧客本位の業務運営を高度化する。販売担当者の専門性向上、残高拡大への施策、顧客へのアンケートを通じた担当者のコンサルティングスキルの向上などに取り組む。販売額が減少する厳しい環境のなかでも、顧客サイドに立った営業展開で残高増の取り組みを強化する。
同行の投信と投資一任の2018年度の販売額合計は、9656億円と14年度に比べ…
2019年7月26日号4面 インタビュー 全銀協5委員長に聞く(下)
SDGsの活動支援、コンプラの実効性確保
米花・公共委員長(三菱UFJ信託銀行専務執行役員)
――持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みは。
「2018年度はSDGsの取り組み元年として、会員行へのアンケートや…
電子化の流れを加速、東京五輪で対応力示す
有田・事務委員長(みずほ銀行常務執行役員)
――就任の抱負を。
「お客さまの利便性向上と業務効率化の両輪で取り組んでいく。手形・小切手や…
【写真】有田・事務委員長(みずほ銀行常務執行役員)(左)、米花・公共委員長(三菱UFJ信託銀行専務執行役員)
2019年7月26日号6面 地銀、海外送金手数料引き上げ、窓口扱い1件8000円も
マネロン対策の負担増
地方銀行で海外送金手数料の引き上げが相次いでいる。マネーロンダリング・テロ資金供与対策の厳格化が求められるなか、対応する行員の増員や新たなシステム導入に伴うコスト負担が重くなっているためだ。窓口取引の引き上げ幅が大きく、業務効率化に寄与するウェブ取引の利用を促す狙いもある。
十六銀行は7月22日に手数料を改定した。窓口から海外へ送金する場合、…
2019年7月26日号7面 広島銀行、預かり資産戦略を加速、証券共同店舗18カ店に
FP資格者2000人へ
【広島】広島銀行は、預かり資産戦略を加速する。7月以降、ひろぎん証券との共同店舗を拡大。FP関連資格保有者数を2千人体制とする。このほか、資産形成を考える顧客向け説明会も積極化。2019年3月末に突破した金融商品保有残高1兆円の足固めとし、非金利収入の増加につなげる。
ひろぎん証券との共同店舗は18年以降15カ店を設置。19年7月22日には…
2019年7月26日号8面 京都信金、店舗評価に顧客の声、年2回・2万5000先へ調査
課題解決型営業を徹底
【大阪】京都信用金庫(京都市、榊田隆之理事長)は、早ければ2019年度下期から顧客アンケート結果を店舗評価制度に組み入れる。17年度に各店舗の数値目標を撤廃し、活動を重視する「プロセス評価」を導入。「課題解決型営業を徹底」(同信金)するなか、「顧客の声」という新たな指標を評価項目に加え、取り組み内容のレベルアップを図る。
アンケートは、窓口を利用する客と事業性融資取引のある企業で、…
2019年7月26日号9面 信金界、膨らむ信金中金預け金、2019年3月末、30兆円超え
低金利継続と余資増加で
信用金庫の信金中央金庫への預け金が増え続けている。過去10年で10兆円以上増え、2019年3月末時点では前年同月比2.1%増の30兆565億円となった。同5月末残高は32兆7074億円まで増えている。低金利環境の継続により、余裕資金の運用先として頼らざるを得ない状況が定着している。
預け金残高は10年前の2008年度末に18兆1259億円だった。12年度以降は…
2019年7月26日号18面 宮崎銀行、新卒採用枠にITコース、配属先はデジタル部門
専用研修体系を検討
【鹿児島】宮崎銀行は、2020年4月入行の新卒採用枠に「ITコース」を設けた。情報工学や金融工学、統計学などを専攻した学生のほか、「これまでの銀行の常識にとらわれない柔軟な思考能力を持つ人材」(岩満美貴子人事部長)を求める方針。給与体系や昇進・昇格などは総合職と同じ待遇にするが、配属先はIT戦略室などのデジタル部門。初年度の採用枠は数人を計画している。
選考解禁となった6月1日以降、ITコースを希望する学生は…
【写真】IT戦略室の新オフィス。円形デスクを設置してフリーアドレスを採用(7月16日)
2019年7月26日号20面 中国銀行広島西支店、経営者と対話し展望語る、ニーズ探りコンサル実行
役務収益の目標比153%
【広島】中国銀行広島西支店(大森隆重支店長=行員19人うち女性9人。ビジネススタッフ4人)は、企業経営者との深い対話からニーズを掘り起こし、有償だけでなく無償のコンサルティングにも活動の幅を広げる。その結果、2018年度下期は法人役務収益で目標比153%を達成し、優良店舗表彰を獲得。積極的な提案から融資取引の拡大やメイン化にもつなげている。
県外店の同店は、法人先が取引の主体でメイン先は少ない。大森隆重支店長は融資量の増加にこだわらず…
【写真】岡本電機の岡本俊雄会長(左)と業界展望を語り合い、経営に役立つ情報の提供などに努める大森隆重支店長(中央)と岸本裕希氏(7月16日)