2019年7月5日号17面 金融界の2019年株主総会、将来像問う声目立つ、スルガ銀行は混乱
金融界(銀行、証券、保険、日本郵政)の2019年3月期決算の定時株主総会が、6月27日までに終了した。収益環境が一段と悪化するなか、地域銀行では合併・再編を含めた将来像を問う声が目立った。スルガ銀行は投資用不動産をめぐる不正融資に関連した質問が相次ぎ、怒号が飛び交うなど混乱した。
日本銀行によるマイナス金利政策や人口減少などを背景に、特に地方においては……
【写真】小雨の降るなか会場に入るふくおかフィナンシャルグループの株主
2019年7月5日号2面 金融庁の新体制(上)、遠藤長官は続投、企画市場局長に中島氏
金融庁は、7月5日付で幹部人事を発令した。遠藤俊英長官(60)は続投し、人口減少など構造問題を抱える地域銀行のビジネスモデル改革や金融検査マニュアル廃止に向けた環境整備を進める。局長級以上では7人中4人が交代する。金融審議会作業部会が示した報告書で老後に必要な金額2千万円の試算が国会論戦に発展し、担当として矢面に立った三井秀範・企画市場局長(60)は定年で勇退。後任には総括審議官の中島淳一氏(56)が就く。
中島氏は金融法制度に精通し、銀行グループがフィンテック対応を…
2019年7月5日号3面 金融界、資産形成の機運高まる、「2000万円問題」受け
横浜銀行の年金試算、利用急増
老後の必要資金が2千万円不足すると指摘した金融審議会の報告書を契機に、国民の資産形成に対する関心が高まっている。金融機関では顧客からの問い合わせが増加。資産形成をサポートする役割が増すとともに、ビジネスチャンスにもなっている。
資産運用相談などが増えているかについて大手各行は明言を避けるが、…
【写真】横浜銀がLINE登録者に送ったメッセージ
2019年7月5日号3面 日銀、地域銀行の「越境貸出」注視
3割に信用リスク管理課題
日本銀行は、都市圏などの近隣地域を中心に伸び率を高める地域銀行の「越境貸出」の動向を注視している。地域銀は近年、本店所在地で店舗網の効率化を進める一方、経済活動が活発な都市圏への出店攻勢を強化。各地域で競争激化による貸出金利の低下圧力も高まっている。「越境貸出における信用リスクや採算の管理強化が重要」(日銀)と指摘している。
日銀の分析によると、近年の地域銀の貸出は…
2019年7月5日号4面 3メガバンクG、勤務時の服装を軽装化、グループ各社に拡大
活発な職場づくりへ
3メガバンクグループ(G)は、勤務時の服装の自由度を広げている。落ち着いた色合いのスーツ一辺倒から、職場によってはポロシャツやジーパンでも執務可能だ。自主性を重んじ、自由で活発な職場環境の醸成が狙い。
三井住友フィナンシャルグループ(FG)では、三井住友銀行で7月1日から…
2019年7月5日号5面 大手生保4社、人生100年時代商品が好調、幅広いニーズに対応
長生き年金や健康増進
大手生命保険各社が推進に力を入れる“人生100年時代”に備えた保険商品の販売が好調だ。代表的な商品には長生きリスクに備えた「トンチン年金」や健康寿命の延伸に資する「健康増進型保険」などがあり、各社で注力分野は異なる。大手生保4社の売れ筋商品を中心に、特徴や営業現場での販売支援策などをまとめた。
日本生命保険は4月、約10年ぶりに医療保険を改定し、入院給付金を一時金で支払う…
【写真】生保各社が「人生100年時代」をテーマにした商品を投入。売れ行きも好調だ
2019年7月5日号8面 信金界、職員数11万人割れ、採用難で新卒確保に苦慮
女性も13年ぶり微減
信用金庫業界で、職員数減少の勢いが強まっている。信金中金地域・中小企業研究所の統計によると、新入職員を迎えた4月末、全信金の合計職員数は前年同月比2.3%(2602人)減の10万9529人となった。減少率・人数の規模は、2006年4月期以来の水準。女性職員数も13年ぶりに減少した。業務効率化に合わせて採用人数を抑えている面もあるが、新規卒業者採用で計画人数を確保できていない信金も多い。
信金の職員数は、99年6月に15万人を割り込んだ。以降、4月末時点の人数は…
2019年7月5日号9面 全信中協・全信組連、一体運営スタート、内藤氏が理事長兼務
人事制度一本化も視野
6月28日、全国信用組合中央協会の通常総会、全国信用協同組合連合会の定時総会、両組織の理事会が開かれ、内藤純一・全信組連理事長(67)が全信中協理事長を兼務する新体制が発足した。渡邉武・全信中協会長(77)は全信組連副会長、山本明弘・全信組連会長(73)は全信中協副会長をそれぞれ兼務し、両組織の一体運営が本格的に始まった。
両組織は、2018年11月の臨時総会で役員選任に関する規定を変更。全信中協に…
【写真】内藤理事長は「信組を強力にバックアップする体制を作る」と話した(6月28日、都内)
2019年7月5日号10面 第15回労金大会、SDGs達成へ意識醸成、人生100年時代に対応
全国労働金庫協会と労働金庫連合会は6月27日、東京都内のホテルで「第15回全国労働金庫大会」を開催した。全国13労金の理事長や全国労働者共済生活協同組合連合会などの関係者約250人が参加。3月に労金協が策定した「ろうきんSDGs行動指針」を徹底し、組合員や非営利団体とパートナーシップを深めることを確認した。
労金協・労金連の中江公人理事長は“変化と多様性”をキーワードに掲げ、…
【写真】「SDGs達成をろうきん運動に位置づけ、全役職員が自分事として行動しよう」と話す中江理事長(右、6月27日、ホテルラングウッド)
2019年7月5日号20面 鹿児島銀行日当山支店、地域活動に参加し関係構築、写真提供で親密に
九州FG証券と連携も
【鹿児島】鹿児島銀行日当山(ひなたやま)支店(西原万治子支店長=行員8人うち女性6人。パート2人)は、地域住民同士のつながりが強固であることに目を付け、地元行事に積極的に参加し関係を深めている。また、九州FG証券と連携し商品の情報提供を積極的に行っている。
日当山支店は2018年10月、「個人特化店」に移行し、預かり資産と個人ローンを主力商品としている。西原万治子支店長は……
【写真】南日本建設の松元政信社長(右)を訪問する西原万治子支店長(6月24日、南日本建設)